裏切りの再稼働と札束

Beyond Nuclear Bulletin、2025年1月
30日号より
Trump’s attack on Biden’s IRA spending could complicate Palisades restart effort – Beyond Nuclear

ご存じの通り、
・ バイデン政権下では「CO2排出の
削減」のための「原発ルネッサンス」が
進み、かなりの交付金などが支給されて
いました。
(⇔ 上の黒いメニューの終わり近くに
あるページ 付録 w-1) , 付録 w-3) ,
付録 w-8) , 付録 w-18) さらに
付録 w-16) , 付録 w-17) , 付録 w-19)
を参照)
その一例として、ミシガン州にある
Palisades(パリサデス)という老朽
原発は、いったんは廃炉が決定して
いたのですが、
旧所有者企業が、Palisadesを売却 ⇒
新所有者企業が再稼働を申請 ⇒
公的な補助金を給付 + 多くの周辺
市民からは反対の嵐
といった事態が発生しております。
上の黒いメニューでは、基本的に項目を
アルファベット順に配列しております。
そこにあるページ yards-1) , yards-2) ,
yards-3) , yards-4) も参照。

元カレ「裏切ったな~」
女と冷却塔「CO2削減のためヨ」

・ 上記の原発復活方針は、アメリカ
民主党の伝統的な方針とは矛盾するもの
なのですが。
上の黒いメニューの終わり近くにある
ページ 付録 w-4) 参照

・ で、トランプ政権に代わったことで
上記の方針にも変更がありそうです。

そうした背景を踏まえたうえで、次の
Beyond Nuclear Bulletinの記事をお読み
くださいな。

いつもどおり、
私の日本語化
<  > 内は、私からの補足説明
です。
********************************

Trumps attack on Bidens IRA
spending could complicate Palisades
restart effort
(バイデン政権によるIRA関連の支出を
トランプは非難。パリサデス原発の再稼働
の動きにも複雑な影響か)
* IRA: Inflation Reduction Act(インフレ
軽減法)のことで、2022年に制定された
アメリカ連邦法です。アメリカ国内での
クリーン エネルギー生産に関する規定
も含んでいます )

2025年1月24日

情報源は、Toledo Blade紙<オハイオ州
トレドに本拠を置く新聞> のTom
Henry氏による記事。
ただし、その記事は有料。

「クリーン」でございます~
CO2出しませんから
外部電力は石炭火力からきてたりして

2022年のインフレ軽減法に対する
大統領令、ならびに2021年のインフラ
投資・雇用法 <Infrastructure Invest-
ment and Jobs Act、IIJA、Bipartisan
Infrastructure Law [民主・共和両党の
合意によるインフラ法] とも呼ばれる。
やはりクリーン エネルギー推進のため
の政府支出を定めています> に関する
類似した姿勢のため、Palisadesという
ゾンビー原発を再稼働させたがって
いるHoltec International社が要請して
いる膨大な公金からの補助金支出も、
失くなってしまう可能性がある。
そもそも、こうした再稼働自体が、前例
のないものだ。Holtec社は上記の両法律
に基づく各種の補助金を求めており、
その合計はなんと80億ドルを上回って
いる。その大半は連邦政府からのもの
だが、一部はミシガン州からのものだ。

パリサデス原発はミシガン州 <五大湖
の南岸にあります> 南部のVan
Buren郡、South Haven市のすぐ南の
Covert Townshipという町にある。
パリサデスはミシガン湖のビーチに
面しており、この湖は水源として
シカゴ市も含む周辺住民1,600万人に
飲料水をもたらしている。

廃炉するために買い取ります ⇒ だから、
補助金ちょうだいな~ ⇒ 実は、再稼働させたいの~

パリサデス原発の以前の所有者企業で
あったEntergy社は、2022年5月
20日に同原発を廃炉とすることを決定
していた。だが <新たな所有者企業
が> パリサデス原発を買取り、表向き
は廃炉作業のための買収とされていた。
ところが実際には、連邦政府のエネル
ギー省ならびにミシガン州政府に
対して秘密裏に何十億ドルもの補助金
を申請していた。当然、税金から支出
される補助金だ。極度に故障続きで
建設から50年以上を経ている同原発を
再稼働しようというのが真の目論見
だったのだ。

