Reuters報:あるSMRプロジェクトの終焉

Reutersウェブサイトより
CORRECTED-UPDATE 4-NuScale ends Utah project, in blow to US nuclear power ambitions | ロイター (reuters.com)

では、NuScaleのユタでのSMR
プロジェクトの「終焉」について、
Reutersの報道を紹介しましょう。
本サイトのこの下、2023年11月12日
の投稿で、既にBeyond Nuclear
Bulletin 11月9日号にある英語記事を
私の日本語化で紹介しました。まだ
お読みでない方は、スクロールダウン
して「NuScaleとユタのSMR取引
・・・」という記事をお読みください
ませ。
ここでは、その問題に関連した
Reuters報道を私の日本語化で紹介
しますね。

やはり私の日本語化、
< > 内は私からの補足説明
です。

「小型」を運んでいたら、橋が崩壊 ・・・ なんてことも、いずれあるかも

「小型」を運んでいたら、橋が崩壊 ・・・
なんてことも、いずれあるかも

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CORRECTED-UPDATE 4-
NuScale ends Utah project, in blow to
US nuclear power ambitions
(NuScale社、ユタでの<電力供給>
プロジェクトを断念、
アメリカ核発電業界の野望に打撃)

Timothy Gardner, Manas Mishra記者
2023年11月9日

(この訂正記事では、2番目の段落に
修正を加えました。以前には「NuScale
社に6億ドルを出資」とあったのです
が、正しくは「小型原子炉の商業化の
ためにNuScale社その他にエネルギー
省が6億ドルを出資」です)

11月8日(Reuters報) – NuScale
Power社が水曜日 <11月8日> に
発表したところによると、同社の小型
モジュール原子炉 <SMR> プロ
ジェクトを 終了することでユタ自治体
連合電力システムと合意した。アメリカ
は気候変動対策として核エネルギー活用
の新たな波を起こすことを願っていた
が、この合意はその願望に対して大きな
打撃となる。NuScale社の株価は20%
下落した。

2020年にエネルギー省は、無炭素排出
電力プロジェクト (Carbon Free Power
Project, CFPP) と呼ばれる発電施設に
10年間で13億5,000万ドルの拠出を
承認している。ただ議会の承認を必要と
した。小型原子炉技術の商業化のため、
NuScale社その他に2014年以来同省は
6億ドルを出資してきた。

SMRはここまで安全と主張されてるけど ・・・ ホンマかいな??

SMRはここまで安全と主張されてるけど ・・・ ホンマかいな??

NuScale は6基のSMRで462MWを
発電するというプロジェクト開発を、
ユタ自治体連合電力システム <Utah
Associated Municipal Power Systems、
UAMPS> と計画、2030年にこの
プロジェクトを開始する予定であった
が、コストの上昇に伴い数個の自治体
がこのプロジェクトから脱退した。

NuScale社の社長兼CEOのジョン
ホプキンス (John Hopkins)が
プレス リリースで述べているところ
では、同社は今後もUAMPS以外の
米国内外の顧客各社との関係を保持、
アメリカの小型モジュール原子炉
(SMR) 技術を市場に導入しアメリカの
核エネルギー製造の基盤を強化させる
よう努めていくそうだ。

NuScale社はルーマニアやカザフ
スタン、ポーランド、ウクライナで
SMRを建設することを望んでいる。
批評家たちによる警告として、
ウクライナにあるザポリージャ原発を
ロシア軍が占拠しており、さらに同原発
の近くでたびたび砲撃が行われ、停電が
発生し、原子炉冷却用水資源も危機に
瀕している。そのため、事故があると
毒性の強い放射性物質をまき散らす恐れ
がある原子炉を、ウクライナに建設する
のはやめておくべきだという警告だ。

NuScaleのユタ州 <に計画していた>
施設は、アメリカの原子力規制委員会
(U.S. Nuclear Regulatory Commission)
から建設承認を受ける最初のSMRと
なる予定であった。だがNuScaleに
よると、ユタでのプロジェクトは実施
できるだけの加入者が得られそうに
ないそうだ。

そんな値段って ・・・

そんな値段って ・・・

NuScaleが1月に発表したところでは、
このユタに計画していた発電施設から
の電気料金はMW時あたり89 ドルを
目標にしており、それ以前の推定で
あったMWhあたり58ドルからは
53%も上昇してしまった。そのため、
これほど高価な電気料金を顧客が払い
たがるかどうか、という疑念が生じた。

エネルギー省のスポークスパーソンに
よれば、<今回の断念は> 不幸な
ニュースではあるが、「それでも現時
点までにCFPPが成し遂げた功績は
貴重なもので、今後の核エネルギー
産業のプロジェクトに役立つ」そうだ。

「どんなプロジェクトでも確実に成功
するというわけではないが、エネルギー
省では今後もあらゆる手を尽くして、
SMR技術を実用化し気候変動危機に
対応、クリーンなエネルギーを利用
しやすくしていく」と、同スポークス
パーソンは語っている。

アメリカにすでにある原発は、
アメリカで生産されているほぼ炭素
排出のない電力の、ほぼ半分を発電
している。

SMRは、閉鎖された石炭火力発電所に
とって代わる発電所や、人里離れた
コミュニティー用の発電所などの用途に
適する発電技術として開発されている。

<SMRの> 推進者たちの主張では、
SMRの設計は既存の原発よりも
安全性に優れている。だが批判側から
は、SMRであっても優雅な原子炉
廃棄物ができる。

今までのところ、NRCによる承認を
受けているSMR設計は、NuScale
のものだけだ。

アメリカ政府の公金がNuScaleに
供与されたわけだが、そこで用いられた
供与承認のプロセスでは競合相手が
おらず、しかもバイデン政権の下で
エネルギーと気候変動対策の各種法案
が通過する以前にあった公金拠出制度
によるものであった。

(報告:: インドのベンガルルの
Manas Mishra、ワシントンのTimothy
Gardner
編集: Shounak Dasgupta、Krishna
Chandra Eluri、Leslie Adler)
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ページ s-0) の最初の漫画、再掲 この漫画は一般化した内容の創作物であり、実在する特定政党とは関係しません。

ページ s-0) の最初の漫画、再掲
この漫画は一般化した内容の創作物であり、実在する特定政党とは関係しません。

「やかんをのせたら~~」では、既に
2021年11月アップロードの
ページ s-0) (上の黒いメニューにあり
ます。メニュー内項目は、基本的に
アルファベット順です)の冒頭で、
当時の自民党の甘利幹事長の「SMR
推し」発言を取り上げ、批判しました。
この下の2023年11月12日の投稿、
そして上記のReuters記事をお読み
いただければ、同幹事長の発言がいかに
非現実的なものであったか、ご納得
いただけるでしょう。
まあ、個人を糾弾してるんじゃない
ですよ。ソモソモ自民党は、基本方針と
して原子力(核発電)推進をうたい
続けてきた政党ですからね。
(「お前は左翼か!?」とか、誤解
しないでくださいね。2023年11月
現在、私は日本では支持政党があり
ませんのでね。支持政党の有無など
とは無関係に、核発電は高価で危険な
ものなのです)
この期に及んでもなお日本政府が
核発電を推進している「主な理由」は、
既にページ g-3) 、g-4) で紹介して
おります。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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