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ジョージア(グルジア)を巻き込んで、放射性物質の密輸未遂が
何件も発生していた、という内容です。旧ソビエトで使わなくなった
ウラニウム235やプルトニウム239などを、ジョージア経由で
トルコへと密輸しようとしたのでは、という疑いが持たれていました。

「いました」など、過去形でいっているのは、紹介している記事が
5年ほど前の2016年のものだからです。
でも。
2021年になっても、密輸組織が特定され解体されたわけじゃ、ありません。
さらに、他の地域でも核密輸ネットワークは暗躍しています。
(このサイトのページ f-3) で言及した、カーン博士のネットワークなど。
上の黒いメニューの中ほど)

つまり。
我々の暮らす世界は、闇の核ネットワークがすでに蠢いている場に
なってしまっているのですね。
ですから、本サイト「やかんをのせたら~~」では、今後も
こうした「闇の核ネットワーク」に関する報道も紹介してまいりますね。

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実は風力発電所?? ・・ 中国の主張

ユーメン近郊の砂漠に発見された新設施設ですが、
中国側は風力発電所だと主張しているようです。
中立的な第三者機関による検証が欲しいところです ・・・

(記事本文は、次のリンクに)
China Arms,. 2021 July 6
Expert: ‘DF-41 missile silos’ are just wind power bases (china-arms.com)
(軍事専門家、「DF-41ミサイル用サイロなどではなく、単なる風力発電基地」)

中国の軍事を専門に扱うChina Armsというウェブサイトがあって、それは今回発見されたユーメン近郊の「サイロ状施設」は、実はサイロではないと主張しています。
私もサイロでないことを願うのですが、それ以前に情報の錯綜が問題ですね。事実は、どこにあるのか??
とにかく、当のChina Armsの該当記事を見てみましょう。記事本文は、上のリンクから。
下にあるのは、私による日本語翻訳です。

これも、サイロ?いえ、東京近郊にあるキリスト教会です。 私の10分スケッチより。

これも、サイロ?いえ、東京近郊にあるキリスト教会です。
私の10分スケッチより。

(私の日本語化)
The Washington Postが最近紹介した、カリフォルニアのジェームズ マーティン核不拡散研究センター(James Martin Center for Nonproliferation Studies 、JMCNS)による商用衛星画像をもとにした研究報告によれば、ガンスー省(甘粛省)ユーメン近郊の砂漠に、119か所もの大陸間弾道弾(ICBM)用サイロを中国が建設したことになっている。

この事態に対応して、中国の軍事専門家であるDu Wenlong は最近CCTV(中国中央電視台)と行ったあるインタビューで、これは1985年の「Fujian Tulou」(福建土楼)事件の現代版にすぎないと語った。

Du Wenlong によればその1985年、アメリカは「ベリーズ」と呼ばれる調査団を福建省南部にあるこの地独特の土楼の調査のため、秘密裏に派遣したそうだ。結果、土楼が弾道ミサイル用サイロではないことを確認し、当時のアメリカ大統領レーガン氏にその旨を報告した、とのこと。

Du Wenlong の考えでは、今回のサイロ騒ぎはアメリカが意図的に広めたでっち上げで、「こうしたでっち上げは、常識に欠ける。今回の構造物と構造物の間には、あまり間隔がなく、明らかに風力発電所だ。風力エネルギーを充分に利用するには、発電機を密集させないといけない。さらにDF-41 ミサイルには車輪があり、移動中に発射できる。したがって、地下の穴の中に配備して固定位置から発射することは不可能だ。アメリカは結局、赤っ恥をかくことになろう」と述べた。

さらに新華社通信の “Reference News” (参考消息)新聞も、7月6日に同じ見解を公表している。

***********
私は何も、この問題で中国のサイドについているわけじゃ、まったくありません。
そうではなくて、両方の主張を聞きたいのですね。
いったい、ユーメン近郊に建設されているのは何なのか?
核兵器関連の構造物ではないと主張するなら、その証拠を中国政府は
世界に提示すべきですが ~~ 世界が心配しているのですから。
兵器と思われそうな施設を秘密裏に建設していると、世界から
睨まれるものです。誤解されたくなければ、兵器関連でない
証拠を世界に示さないと。

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ICBM用サイロなんて、ほんとに必要なのか?後半

下の7月21日に前半を紹介したユーメン近郊でのサイロ新設?報道に関する
Fred Kaplanさんの論考、後半を私の日本語化で紹介します。

記事本文は、
https://slate.com/news-and-politics/2021/07/nuclear-weapons-china-missiles-yumen.html
にございます。