国家情報リソース サービス (National
Information Resources Service、NIRS)
がIRA <に基づく支出> を分析した
ところ、IRAを根拠とする核発電への
補助金として3,800億ドル以上が承認
されていた。この分析ではIIJA法に
よる原発への補助金も取り上げており
それも何十億ドルにのぼっていた。

さらに連邦政府のファンドからローン
保証という形で74億ドルが、いわゆる
「小型モジュール原子炉」(Small
Modular Reactor、SMR)の設計認証、
建設、稼働のために支出されるが、
これは2005年のエネルギー政策法
(Energy Policy Act)と2007年12月
23日の同法の充当とに基づくものだ。
Holtecはパリサデス <の敷地> に
SMR-300という原子炉2基 (1基
あたり300MW) を新設する計画で、
わずか432エーカーの敷地でのMW数
がほぼ2倍になる。Holtecはさらに
パリサデスの兄弟原発の敷地にも眼を
とめている。つまり、すでに閉鎖され
廃炉となったビッグ ロック ポイント
(Big Rock Point)原発で、パリサデス
から北へ数百キロ離れたHayes
Township という町にある。Charlevoix
という町と Petoskeyという町の間で、
やはりミシガン湖岸に立地する。
こうしたファンドについてもトランプ
が凍結を命じるのか否かは、未定だ。

Holtecには <原発の稼働や安全に
ついての> 実績も能力もなく、それが
2年間この原子炉をほったらかしに
していた。そのため水蒸気管に自業自得
ともいうべき劣化が発生、それを
考えれば同社が2025年に同原発を
再稼働するという計画も実現が
疑われる。

ほるてく電工(株) 実は水道工事
「今年中にやりますから ・・・」

この元記事では、Beyond Nuclearの
放射性廃棄物のスペシャリストである
Kevin Kampsの発言を引用している:

メリーランドに本拠を置くBeyond
Nuclearの活動家Kevin Kampsは、
パリサデス原発の近くで子供時代を
過ごした。彼によればこの原発の安全
確保策は「極めて疑問の残るもので、
NRC <アメリカ原子力規制委員会>
は原子力業界を規制する機関である
はずなのに、その業界に振り回されて
いるのだ」

Beyond Nuclearならびに協力し合って
いる各団体では、パリサデス原発の
ゾンビ―のような再稼働に反対して
おり、それに関係する2002年以降の
インターネットでの各種投稿をすべて
まとめたものが、次のページにある。:

“Newest Nuke Nightmares at Palisades.”
Newest Nuke Nightmares at Palisades, 2022-Present – Beyond Nuclear

******************************


ちゃんと喧伝してよ~~
大きな空白になってんじゃん
私の20分クロッキー、紙に赤いペン

ページ 付録 w-4) で紹介している
Al Gore元副大統領の発言は、
核発電と不可分に絡み合ってしまう
proliferation risksを的確に指摘、
それゆえに核発電には期待できないと
しています。実に、現実的な結論です。

ところがその民主党がバイデン政権下
では方針を変更、「CO2削減のために
原発推進」という誤った路線で進んで
しまいました。
(しつこくも、ページ 付録 w-1) ,
付録 w-3) , 付録 w-8) , 付録 w-18)
さらに 付録 w-16) , 付録 w-17) ,
付録 w-19) を参照)

そしてトランプ政権になり、今度は
CO2削減など無視して化石燃料
バンザ~イ ⇒ 結果、パリサデス
への補助金は出なくなる??

という、何ともお粗末な流れですね。
そもそも、「原発はCO2を出さない」
という誤った認識が問題なのですが
・・・日本の反原発団体の皆様も、
これがご認識であることを、もっと
喧伝しませんか??

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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