炎に包まれるヨーロッパ: 何を すべきなのか (パート5)

Kyiv Post

OPINION: Europe in Flames: What is
to be done (Part 5)
(論説
炎に包まれるヨーロッパ: 何を
すべきなのか (パート5) )

ウクライナ戦争に関するKyiv Post
ウェブサイトに掲載の論考、
パート5です。
かなり長いのですが、現在進行中の
戦争に関する長い考察も、ときには
読んでおきましょうよ。我々反核勢力
というのは、結局は平和を求める勢力
ですからね。

英語元記事を読みたい方々は、
Opinion: Europe in Flames: What Is to Be Done (Part 5) (kyivpost.com)
へどうぞ。

The Russo-Ukrainian war is not a local
conflict. The future of Europe is at stake.
An in-depth five-part analysis examines
the options facing the West.
(ロシアVSウクライナ戦争は決して、
特定地域だけの紛争ではない。
ヨーロッパの未来が左右される。
西側を待ち受ける選択肢を考察する、
5つのパートからなる徹底論考の
パート5)

長くて疲れそう~~
かなり昔の、私の10分クロッキー
20分クロッキーの予定だったものが、
モデルさんの体調不良で10分になったものです。

今回は、今までで最も長いテキストに
なります。長文を読むのが苦手な方は
何度かに分けてお読みくださいな。

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
*************************************

Hans Petter Midttun
2023年12月29日

ウクライナ疲れ

「ウクライナ疲れ」という用語を
用いるメディアやアナリストが増え
つつある。この言葉は世論調査と結び
付けて登場することが多く、ウクライナ
への支援の減少やメディアによる報道
の減衰を反映している。さらにこれは
武器や弾薬の供与が段階化しつつあり、
徐々に時間がかかるようになっている
ことの病的な表れ、ウクライナ軍に
よる反転攻勢の不調の結果であると
されている。この戦争が「膠着」し
長期化の恐れが増しつつあると西側が
見ている、という文脈で使用される
ことが多い。

この言葉は、ウクライナへの支援を
しようという意欲と利害が目に見えて
減衰している現象を示すものとされて
いる。ここで私 <Midttun> は「目に
見えて」<原文ではapparent> と
いう言葉を強調しておく。これは、
この用語自体は1991年から使用され
てきているからだ。何年かを経て、
今ほど国際コミュニティがウクライナ
に関心を抱き、ウクライナをEUと
NATOとに取り込もうと積極的に
努めたことはなかった。

More coming!?
私の15分クロッキー

「目に見えて」<あるいは言うまでも
なく>、アメリカとヨーロッパは
ウクライナへの支援を止めるわけには
いかないのだ。ヨーロッパの安全保障
のためには、独立と主権を保ち領土等
もすべて保持したウクライナが、
不可欠な前提となるためだ。
ウクライナの敗北は、壊滅的で容認
できない結果を招くことになる。

これも「目に見えて」明らかだが、
ウクライナでの戦闘を無視するなら、
ロシアとその脅威とも無視すること
になる。この脅威は、我々西側の
存在そのもの、我々の則る価値や
原理そのものへの脅威なのだ。
要するにウクライナは、宣誓的な
「ロシア流世界」と西側のリベラル
で民主的な世界との間の大規模な
対立における、1つのピースに
過ぎない。

昨年、 Alexander J. Motyl
<アメリカの歴史学者、政治学者。
ウクライナに詳しい> は次のように
主張した。「ウクライナ疲れという
のは、実に奇妙な疲労だ。そもそも
ウクライナが独立を勝ち取った
1991年以来今まで、数年ごとに
ウクライナ支援疲れは浮かび
上がったり静まったりを繰り返して
きている。だがそれでも、西側に疲労が
蓄積しているようには見えない。むしろ
この疲労には、同じパターンがつき
まとっている。ウクライナに何かが
起きる模様だとなると、最初に西側は
エキサイトする。それから、待てど
暮らせど事態が改善しないので、
やる気を失っていくのだ」

