前回の投稿の最後で、
では、次回は中国のICBM用サイロ新設に対する、インドの反応の例を。
と申し上げたのですが、そうしようと準備していたら、北朝鮮の原子炉再始動か??というニュースが。
「核発電と核兵器の不可分性」を訴えるのがミッションの本ウェブサイトとしては、これは無視できません。そこで、予定変更してその北朝鮮の原子炉の報道を紹介します。
なお、本ウェブサイトのページ e) のヨンビョンの原子炉に関する記載を最初にお読みいただくと、以下の報道が分かりやすくなるはずです。黒いメニューの中ほど、e) をクリックしてください。
インドの反応は、その報道を紹介した後で取り上げますね。
Reuters Aug 29
Renewed activity at N. Korea nuclear reactor ‘deeply troubling’, IAEA says | Reuters
(北朝鮮の原子炉で活動再開か、深刻な懸念とIAEA)
(私による日本語化)
ウィーンならびにソウル発、8月29日(ロイター) 北朝鮮には核兵器用のプルトニウム製造に使用してきた原子炉があるが、それを再稼働させた模様だ。国連の核査察機関であるIAEAが、年次報告書でそれを報じている。この鎖国国家は核武装の増強に努めており、それをこの報告書は強調している。
問題のヨンビョン原子炉は出力が5メガワット(MW)で、兵器グレードのプルトニウムを製造できるものとみられている。それが2018年末以来初めて、稼働の兆候を示していることが検知されたと、IAEAがこの金曜日(8月27日)付で公表した同報告は述べている。
「2021年7月初旬以来、冷却水の排出も含め、稼働を示すとも見られるような兆候がある」と、IAEAの同報告はヨンビョン原子炉について述べている。これは、北朝鮮の核開発プログラムの中核に位置するヨンビョン核施設にある原子炉である。
プルトニウムを増産すれば、北朝鮮は大陸間弾道ミサイルに搭載できる小型の核兵器も製造しやすくなる。そう語るのは、科学・国際安全保障研究所(Institute for Science and International Security)の所長であるDavid Albright だ。
「少なくても言えることは、北朝鮮はその核兵器を両・質の両面で増強したいということだ」とも、Albright は述べている。
北朝鮮の核兵器に関する諜報活動は限られたもので、その数量は正確には分からないが、Albrightの推定では毎年4個から6個の原爆を製造する能力があるという。
この月曜日にホワイトハウスが発表したところでは、この報告は「緊急に対話と外交を進める必要性を強調している」とされる。(さらに詳細は、ここをクリック→ read more ) この報告内容そして朝鮮半島の非核化を論じ合うため、アメリカは北朝鮮との対話を求め続けている。ホワイトハウスのJen Psaki 報道官は、あるニュース ブリーフィングでそう語った。
2009年に北朝鮮政府がIAEAの査察団を同国から追放しており、それ以来IAEAは北朝鮮に入国できていない。その時以来、北朝鮮は核開発プログラムを強硬に推し進めており、短期間で核実験も再開した。最後の核実験は、2017年のことだ。
現在、IAEAは遠隔で北朝鮮の核関連活動をモニターしており、主に衛星画像を利用している。
商用衛星の画像からは排水が窺えるので、この原子炉が再度稼働していることが分かる。そう語るのは、アメリカを本拠として北朝鮮を監視している「38 North」プロジェクトのディレクターであるJenny Townだ。
Townによれば、「今までなぜこの原子炉が稼働していなかったのか、それを知る手立てがない。貯水池ではこの1年間、作業が行われてきており、冷却システムには十分な水を確保できていたのだが」
「私としては、このタイミングも少しおかしい。今後何週間または何か月間かは洪水が発生しやすい予報であり、それは原子炉の稼働にも影響するはずなのだが」
昨年38 Northが発表したところでは、8月の洪水によりヨンビョン原子炉につながっているポンプ ハウスに損傷が発生した可能性があり、これはこの原子炉の冷却系統が異常な気候事象に対してどれだけ脆弱かを示している。
今年も季節性の多雨のため一部地域で洪水が発生したと、国営メディアが報じている。だが今のところ、このヨンビョン核科学研究センターという施設に対する脅威の報道はない。
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この報道も長いので、次回に続きます。
それにしても、このHOMEのセクションで「核兵器と核発電の不可分性」に関するニュースを紹介することを始めた時点では、「まあ、JCPOAの進展の件と、北朝鮮の動向が、当面は主な話題になるかな」とのんきに思っていたのですが~~
実際に始めてみると、JCPOAはもちろん、タイシャン原発の事故、中国北部でのICBM用サイロ新設といった緊急の憂慮すべき報道が続き、そして今回は北朝鮮の原子炉再稼働 ・・・
この「不可分性」は地球を震撼させていると言っても、過言ではありますまい。
しかし、日本語メディアではパンデミックの話題に続けてこうした核問題も取り上げるのか??と思っていたら、自民党の政局の話題ばかり。
そんな現状ですから、本「やかんをのせたら~~」で取り上げていくことに、まんざら意味がないわけじゃ、ないようです。