第2に、アメリカは以前から弾道ミサイルに対する防衛システムの開発を進めてきている。そうした防衛システムの効果は、テスト結果からはあまり芳しくはないが、 軍の指導層というものは敵国の兵器などについては控えめな見方をするものだ。つまり、中国やロシアの軍指導層は、アメリカのミサイル防衛システムがかなりの効果を有しているものと想定することであろう。アメリカからの先制攻撃を抑止するためには、先制攻撃を受けても生き残るよう1,000基の核兵器が必要であるとロシアや中国が判断していると想定しよう。加えて、アメリカのミサイル防衛システムがミサイルを500基破壊すると彼らが考えているとすれば、実は合計で1,500基の核兵器が必要だ、との計算になる。(こうした数値はあくまで説明のためだけの例であり、要は敵国がこちらが発射したミサイルの一部を撃墜できると判断したなら、その分を埋め合わせようとさらにミサイルを製造することを決定しやすい、ということだ)

第3に、今回の120基のICBMを追加したところで、中国の核兵器備蓄はなお、アメリカやロシアに比べれば子供のようなものに過ぎない。ICBMも爆撃機搭載用も潜水艦発射も併せて、現時点で中国が保有する核弾頭でアメリカを攻撃できるものは300個ほどである。それに対しアメリカが保有している核弾頭で中国を攻撃できるものは、2,000個を超えている。今回中国で発見された120か所のサイロすべてに核ミサイルを装備しても、各軍事面でのバランスが変わることはない。

トゲが多ければ、バラは折られない? 何十年か前に、私がバラを描いた練習です

トゲが多ければ、バラは折られない?
何十年か前に、私がバラを描いた練習です

ではそもそも、中国は何のためにサイロなど新設しているのだろうか?やはり可能性が最も高い答えとして、アメリカが中国に先制攻撃を仕掛けてきた場合、300ほどの核兵器でアメリカに反撃を行う能力を維持しておきたいのだ。軍事専門家の大半は、タカ派の人たちも含め、長年中国は「最初限度の抑止」戦略を採用しているものと見なしてきている。つまり、敵国が中国を攻撃しないよう、抑止するのに充分なだけの核兵器を保持しておく、という戦略だ。今回のサイロ新設も、世界情勢が変化する中でアメリカからの先制攻撃抑止を維持するにはどれだけの核兵器が必要なのか、その計算を中国がやり直したに過ぎない可能性もあるのだ。

佐賀、新しいミサイルをサイロに配置するのは、なぜか?DF-41は本来、移動発射式ミサイルなのだ。移動発車式ミサイルの利点として、存在位置を敵に知られることがなく、そのため敵からの攻撃を受けにくい。逆にサイロ発射型ミサイルの弱点とは、位置が固定しているため、どこにあるかを敵国が正確に把握できることだ。したがって、敵からの攻撃を受けやすく、特にTrident IIでの攻撃は容易だ。

だが、移動式ミサイルにも欠点はある。維持に費用がかかり、固定発車式と比べると精度が劣る。つまり、標的に命中する確率が下がるのだ。

ことによると、中国はアメリカからヒントを得たのかもしれない。もう何年も昔のことだが、今のアメリカでいえばMinuteman III のようなサイロ発射式ミサイルしか、敵のミサイル用サイロを破壊できるだけの爆破力と速度と精度とがある核兵器を、アメリカが保有していなかった時代があった。だが、1990年代にTrident IIの配備が実現したころには、アメリカの潜水艦発射ミサイルはまさしく敵のサイロ破壊が可能であった。今では実際のところ、アメリカの戦争プランにおいては、陸上発射型のICBMで何らかの標的を叩く必要はなくなっている。陸上発射型ミサイルを配備する唯一の理由は、敵からの先制攻撃を「複雑なものにする」ということだ。アメリカの抑止力を強化するうえで、軍部高官たちは「スポンジ理論」(すぐ次の段落で説明)を公に口に出している。