疲労 ・・・

「つまりこの疲労とは、ウクライナの
行動や無作為の結果ではなく、西側の
忍耐不足や過剰な期待の産物である。
ウクライナに対する西側の姿勢が感情
ではなく理性に基づくものであれば、
願望ではなく知識に基づくものならば、
この疲労なるものは登場機会が
はるかに減るはずなのだ。実はこの
疲労とは、非現実的な期待がついえた
後に来る幻滅に他ならないためだ」

自明な事実として、西側はウクライナ
の敗北というリスクを背負う余裕など
ないのである。

EUの外務・安全保障政策上級代表は
「ウクライナの敗北は、EUの敗北だ」
と述べたが、これからの何か月かで
世界の平和と世界の将来とが左右
されるという強調点があった。ここ
からも、この事実が分かる。
「ウクライナ疲れ」など、ありえ
ないのだ。

「反転攻勢の失敗」と言われているが

<2023年の> 6月4日に始まった
反転攻勢は、Zaluzhny総司令官が立案
した作戦ではない。同司令官が実施
した作戦は、規模も範囲も限定的な
ものである。これは、効果的に大規模な
作戦を実行できるだけの手段がない
ことを、彼は認識していたからだ。
ウクライナ軍には 航空兵力、防空
能力、地雷撤去能力、主要戦車や装甲
車両、そして何よりも弾薬が不足して
いるのだ。

無理な攻撃 ・・・

アメリカも含めたNATO加盟国で
あればやろうとはしないような
攻勢を、ウクライナはやるように
仕向けられたのだ。

国際的なウクライナのパートナー
諸国は、決定的な局面打開を求め、
非現実的な気体を抱いてしまった。
今年春、ウクライナは全力を尽くして
その気体を下げようと努めた。敵国
ロシア軍が塹壕を掘り要塞化し多層
構造の防御線を設けた(しかも
ウクライナにはないあらゆる手段を
利用している)ことを、ウクライナは
理解していたからだ。

5月、この反転攻勢が始まるのか否かを
尋ねられた際、ウクライナ大統領
オフィス長への顧問であるMykhailo
Podoliak
は強調して「反転攻勢は、今日
始めて明日終わるといった1回きりの
出来事ではなく、いくつもの活動の集合
だ。何十、あるいは何百もの」と述べた。
ゼレンスキー大統領や外務大臣、防衛
大臣の戦略的なメッセージとも、この
発言はよく整合していた。

ぜレンスキー大統領はこの攻勢のこと
を「最初の大事なステップ」(多数
あるステップのうちの最初のもの)と
述べていた。ウクライナは約束された
供与武器が届くのを待っていた。この
反転攻勢を始める時点では充分な航空
兵力が不充分なままであることを認識
していたため、地上軍を支援するため
の西側で製造した戦闘用航空機を
ウクライナが緊急に必要としている
ことを強調していた。

おかしな判断をヒトに押し付けるのは・・・

Dmytro Kuleba外相は強調点として、
この反転攻勢が戦争を終わらせる
とは想定すべきでないと述べていた。
「この反転攻勢でウクライナの領土を
解放できた場合には、それで終わりと
なってもよい。だが解放できなかった
場合には、その次に備えないといけ
なくなる」とKulebaは語っている。

ウクライナによる反転攻勢への対応
準備をロシアは広範に進めており、
一方ウクライナには不足がある。
それを認識しているOleksiy
Reznikov 前防衛相は、<諸外国
からの> 気体に対応しようと考えて
いた。「ウクライナの反転攻勢に
対する世界からの期待が過大で、
・・・ 大半の人々が何か大きな成果
を望んでいる」

ウクライナのパートナー諸国が理解
していなかったことを、Zaluzhny
総司令官は理解していた。反転攻勢に
対するロシア軍の準備が大掛かりな
ものであること、またどろん戦闘の
影響が増大しつつあること。最も重要な
点として、ウクライナ軍の <装備など
の> 不足とドローン戦闘の影響とを
彼は認めていた。

