能登半島の震災と原発 ・・国外でも報じられてます

Beyond Nuclear Bulletin
2024年1月4日号より

能登半島での大震災で志賀原発に
問題があったことは、現在毎日のように
日本語メディアでも報じられていますが
英語圏でもかなり知られています。
こうしたチャンスを捉えて、世界的な
反核勢力の共同作業を始めていけない
ものかと私は願っております。
「日本では、大地震が発生しないと、
反原発の声が高まらない。地震が過ぎて
しばらくすると、何事もなかったかの
ように原発推進が再開してしまう」と
いったパターンに陥ってしまったのでは
正直言って世界的な恥だと思います。
日本を愛する者たちの一人として、
世界に誇れる日本国になってほしい。
「世界に誇れる」という以上、世界から
どう見られているかも意識することに
なります。そうであれば、諸外国の
反核勢力との交流や協力は不可欠です。
「内向き」になって日本国内ばかりを
気にしている余裕は、ございません。

The whole world is watching!
私がかなり昔、あるウェブサイト用に描いたイラストより

では、そうした諸外国の反核団体の
中でも有名なものの1つ、Beyond
Nuclearの1月4日付Bulletinより、
能登半島の震災と日本の原発に関する
記事を。

元の英語記事を読みたい方は、
Earthquake rattles Japan’s nuclear revival – Beyond Nuclear
をどうぞ。

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。

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Earthquake rattles Japan’s nuclear
revival
(日本の原発リヴァイヴァル、地震で
揺らぐ)

2024年1月4日

少額ながら救援募金など送りつつ、早い復興を祈っております

2024年元旦、日本の西岸地域でマグニ
テュード7.6 の大地震が発生、日本海
沿岸に津波警報のサイレンが鳴り
響いた。2011年3月11日の東日本
大震災と福島第一原発での3基の原子炉
のメルトダウンという、恐怖の記憶が
蘇る。ただし、今回の大震災では放射線
量の増大などは報告されていない。日本
には稼働しうる原子炉がまだ33基ある
が、2011年の原発大災害の発生時点
では54基であった。そのうち12基が、
福島災害後に厳格化された安全基準の
下で発電稼働を再開している。この
新たな基準は、災害後に新設された
原子力規制委員会(Nuclear Regulatory
Authority、NRA)が設けたものだ。
それとは別に5基の原子炉が既に
再稼働の承認を受けており、立地自治体
政府による再稼働承認を受けるための
最終的な審査が進行中だ。さらに他の
10の原子炉が現在検査中で、再稼働
できるか否かの判断を待っている。
再稼働申請をしていない原子炉も、
9基ある。また東京電力の福島県内に
ある原発 <福島第一と第二> の
10基も含めて24基は恒久的な廃炉
作業が進行中だ。既に再稼働を始めた
原発は、川内原発1号機と2号機、
玄海原発3号機と4号機、伊方原発
3号機、美浜原発3号機、大飯原発
3号機と4号機、高浜原発の1号機
から4号機だ。

美浜原発3号機、大飯原発3号機と
4号機、高浜原発の1号機から4号機
という稼働している原子炉7基は、
今回の能登半島地震の影響をこうむった
地域にある。この地震による死者数は、
既に発見された遺体数では73名だが、
今後さらに増加すると見られている。
崩れた残骸の下に、まだ遺体が埋もれて
いると思われるためだ。この地震のため
海岸地域には津波警報が発令され(最大
の津波は、高さが3mだった)、該当
する県では住民10万人以上が高所への
非難を余儀なくされた。火曜日の朝
<2日朝> のことだ。最初の揺れの後
今まで、1月1日から3日までの間に
日本の気象庁は500以上の揺れを検出
している。さらに余震や地すべり、
新たな津波が続く可能性があり、
それに備えるよう警告が出ている。

一見静かな地に見えても ~ この列島に、自信のない場所なんてない
私がずっと以前に描いたスケッチより

今回の大地震の被害を被った地域には、
日本の電力会社のうち数社が原発を
設置している。

東京電力の柏崎刈羽原発は7基もの
原子炉を擁しているが、今回の地震
では被害を受けていない。この原発の
稼働許可は2007年から今まで規制
当局から指し止められており、現在も
発電稼働はしていない。この 一時停止
は、東京電力の福島第一原発の原子炉
4基が2011年の東日本大震災で壊れ、
6基の原子炉全てが停止されたことを
受けて、さらに延長となった。

月曜日 <1日> に関西電力が発表した
ところでは、同社の美浜原発、大飯
原発、高浜原発の合計11基の原子炉は
1日の最初の地震では問題を起こして
いなかった。これら11のうち7基は
現在のところ再稼働の承認を受けている
のだが、残る4基は廃炉作業中だ。

北陸電力の志賀原発1号機と2号機は
今回の地震震央に最も近い位置にあるの
だが、報告によれば揺れの間に
「使用済み」核燃料冷却プールの放射性
冷却水が揺れでこぼれ出し、それに続き
そのプールへの冷却水ポンプへの送電が
中断した。(現在までに、回復している)
この送電中断の原因は、パイプの破損、
油漏れ、地震による爆発音を伴った
トランスの故障であった。さらに
NHK ニュース サービスの報道による
と、志賀原発の原子炉がある現場
では、今回の津波の水位は3mに
達した。この原発の原子炉は2基
とも、2011年の福島第一大災害を
受けての地震と洪水に対する安全性向上
のための 改善作業の官僚と承認とを
待機中で、再稼働許可を待って閉鎖中で
ある。

ふらふらと舞い戻っちゃった・・・
私の20分クロッキーより

日本原子力発電(株)の発表によれば、
福井県にある同社の敦賀原発では問題は
発生しておらず、その2基ある原子炉も
正常だ。そのうち1基は廃炉作業中で、
残る1基は定期検査のため停止中である。

2011年の核災害を受け日本は一旦は
国家として <原発をなくしていく>
エネルギー政策を採択したのだが、
2023年2月に岸田文雄首相はその方向
を逆行させ、核発電リヴァイヴァル
政策を承認した。既存原子炉の使用期間
を実働で60年を超えて延長し、廃炉
された原子炉に代えて新たな原子炉を
建設することとした。だが、日本の市民
社会の中で活動をしているかなりの部分
においては、核発電は今も賛否議論の
激しい問題であり、そうした市民勢力の
代表者たちが勤める自治体政府は、
核発電への依存の延長や継続には反対
している。核発電は、汚染を広げ危険で
巨大な費用を要する代物なのだ。

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The whole world is watching!

内容は、既に日本語メディアから
ご存じの通りだと思います。
では、なぜワザワザ上記の記事を紹介
したのか?
日本国外でも、今回の地震による原発、
特に志賀原発への影響は広く報じられ
ているのだ、ということを納得して
いただくためですね。
政府や産業界には、世界が見ていると
いう事実をよく弁えていただきたい
ものです。
2011年にあれだけの大災害 ⇒
それでも、ほとぼりが冷めると核発電
リヴァイヴァル ⇒ そこに、またもや
大地震
これでは、「性懲りのない国だ」と
世界に思われても仕方がないですよね。
The whole world is watching!!

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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