そのスポンジ理論とは、次のような主張だ。陸上発射型のICBMがなければ、敵国が破壊すべきアメリカ本土内の標的は6か所ほどだけで済んでしまう。それだけで、アメリカの核兵器インフラストラクチャーを壊滅させることができるのだ。つまり、潜水艦港2か所、爆撃機基地2-3か所、そして「国家指揮最高部」(ワシントンのことを指す婉曲表現)である。その損害は些細なものなので、アメリカ大統領は報復を命じない。報復してしまえば、ロシアはさらに大掛かりな核兵器で攻撃してくると分かっているためだ。それに対し、ICBMを400基維持しておけば、敵国はそれも攻撃せねばならなくなる。しかも、各標的に2つの核弾頭が必要となる公算が高い。(1発目の核弾頭があまり効果を発揮しない場合に備えてのことだ) 合計で800発の核弾頭をアメリカめがけて発射すれば、明らかに本格的な攻撃であり、アメリカ大統領も報復を命じることになる。それが分かっていれば、敵国の首脳も先制攻撃をそもそも思いとどまることになろう。

これは実に奇妙な主張だ。まず、上述の6か所ほどに核攻撃を加えれば、アメリカ市民が何十万人と命を落とすことになろう。標的の中にワシントンも含まれていれば、その犠牲者数は数百万に達する。それでもアメリカ大統領が報復してこないと想定するのは、イカれたギャンブルだ。次に、そうした6か所の標的を攻撃しても、致命的な損害にはならない。潜水艦港2か所を喪失しても、アメリカはなおなん十隻もの潜水艦を海洋に有している。それだけの数の潜水艦が、何千発もの核弾頭を発射できるのだ。

それでもなお、敵にとっての標的を増設しておくことに何らかの意味があるものと想定してみよう。それにより、敵国はわずかなミサイルで核の「王手」へとアメリカを追い詰めることができなくなる、と仮定してみよう。それこそ、中国の今回の動きの意図なのかもしれない。つまり、アメリカの将軍たちの思考をまねて、中国流のスポンジ理論を実行している、ということだ。アメリカの考えが、ミサイル用サイロを増やせば、つまりアメリカ本土にある標的を増設すれば、ロシアや中国の核先制攻撃を抑止できるというものであるのなら、中国としても120か所のサイロを中国国内に新設しておけば、同じようにアメリカからの先制核攻撃を抑止できると踏んだのかもしれない。

以上の論考は、中国が攻撃的な行為に出ていることを否定するものでは、まったくない。特に、台湾海峡そして南シナ海での行動は懸念の対象だ。だが、中国がアメリカに対して先制核攻撃を計画している、あるいはその可能性がある、という根拠となるものはまったく見受けられない。あるいは、中国が核兵器を増大しているからと言って、アメリカも核兵器備蓄を増やさねばならないという根拠も見当たらない。そうした野心的攻撃を抑止して余りあるだけの核兵器を、アメリカはすでに有している。さらに、どこかの国の首脳が乱心したとしても、どの将軍であれ必要だと考えるだけの標的をすべて攻撃できる以上の核兵器を、アメリカはすでに持っているのだ。

アメリカの高官たちは、諜報データの中でも特に機密性の高いデータを利用できるのだから、アメリカの行動(中国の目に、それがどう映るのか)への対応として中国が今回のサイロ増設に踏み切ったのではないか、という可能性を検討・研究してみるべきだ。両国が新たな核武装競争に血道をあげるようになってしまう前に、そうした検討を行うべきだ。
***********

確かに、中国が核兵器増やす! → こちらも増やさないと、核抑止バランスが崩れる!  といった発作的な論調がまかり通っては、困りますよね。
いずれにせよ、核抑止という概念は現在の「核兵器・核発電体制」の根底にあるものなので、今後も各種論考を取り上げ、紹介してまいりますね。

次回は、このユーメン近郊の「新建造物」は実は何なのか?中国側の主張も紹介します。

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ICBM用サイロなんて、ほんとに必要なのか??

SLATE、”War Stories”より
Fred Kaplan, 2021年7月13日

アメリカの核兵器の「近代化」ですが、それについてFred Kaplanというジャーナリストが、SLATEという雑誌に下の記事を執筆なさっています。
この雑誌自体は軍事問題や国際関係を専門にしたものではないので、紹介するのはどうかとも思ったのですが、筆者のKaplanさん自身はそうした分野がご専門のジャーナリストで、関連した著作も数冊おありです。
またSLATE自体は、リベラル/プログレッシブ系のメディアです。
しかし、「朝日新聞の言うことだから~~」とか、「産経の記事だから~~」といった、「この会社の言うことだから、~~~だ」というような決めつけが多い社会状況になっております。そうした先入見に縛られず、読むべきものは読んでいきたいと願っております。

