中国北西部にICBM用サイロ新設? 続き

中国北西部ユーメン近郊の砂漠地帯に新たなICBM用サイロが大量建設中のようだ、という専門家の画像分析結果を取り上げたThe Washington Post の記事の前半をすでに紹介しました。長い記事なので、途中まで前回紹介しましたが、今回は後半を。

記事本文は、下の7月2日の投稿にあるリンクをクリックすれば、ご覧いただけます。
ここでは、私の日本語訳の後半を。

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アメリカ防衛省のスポークスマンは、この衛星画像に対しても、アメリカの諜報機関による中国の各プログラムに対する評価についても、コメントを拒否している。だがそのJohn Suppleスポークスマンは、ペンタゴンによる報告や分析によって以前にも、中国のミサイル用サイロに伴う核兵器拡散に関する憂慮が高まったことを指摘した。Suppleによれば、「防衛省の指導道は中国の核武装の増大について以前から証言し、公に発言してきた。今後の10年で、それは倍増あるいはそれ以上に強化されるものと見られる」

ミサイル用サイロを発見するのは、訓練を積んだ画像アナリストであれば容易なことで、核戦争勃発の場合には早い段階で精密誘導ミサイルにより破壊されやすい。そうした理由から、今回のサイロ建設プロジェクトはアメリカとロシアと比較すると核武装がわずかなものに過ぎない中国が、核抑止能力を増強しようとしている戦略の一環であろうとLewis は見ている。米ロ両国の保有核弾頭数は、合計で11,000に達する。

ワシントンならびにモスクワを相手に核軍拡競争を展開すると大変な経費が掛かるので、中国は以前から「限定的抑止」という方針を採用してきた。つまり、規模は小さくても堅固な核武装を構築、攻撃を受けた場合には中国が確実に敵に報復攻撃ができるようにする、というものだ。

U.S.-China space race is heating up

(アメリカと中国の宇宙開発レースが過熱、記事本文のリンクをクリックすればお読みになれます。日本語翻訳は、省略)

だが近年、ロシアとアメリカが核兵器の近代化プログラムを提唱しており、そのため中国の核抑止力が信頼性を失っていると、中国の高官たちは不満を口にしている。新たに核武装の制限を設けられると、中国は米ロに比べ二流の核武装国という立場に恒久的に抑え込まれてしまいかねないとの懸念から、中国は新たな軍縮交渉への参加呼びかけにも難色を示してきている。

カンスー省での今回の建設プロジェクトの画像をLewisおよびEleventhという研究チームに供給したのは商用衛星企業のPlanet社で、核建設現場の更新されていく画像を連続して時系列で供給した。Lewisは自らの分析をもとに、「中国がだまし合いを演じている可能性が高い」と述べた。つまり、サイロのネットワークの中に、少数の核弾頭を隠ぺいしているというのだ。だがLewisによれば、新たな発射用サイロがこれほど多数登場すれば、アメリカの高官たちもアメリカの核武装を近代化する取り組みを加速させよというプレッシャーを受けることになろう。

「我々は新たな軍拡競争に陥ろうとしているが、その大きな原因はアメリカ自身の投資とミサイル防衛だ」とLewisは述べている。ペンタゴンはアメリカの核兵器と配送システムとを今後の20年間で公判にアップグレードすると発表している。その一環として、新型の空中発射クルーズ ミサイル、また少なくても2種類の新型核弾頭も含まれる。

この2月にAntony Blinken国務長官はある声明で、バイデン政権は「中国が核武装の増強と近代化に努めており、その危険を軽減するために軍縮に努める」と宣誓している。 それをどのように実現するのかという方法は述べていないが、バイデン政権は「効果的な軍縮を追求し、安定と透明性、予測可能性を増大させつつ、軍拡競争という経費も膨大で危険なリスクを軽減する」としている。

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なお、本件に限らず、今後報道記事を紹介する場合には、
その記事そのものの本文はイチイチ掲載せず、リンクだけ紹介して、
その記事本文を私が日本語化したテキストだけを本ウェブサイトに
掲載することにしますね。
本文の後に日本語訳という掲載方法だと、大変長くなってしまうので。

ご了承願いますね。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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