2050年までにウクライナが原発発電量
を3倍に?COP28の戯言?
Ukraine Newsより
Ukraine pledges to triple use of atomic energy by 2050 | Ukrainian news (ukranews.com)
どうもCOP28の背後には、核発電産業
の裏金でも蠢いているのでしょうか??
原発をロシア軍に占拠されて困り果てて
いるはずのウクライナが、こんな約束
を?
それに、現在の戦争が終わった後には
ウクライナは巨額をかけて復興せねば
いけないはずですが、そのときに原発を
建設していたのでは、膨大な経費も
工事期間もかかります。そういう国に
とって、原発の新設というのはまったく
現実的ではない選択であるハズ。
すると、次の疑念も湧いてきますよね:
「それとも、実はウクライナは戦後、
核兵器を開発・保有することも視野に
入れているのか? 今後のロシアからの
侵略などを防ぐために??」
そうでないことを、私は願いますが~
なお、核発電が本当に気候変動対策
として役に立つのか否かについては、
本ウェブサイト「やかんをのせたら
~~」でも、黒いメニューの下の方
にある
付録 w-1) , w-3) , w-8)
をご覧くださいな。
他にも、この問題については多様な
ウェブサイトなどが取り上げて
らっしゃいます。
では、いつもどおり
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
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Ukraine pledges to triple use of
atomic energy by 2050
(ウクライナ、2050年までに核発電量
を3倍にすると誓約)
Tetiana Herasimova
2023年12月14日
ウクライナ、2050年までに核エネルギーの使用を3倍に、再生可能エネルギーの発電量も2030年までに3倍に、それぞれ増大すると約束
これを発表したのは <ウクライナの> エネルギー省の広報部門であると、ウクライナ ニュース機関 (Ukrainian News Agency) は述べている。
この報道によれば、気候変動対策会議COP 28 においてウクライナは2つの国際的宣言に署名した。
– 核エネルギーの使用量を3倍に増大する(2050年までに).
– 再生可能エネルギー システムの容量も3倍に増やす(2030年までに)
ウクライナのエネルギー大臣Herman Halushchenkoが2050年までにエネルギー部門を脱炭素化するとの報告を提出したが、これはアメリカのネット ゼロ ワールド (Net Zero World) というイニシアティブの一環として、アメリカの国立各研究所や科学者たち、専門家たちとの協働でエネルギー省からの支援を受け 作成したものだ。
さらに同報告によると、ウクライナのエネルギー施設の復旧や小型モジュール原子炉 <SMR、上の黒いメニューでページ s-1) に説明があります> に必要な基盤の開発とを、アメリカは今後も支援していくとのこと。
さらに、2030年までに国家エネルギー・気候変動計画 (National Energy and Climate Plan、NECP)を作成する作業における進捗も報じられている。.
<ウクライナの国営核発電企業である> Energoatom国営原子力発電社 (National Nuclear Power Generating Company) がウクライナの原発を運用しており、同国の原発はザポリージャ、リウネ、南ウクライナ、クメルニツキーの4か所だ。合計で発電ユニット15基を擁している。(そのうち13がVVER-1000という原子炉、2基がVVER-440 <どちらも、西側でいうPWRに相当します>) 合計での発電容量は、13,835 MWだ。
ザポリージャ原発は、ヨーロッパでは最大の原発。VVER-1000原子炉6基を擁し、総発電容量は6 GWだ。
2022年3月4日、同原発はロシア軍部隊に占拠された。
一方、<ウクライナの非政府系シンクタンクで政治経済問題を扱う> ラズムコフ センター(Razumkov Center)が2021年12月31日付で発表したところによば、 同国のエネルギー部門が設置している再生可能エネルギーの総発電容量は 9,655.9 MWで、これには個人住宅用のソーラー装置も含む。
だが2023年初頭にエネルギー省が報じたところでは、ロシアの侵略のため、ウクライナは既存の風力発電量の約90%、太陽発電も最大で40%を失ったそうだ。
Ukrainian News Agency が以前に報じているように、ウクライナは2032年までに核発電ユニットを2基新設し、SMRのパイロット プロジェクトも開始する計画だ。
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冒頭で申し上げた通り、どうも私には理解困難な決断です。
SMRがたびたび登場しているので、「売れていない」SMR業界からの宣伝・圧力があるのかと、勘ぐってしまいますね。
一刻も早くウクライナに平和が戻ることを祈り続けている私としては、戦後の復興のことも考えざるを得ません。そのときに、「SMRなら、とりあえず小さいので大型原発よりも安価に設置して電力を供給できる」ということで、SMRを設置する計画なのでしょうかねえ??
しかし。
SMRであっても、ただ小型というだけで、送電グリッドからの外部電源供給がなければ原子炉を冷却できないことは同じです。そのグリッドが、ロシア軍に痛めつけられていますよね、既に。
さらに、西側のSMR設計でアメリカのNRCから承認を受けているものは、現時点でNuScale社のものだけだったと思いますが、そのNuScaleのビジネス展開が暗礁に乗り上げていることは、下の11月4日の記事で紹介済みです。
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隣国ロシアが「お隣さんに攻め込んで、領土をいただく」という体質を持っている限り、核発電には手を出さないのが現実的な選択だと、私は思うのですが ~~