先日、この「やかんをのせたら~~」でも紹介した、中国の西北部ユーメン近郊のICBMサイロ新設との関連で、SLATEのWar Storiesという連載ページに掲載されたものです。

Let’s Not Get Into a Nuclear Arms Race With China

China’s new missile silos are concerning—but we already have more than enough weapons to counter them.
(中国と核武装競争を始めるのは、やめよう
中国の新ミサイル サイロは憂慮すべき存在だが、それに対抗するには充分すぎるほどの核兵器が、アメリカにはすでにある)

記事本文は
https://slate.com/news-and-politics/2021/07/nuclear-weapons-china-missiles-yumen.html
でお読みになれます。

「あっちは、ずいぶん傾いてるわね」・・・って、自分は?? 私の20分クロッキーより

「あっちは、ずいぶん傾いてるわね」・・・って、自分は??
私の20分クロッキーより

以下では、私の日本語翻訳で、2回に分けてこの記事の内容を紹介しますね。
長い記事なので、2回に分けます。

(私による日本語化)
アメリカ軍部の将軍や司令官たちはこの何か月か、2つの大きな課題に取り組んでいる。中国の軍備増強に対抗する必要性と、それとは別にアメリカの既存の核兵器備蓄の「近代化」だ。つまり、既存の核兵器モデルが旧式化しつつあるので、それをアップグレードしあるいは交換するための、新たなミサイルや爆撃機、潜水艦などを製造せよ、というわけだ。

そうした動きを加速しそうな、新たな展開があった。ある衛星画像から、中国が北西部ユーメンという都市の近郊にある砂漠地帯に120か所ものミサイル用サイロを建設した模様だ、という展開のことだ。サイロ10か所を1グループにまとめ、それを制御する発射制御センターが設けられているように見える。中国のDF-41 大陸間弾道弾には、うってつけの組み合わせだ。

アメリカ戦略軍のトップ、Charles Richard司令官はこの展開について、中国各核武装の「息を呑むような急拡大」だと述べている。他にも、このサイロの新設をもって、アメリカ政府が核兵器近代化プランの実施を急ぐべきもう1つの理由とする人たちはいる。下院では、一部の議員たちが戦略的ならびに経済的な理由から、核兵器近代化に反対してきた。(この近代化のコストは、今後30年間で1兆ドルを超える)

今回発見されたサイロにミサイルが配備されると、中国のICBM数はほぼ倍増する。まさに息を呑むような建設プロジェクトであり、急速に完成に近づいている。だが、これらサイロが新たな脅威となるか否かは、まったく明らかではない。それこそ、中国の核戦略の変化によるものなのかどうかも、定かではない。むしろ今回のサイロの増設は、アメリカからの核脅威が増大していると中国高官たちは見ており、それに対する中国の対応である可能性が高い。

そう言うと、一見、おかしな発言に聞こえるかもしれない。確かに近年、アメリカは核兵器を削減してきているし、アメリカ大統領が中国に対し先制核攻撃を始めるというのは大半のアメリカ人にとっては馬鹿げた話だ。だがほとんどの中国人にとっては、そうではない。

第1に、アメリカには「オハイオ」級の潜水艦14隻があり、そのいずれもTrident IIという潜水艦発射型弾道ミサイルを24基搭載している。しかもこのミサイル1基は、8個前後の核弾頭を擁している。つまり、これだけで合計2,600個近い核弾頭を有しているのだ。今年5月、米海軍はLockheed Martin社にTrident IIミサイル増産を5億ドルで発注した。「コロンビア」級の新型潜水艦に搭載するためだ。この新型潜水艦は、近く実戦配備となる。ここで肝心な問題として、この新たな核弾頭1つで、対爆発耐久性に優れたICBM用サイロを破壊してしまうだけの爆破力と精度とがあるのだ。言い換えれば、先制攻撃用のミサイルだと思われても、当然なのだ。
****************

この記事の後半は、次回に紹介しますね。

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JCPOAに戻ると ・・・

JCPOA再建交渉、しばらく中断されていて報道記事も新しいのが見つから
なかったのですが、下のTasnimの記事が今月(2021年7月)になってから、
出ています。

Tasnim News Agency, July 6, 2021(タスニム ニューズ エージェンシー、2021年㋆6日)

Iran’s Stance on JCPOA Unchanged by Shift in Administration – Politics news – Tasnim News Agency
(政権交代でも、JCPOAに対するイランの立場は変わらず)