ロクな人材が~~

6月4日以来、ウクライナ軍(Armed
Forces of Ukraine、AFU)はあまり
大規模な領土奪還はできていないかも
しれないが、それに劣らず注目すべき
戦果を挙げている。

つまり、ロシア軍の能力を大きく
損なったのだ。今までに140,000名
以上の兵士を無力化し、2,000両以上の
戦車と装甲車3,300両、大砲4,700門、
MLRS <多連装ロケット システム>
350、防空システム280、トラック
4,600両を破壊している。ロシアは
兵員を新たに補充することは可能だが
(ただし、経験も士気も乏しい人員に
なるが)、装備の損失を補うことは
できない。そのためロシア軍が
1950年代、60年代、70年代製造の
重火器を導入せざるを得ないケースが
増加している。

ロシア軍の戦闘能力が低下する一方で、
ウクライナ軍の能力は増大中

ウクライナ軍は今も、西側から供給
されるすべての兵器システムのうち
95%以上をこれから使用できる。
まだ戦場に届いていない兵器
システムが多く、その例として
ドイツのLeopard 1戦車170両が
ある。アメリカからの Abrams戦車
31両がウクライナに届いたのは
今から3か月以上前のことだが、
既に反転攻勢は始まっていた。だが
雨と泥のため、国内での移動が困難に
なっていた。

強くなって逆襲するぞ~~

2024年にはAFUは、今の時点では
欠落している道具を手にすることに
なる。 F-16がウクライナ上空を飛ぶ
ことになる。弾薬の供給も徐々に増加
する。ロシアによる要塞は、崩れやすく
なるわけではない。だが来る夏には、
ロシアは戦車もAPC <装甲兵員輸
送車> も大砲もMLRSもAD <防空
システム> もさらに不足する。それに
劣らず重要な問題として、経験と士気
の高い人員も欠落する。

2023年にはロシアは戦場での勝利を
収められなかったが、これは1つには
ウクライナ軍の勇敢さと決意、反発力
のため、また反転攻勢戦略が効果的で
あったためだ。

西側の戦略上の目覚め

西側諸国の指導者たちも、今回の戦争
がより大規模の対立の現れであること、
そして何が問われているのかを徐々に
認識しつつある。ヨーロッパの安全と
国際的な安全保障構造とが、この戦争
にかかっているのだ。

NATOも「ヨーロッパの安全秩序を
安定で予測可能なものにしていた規準
と原理とを、ロシア連邦が破壊した。
NATO諸国の主権と領土に対する攻撃
がありえるという危険性も、無視は
できない」ということを認めている。

西側はゆっくりながら、防衛産業
ベース (DIB) による製造量を増大
させ、軍を再建しつつある。他の
ヨーロッパ数か国と同様、ドイツは
徴兵義務の再導入を検討している。
これらは、NATOと加盟諸国が対立の
本質を理解しつつあることの表れの
一部だ。この戦争は「ロシアと
ウクライナ間の戦争」などではなく、
より大規模な対立の具現化だ、という
本質だ。NATOとしては、ウクライナ
でロシアに勝たせるわけには、
いかないのだ。

絶望を乗り越えて


では、これから?

ロシアが攻め込んだ戦争がこれで
10年目に入っており、全面戦争もほぼ
2年続いているという現状にあって、
絶望にさいなまれることは容易だ。
ロシアは他国に苦痛と壊滅とを
もたらし、その地獄のままにしようと
いう欲望に取りつかれており、そこに
限定はないように見える。これに対し
ヨーロッパを滅ぼそうとする戦争を
止めさせようというNATOの意志と
能力には、今も限定がある。政治的
意思の欠如、軍事的能力の不足、
そして2014年に始まったヨーロッパ
での戦争への対応を怠ったことによる
限定だ。ウクライナとヨーロッパに
陰鬱と敗北主義とを引き起こすような
情報世界が構築されつつある。

だが現状は、全面的な暗黒ではない。
NATO には今でも、ウクライナの要求
を実現できるようにこの戦争を終わら
せられるだけのツールがあるのだ。.

