BBC Newsより、ザポリージャ原発の内情

(2022年8月12日JST)

Zaporizhzhia nuclear workers: We’re kept at gunpoint by Russians – BBC News
(ザポリージャ原発の作業員: 絶えず、ロシア軍の銃口がこちらをにらんで)

James Waterhouse記者
BBC News、キーフ
2022年8月12日

ザポリージャ原発の情勢、頻繁に報道が入っています。
今日は、BBC Newsのものを私の抜粋と日本語化で。
例によって、< > 内は私からの補足説明です。

20-min croquis / 20分クロッキー
武器を持たぬものを捕虜に ・・・
私の20分クロッキー

**************
ロシア軍に占拠されているザポリージャ原発に勤務するスタッフ
がBBCに、同原発を軍事基地として利用しているロシア軍部隊に
銃口を向けられている現状を説明してくれた。

侵入部隊はヨーロッパ最大の同原発を今年3月初めに占拠、それ以来
選挙を続けている。だが、今も稼働作業に当たっているのは、
ウクライナの技術者たちだ。

ロシア政府はこのところ、同原発を 「盾」 として利用していると
非難されているが、実際占拠している部隊は同原発から周辺地域に
ロケット弾を発射している。

この木曜日 <8月10日> には、砲撃の激化が報じられた。国連
事務総長が、核施設の近くでの戦闘は 「大災害を招きかねない」 と
新たな警告を発した。

<同原発の> 作業員2名がBBCに、連行されるかもしれないという
日々の恐怖、そして核の破局を見るか 「より広い地域が放射性物質に
汚染されてしまうか」 のどちらかになりそうだ、という不安に
ついて語ってくれた。

・・・(中略)・・・

ウクライナ南部の都市ニコポルには、同国でも特に危険な
地点がある。

ドニエプル川の川岸にある、16㎞先にザポリージャ原発が見える地点だ。

ここではこの2週間ほど激しい砲撃が続いており、一晩で最大
120発のロケット弾の発射があったとの報告もある。

そのロケット弾はエネルホダル方面から飛んできた。この原発の
ある町だ。

そのEnerhodarとザポリージャ原発も、激しい砲撃を浴びている。

国連の核監視機関 <であるIAEA> の主張によれば、戦闘をやめて
検査官の現場調査を認めなければ、「核災害が発生するリスクが
現実に存在している」

ウクライナとロシアは、お互いを非難しあっている。実像はかすんで
見えにくいが、リスクの存在はだれの目にも明らかだ。

Shock! 20 minutes / ショックな瞬間、20分
あれは!?
私の20分クロッキー

「勤務日は、常時ストレスだらけです」 と語るのはSvitlana さん。
テキスト メッセージで、BBCに連絡をしてくださった。

Svitlana さんとその同僚のMykola さんは、現時点ではロシア製の
SIMカードしか使用できず、使える信号が限られている。なお、
2名の身の安全のため、氏名は偽名を使っている。

Svitlanaさんによれば、「もう以前のようには仕事ができません。
先週は、職場に来ることもできませんでした。危険すぎて」

「土曜日には、窒素酸素保管庫に砲撃があり、火事が発生しました。
何らかの奇跡的な要因で、そこの作業員の皆さんは死なずに
済んだのです」

Enerhodarの別の住民がBBCに述べたところでは、店舗や薬局などで
売られているモノの値段は、まだウクライナが支配している地域と
比べて4倍ほど高い。しかも、医師も不足してます。ほとんどの
ATMも止まってます」

Svitlanaさんは長年この原発に勤務しており、毎日近くに砲弾が
着弾しているという。

彼女はさらに、「心理的にも、この状況は大変です。<発電所内の>
いたるところをロシア兵士が武器を持って歩きまわっており、どの
作業員も銃口を向けられている」 とも述べた。

ロシア軍は、およそ500名の兵士をこの原発に配置したと、非難を
浴びている。最近の動画を見ると、軍用車両が原発内部へと入り
込んでおり、この原発が <ロシア軍の> 基地になっていることに、
Svitlanaさんは何の疑いも抱いていない。

「ロシア兵たちは毎日、軍用車両で出入りしています」 と、
Svitlana は述べている。

「発電所の建物に密接させて軍用の機械を置いているので、
ウクライナ軍は攻撃ができない」


やだ、怖そう ・・・
私の20分クロッキー

Mykolaさんからのテキスト メッセージには、こうあった。
「<原発の> スタッフは今や、ロシア軍の捕虜です」

「ロシア軍はインターネット接続を切り、固定電話だけを
残しています。食料は、ダイニング ルーム1か所にしか
ありません。その他の部屋などはすべて、ロシア軍基地に
なっています」

ウクライナの憂慮事項として、ロシア軍がこの選挙している地域
への砲撃を始めており、「ウクライナ軍が攻撃をしている」 と
いった偽りの主張をし始めている。つまり、「<今度の住民投票で>
ロシア併合に1票を投じるのが賢明だ。ロシアがここに根を下ろし、
皆さんを守る」 というわけだ。

ロシアが任命したザポリージャ地域の政治家たちは、この住民投票を
すぐに実施すべきという指令に署名をしている。ロシア政府は以前にも
虚偽の投票を実施しており、たとえばクリミアでの住民投票がその
一例で、2014年にロシアはクリミアを併合している。

Mykola さんのメッセージは、さらに続く。「屋上に上がることは、
一切禁じられている。見張り場所を屋上に設置しているためだ。
訓練ビルも、ロシアの兵舎になっている」

「原発のスタッフがセキュリティ ゲートから出ていこうとすると、
連行されていく例が日増しに増えている」

この連行が何のためなのかは、不明だ。だが住民たちは、ロシアが
この地域の法律を決めるようになった場合について、陰鬱たる予想を
描いている。

Svitlana さんとMykola さんはまた、ロシア兵たちがいたる場所に
ゴミをまき散らしていることを指摘する。それでも、今のところ
原発のスタッフは原発施設のモニターをすることはできている。

another pose, 20-min / 別のポーズ、20分
どこに連れて行くのよ!?
私の20分クロッキー

(元記事はまだ続きますが、ここまでにしておきます)
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他の報道によると、今のところザポリージャでの放射線レベルは
正常なようですが、いつまで ・・・

原発を推進している人たちは、こうした軍事関連リスクをまじめに
検討しているのでしょうか?
一方、反原発団体の多くは、いつになれば proliferation risksも
含めた軍事関連リスクを、強く・具体的にアピールするようになる
のでしょうか?

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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