(私による日本語化)
テヘラン発(Tasnim)– 2015年の核合意ならびに制裁の解除に関する、イラン イスラム共和国の政策原則に変更はなく、新大統領の政権もJCPOA再建についての最終的な決定に従うと、イラン外相のスポークスマンは述べた。

7月6日の火曜日、そのスポークスマンSaeed Khatibzadeh は、包括的共同作業計画(JCPOA)ならびに制裁の解除に関するイランの立場が同国体制の政策原理の一環であり、政権が変わっても変更はないことを強調した。

JCPOA再建交渉において何らかの合意が形成できれば、イランの新大統領Ebrahim Raeisiの政権もその合意を尊重するはずだと、同スポークスマンは念を押した。

さらに同氏が述べたところでは、JCPOAの合意に違反した一部加盟国とは異なり、イランは絶えず規定を順守してきた。

さらにKhatibzadeh によれば、2015年の合意を再生させようとするこのウィーン交渉は進展しているものの、イラン以外の参加国、特にアメリカの決断を待つ主要問題がまだ残っている。

「実際、JCPOA再建という合意を最終的に形成できるか否かは、イラン以外の参加諸国が困難な決定を下す政治的な意志力にかかっている」と、同氏は語っている。

同会談でのイランの交渉チームは会談を実りあるものとし、過酷な制裁の解除を求めて努めており、イラン政府はイランの国益につながるような成果を得ることについて何ら期限を設けてはいないと、同スポークスマンは述べた。さらに、望ましい合意が得られるまでこの会談は続くとも語っている。

イランは合意を求めて焦ることはないが、長期にわたるこの会談が消耗戦になってしまうことは許容しないとも、Khatibzadehは述べている。

包括的共同作業計画の再生を求める会談の最新のラウンドは今年4月にウィーンで始まり、イランと同合意のその他参加諸国とが話し合いを重ねている。イラン以外の参加国とは、英国、フランス、ロシア、中国、ドイツである。

アメリカは2018年にJCPOAを離脱、この合意に基づく経済制裁を再開した。イランは報復として、JCPOAの第36条の定める核に関する活動を実施した。

現在行われている交渉では、JCPOA核合意の再生可能性と、アメリカが復帰する可能性とを 探っている。

*************
JCPOA交渉については、また新しい報道記事を見つけ次第、紹介していきますね。

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アメリカが「ピット」製造を急ぐ事情

US National Nuclear Security Administration (Department of Energyの一部)
による
“Plutonium Pit Production”
という文書から。
(2021年7月15日のものと、Bingの検索結果リストにはあります。
ただ。文書そのものに日付が見当たりません)

アメリカ政府によるプルトニウム ピット製造加速に関連する訴訟について、
下の7月7日と9日にリリースを紹介しました。
では、そもそも、アメリカがプルトニウム ピットの製造を急いでいるには、
どんな事情があるのか?
核兵器にはもちろん反対している私ですが、核兵器を誰かが作っている/作ろうと
している場合、その事情は把握しておかないと。
ただ「反対!反対!」と叫び続けていても、無視されて終わりになって
しまいやすいものですよね。

そこで、アメリカ政府の事情説明を見てみましょう。

https://www.energy.gov/nnsa/plutonium-pit-production

あっちはどうなっているのか、見てみないと ・・ 私がずっと以前に描いたスケッチより

あっちはどうなっているのか、見てみないと ・・
私がずっと以前に描いたスケッチより

(私による日本語化)
NNSA(アメリカ国家核安全保障局)の任務の一環として、アメリカの核兵器備蓄の
安全やセキュリティ、信頼性、有効性を維持する責任を負います。それにおいて、
地下核爆発実験は行いません。そうした核弾頭の主要部の1つとして、
「プルトニウム ピット」という装置があります。これはプルトニウムを内部に
入れた球状の構造物で、ボウリングのボールくらいのサイズです。プルトニウムの
経年劣化や安全性やセキュリティの進展、地球規模でのリスク、兵器の近代化などの
要因のため、核弾頭のピットを適宜交換する必要があります。ところがこの30年
近く、アメリカ合衆国は核弾頭の備蓄を適切に維持するために必要なだけの数量で
ピットを製造する能力がなかったのです。