現在、一次的にウクライナは供給面
での過大に直面しており、そのため
今後6か月は戦略を変更せざるを
得ない。だがそうした問題は、
いくつかが解消していくにつれ、
2024年には過去のものとなろう。

弾薬供給が問題


ウクライナの立場で

2024年の戦況を決めるのは、兵站だ。
弾薬の供給不足のため、既にウクライナ
が攻勢をかける能力が制約されている。
2024年前半は、引き続き弾薬不足が
戦況を決定する要因のままであろう。
だが西側の製造能力は徐々に向上して
いくはずだ。それとおそらく同時期に、
F-16ならびに新たな防空システムとが
納品される見込みだ。

夏が来るまではウクライナが領土奪還に
必要とするツールが利用できないという
ことは認めざるを得ないとしても、
ウクライナは現在の陣地に塹壕を掘り
要塞化して人員の保持に努めるはずだ。
それによりロシア軍兵士たちは、固く
要塞化された陣地へと進撃することを
余儀なくされ、大量の損失をこうむり
続けることとなろう。<2023年>
12月終わりには、今回の全面戦争が
始まって以来最大数の兵士をロシア軍は
失うことになりそうだ。 (10月: 22,700
名、11月 27,750名、12月31,500名)

アクティブ ディフェンス <積極防衛、
相手からの攻撃をあらかじめ装くして
対処する防衛> によってウクライナは
弾薬を節約し、在庫を増やし、足り
なかった装備を受け取り、新たな兵卒を
動員・訓練できるはずだ。それらに
劣らず重要なこととして、既にこの
2年間前線を維持してきている人員を
交代させることも可能になる。この交代
は個々の兵士やその家族にとって嬉しい
ことであるだけでなく、45万から50万
人の兵士たちを予備軍に抱えることが
可能となる。ウクライナの反発力は、
2024年に強化されることとなろう。

黒海の略地図、念のため再掲しておきます

ウクライナはロシアおよび占拠されて
いる自国領土にある軍事標、を攻撃する
能力を強化することになろう。既に、
ロシアの戦略爆撃機編隊とBSF
<黒海艦隊> の弱体化には成功して
いる。

ロシアはウクライナを消滅させようと
いう取り組みを続けており、上述の
ような努力を続け強化していくことは
不可欠だ。ウクライナへの防衛支援が
一時的に減少することを、ロシアは
知っている。さらに、2024年夏からは
その一時的なロシアの優位が終わり、
ウクライナがロシアに損害を与える優位
な立場に立つことも、ロシアは分かって
いる。そのため、今後6か月間ほどで
優位性を勝ち取ろうとするはずだ。

またあ発展を続けるドローン戦闘に
よって、ことによると今回の戦争の
結末が決まる可能性もある。ドローン
の数量と質という点で優位に立った
側が、新たな戦争策略を考案し、敵を
後退させることができそうに思われる。
こうした優位性とは、自動化、
「ドローン編隊」、AIの活用により
ドローン自体が標的を認識し攻撃する
決定を下す能力、などである。同じく
不可欠なものとして、効果的な
対ドローン システムも必要だ。現時点
では、量でも室でもロシアが優位で
あるようだ。

ロシア領土奥深くに攻撃を行うと、
ロシアにとってもウクライナに
とっても心理的な衝撃をもたらす。
そうした攻撃を行えば、ウクライナの
決意を実証するとともに、ロシア政府
を悩ます。ウクライナからの攻撃を行う
ことで、戦場のあり方を形成しやすく
なる。

誤った戦略に振り回されていては~~

西側の立場で

ロシアは、自分が勝利を収めつつあると
考えている。西側諸国はいまだに戦争の
エスカレートを恐れており、ウクライナ
への介入を控えている。だがそれは、
過去の戦略的思考とは対立するものだ。

西側は既に始まってから10年になる
戦争の長期化を恐れているわけだが、
これは状況を的確に認識できていない
ことの表れだ。.

