本日はJSTで2月5日なのですが、
それより2週間前の報道なので、新しいもの
ではありません。
ただ、そもそも日本語ニュースでは最近、
JCPOA再建交渉についての報道がほとんど
聞こえてこないのですよ。「やかんをのせたら
~~」 のフォーカスからして、やはりJCPOA
については時折取り上げませんとね。
というわけで、イスラエルに本拠を置く
i24NEWS English の報道を、私が聞き
取って日本語化、紹介しておきます。
英語のニュースを聞いてわかる方々は、
US says Iran rejected chance to revive nuclear deal – YouTube
をご覧くださいませ。
そもそも、イランが核開発に踏み切った動機
としては、イスラエルが核兵器を実際には
保有していることに対する対抗ではないのか?
と多くの人たちは見ていますよね。
そんな対立関係にあるイスラエルなので、
報道内容もはっきりと反イランぽいものに
なっていることには、ご注意ください。
ニュース報道を読む・聞くというものは、
いうなれば 「編集された伝言」 を聞くこと
なのだという事実を、何事でも忘れないよう
にしたいですね。
では、
私が英語ニュースを聞きとって日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
****************************
US says Iran rejected chance to revive
nuclear deal
(イランは核合意の再建チャンスを拒絶したと
アメリカは主張)
イラン国内では反政府デモに対する残虐な
弾圧が続いており、そのため国際関係では
じりじりと隅に追いやられている。イラン
イスラム共和国は本日、5名の男性をデモ
への関与を理由に死刑執行した。今までに
逮捕された人は推定で1800名を超えており
500名以上がセキュリティ部隊により殺害
されている。さらに先週、イランはイラン系
英国市民であり前副防衛大臣のアリーレ
ザクバリーを絞首刑に処した。スパイ容疑で
ある。国際社会は引き続き強い抗議を示して
いるのだが、イラン政府は全く反応を示して
いない。アメリカにとっては、こうした出来事も
あって、<2015年の> 核合意再建交渉は
さらに手の届かないところに行ってしまった。
特に、イランが同合意に復帰するよう申し出
があったのだが、それをイランが拒絶して以来
状況は絶望的である。
(画面が変わり、ブリンケン国務長官)
「核合意に復帰する機会があったのだが、
イランがそれを台無しにしてしまった。もう
何か月も前のことだが、交渉テーブルに
戻る機会があったのだ。それをイランが
拒否した。他の関係者すべてが、そうした
機会を用意したのに、である。ヨーロッパ、
アメリカ、さらにその時点ではロシアも
中国も。その結果、JCPOAは現実上は
もはや議題の1つにもなっていない。
そんな状態が、もう何か月も続いているのだ。
そのため、アメリカとしてももはやJCPOA
にはフォーカスを合わせていられない。
イランの国内情勢や人権弾圧、ロシアが
使用する武器のイランからの供給と
いった問題に、すでにフォーカスを移している」
関係諸国の多くにとって、イランとの核合意
再建はもはや不可能となっており、そうなって
から久しい。イランは核兵器の製造保有に
執念を燃やし、しかも国民を残虐に弾圧し、
国外からの警告も無視している。これをどう
するか、頭を痛めている。英国のジェームズ
クレバリー外相は、今もこのように答弁して
いる。
(クレバリー外相)
「今後も我々はイランに働きかけていく。
いずれ、我々の忠告を真面目に聴く日が
来るだろう。何千年もの洗練と芸術の歴史を
誇る国が、醜悪さと残虐性という悪評を国際
社会から受けることを願っているとは、
思えないからだ」
だが、そんな国際社会からの非難をイランが
本気で気にしているのか否か、怪しい。西側
は少なくても、イランの困った行動を無視して
いないぞ、という合図を送り続けている。EU
議会はこの水曜日午後 <1月25日の
ことだろうと思います>、イランの革命防衛隊
をテロ組織と認定することに賛意を示した。
イラン政府へのプレッシャーを狙ってのことだ。
****************************
このまま進むと、核兵器保有国がまた1つ
増えることになりますね。
イランの場合、ウラニウム濃縮工場がその
大きなカギを握っている点を、忘れては
いけません。核発電 (平和利用) と核兵器
の間の境界なんて、こうして幾度も破られて
きたのです。
上の黒いメニュー (項目は、基本的にアルファ
ベット順) の 付録 w-4) で後半に紹介して
いる、アル ゴア前副大統領のインタビューも、
まだお読みでない方は是非お読みください。
私たちは、「平和利用」 というお題目に
騙されず、核兵器と核発電の両方の廃絶を
目指してまいりましょう。