この必要に応えるため、NNSAの国防プログラムでは、アメリカが核抑止力を
保つため、プルトニウム ピットの製造を再開できるよう計画を立てています。
ピット製造やその他の製造能力に必要な主要スキルやインフラストラクチャーは、Nuclear Security Enterprise(核安全保障エンタープライズ)には不可欠です。
プルトニウムの経年劣化や地政学的な世界情勢には不確実性が伴うため、
アメリカ合衆国によるこのピット製造という不可欠な能力の再生には、
待ったは許されません。この能力再生を遅らせてしまうと、コストの大幅増大や
国家安全保障のリスクを招くことになります。NNSA と防衛省では今後も、
我が国の核兵器の安全性強化に努めてまいります。
**************

分かり切ったことを断っておきますが、上記は私の見解じゃなくて、アメリカNNSAのものですからね!アメリカがどんな事情でプルトニウム ピット製造能力を再生しようと努めているのか、紹介したかったわけです。

なお、
リンク先のウェブページをご覧いただくと、
WHAT IS PLUTONIUM?  とか、
HOW WILL NNSA ADDRESS PLUTONIUM PIT PRODUCTION?
などへのリンクがあります。
そのなかから、
CURRENT AND FUTURE NEEDS FOR PLUTONIUM PITS
(現在、そして将来のプルトニウム ピットの必要性)
というページを次回見てみましょう。

いったい、プルトニウム型原爆にどんな必要性が今後あるというの
でしょうね??

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だれが決めるのか? 東京のオリンピックと核発電存続

もう3か月前のことですが、以下の発言がよく報道されていましたよね。

菅総理大臣は 4月23日の記者会見で、「開催はIOCが権限を持っております」と強調した。

しかし。もとをただせば、2013年に東京でのオリンピック開催を求めたのは、同じ日本国の総理大臣、当時は安倍晋三さんだったはずです。同年9月7日 ブエノスアイレス で行われた 国際オリンピック委員会 総会の最終プレゼンテーションで、 この前首相は 福島第一原発 の状況を「アンダー・コン トロールだと主張したのでしたよね。
しかし。2011 年3月11日午後7時3分にさらに以前の総理大臣、菅直人さんが発した原子力緊急事態宣言は、2013年9月7日の時点で、解除されてはいませんでした。
それどころか、この宣言は2021年7月15日現在も、解除されておりません。

(2021年7月23日追記)
よりによって、その「嘘でオリンピックを誘致した張本人」である元総理大臣は、
今夜のオリンピック開会式を欠席するそうです!

なんだか、はっきりしない ・・・ 私の点描練習より

なんだか、はっきりしない ・・・
私の点描練習より

ここで、日本国における核発電廃止と2020オリンピックの中止とを、
パターン比較してみましょう。

…………………………. 2020 (2021) オリンピック  核発電(原発)

一般市民多数派   中止 …………………………….   廃止
の要望

推進・開催の    偽りあり ………………………   ごまかしだらけ
正当化  …………………………………………………………..  (本ウェブサイトの各ページで説明)

中止・廃止の    よく分からない  ……………..    よく分からない
決定権限      (あるいは、総理大臣が
…………………………………言葉を濁した)

結局は …      部分修正(無観客)で ……..    部分修正(安全基準の改定など)
…………………………………開催 ……………………………      で推進継続

このソフトウェア、Tabも多数スペースの連続も受け入れてくれないので、
どうも作表ができないのですが・・・

まあ要するに、

まやかしが最初から付きまとっており、
責任の所在はよく分からず、
部分修正だけで従来からの方針を続ける
一般市民の意見は、そうやって無視される

というパターンが両者に共通で見られますよね。

では、核発電をやめるには、どこで・どういう決定を下せばよいのか?
国会で決議すればよいのか?
そのあたりは、日本国の政界・官界に詳しい方々に、ぜひご教示いただきたいです!
詳しい方は、
yadokari_ermite(at)yahoo.co.jp
までお知らせくださいな!

そうした最終決定が実際に下される時が、もし来たら ・・・
その場合には、核発電推進側から「潜在的核抑止力」が必要だという
主張が登場するのは、まあ明らかです。
ある意味、その場合に備えて、つまり「潜在的核抑止力」の
ナンセンスさを訴えるために、この「やかんをのせたら~~」を
書き続けております。

(2021年7月23日追記)
もう1つの共通項として私が強く感じるのは、
戦後日本の”若かりし頃”への、高齢政治家のノスタルジア
です!

