中国のICBM用サイロ場新設について、続き

https://www.businessinsider.com/what-building-missile-silos-may-mean-for-china-nuclear-force-2021-7
の記事、続きを日本語化紹介しますね。
記事の最初の部分からお読みになりたい方は、このすぐ下の投稿に
私の日本語化があります。

サイロを大幅に増大

ミサイル用サイロの数が多ければ、こちらがミサイルを発射しないうちに敵国がこちらの核兵器を全滅させてしまうことが困難になる。しかも、すべてのサイロにミサイルを装備する必要はない。

MIIS(ミドルベリー国際大学院)の東アジア不拡散プログラムのディレクターを務めるJeffrey Lewisは、中国が「かくれんぼ」ならぬ「隠しんぼ」戦略に打って出ているのではないかとみている。サイロの一部にだけ、ミサイルを配備するという戦略だ。冷戦時代には、アメリカ軍も似たような戦略を採用していた。

Lewisは「サイロが存在している限り、ミサイルでいっぱいになっている危険性を真剣に考えないといけない。だからこそ、“隠しんぼ” に効果があるのだ。確認はできないが、そこにミサイルがあると想定しないといけない」と述べている。

中国が最小限核装備での抑止という立場を保持しながら、核報復能力も保ちたいのであれば、この“隠しんぼ” 戦略は妥当なやり方といえる。ミサイル用サイロを建設するコストと、それを破壊するコストとを比べれば、中に何も入っていないサイロでも敵国による攻撃を抑止する効果を持ち得る。

隣に何かある … 私の20分クロッキーより

隣に何かある … 私の20分クロッキーより

「核弾頭のついたミサイルを増やすよりも、サイロを増設する方が安上がりで済む」と、Lewisは説明している。

彼によれば、今回のサイロの配置はサイロとサイロの間隔が大きく1つの核弾頭では複数のサイロを破壊できない。しかも、離れすぎてはいないので、必要ならサイロの間でミサイルを入れ替えることは可能だと、Lewisはこの「隠しんぼ」戦略を説明している。
米国科学者連盟(FAS)で核情報プロジェクトのディレクターを務めるHans Kristensenも、そうした「隠しんぼ」戦略が採用されている可能性は確かにあると認めている。

Kristensenによれば、「これだけのサイロを建設することで、中国がいわば”核のスポンジ”を作り出したといっても良い。もしこれが“隠しんぼ”戦略であれば、アメリカ軍のプランナーがミサイルの入っているサイロを探して攻撃するように仕向けることで、大量の核弾頭を無駄に使わせる狙いであろう」

ただしKristensenは、「中国の立場に立てば、必ずしもそう考えるだろうか?もっと単刀直入な戦略もあり得るのでは?」とも述べている。

Kristensenとその同僚のMatt Kordaが今週発表したハミでの展開に関する報告によれば、中国のサイロ建設は「中国史上最大規模の核武装増強」の表れである可能性もあるそうだ。

KristensenとKordaによれば、核兵力を充分に増強し、敵国の防衛線を突破して戦略的立場を危うくさせることを可能にするには、サイロを増設する必要があると中国が判断した可能性もある。

さらに今回のサイロ増設は、国威発揚のため、超大国というステータスを求める中国の願望の表れとみることもできる。ただ、中国はいまだにこのサイロ建設を認めておらず、その意図は不明瞭のままだ。

中国の核兵器総数はアメリカやロシアと比較するとはっきりと少なく、米ロはいずれも数千基もの核兵器を擁している。だが中国が核兵器送料を増大させようとしているのなら、最小限の抑止という方針を離れたことを示唆している。

Kristensen と Korda が記したところでは、「今回の核兵器増強は“最小限度”などと呼べるものではまったくなく、中国が敵国との競争で優位に立とうとする核武装競争の一環と見受けられる」

(長い記事ですので、残りはさらに次回に)

 

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