Daily Express (ロンドンに本拠を置く英語タブロイド、
保守党の一部との関係が疑われたりする新聞で、保守系)の記事より
ザポリージャ原発の最新状況が気になりますよね。
日本語では詳細な報道が聞こえてこないので、タブロイド紙では
ありますが、英語圏のメディア報道も紹介しておきましょう。
ロンドンのDaily Expressから。まあ、タブロイド紙の報道だという
ことはお忘れなく。
いつも通り、私の日本語化で。< > 内は、私からの補足説明です。
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プーティンの軍隊、原発に爆薬を保管し 「チョルノービ規模の大災害」 の
リスクを現実化
ヴラディミール プーティンの軍隊はザポリージャ原発を制圧、
そのエンジン室に実弾薬を格納しており、チョルノービ原発災害に
匹敵するほどの規模の災害が発生するリスクを現実化させてしまって
いると、ウクライナ高官たちが述べた。
ALEKS PHILLIPS 記者
2022年7月22日
<ザポリージャ原発が爆発するような事態になれば> ロシア支配下に
あるウクライナ領土で原発が爆発するのは2回目となってしまう。
しかもそうなった場合、今度はヨーロッパ最大の原発だ。今回の
ヴラディミール プーティンによる恐るべき侵略が始まってすぐに、
この原発は制圧された。そしてロシア軍が同原発に対し直接に砲火を
放ったと、広く批判が向けられている。
今では占拠部隊は6基ある原子炉のうち1基に 「軍用重機器や弾薬、
武器、火薬類」 のユニットを 「少なくても」 14ユニット格納しており、
壊滅的なメルトダウンが発生するリスクを高めてしまったと、
ウクライナの国営核エネルギー企業エネルゴアトムは発表している。
同社によれば、こうした武器類は発電タービンの稼働を継続させる
ための設備の 「すぐそばに」 格納されている。発電タービンとは、
原子炉からの熱を利用して発電を行う蒸気タービンのことである。
エネルゴアトムの警告によれば、これらの兵器類はメイン オイル
タンクの 「すぐそばに」配置されており、このタンクには蒸気
タービンを冷却するための可燃性オイルが入っている。
「それ以外にも、発電機の冷却に使う爆発性の水素もある」
ロシア部隊がこうした爆発物を配置した地帯には、特殊用途化した
消防車が 「近寄れない」。そのため、火災が発生すれば沈下不能に
陥るリスクが高い。こうした配置が無知によるものなのか、生命
そのものを軽んじているためなのかは、わからない。
エネルゴアトム社は深刻に憂慮しており、こうした兵器類の配置の
ため、「火災が発生した場合には、消火活動には大いに問題が伴う」
としている。
本日木曜日 <7月21日> 発表の声明では、同社はさらに 「たとえば
弾薬が偶発的に爆発してしまい、火災が発生した場合には、その規模は
チョルノービ原発事故での火災と同程度のものになりかねない」 と
述べている。
つい昨日 (水曜日) ロシア軍はザポリージャ原発のウクライナ国籍の
作業員たちに対し、エンジンルームを開放して武装ユニット3個が兵器を
格納できるようにせよと 「要求した」。このため、爆発発生のリスクが
さらに高まり、複数の原子炉が被害を受ける危険性もある、という不安が
高まった。
ウクライナでの前回の原発事故、つまりチョルノービ事故の傷跡を、
今でもウクライナは負っている。同事故では大気中に放射性物質が漏出し、
数えきれないほどの早期死亡が発生した。今ではチョルノービ原発は、
1,000平方マイル <約2,590平方㎢> にものぼる立入禁止地域の中に
座している。
2016年には従来の放射性物質封じ込め建築物の上に新たな封じ込め用
構築物を建設、その費用は15億ユーロ (12億8千万ポンド) ほどにのぼった。
ロシア軍部隊は、この2月に今回の孫略を始めて最初の日にザポリージャ
原発を制圧、ウクライナ北部での攻撃の失敗を受けて <いったんは>
撤退した。
ザポリージャを占拠して以来、ロシア軍部隊は連日のように原発安全
規則に違反してきたと、非難を浴びている。
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原発問題を論じるとき、軍事的側面を無視してエネルギーと環境問題だけに
矮小化してしまうことが、いかに危険か。それが今、ウクライナで現実化して
いるわけですね。
従来、日本の反原発団体の多くは軍事的側面をあまり取り上げて
こなかったですよね。
軍事的側面をむしろ中心に据え、反核運動の一環として原発にも反対していく
・・・ そんな運動が、日本にはないのでしょうか?