60%超もの純度にウラニウム濃縮をしてしまうと、世界から非難を浴びることは目に見えていますよね。やはり、そうした非難がヨーロッパの3国の政府から出てきました。
ただ、その3国のうち、2つは核兵器保有国だというのが問題ですが。「核兵器保有国」が「持たざる国が持とうとしている」のを、叩いているという指摘も、当然あると思います。
それに、イランに言わせれば、「イスラエルの核兵器には、何も言わないのか!?」ということになるでしょうし。
やはり、核兵器は地球から全廃するしかないですよね。
当然、核兵器製造に実際には悪用された「実績」を持つ核発電も、地球から全廃するしか。
英国政府のウェブサイトより
このプレスリリースの本文は、下記のリンク先に。
https://www.gov.uk/government/news/e3-statement-on-the-jcpoa-19-august-2021
E3 Statement on the JCPoA: 19 August 2021
The governments of France, Germany and the United Kingdom respond to Iranian plans to produce uranium metal.
(JCPoAに関する欧州3国の共同声明: 2021年8月19日
フランス、ドイツ、英国の各政府は金属ウラニウムを清算しようというイランの計画に対し、本声明を発する。)
発表元
Foreign, Commonwealth & Development Office (英国外務国際開発省)
発表日
2021年8月19日
(私による日本語化)
“ IAEAが発表した最新の報告によれば、イランが金属ウラニウムをまず20%まで濃縮し、さらにそれを60%にまで高めたうえで生産能力を大幅に増大したことが確認されている。我々、フランス・ドイツ・英国の各国政府はそれに対し深刻な懸念を抱いている。
“ そうした行為は、包括的共同行動計画(JCPOA)の下でのイランの順守すべき規定に対する重大な違反であることを、我々3国は繰り返し訴える。20%への濃縮も60%へのそれも、核兵器開発での重要なステップであり、いずれの濃縮度でも、そのようなウラニウムには、信頼できる民生用途がイランにはない。さらにイランはJCPOAで合意していた査察の手続きを撤廃し、IAEAによる「追加議定書」の適用の拒否するようになっており、我々の懸念はさらに深まっている。
“ それに加え、ウィーンでの交渉もイランからの要請により現時点ですでに2か月間中断しており、再開の日取りもイランは約束していない。こうしたイランの行動は、さらに憂慮を増し加えるものだ。イランは交渉を拒否し、ウラニウム濃縮の既成事実を積み重ねており、JCPOAの再建がさらに複雑なものになってしまう。
“ イランは、JCPOAに違反する行為を速やかにやめるべきだ。我々3国はイランに対し、可能な限り早急にウィーンでの交渉に復帰し、会談の迅速な合意締結と成功とに努めるべきである。我々は、関係者のいずれにとっても時間の猶予がなくなっているという問題を、繰り返し強調してきた。
以上
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「発電用核燃料で~~す」といったウラニウム濃縮を始めても、
・ いつのまにやら兵器グレードに近づけた濃縮が行われ、
・ それをやめさせるには、諸国の政府がまとまって働きかける必要があるが、
・ それでもなかなかやめさせるには至らない
・ つまり、もとは「発電用」で始まったウラニウム濃縮が、結局はウラニウム型原爆に至ってしまう実際の可能性がある
という深刻な事実の実例ですね。
イラン1国を非難すればよいというもんじゃなくて、「核保有5か国」も、インドやパキスタンも、北朝鮮もイスラエルも、核兵器は全廃するしか、選択はございますまい。
それを徹底するには、核発電も全世界で全廃することが必要ですね。