日本初の核発電所が臨界に達したのは1965年、稼働を始めたのは1966年のこと
でした。(本ウェブサイトの、ページ e) でも申しました)
東京でオリンピックが「まともに行われた」のは、1964年でした。
高齢政治家の皆さんにとっては、高度経済成長中の1960年代の「メモリー」ですよね。

実際、例の「党首会談」において菅総理大臣は、枝野代表に対し、
話の本筋を全く離れて「メモリー」を長々と語ったと報じられていました。

もう1960年代半ばから55年ほど経過し、日本の経済や社会は明らかに劣化しました。
2021年現在の日本には、もう「まともに」オリンピックを主催する能力などない
ことは、数々の不祥事からも明らかです。
ところが、成功体験を伴うノスタルジアというのは、現実に目を閉ざし
昔通りに物事を進めればうまくいくという幻想を生みやすいものですよね。

「原子力(平和利用)」という「まやかし」は、まさにそうした
「高度成長期ノスタルジア カルト」を象徴している存在の1つでしょう!

過去の成長へのこだわりや幻想を捨てて、
今後どうやって平和に貢献し、
エネルギー源を確保しながら環境も保全していけるのか
に発想を切り替えましょうよ。

* A Song for Europe

ROXY MUSIC – A Song For Europe – YouTube

↑ リンク先に、Roxy MusicというバンドのA Song for Europe という
曲の演奏があります。
歌詞は西欧の凋落をうたったもので、最初に英語、そしてラテン語と
フランス語でそれを繰り返しています。1970年代中頃の曲です。

ここ25年くらい、私にはこの曲が、A Song for Japanに聞こえてならないのです。

 

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アメリカの National Defense Universityの研究所 Center for the Study of
Weapons of Mass Destruction (大量破壊兵器研究センター)による
Proliferation Risks of Civilian Nuclear Power Programs
(民生核発電プログラムにともなう核兵器拡散リスク)
というテキストの日本語要約、後半を紹介しております。

このテキストの英語本文は、
Proliferation Risks of Civilian Nuclear Power Programs.pdf (ndu.edu)
にございます。
「発電は平和利用だ」という洗脳から抜けきれない方々には、
できれば、ぜひ英語本文をお読みいただきたいのですが、
そうも言ってられない方々のため、日本語要約を紹介している次第です。

いうまでもなく、要約に誤解や曲解などがもしあったら、
すべて私の責任です。

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ページ add-1) (追加) それでも「発電は平和利用だ」と信じ込んでらっしゃる方々へ
という長いタイトルのページを追加しました。

はっきり言ってしまうと、当の原発反対の市民団体などの中に、「平和利用」と
軍事利用との不可分性を認識できていない方々が、いまだにいらっしゃいます。
やはり、原発マフィアなどによる広報活動の洗脳効果がいかに根強いかを示す実例ですね。

目を覚ましていただくために適切な文書を、見つけました。
Center for the Study of Weapons of Mass Destruction(大量破壊兵器研究センター)のウェブサイトにある、Proliferation Risks of Civilian Nuclear Power Programsという文書です。ページ add-1) ではこの文書を、日本語で短く要点だけ紹介しております。。

このCenterはNational Defense Universityの付属研究機関で、アメリカ国防省の資金により設立された、国家安全保障の人材を育成するための大学ですから、まさしく専門家集団による研究センターと呼べるものです。そうした専門家のうち、上級リサーチフェローの Paul I. BernsteinとリサーチフェローのNima Geramiとによる文章で、2012年6月発表のものです。
全文は、Proliferation Risks of Civilian Nuclear Power Programs.pdf (ndu.edu)
(民生核発電プログラムにともなう核兵器拡散リスク)
にあります。可能なら、ぜひ全文をお読みください。

 

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アメリカの新型プルトニウム ピット製造の件、続き

アメリカによる新型プルトニウム ピット(プルトニウム型原爆の中核装置)の開発・製造についての訴訟があり、それに関するリリースを紹介しておりますが、長いので前半を前回紹介しました。今日は、残る後半を私の日本語化で。
リリース本文は、South Carolina Environmental Law Project というサウス カロライナ州の自然環境やコミュニティを守ろうとする法律関係のグループ(1987年結成)によるもので、
Lawsuit Filed Against Biden Administration Over Nuclear Bomb Core Production Plans (scelp.org)
(原爆のコア装置製造計画に関し、バイデン政権を相手取った提訴)
でお読みになれます。
2021年6月29日付のリリースです。

