Newsweekのウェブサイトより
Iran’s Khamenei Halts Nuclear Weapons Program in Olive Branch to Trump – Newsweek
本件は既に日本語メディアでも取り上
げられており、実に重要な出来事です
よね。
実に世界規模で重要な問題なのですが、
例によって日本語メディアの紹介内容
は要約者が多いので、Newsweekの
英語版記事も見ておきましょうよ。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
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Iran’s Khamenei Halts Nuclear
Weapons Program in Olive
Branch to Trump
(イランのハメネイ、核兵器開発プロ
グラムの停止を命令。トランプへの
和解の申し出か)
2025年1月22日
イランの最高指導者アヤトーラ アリ
ハメネイ師が核兵器の開発を禁じたと
報じられている。一部の見方によれば、
これは <アメリカからの> 経済制裁
の緩和について、トランプ政権との
交渉を始めようとする動きだという。
イランの「軍事法廷」(Armed Forces
Judiciary)の長が1月21日に本件の
報告を行ったと、Iran International
<という多言語デジタル ニュース報道
機関> は報じている。 これはトランプ
の大統領就任の翌日であるが、和解への
動きのように見えるからといって、
実際に核開発活動がストップするとは
限らない。
Newsweekではイランの対国連使節団
ならびにトランプの政権移行チームに
接触、コメントを求めた。通常の業務
時間帯以外の時刻に、Eメールで
求めたもの。
何処が重要なのか
核兵器開発をイランが止めたとすれば、
西側による経済制裁が引き起こした
経済問題が、<核開発に勝る> 優先
課題とされるようになった、という
ことになる。つまり、イラン政権は
財政再建を進めるため、アメリカを
はじめとする諸国との交渉に乗り出す
ことにした可能性もある。
それと同時に、イランのイスラム政権は
トランプ新政権に対処するにあたり
新たなアプローチを採用しようとして
いるという見方もできる。
覚えておくこと
イラン軍事法廷の長Ahmadreza
Pourkhaghanがテヘランで述べた
ところによれば、「他界された
イマーム <イスラム教シーア派の最高
指導者のこと> であったホメイニ師
は、敵軍に対してさえ、化学兵器や
特殊な兵器の使用を許可なさら
なかった」 そのため「<現在の>
最高指導者ハメネイ師も、その教えに
基づき、イラン イスラム共和国の
軍部が核兵器を開発することを許可
しないのだ」
<今回の核兵器開発禁止は> 経済制裁
を緩和してもらうべくアメリカとの
対話を開始するための努力の一環だ、
という見方もある。確かに、ある
イラン高官は火曜日 <21日>に対話を
開始する用意が出来ていると語って
いた。既に先日、イランはフランス・
英国・ドイツと核開発プログラムに
関する対話を開催している。
ハメネイの発表に先立ち、2024年12月
上旬には国連のIAEAが、イランが
核開発プログラムを増強させており
ウラニウム濃縮を加速させているとの
懸念を募らせていた。 イランはウラニ
ウムを60%まで濃縮しており、これは
核兵器グレードに近い。だがイランは
その核関連活動については、<核兵器
開発という> 嫌疑を繰り返し
否定してきた。
アメリカはイランへの制裁を追加して
おり、その対象はイランの「影の艦隊」
<イラン原油を非合法市場へと密輸
するため暗躍していたとされています>
ならびに情報操作を行ったと非難を
受けているイラン政府の個々人である。
この情報操作は <アメリカの大統領>
選挙に先立ちアメリカの投票民を対象
としたものであった。前回トランプが
大統領であった時にはイランへの制裁
を強化、これは2018年にアメリカが
イランとの核合意から脱退した後での
ことであった。この核合意は、包括的
共同作業計画(Joint Comprehensive
Plan of Action)と呼ばれる。
トランプが大統領に再度就任したこと
で、さらなる制裁が追加される可能性
もある。トランプと政権メンバー
たちは <イランへの>「最大限の
プレッシャー」という対応を再開する
ことを討議しているのだ。これは、
イランが核兵器を製造する能力を
喪失させることが目的だ。
関係者の見解
イランの国際法務問題担当の副大臣
Kazem Gharibabadiが火曜日 <1月
21日> に記者団に対して述べた
ところでは、 「イランはいつでも
交渉に応じられるよう準備を整えて
きた。交渉相手が準備を整えれば交渉
が始まり、何らかの結果を生み出す
はずだ。だが、相手が方針を変えた
場合、それに応じてイランも
アプローチを変えることになる」
「どの国であれ、制裁を受ければ市民
の生活にも影響が出る。それでも、
イランの方針を替えさせるという目標
は達成できなかった。論理的な必然と
して、適切な対話を再開し、制裁を
解除すべきだ」
イランのマスード ポゼシュキアン
(Masoud Pezeshkian)大統領が
先日、在テヘランの英国の新大使に
述べたところでは、「イラン
イスラム共和国には、その核関連能力
を軍事用途に使用する意図は、全く
ない。その理由はイスラム信仰であり、
最高指導者アリ ハメネイ師による
ファトゥワ <資格あるイスラム法学者
が下す、イスラム法に基づく裁断>
である」
今後の動き
制裁緩和に向けた交渉をイラン政府と
トランプ政権とが開始するのか否か
は、予断を許さない。
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どうも英語でインターネットを
サーフィンする限り、上記以外には
今回のファトゥワに関する記事が
あまり見当たりません。そのため、
1月30日の朝(JST) 現在、真偽の
ほどを確認できずにおります。上記
にもあるように、以前にホメイニ師
も核兵器を禁じてらっしゃったのです
が、では例の濃度60% のU-235は何に
使うんだ???って疑問が生じます
よね。この問題が解明されないと、
制裁も緩和されはしないでしょう。
個人的な願望としては、西側による
制裁が効果を発揮 ⇒ イラン政府が
核兵器に手を出さないことを世界に
宣言しないとヤバいと判断、という
流れであって欲しいのですが ~~
もしそうなら、軍事的手段によらずに
核兵器を諦めさせた実例となるの
ですからね。
まあ、それを確認できるような報道が
登場するのを、しばらく待機して
おります。