しばらく固定ページの作成に追われていたので、JCPOA再建交渉の件から
お暇しておりました。
そのJCPOA再建交渉に関して、できるだけ新しい報道を紹介しますね。
なお、固定ページの方は、次世代原子炉の問題点紹介を続けておりまして、
次回は EBR II –> IFR –> PRISMを取り上げる計画です。長い開発の歴史があり、
「実証炉 EBR II で、“故意に” メルトダウンを起こさせようとする実験を行った
結果、それでもメルトダウンしなかった」という、実にinherently safeな原子炉です。
つまり、「原発 ⇒ メルトダウンが怖い ⇒ 反対!」というパターンでは、
反対する理由がなくなってしまう原発です。さて、その新型原発の問題点とは??
アレコレ調べることが多いので、ページをアップロードするまで時間がかかります。
しばし、お待ちください!
「しばし、お待ちください」って、どうせ何日も ・・・」
私の20分クロッキーより
では、今日のところは、JCPOA関係の記事を。
Iranian Labor News Agency (ILNA)はテヘランに本拠を置くニュース機関で、
2003年2月の設立です。2007年にいったん閉鎖され、2008年7月に
再開されました。
2022年1月26日付の
Vienna Talks is not the end of big game; A French politician
(フランスの政治家、「ウィーン会談で大局が決まるわけでは、ない」)
という記事から、一部抜粋・日本語化して紹介します。< >内は、私 Heeday に
よる説明です。
(私による抜粋・日本語化)
「JCPOAと、その再建交渉の新ラウンドとは、簡単に言ってしまうなら実は
イランと交渉相手つまりアメリカとイスラエルの間での交渉ではない。この交渉が
成功するか失敗するかは、世界の新秩序が出来上がるか、無秩序に終わるかという
大きなゲームの一環なのだ。 このゲームを何と呼ぶべきか?「トゥキディデスの罠」と呼ぶのがふさわしい」と、欧州議会の議員がILNAに語った。
<トゥキディデスの罠とは、2012年にアメリカの政治学者 Graham T. Allisonが
編み出した造語で、古代ギリシャの歴史家トゥキディデスが記録したスパルタと
アテネの間で争われたペロポネソス戦争にちなんだ言葉です。今まで支配的だった
勢力と、新興勢力とが接触すると、戦争になりやすいという傾向を著している
そうです>
ILNAニュース機関の独占インタビューで、フランスの政治家エルヴェ ジュヴァン(Hervé Juvin) は「衰退しつつある勢力の前に、新興勢力が登場したら、何が
起こるか?このゲームにおいて、EUと一部ヨーロッパ諸国とは、とにかく存続を
続けたいとあがいている」と述べた。
「定かではないが、まあ、存続はできるだろう。だが問題の要は、ワシントン、
テルアヴィヴ、モスクワ、北京の間にある。この問題の本質は、西側世界による
全世界の支配ということなのだ。・・・(一部省略)・・・」
ジュヴァンによれば、アメリカや西側諸国にとって、1990年代に <英国の首相であった> トニー ブレアの次の言葉は、今も真実だ。「イスラエルの安全を完全に保障することなしには、何も達成できない。 ・・・(一部省略)・・・」という言葉である。
「だが、イランにも同じことが言える。シンにイランの発展を考えているのは、
誰なのか?<西側との>組織的な対決を進め、経済制裁にもがき苦しむ国民の
過激化を望む勢力なのか?それとも、イラン周辺地域の融和やイスラエル国家の承認、
中東のすべての国々との外交・経済的な関係樹立を目指して人知れず活動する勢力
なのか?」
「1つの身体が、4つの空間に分かれていたら・・・?」
私の20分クロッキーより
・・・(一部省略)・・・ 最近、イラン大統領がロシアを訪問しており、<JCPOA
再建に>対する期待が強いことは間違いない。だが、ジュネーヴでの交渉ですべてが
決まるわけではない。
「イランとロシアの間での交渉の今後、そして中国との合意でそれが完成する。
その方が、ワシントンからの経済制裁構成よりもはるかに重要なのだ」
エルヴェ ジュヴァンが力を込めて語るには、「イランとその人たちには、未来がある。イラン帝国には3000年ほどの歴史があり、JCPOA交渉が失敗に終わったとしても、
そのためにイランの歴史が終わるわけではない。・・・(一部省略)・・・」
ジュヴァンの結論は、次の通り。「ただし、これは言っておかねばならないが、
制裁や貿易規制も戦い方の1つだ。戦争よりも優れた戦い方だ。この戦いがどうなるか、それは戦いの初日の時点では、誰にもわからない。誰でも知っている通り、勝った軍で
あっても、犠牲者なしでは済まない。しかも現代の戦争では、民間人の犠牲者は
正確な人数さえ分からないのだ。平和を保ち、民間人の安全を保つため、あらゆる
努力を尽くさねばならない。世界のどこであっても。この平和のための尽力こそ、
EUが取り組むべき課題なのだ」
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もうお分かりのとおり、核発電はその発生時点から核兵器と不可分でして、すると
核発電には当然、世界情勢や軍事問題、大国の覇権といった深刻な問題が絡みついて
いるわけですね。単に「エネルギー源と経済」だけの問題ではありません。
(もちろん、エネルギー源と経済も重大な問題ですが) ましてや、「メルトダウン
こわい! ⇒ 原発反対!」 (無論、これも深刻な問題ですが) というだけの問題など
では、決してありません。
国際関係、国防、核抑止、軍事とエネルギーが経済に及ぼす影響、・・・ などなどが
絡む巨大な問題なのですね。
ですから、「原発問題」という1つの問題系があるわけじゃ、ありません。あまりにも
多岐に及ぶ問題が絡み合った複雑系なのですね。したがって、反原発運動には、
多様な分野の人材が必要になります。
一人一人は、自分の専門分野を決めて取り組んでいくことに ならざるを得ないですね。
私の場合、それをproliferation riskにしようとしているわけです。