"A National Flag" -- 私の油彩画、1989年

どちらが勝っても、結局は…         私の油彩画、1989年

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(私による日本語化、続き)
「最近あった出来事から、この両政府機関が、この提唱されている計画に伴う費用と所要時間とを大幅に過小評価していたことが明白だ。そのため、本訴訟はさらに適切なタイミングで提訴されたことになる」と、サウス カリフォルニア環境法プロジェクトのスタッフ弁護士であるLeslie Lenhardtは語る。
「今までに実施された国家環境政策法(NEPA)に基づく分析はいずれも旧式のものであり、2008年以降に発生している大きな状況の変化を検討に入れていないということを示す証拠が圧倒的だ。NNSAがこうした環境面のレビューを精査して欠陥を修正し、DOEの各施設全体をカバーするピット製造の影響に対して計画的で透徹した環境情報システム(EIS)を実施することが必須だ」

ニュークリア ウォッチ ニュー メキシコのエグゼクティブ ディレクター、Jay Coghlanのコメント:
NNSAは今までに4回プルトニウム ピットという原爆中核部の装置の増産を試みているが、圧倒的な市民からの反対のためいずれも失敗している。今ではNNSA は一般市民を締め出し、この新型核兵器の設計が賛否の議論を呼んでいるにもかかわらず、そのためのピット製造のレビューを全米規模で実施することを拒否している。我々が今回の提訴に踏み切ったのは、新たな核軍拡競争に何千億ドルもの税金が浪費されることに対し、もの申す市民の法的権利を 行使しているのだ」

サウス カロライナ州コロンビアのサヴァンナ リヴァー サイト ウォッチでディレクターを務めるTom Clementsの発言:
「不必要な核爆弾の増産を目指すDOEの拙速な計画立案のため、すでにSRSのプルトニウム型原爆工場では膨大な経費の膨張と大幅な計画実施の遅れとを招いている。コスト増大も遅延もさらに悪化する見込みだが、DOEは無理な計画を強行してプルトニウム ピットの製造を増大して新たな核軍拡競争という危険に大きく貢献する前に、まず立ち止まって環境関連法の順守に努めるべきだ」

カリフォルニア州リヴァモアのトライヴァレーCAREで活動するMarylia Kelleyによる非難:
NNSAはそのピット製造計画を計画的にレビューすることを拒否しているが、これは理に適った代替策の検討を避けるためだ。たとえば、ローレンス リヴァモア国立研究所(LLNL)によるW87-1の設計のため、スケジュールもタイトになり、ピット増産の必要性も増した。その核弾頭は新型の設計だが、わざわざ意図的に選択した特徴を備えている。その設計とは別の設計を選ぶ選択もあり、それを採用すればピットを増産せずとも必要な核武装を賄える。NNSAは、一般市民が 代替案について発言する権利を無視している。だが製造施設の近隣にあるコミュニティに暮らす我々は、そうした無視の矛先を向けられることになる。事故や漏れ、漏洩、放射線への被ばく、プルトニウム廃棄物の製造や輸送のため被害にあうのは、作業員や一般市民なのだ」

グラー・ジーチー海島しょ連合の創設者でありグラー・ジーチー国(2000年7月にノース カロライナからフロリダの沿岸部で独立を宣言した国家。アフリカ系の方々や先住民の方々が多い)のチーフにして国家元首でもあるQueen Quetの発言:
グラー・ジーチー国はサヴァンナ リヴァー サイトがさらに劣化していくのではと、憂慮している。この施設での活動のため、廃棄物などが推計に侵入し、結果としてグラー・ジーチー国にも入ってくる恐れがある。それだけではなく、プルトニウム製造からの汚染物質が文字通り人々の体内にまで入り込むのではないかと恐れている。サウス カロライナの人たちはプルトニウムよりも貴重であり、政府機関に対抗するためにエネルギーを使わねばならないのは、嘆かわしい。我々は自分のコミュニティを守らねばならず、それがベストに実現できるのは、土地のどのような使用に対しても、そのプロセスが透明である場合だ。土地と環境をどうするのかについては、一般市民が充分に決定に参加できるべきで、それはそうした結果が我々の生活の質に逆戻りできない影響を及ぼすためだ。今回のピット増産に関する提案が環境と我々自身、また我々の環境に及ぼす影響について、我々は真実を探ろうとしているのだ」

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核武装拡大に取り組んでいるのは中国だけではなく、アメリカも新型プルトニウム核弾頭の開発・製造に躍起のようですね。世界はまた、核軍拡競争の時代に入ってしまったようです ・・・
「核発電」反対陣営と「核兵器」反対陣営とに分かれている余裕は、ありませんね。両者の不可分性を認識・情報発信して、力を合わせて「核」廃絶に世界を向かわせないと。

 

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