スイスとフランスで、「暑すぎるため」原発停止
Euronewsのウェブサイトをベースに
France and Switzerland shut down nuclear power plants amid scorching heatwave | Euronews
2025年7月2日の記事
要するに、
熱波襲来 ⇒ 原発の冷却水源になって
いる河川の水温が上昇 ⇒ 冷却が
充分にできない ⇒ 原発停止
という事件です。
つまり、気候変動が激しくなっており、
原発の稼働ができなくなるケースが
現実に発生している、ってことです。
過去のそうした実例はすでに
上の黒いメニューの底部にある
付録 w-10) (2022年8月)
付録 w-11) (2023年6月)
付録 w-16) (2024年4月)
付録 w-17) (2024年10月)
付録 w-19) (2025年1月)
で、紹介しております。
今回紹介する実例は、ヨーロッパで
現時点で発生しているもの。
つまり、激しい気候変動の中で
原発を稼働できないケースが
起こり続けているわけです。
ですから
「気候変動対策として、原発を」
は、既に遅きに失しております。
「再生可能エネルギーは、不安定だ。
原発で、安定した電力を」
は、現実には誤りでした。気候の
激しい変動のために原発が停止する
事態が、今年も起こっているのですから。
なお、原子炉の冷却の基本については、
やはり上の黒いメニューの底部にある
付録 w-15) (2024年1月)
で説明しております。
では、現時点でのスイスとフランスでの
「原発停止実例」を報道している
Euronewsの記事から、一部抜粋して
日本語化で紹介しますね。
< >内は、私からの補足説明です。
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——–
ここ数日ヨーロッパ全体を襲っている焼け
つくような熱波の中、スイスとフランスでは
原発数か所が出力制限を受け、あるいは
完全に停止を余儀なくされた。極度の暑さ
のため、近くの河川からの冷却水を利用
できなくなったためだ。
——–
ヨーロッパを覆うこの熱波のため原発で
川から取水をしても、既に水温がかなり
高い。そのため、<原子炉などの>
冷却に利用できないのだ。さらにそうした
河川水を無理に冷却水として使用する
なら、そのあまりに高温となった冷却水
を河川に排出することとなり、周辺の
生物多様性に悪影響をもたらす。
この熱波襲来を受け、スイスのべツナウ
原発 <スイス北部、ドイツとの国境近く>
の事業者であるAxpo社は、火曜日
<7月1日> に原子炉のうち1機を停止
したと発表した。さらにもう1基の原子炉も
出力を制限して稼働中であるそうだ。
同社によれば「河川の水温が非常に高く
なっており、Axpoではここ何日かこれら
両原子炉の出力削減を進めており、
日曜日には50%にまで下げた」
ベツナウ原発の原子炉はアーレという川に
直接接しておりここ数日はその川水の
水温が25度に達していた。そこでAxpo
は原子炉の稼働を抑制している。「既に
熱い河川水を余計に熱くしてしまい」周辺
の生物多様性に悪影響を及ぼすことを
避けるためだ。
なお、スイスは2033年までに段階的に
原発を廃止することを決定しているが、
既存の原発については安全性を維持
できる限り稼働を続けてもよい、
としている。
一方、フランスの電力会社EDFは
月曜日、<フランス南部の>タルン エ
ガロンヌ県の南部にあるゴルフェシュ
原発を停止させた。この地域では危険
な暑さに関する警報が発令されており
原子炉からの熱い冷却水がなくても
河川水の水温が28度に達する恐れが
あったためである。
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上に列挙した「付録」の各ページをお読み
の上で上記の記事をお読みくださるなら、
何の説明もいらないでしょう。
気候変動対策としては、核発電はあまり
役立たないのです。、