ウラニウム価格、高騰中
The Economist (英国に本部がある、
世界的な経済誌)のウェブサイトより
Uranium prices are soaring. Investors should be careful (economist.com)
Uranium prices are soaring.
Investors should be careful
The metal has a history of meltdowns
(ウラニウム価格が急騰中。
投資家には、注意が求められる
ウラニウムには、メルトダウン
(価格急降下)の歴史が)
一般論として、反核ウェブサイトの類
には放射線被害や環境汚染などの話題は
頻繁に登場しますが、経済誌の記事が
登場することは珍しいですよね。
この点、私たち反核勢力は視野を広げ
ないと。
貨幣経済の世界である限り、カネや投資
の動きは、世界の情勢やそれにかかわる
人たちの思惑を如実に表しますからね。
経済誌のウラニウム価格に関する記事
から、反核勢力が発見できることも
あるわけです。
では、The Economistのウェブサイトに
ある Uranium prices are soaring.
Investors should be careful という
記事のうち、無料で公開されている箇所
だけを、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
で紹介しますね。
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2024年2月29日
今となっては、これは聞きなれた展開
だ。商品市場の片隅で話題にもならず
人知れず売買されていた金属が、
エネルギーの以降のため不可欠な存在
となる、というわけだ。供給の制約と
地政学的な事情から、その金属への
需要は、今後高まる一方だという予想
が広がる。 価格が急騰し、投資家たち
は価格崩壊を恐れだす。今回の金属
では、ただ一つ異なる点がある。
つまり、この金属は電気自動車や
ソーラーパネルに使用されているわけ
では、ないのだ。既に何十年も昔から
ある原子炉に使う金属なのである。
そのウラニウムの価格が急上昇中だ。
ウラニウムの酸化物を秘かに蓄積すると
いうのは、投資家のすべきことという
よりも、世界の敵である悪役の行為と
思えるかもしれない。なにしろ、
こうした酸化物を処理し濃縮すれば、
原子炉はもとより核兵器の燃料となるの
だから。だが今では投資家にも、
脚光を浴びるようになる方法がいくつか
ある。現在、株式市場で好調な企業の
1つとしてYellow Cake社があり、
これはウラニウムを買取り保存する
企業だ。同社の株価は、この5年間で
160%上昇している。またSprott
Physical Uranium Trustというファンド
も同じ業務を営んでいるが、2021年に
開業して以来、今までに119%の利益
を甘受している。・・・・・・
(以下略)
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EUなどの動きにみられるように、CO2
排出を減らすための解決策として核発電
が吹聴されているのが、U価格高騰の
大きな要因の1つでしょうね。
でも、上の黒いメニューの終わりの方に
あるページ、付録 w-1)、w-3)、w-8) で
説明したように、気候変動対策として
核発電に期待するのは、大間違いです。
その事実が知れわたったとき、U価格
はどうなるのでしょうか??
それと、核発電推進派は「核発電なら、
コストに占める燃料費の割合が小さい
ので、ウラニウム価格の変動が電気
料金にあまり響かない」と主張します
よね。
ですが、
・ Uの市場での価格が高騰してしま
えば、いくら核発電といえど、電気
料金へのいくらかの影響は避けられ
ますまい。
・ そもそも、燃料費の比率が小さい
のは、逆に言えば燃料費以外のコスト
が膨大ということに他なりません。
建設費、安全対策費、核ゴミの保管・
処分費用、などなど。
「新型」原発の建設などのコスト超過
の実例は、本「やかんをのせたら~~」
でも度々紹介してきました。本の数例
として、
・NuScale社のSMRによる電力供給
が、アメリカ西部で破綻した実例
―― 右の「アーカイブ」で「2023年
11月」をクリック ⇒ 11月4日の
「NuScale社、財務的危機に?」など
・ 上の黒いメニュー(項目は、
基本的にアルファベット順)で、
ページ s-4)
・ 同じく上の黒いメニューで、
ページ al-4)
などなど。
「やかんをのせたら~~」では、技術的
説明やかなり細かい実例紹介なども
行っておりますが、その上に今回のよ
うなウラニウム市場の動向に関する記事
まで時には紹介しております。
人によっては、「こんなことまで、
読むのはイヤ!」という反応もある
ことは、当初から覚悟しております。
そういう方々は、他のウェブサイトや
コミュニティーなどをお試しくださいな。
しかし「核を廃絶せよと叫ぶのだから、
核のどこがいけないのかを学んで叫ぶ
べき」という正論で活動してらっしゃる
皆様には、少しでも助力となることを
願っております!