核発電を3倍にという合意、暗礁に ~ Beyond Nuclear Bulletin 2023年12月21日号より

Beyond Nuclear Bulletin
2023年12月21日号より

Triple nuclear plan lands with a thud – Beyond Nuclear

Triple nuclear plan lands with a thud
(核発電を3倍にという合意、暗礁に)

COP28での「核発電を3倍に」という
誓約の件ですが、「やっぱりなあ~」
と言いたくなる現状のようです。
Beyond Nuclear Bulletinより、
その記事を。

笑うしかない目標 ~~

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
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核発電を3倍にという合意、暗礁に

2023年12月19日

COP28では、2050年までに全世界の
核発電容量を3倍にする宣言がなされ
たが、この会議の終了後にさらに精彩
を失うことになった。まず、Sharon
Squassoni
 <という科学者> が
The Bulletin of the Atomic Scientists
に優れた数の分析を披露している。
核発電を拡大しようとしているのは、
わずか22か国に過ぎない。しかも、
そのうち17か国では、既に核発電
プログラムをすでに進めている。
残る5か国には核発電プログラムが
なかったが、Squassoniによれば
「これら5か国が今後20年間で
核エネルギーを3倍にするという目標
に大きく貢献できる見込みは小さい」

Squassoniはさらに、「その5か国
以外の <核発電プログラムを既に
有している> 17の署名諸国は、
核エネルギーを利用している世界の
すべての国のうち半数強に過ぎない。
そのため、現実に2050年までに
核エネルギー利用を3倍にすると
いう目標達成には、どれだけの
サポートがあるのかという疑問が
生じる」

明日の地球??こんなことに、なりませぬよう!

Common Dreams <という
アメリカに本拠を置くニュース
ウェブサイト> の運営編集長である
Jon Queallyは、気候変動の活動家たち
や学者たちからの批判を集めているが、
そうした人々全員の結論として今回の
核発電宣言は危険なもので、気候変動
対策を妨害してしまうとともに、
「<核発電は> あまりにも費用が
かさみ、リスクも大きすぎ、民主主義
に反し、工期もかかり過ぎる」

さらにQueallyはある事実を思い
起こさせてくれている。既に2019年
に「ハーヴァード大学のNaomi
Oreskes教授と著名な作家にして心理
歴史学者のRobert Jay Liftonが」既に
著していたことだが、「核発電の
提唱者たちは核発電は ”クリーンで
効率的、経済的、安全な技術だ” と
主張しているが、実際にはそのいずれも
該当しないことは既知の事実なのだ」
Orsekes と Liptonがその当時に記した
ように、「<核発電は> 高価なうえに
我々の物質面にも心理面にも深刻な
危険をもたらす」  両者は「気候変動
対策の技術として核発電を採用して
しまうなら」、原発の新設が加速し
「世界規模の核危険性地帯ができて
しまう。地球規模の危険システムで
あり、人類の自己滅亡を招きかねない」

無理です ・・・

World Nuclear Industry Status Report 
<この下にある12月9日付の記事でも
登場してます> の2023年版が先日
発行されたところだが、その主要著者
であるMycle Schneiderが The Bulletin
of the Atomic Scientistsのインタビュー
を受けた際、今回のCOPの核発電
3倍宣言は「実現可能性という点では
実現不可能だ」と述べている。.

Schneiderはさらに、次のように述べて
いる。「小型モジュール式原子炉
<SMR、上の黒いメニューでページ
s-1) 参照> を利用してこの目標の
実現に近づこうとするのであれば、
その目標に近づくためにはSMRを
何百基、何千基と新設せねばなら
なくなる。そんなことは、不可能だ。
現実を直視して何が実際に実現可能
なのかを議論すべきだ。
それを議論して初めて、ある目標の
賛否を論じることが可能になる」

一方の2030年までに再生可能
エネルギーを3倍に増大させるという
目標については、Schneiderは「今から
7年以内、という目標だが、私の見方
ではこの再生可能エネルギー増大目標
を達成できれば、核エネルギー増大
目標の亡骸を収めた棺桶に、とどめと
なる釘を刺すこととなろう」と指摘
している。
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絵に描いた餅」ならぬ「絵に描いた原発」

だいたい、核発電は大事故が発生しなく
ても、とにかく巨額のカネがかかる
ものです。
計画から発電までの調査や交渉、工事
期間も長いですし。廃炉作業も長期間・
巨大費用を擁しますよね。(現在、
日本の東海村で実証済みです)

そんなものをワザワザ3倍に増やそう
といっても、乗ってくる国がわずか
なのは、初めから目に見えていたこと
でして ・・・ たとえ事故が全く
なくても、核発電とはひどいカネクイ
ムシで非現実的な代物ですね。
そんなカネクイムシに喰わせる資金が
あるのなら、はるかに安上がりな再生
可能エネルギーに投じるべきでしょう。
(上の黒いメニューにある 付録 w-14)
も参照)

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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