10の欠陥、その2
欠陥2 何百万人死ねばいいの??
Ten Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theory (wagingpeace.org)
(核抑止理論に見られる10の欠陥)
(David Krieger | 2011年2月7日)
に戻って、2つ目の 「欠陥」 を。
いつもどおり、私による日本語化、< > 内は私からの補足説明です。
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欠陥2 <核抑止が成立するには> 大量殺りくを実行しようという
殺意が前提とされる。核抑止を実現しようとすると、敵国からの
核攻撃を抑止するには、何万人の声明を脅かせば抑止に充分なのか、
という政策議論が発生する。ある敵国を抑止するには、100万人の
生命を脅かせば良いのか?敵国Bなら、その人数は異なるのか?
そもそも、何万人を殺す能力があれば、抑止に充分なのか?
100万人なのか?1,000万人か? 1億人か?それとも、それ以上か?
そしてこの虐殺人数を多めに見誤ってしまう傾向が絶えず存在
するので、そのためさらに強大な殺戮システムを構築しようという
動きが出てしまう。さらにそのため軍拡競争が続き、決して使用
されることがあってはいけない兵器システムのために巨大な
リソースが割り当てられる結果となる。指導者たちは自国民に、
大量殺戮という脅威があること、抑止のための大量殺戮という
脅威を実現するためのリソース支出によって国民の安全が守られる
こと、さらに科学的リソースや財政的リソースを他の用途に
割り当てるよりも賢明であることを、説得せねばならなくなる。
その結果、リソースがおかしな用途に割り当てられるだけではなく、
国際問題に協力して取り組む努力が削がれてしまう。
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人類はその科学力を、協力しての問題解決よりも 「大量虐殺の
脅し合い」 に費やしてしまってきている ・・・・ 言い古された悲劇
ですが、なんともイヤになりますよね。
巨大な軍事費の一部でも貧困対策に投じれば、この世界には餓死者は
いなくなる、との試算もありますし。
では、次回は第3の欠陥を。
ただし、ザポリージャやJCPOAなどの関連で何か起きたら、
それも取り上げますね。