イスラエル企業がγ腺防御技術を
The Times of Israelのウェブサイトより
Israel’s StemRad inks $4.5m contract to shield US troops from gamma radiation (msn.com)
Israel’s StemRad inks $4.5m contract
to shield US troops from gamma
radiation
(イスラエルのStemRad社、アメリカ
軍兵士をγ放射線から守る技術の供給
を、450万ドルで契約)
イスラエルのStemRadという放射線
防御用品の企業が、ヒトをγ腺から
守る技術を開発、アメリカ軍などに
販売するかも、というニュースです。
放射線はいずれも人体に有害ですが、
γ腺は特に貫通力が強く、防御し
にくいのは有名ですよね。それから
人体を守れる技術ができたのなら、
それ自体は良い知らせなのですが ・・・
そもそも、核兵器と核発電を廃絶
すれば、もっと効果的で安価な
「防御策」になるはずでして。
では、いつもどおり
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
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Sharon Wrobel記者
2023年12月22日
γ腺は人を死に至らせる危険性を有して
いるが、イスラエルで開発した技術が、
アメリカ軍兵士たちをそのγ腺から守る
ことになりそうだ。これがあれば
アメリカ軍兵士たちは、アメリカ国内
での核事故に対して対応しやすくなる。
イスラエルのStemRad社は放射線
防御服を開発している企業で、その
防御技術は宇宙探索や緊急対応、軍隊、
核発電作業員、医療人員などに活用
されている。そのStemRad社が
アメリカ国防省と、450万ドルの契約を
締結した。同社の放射線防御シールドを
アメリカ警備隊(National Guard)に
導入するためだ。.
この契約の一環として、イスラエルと
アメリカにまたがった企業である同社
は、360 Gammaという放射線防御用
ベルト630着を、アメリカ国内での
放射線事故などに対応する陸軍や空軍
の人員に供給する。こうした事態と
しては、ダーティ ボムやテロリスト
や敵国軍による攻撃、原子炉のメルト
ダウンなどの事故、その他がある。
さらにStemRad ではケンタッキー州
レキシントンにある国家警備隊事態
対応支援センター(National Guard
Consequence Management Support
Center)にて現地でのトレーニング
も行う。
「この21世紀、核と放射線の脅威は
増大の一方だ」 そう語るのは、
StemRad社のCEOを務めるOren
Milsteinだ。「ウクライナ島南部に
ありヨーロッパ最大の原発である
ザポリージャ原発を現在ロシア軍が
占拠している。イランや北朝鮮と
いったいくつかの国々も、核兵器
保有を目指しているか、既に保有
している」
「そうした展開の中、緊急事態対応策と
緊急対応人員を有害なγ線から守ること
の重要性が浮き上がる」とMilstein は
述べた。
イスラエルとアメリカにまたがった企業
であるStemRadは、2011年の福島第一
事故を受け、緊急対応人員を保護する
技術を開発しようと、Milstein と Daniel
Levittとが設立した。原発事故などでは
緊急対応人員は、貫通力の極めて強い
ガンマ線に被ばくしてしまう。
StemRadの放射線防御スーツは、原発
の作業員や放射線を浴びる緊急対応員、
内科医、軍人、宇宙飛行士などを防御
するために使用される。
テル アヴィヴに本社を置くStemRadは
アメリカのフロリダ州タンパ ベイにも
オフィスを有しており、生物学の専門家
や核物理学者、産業デザイナーたちの
チームを擁している。その中には、
ノーベル賞受賞者3名もいる。
現在までに同社は1,600万ドルを集めて
おり、リード投資家Jeff Vinikの支援を
受けている。Vinikは以前にはFidelity社
でヘッジ ファンド マネジャーを務め、
またフロリダのホッケー チーム「タンパ
ベイ ライトニング」(Tampa Bay
Lightning)のオーナーでもある。さらに
Alex Gurevich博士は以前、JP Morgan
ならびにタンパ ベイの <資産家で
ある> パテル一家で、グローバル
マクロ トレーディングのヘッドで
あった。
StemRadの技術は全身を保護しようと
するものではなく、放射線に対して特に
敏感な内臓器官を選んで保護する。
そうした器官の例として、腰や背骨の
骨髄や胃腸がある。
γ線に被曝すると、放射線障害を起こす
危険がある。以前には急性放射線症候群
と呼ばれていたもので、血液細胞の破壊
の加速、骨髄の損傷が続くため血液細胞
の補充ができなくなる、などの問題が
生じる。新たな血液細胞を作り出すには
骨髄 <の健全な機能> が必要だ。
全身の骨髄の約50%は鼠径部ならびに
胴体の中央部にある。そうした個所を
StemRadのスーツが保護するのだ。
これにより、作業員や緊急対応員は
放射線の悪影響から保護され、しかも
他人を助けるために必要なだけの体の
自由な動きを維持できる。
「人体保護のための製品として弊社の
製品が承認を得たので、2024 年から
2025年にかけてアメリカ軍の他の部門
いくつかも弊社の技術の購入を検討して
いる。今後何か月かで、アメリカ本土の
防衛を任務としているアメリカ軍の
警備隊以外の各種部門も弊社の製品を
入手することとなろう。さらにその後
には、戦闘部門にも進出する計画だ」
とMilsteinは述べている。
「さらにその他の顧客候補としては、
核発電企業、アメリカ以外の軍隊
(NATO加盟諸国など)、人口が密集
した大都市の消防隊員などがある」
とも、彼は述べている。
2023年これまでに、StemRadはその
360 Gamma放射線シールドを60着、
ウクライナの緊急対応や緊急救助
サービスに寄贈した。ザポリージャ原発
の近辺に配備されている人員だ。この
シールドはベストの一種で身体に着用
するのだが、それをMilstein 自らが
キーフに届けた。ウクライナ南部に
ある原発へのたびたびの砲撃やロシア
のヴラディミール プーティン大統領
による核兵器使用の脅しなど、
ウクライナでの戦争の展開を受けて
のことである。
アメリカ国防省以外にも、StemRadは
<イスラエルの> ディモナにある
ネゲヴ核研究センター(Negev Nuclear
Research Center)やアメリカの議会
衛視、さらにはアメリカと日本の
いくつかの消防署とも契約を締結して
いる。またMilsteinによれば、商的な
セクターの顧客企業としてフロリダに
ある原発の原子炉2基とも契約
している。
StemRadの技術はさらに、宇宙でも
試験を受けている。NASAの無人宇宙
ミッションArtemis I が発射され宇宙
デビューを果たしたが、それには
同社のAstroRadというスーツを
まとったダミー人形が乗り込んでいた。
この放射線防御スーツはアメリカの
防衛企業大手ロッキード マーティン
(Lockheed Martin)と共同開発した
もので、重要な器官をγ線から守る
ためのスーツだ。
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上の記事にもあるように、1991年に
冷戦が集結してしばらくは、世界から
核の脅威が薄らいだと暢気に構える
流れが支配的でした。でも21世紀に
入ってしばらく経過してみると、
核の脅威は全く軽減していない
どころか、新たな核兵器保有国が
生じている始末です。
核兵器と「もともと核兵器の製造
手段であった」核発電との廃絶を
求める世界的な動きが、もっと
喧しくなってしかるべきでしょう。