SMRドミノ、崩壊開始?

First SMR domino falls, potentially to start cascade
(SMRの最初のドミノが倒れた。あるいは、ここから総崩れか)

Beyond Nuclear Bulletin
2024年2月8日号より

元記事は、次へ:
First SMR domino falls, potentially to start cascade – Beyond Nuclear

Beyond Nuclear BulletinではSMR
プロジェクトのビジネス面での失敗に
ついて以前から最新の動向を紹介して
くれていますが、日本ではSMRという
言葉さえあまり耳にしないですよね。
でも上の黒いメニュー(項目は基本的
にアルファベット順)にある固定
ページ s-0) で述べた通り、日本でも
政府などは既にSMR導入を検討して
います。それに対し、反核勢力がSMR
という言葉も知らないままだと、
あまりにも無警戒ですよね。
そこで、「やかんをのせたら~~」
では、SMRとその挫折を紹介する
Beyond Nuclear Bulletinの記事を今後
も日本語化して紹介してまいります。

「連続殺人鬼が、この町に潜入したかもしれへんそうやで~~
そいつの特徴は ・・・」
「わあ~~、こわい、はよ逃げよ!」
「ちと待ちなはれ、特徴を知っとかんと」

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
**************************

SMRに限らず、どのようなタイプの
原子炉でも同様の財務的危機が
起こりえる

Utility Diveというエネルギー業界向け
のジャーナルがあるが、その2024年
1月31日号に掲載された Opinion
<お読みになりたい方は、 The collapse of NuScale’s project should spell the end for small modular nuclear reactors | Utility Dive へ。
近日、これも要約して日本語化しよう
か、考え中です>
という記事が、業界を揺るがせている。
この記事は
The collapse of NuScale’s project
should spell the end for small modular
nuclear reactors <NuScaleの給電
プロジェクトが崩壊、SMRの終焉の
兆し>
という適切なタイトルのもので、
核の愚行に関する幅広い典拠を
備えた調査だ。このOpinionの著者で
あるM.V. Ramana博士は、カナダの
ヴァンクーバーにあるブリティッシュ
コロンビア大学で公共政策と世界情勢
学部の教授ならびに軍縮・世界と人類
の安全保障に関するSimons Chairと
いう会長職を務めている。同博士は、
アメリカで建設・稼働される予定だった
大量生産の小型商用発電原子炉としては
最初のものとなるはずであったユニット
に関し、その財務面での失敗について
鋭い観察眼を向けている。

SMRは基本的に、工場で量産して
現場に運び、設置します

オレゴン州ポートランドに本社を置く
NuScale Power Corp社は2007年設立
のスタートアップだが、アメリカ発の
小型モジュール炉 (Small Modular
Reactors、SMR)を大量生産するよう
アメリカのエネルギー省(Department
of Energy、DOE)からSMRの代表
企業という扱いを受けていた。
NuScale社を所有・支配しているのは
アメリカの核エネルギー業界の巨大
企業であり水爆のメーカーでもある
Fluor Corporation社だ。だが代表企業
となるどころか、2023年11月9日、
NuScaleは核発電プロジェクトで
増え続けている財務的破綻の新たな
1例となったことが発表された。
核発電プロジェクトではコストの
抑えがきかず工期延長の繰り返しと
いうパターンがみられており、
プロジェクトは難航している。だが
NuScaleのケースでは、同社が選定
した原子炉設計をアメリカの原子力
規制委員会(Nuclear Regulatory
Commission)からの実施可能な設計
としてのライセンスを受けて工事
開始セレモニーを行えるようになる
以前から、犠牲にされていたのだ。

小型だから安全です
と主張していますが、実際には
1つの原発に多数のSMRを設置
するので、コントロールは複雑になります

NuScaleによる今回のパイロット
プロジェクトは当初、ライセンスを
受けてSMR 12基を隣接させて建設し
稼働させることを目的としていた 。
(各SMRの発電容量は50から
60MWeで、12基合計での発電容量
が最大で720 MWe)  12基を
1つの建屋に収納、コントロール
ルームも1か所だ。このやり方が
建設でも稼働でも安全性が高くコスト
も低く、工期も短くできると考えて
いたNuScaleだが、同社のSMRは
実は、実現困難なほど高価で大型
(1基あたり800 から 1150 MWe)の
商用PWRという何十年も昔の原子炉
を設計しなおしたものに過ぎない。
そうした旧式PWRは、稼働
ライセンスを延長してもらって現在も
稼働を続けているのだ。かくして1960
年代にまで遡る広範な経験をもとに
再設計したとはいえ、この再設計に
よっては完成コストの推定や完成
までの工期、あるいは稼働を予算内
で実施できるのかについては、信頼性
の向上は得られていない。実のところ
「スケール メリット」に則った新型
原子炉の設計と建設を核発電業界は
放棄しており、しかも小型原子炉で
コストの小さい電力を生み出すという
夢も「蜃気楼」として消え去り、
もはやかなわぬ夢と化したのは明らか
なのだ。

