では、Guarding Indiaにあるインドの反応の紹介に戻ります。
長い記事を4回に分けて紹介しており、今回はその3回目。
元の記事は、
Why China is building more missile silos – Guarding India
にございます。
(私による日本語化)
3つ目の推測として、中国は新設中のサイロを「おとり」として使用する計画かもしれない
北京にあるカーネギー国際平和基金で核政策プログラムを担当している中国人学者Tong Zhaoの主張によれば、アメリカのミサイル防衛システムと精密攻撃通常兵器との向上を中国は憂慮しており、そのために中国の核兵器によっては抑止ができなくなってしまうのでは、と懸念している。Zhao氏が2021年3月に中国の全人代で主張したところでは、シージンピン(習近平)国家主席は中国軍部に対し、「最先端の抑止戦略能力を急いで作り上げるよう」指揮したそうだ。
最近発見されたサイロは、敵国に推測ゲームをやらせることで、核抑止の効果を増強しようとするものかもしれない。中国による、一種の「隠しんぼ」だ。サイロのうち1つ、あるいはいくつか、あるいはすべてに、ミサイルが配備されている可能性がある、というゲームで、敵国は攻撃を強化するにつれ、結局はサイロすべてを攻撃せねばならなくなる。わずか数基のミサイルを破壊するのに、敵国は核弾頭や精密誘導兵器を多数無駄に使わねばならないのだ。ことによると、サイロの中身はからなのだ、という可能性さえある。
これは、中国にとってはコスト効率に優れた戦略で、しかも核大国としてアメリカに匹敵しうるという中国のイメージを世界に浸透させることも可能だ。
アメリカは、今回のサイロ発見にどう反応したのか?
7月28,日、New York Times による今回発見されたサイロに関する報道について、Stratcom(アメリカ戦略軍)がリツイートを発表、「中国の核が世界にもたらす脅威の増大、そしてそれを覆い隠すヴェールが衆目を集めたのは、この2か月でこれが二度目だ」と述べている。
Richard司令官はこの4月の上院での証言で、 中国がICBM用サイロを大規模に配備していると述べた。Stratcomが中国によるサイロ建設の件を把握したのは、学者たちが衛星画像でそれを知るよりも早かったようだ。
7月の第1週にユーメンのサイロ場が発見された時には、国務省のスポークスパーソンが「中国の核兵器保有は拡大を加速、しかも以前予想されていたよりも高度なレベルに達する恐れがある。この増強は、憂慮すべきものだ。中国のねらいが何なのか、疑問が生じる」と述べた。ペンタゴンのあるスポークスパーソンが6月終わりにWashington Postに述べたところでは、「国防省のリーダーたちが証言し公に語ってきたこととして、中国の核武装が増強されており、今後10年間で倍以上に増大する」 アメリカ国防省の2020 China Military Power Report (2020年中国軍事パワー報告)の予想では、中国の核兵器装備はその当時で200基台の下半分だったが、今後10年間で倍以上に増えるであろう。
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さらに、次回に続きます。