The New York Times は先日、「新たな
戦略と追加の資金がなければウクライナ
が敗北する可能性があると、アメリカ
政府高官たちは述べている」と報じた。
私もそう考えるが、文脈が異なる。
ウクライナは目標を明確に設定して
おり、それを達成するための戦略も
ある。しかし西側の腹を決めた協力が
なければ、ウクライナは達成できなく
なる恐れがあるのだ。

壊れたままじゃ、長く戦えない ・・・

ロシアはおそらく、今後も自国の防衛
産業ベース(DIB)の構築に努める
だろう。今のところ、NATO諸国と比較
するとロシアは安全保証や防衛部門への
投資がはるかに多い。 NATO加盟諸国
の過半数はGDPの2%の <防衛部門
への> 投資ができていないのだが、
ロシアの2024年の軍事支出はGDP
比率で7.1%にまで増大する見込みだ。
これは、ロシア政府の創出の35%を
占める。ロシアは長期的な戦争に備えて
おり、西側がその覚悟を決めていない
ことを認識してのことだ。ヨーロッパは
緊急で 2024年、DIBの拡充と安全
保障・防衛への投資増大とに努める必要
がある。経済制裁が効果を薄めつつあり
ロシアが兵器や弾薬の製造量を増大
させているので、この重要性は嫌でも
強くなっていく。

2024 年、西側諸国は前述の長期的な
要因に基づいて戦略を策定する必要
がある。

  • ロシアの兵器や目標は、この
    10年間変わっていない
  • 今回の戦争は、ロシア対西側と
    いう大きな対立の一部である
  • この戦争は根本的な対立による
    もので、交渉によっては解決
    できない.
  • ロシアからの交渉しようという
    提案は、西側の決意を弱体化
    させウクライナへの支援を弱め
    させることだけを目的にしている
  • ウクライナに敗北することを、
    ロシアは何があっても認めは
    しない

支援だけでは・・・

西側が一丸となって、ロシア軍を追い
出すために必要となるツールを
ウクライナに供与したとしても、
ロシアはウクライナは存在していない
国家だと考えているため、その存在して
いない国家に敗北したことを何が
あっても認めはしない。ロシアが敗北を
認めるとすれば、NATOあるいは意欲
ある同盟に対する敗北だけだ。
プーティンを諦めさせる手段として
あり得るのは、ウクライナをNATOに
加盟させるか、<同盟による>
軍事介入だけだ。
願わくは、2024年7月のワシントン
サミット <次回のNATOのサミット
会議です> までにそうなってほしい。

皮肉な話だが、バイデン大統領が今後も
ウクライナへの支援を本気確実に続け
たいのであれば、彼のすべきことは
ウクライナのNATO加盟を支持する
ことだけなのだ。加盟すれば、
<NATOの基盤にある> ワシントン
条約に直接リンクした支援が可能に
なる。
<バイデンはもともとウクライナの
NATO加盟に好意的だったのですが、
2023年夏になると時期尚早だといった
趣旨の発言もするようになりました。
次の2つの記事を参照:
Biden holding firm on Ukraine joining NATO | CNN Politics
Biden Says Ukraine Is Not Ready for NATO Membership – The New York Times (nytimes.com) >

はたして、NATOは2010年の戦略
コンセプトに則り、2024年には軍事
介入を始めるのだろうか?ウクライナ
のNATO加盟を承認し、プーティンに
諦めさせるのであろうか?願わくは、
そうなってほしい。

火事は、早めに消しましょう


西側の選択肢が急速に消えつつある

集団防衛とは要するに、「自分の家の
中で家事を消し止める」ための策で
ある。これに対して危機管理とは、
「自宅に火が燃え広がる前に、お隣
さんの火事を消す」ということだ。
今までのところNATOは、ウクライナ
の消火作業に対しては、支援ツールの
一部を提供するだけにしようと決めて
きた。その供与すら不充分で、送れる
はずのツールすらまだすべてを送って
はいない。その結果、家事は燃え
広がっており、徐々に火の手は勢い
を増しつつある。