この研究所では、1961年にSL-1という小型原子炉の爆発事故があり、3名が他界なさいました。

NuScaleによるパイロット原子炉の
建設現場は、DOE が 連邦政府所有の
アイダホ国立研究所(INL)の敷地内の
土地が与えられている。アイダホ
フォールズ <アメリカ本土北西部の
アイダホ州の南東部にあります> の
そばにある。 NuScaleはUtah
Associated Municipal Power System
(UAMPS) と契約を締結、予想して
いた電気利用顧客ベースの獲得に
努めた。このUAMPS <ユタ州公営
共同電力事業体> は西部7州に
またがる50の地方自治体による電力
使用の協同組合で、参加希望の利用者
には最大で合計14億ドルの補助金が
DOEから10年間かけて支払われる。

だが、そうして連邦政府が核発電電力の
利用顧客が被りえる財務面でのリスクの
軽減に努めたにも関わらず、NuScaleと
UAMPSとが電力購入契約の顧客獲得に
初めから苦闘した様子を、Ramana博士
は示している。この購入契約にはある
「逃げ道」が用意される予定で、一旦
加入した顧客もそこからすぐに逃げ出す
ことになったのだ。そうした自治体が
財政上の懸念からこの核発電プロ
ジェクトより脱退、UAMPSとNuScale
とはこのプロジェクトの原子炉数を再度
交渉し、定格77 MWeの原子炉6基に
縮小した。合計発電量は462 MWeと
なる。それでもなおこの原子炉の設計
の安全性には問題があり、原子力規制
委員会からの承認をまだ得ていない。
かくして、この原子炉も巨額を費やす
脆い建築物であることが実証されて
しまった。以前、2005年にアメリカ
議会と核発電業界とは「原子力
ルネッサンス」を提唱したが、その際
に同業界は「革新型」第3世代原子炉
<例として、EPRやAP1000など。
上の黒いメニューにある固定ページ
al-1) や al-4) を参照> 34種類を
提唱したのだが、現時点で商業稼働が
可能なのは1基のみ (Vogtle原発の
3号機) であり、もう1基 (Vogtle
の4号機) は今も建設中である。
このジョージア州のVogtle原発で
進められている新原子炉建設プロ
ジェクトの当初の予算は140億ドル
であったが、現時点では400億ドル
に膨れ上がっており、いかに
カネクイムシかが分かる。

カネクイムシだよ~~

 

DownToEarth, <というインドに
本拠を置く環境問題などを扱う
ウェブサイト。元記事は https://www.downtoearth.org.in/blog/climate-change/tripling-nuclear-energy-by-2050-will-take-a-miracle-and-miracles-don-t-happen-94249
に> では上記の件をフォローする
記事を2024年2月3日付で公表、
M.V. Ramana 博士とFarrukh A.
Chishtie との共著による “Tripling
nuclear energy by 2050 will take a
miracle, and miracles don’t happen”
<2050年までに核発電を3倍にする
のは奇跡だが、奇跡など起こりえない>
という記事である。地球規模での気候
変動対策として核発電を拡大しようと
するのは危険な暴走であり、失敗する
ことが明らかだと説明している記事だ。

Chishtie と Ramanaという2名の
専門家は、この <2050年までに
各発電を3倍にという> 提案に反論
している。この提案は、UAEのドバイ
で開催された第28回気候変動対策会議
(COP28)でアメリカの前特使John
Kerry が唱えたものだ。専門家両名は、
2050年までに核発電をあり得ないほど
馬鹿げたと言ってよいレベルにまで拡大
することは無理だとする主な理由と
して、「核発電の経済的現実」を歴史
から現在に至るまで紹介している。
核発電をいまさら3倍増しても、
加速的に悪化しつつある気候変動を
緩和するには、手遅れだ。

「核エネルギーを短期間で拡大する
のは無理だという証拠は、圧倒的に
多数ある。核発電をさらに拡大すれば
気候変動を緩和できるという考えを
放棄すべき時代になっている。むしろ
再生可能エネルギーの拡大とそれに
関連した技術の向上とに傾注し、
厳格なエネルギー効率の向上措置を
実施し、エネルギーの移行を急速に
進めるべきなのだ」

努力の方向を変えよう

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上述の通り、DownToEarthの関連記事も
近日中に要約・抜粋で紹介する予定で
おります。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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