「潜在的核抑止」って、なんだ??

次に公開する予定のページ g-3) では、「日本政府が今までのところ、原発を手放そうとしない理由の本質を、正直に述べてくださった」と思われる政治家、自民党の石破前政調会長の発言を検討します。

たとえば、中国新聞の10年近く前(2011年12月22日)の ”「核の潜在的抑止力重要」 自民・石破氏 核武装には反対” という記事を読んだのですが、どうも具体的にどう「抑止」しようというのか、わかりかねます。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=5453
にございます。

いわく、
「石破氏は「核兵器は絶対使ってはいけない兵器だ」と強調。半面で、核兵器廃絶の難しさを挙げ「相手国に核兵器を使わせないため、どれだけ抑止力を持つかが極めて重要」とし、原発技術の維持による潜在的抑止力の重要性を認めた。また、核燃料生産につながる再処理工場と高速増殖炉原型炉「もんじゅ」による核燃料サイクルを推進する必要性も指摘した。

一方で「いつまでもあくまでも潜在的だ」とも言明。日本の核武装については、核拡散防止条約(NPT)体制を崩し核兵器が広がる契機になりかねないとして反対した。

核抑止力を保持すべきだというのなら、核燃料サイクルを確立して(できるものなら、の話ですが)プルトニウム製造体制を確保するのは、まあ、理解はできます。(賛同は、しませんが。そもそも、日本は2021年1月現在、すでに数十トンの原子炉グレードのプルトニウムを保有してるじゃないですか。それを兵器グレードに濃縮できるPUREXという手法も)
しかし! そもそも核武装には反対だというのですから、結局のところ、原発で放射性物質を扱う技術を維持していることそのものが、核抑止力につながるという主張だと理解するしか、ございますまい。
でも、
・ 原発をいくつか稼働させていても、セキュリティ情勢の変動に応じて核兵器を作成するには、それなりに時間がかかります。その間に核攻撃を受けたら??
・ もし原発が核抑止につながるのなら、そもそもなぜ「アメリカの核の傘」に入っているわけ??
・ 当の原発そのものが、敵国やテロリストからの攻撃ターゲットになる。別に大型ミサイルで原発を破壊しなくても、外部電源喪失+非常用電源の破壊で、原発がメルトダウンしうることは、福島第一で実証済み。つまり、原発に外部電源を送り込む送電鉄塔を破壊し、同時にこっそりと発電所内のディーゼル式発電機などを壊してしまえば、メルトダウンを引き起こせる。(正規軍でなくても、テロリスト集団でも可能な破壊活動 → だからこそ、原子力規制委員会も、テロ対策をうるさく要求しだしたのでしょう。 たとえば、https://diamond.jp/articles/-/201321 を参照)

といった現実を考えるなら、いったい石破さんのおっしゃる「潜在的核抑止能力」って、いったい何なのでしょうか??私には、どうも理解しがたいです!

この不可解のため、執筆が滞っております!
しばし、お待ちくださいな。

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