だがNATOとしては、ロシアに
勝たせるわけにはいかない。ロシア連邦
がウクライナとベラルーシ両国を併合
することになってしまえば、ヨーロッパ
のすぐ隣には侵略的で意気揚々、戦闘
経験に溢れ従来よりもはるかに強力に
なった大国が居座る結果となる。その
大国は、ヨーロッパ大陸に影響力を
行使しようと手ぐすね引いているのだ。
こんな事態になれば、その結果は
壊滅的なものだ。

NATO加盟諸国には、重大な脆弱性が
いくつかある。これは、この30年間
安全保障や防衛への投資を怠ってきた
結果だ。NATOには、現代の熾烈な
戦闘を戦えるだけの陸上戦力がない。
持続可能性にも欠ける。複雑性の高い
電子戦 (EW) 環境での作戦遂行も
不可能だ。防衛産業ベースも含む防衛
関連能力をすべて動員することも、
まだ出来ていない。絶えず発展を
続けるドローン戦闘への備えも出来て
いない。

同盟であるということは ・・・

NATOという同盟で軍事力を合わせる
ことには、きわめて多くのレベルで
意味がある。まず、基本的な軍事力の
バランスを大きくウクライナ寄りに
シフトさせることができる。第2に、
ロシアよりも優れた敵と直面すること
でプーティンを諦めさせ、撤退する
機会をもたらす。3つ目に、NATOの
意志と能力とを実証することで、
NATOの抑止力を回復できる。最後に、
今回の戦争を終結させることができる。
それも、軍事力の行使なしで終わらせ
られる可能性がある。

私 <Midttun> は、2024年には西側が
戦略を徐々に変更するものと見ている。
侵略的なロシア帝国主義が西側の生き方
そのものを脅かしていることに徐々に
気づき、選択肢が減っていくためだ。

交渉で妥協点を見出す(そして
ウクライナの領土の一部を放棄する)
という可能性は、消えていくだろう。
今回の戦争の最初の8年間から何かを
学んだとすれば、交渉とは役に立たない
ものだということだ。ロシアがこの戦争
を始めたのは、自分の利益につながる
政治的解決を実現しようと目論んでの
ことに過ぎなかった。つまり、政治的
手法でウクライナを服従させようと
したのだ。交渉を始めたのも、西側の
介入を防止しウクライナへの防衛支援
を止めさせるために他ならない。

まやかしに騙されるな

外交に訴える時期は、既に過ぎ去った
のだ。西側の存在理由そのものを脅かす
存在へと徐々になりつつある <ロシア
という存在> から、西側は目を背けて
はならないのだ。

ヨーロッパがまたも炎に包まれる前に、
NATOは火を消す必要がある。その
ためには、ウクライナとのパートナー
シップが不可欠なのだ。

本論調にある見解は著者自身のもので、
Kyiv Postの見解でもあるとは限りません。
************************************

混沌 ・・ でも、やることは明らか
私のオイルパステル練習

上の主張自体には、賛否両論アレコレ
あるでしょう。
ただ、賛否を言う前に事実として、
核の脅威があるため侵略的大国が幅を
利かせてしまう世界になってしまって
いる、という現実から目をそらす
わけにいかない、ということですね。
そこまで厄介で危険なものである
核兵器。
その核兵器を製造するための技術と
して、本来は開発された技術である
核発電。
今も、核においては「発電と兵器は
現実上、不可分」であることを、
本「やかんをのせたら~~」では
多数の実例を挙げて説明してまいり
ました。

私たち反核勢力は、この「不可分性」
を視座の中心に据えて、核発電と
核兵器両方の廃絶を求めていくべきだ
と、私(ひで)は主張しているわけ
ですね。

 

 

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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