イランの核開発と、市民による反政府抗議

THE CONVERSATIONというウェブサイト
(ニュースと学術発表を内容とする、非営利
ウェブサイト)
With Iran purportedly capable of making a nuclear bomb in a matter of months, what will its leaders do next? (theconversation.com)
より

イランはすでに 「潜在的核兵器保有国」 と
みなされています (日本もそうですよ) が、
では今後どうなるのか??
実に心配ですよね。

まさしくその問題に関する論考です。

ニュースだと 「新しさ」 も大切になりますが、
下記はニュースというよりも論考なので、
発表日から1週間近く経過した本日 (17日)
になって読み、アレコレ考えるのも良い
でしょう。

いつもどおり
私による抜粋・日本語化
< > 内は私からの補足説明
で紹介します。

U濃縮以外でも ~~ 「平和利用」 は実は 核兵器と不可分⇒ 核兵器開発へ、という 典型的な実例か?

U濃縮以外でも ~~ 「平和利用」 は実は
核兵器と不可分⇒ 核兵器開発へ、という
典型的な実例か?

**************************
With Iran purportedly capable of
making
a nuclear bomb in a matter
of months,
what will its leaders do next?
(2-3か月で核兵器を製造する能力をイラン
が手に入れたとみられる中、同国指導層の
次の動きは?)

Amin Naeni
オーストラリアのDeakin大学の市民権と
グローバル化に関する研究所で、博士号
候補

2023年4月11日
Atomic Energy Organization of Iran/AP

もはや、これに構ってられん~~

もはや、これに構ってられん~~

イランと西側諸国の間での、イランの核開発
プログラムに関する交渉は従来から一進一退
を重ねてきているが、またもや両者間の
食い違いのため足踏みしている。

アメリカのアントニー ブリンケン国務長官は
交渉テーブルを再構築する 「機会をつぶした」
としてイランを非難、バイデン政権にとって
この交渉はもはや優先事項ではないという
主張を保持している。

一方のイランは、実際に核兵器を製造
できる地点にじりじりと近づいているようだ。

IAEAの査察官たちによれば、イランは
すでに84%のウラニウム濃縮を実行して
おり、核兵器に必要となる90%濃縮まで
後わずかだ。

アメリカの統合参謀本部議長マーク ミリー
大将 (General Mark Milley)がこの3月
終わりに米国下院に述べたところでは、
イランは 「2週間もかからずに」 核爆弾を
製造するに充分な核分裂性物質を保有して
おり、<核爆弾部分だけでなく完成品として
の> 核兵器自体も数か月で製造できる。

こうした展開の中、<イランと西側が>
合意に至る余地はあるのだろうか?

アメリカの政治専門ケーブル チャネル
C-SPANによるTweetからの引用
Mark Milley議長: 「イランは2週間も
かからずに核爆弾を製造するに充分な
核分裂性物質を製造でき、核兵器自体も
数か月で製造できる」

これじゃ、目の前しか見えない ・・・ 私の点描練習

これじゃ、目の前しか見えない ・・・
私の点描練習

核交渉の視野狭窄

この2年間、アメリカとEUは <2015年
締結の> 核合意を再建しようと躍起だった。
Joint Comprehensive Plan of Action
(JCPOA、包括的共同作業計画) という
この合意だが、2018年にアメリカのドナルド
トランプ大統領 <当時> が廃棄した。

だが西側の再建努力はいまだに結実して
いない。これは、イラン側が 「過剰な要求」
しているためだとされている。そうした要求の
一例として、アメリカが認めるアメリカ国外
のテロ組織のリストから、イスラム革命防衛隊
<というイランの武装政府機関> を除外せよ
というものもある。

そうした困難にも関わらず、JCPOAは今も、
イランの核プログラムに対する唯一の対処
策だ。アメリカは確かにこの交渉を優先課題
から外してはいるのだが、まだこの交渉が
終わってしまったとの正式な発表もして
いない。

そうした視野狭窄に陥ると、2015年以降の
変化やイランにおける全般的な意思決定の
パターンを見落とすことになる。

この核合意を支持する勢力はよく、この合意
によってイランの核開発能力が大きく制限
されたと主張しているのだが、イランの核
プログラムは実際にはわずか2年間で拡張
されている。さらに近年には、革命防衛隊に
関連しているニュース情報源によれば、
イランは 「正当な理由で核爆弾を製造する
科学的手法をあきらめることはない」
とのことだ。

慎重に、ゆっくり ~~

慎重に、ゆっくり ~~

現時点での重大な問題とは、イラン指導層が
次にどう動くかだ。ウィリアム バーンズ
CIA 長官がこの2月に述べたところでは、
イランの最高指導者はまだ核兵器製造の
決定を下してはいないと同長官は認識して
いる。

では、当のイラン指導層はどう考えているの
だろうか?こうした質問に答えるためには、
イランの歴史における意思決定のパターン
が重要な要因となるが、それが広く忘れられて
しまっている。

<ここにもTweetの引用がありますが、省略>

念入りな審議という歴史

1979年のイスラム革命以来今まで <それ
以前のイランは世俗的な王国でしたが、この
年にイスラム革命がおこり、イスラム共和国に
なりました>、イランの指導者たちは重大な
決定を下す際には大変慎重で時間のかかる
アプローチを取ってきている。

イランでこうした時間がかかる意思決定の
プロセスを採用している根底には、政権を
長く存続させたいという不安感がある。
この40年間、イランの政権は国内国外
両面での各種脅威に対抗してきているのだ。

例として、イスラム革命の翌年、1980年には
<イラク軍が侵攻して> イランVSイラク
戦争が始まったのだが、その停戦と和平
交渉をイランが受諾するには8年を要した。

ずいぶん先まで ・・・ 私の点描練習

ずいぶん先まで ・・・
私の点描練習

さらに2003年にはイランの核開発
プログラムが世界に知られることになった
のだが、それを受けてのアメリカおよび世界
主要国との核合意に向けた真剣な交渉を
イラン当局が始めるまでには、10年を要して
いる。

また、イランが 「東を重視」 する政策を
初めて提唱したのは2000年代半ば、
まだモハムード アフマディネジャドが大統領
であったころだが、その方針に則った主要
政策をイランが策定し始めたのは2015年
のことであった。その方針の表れとして、
シリア <の内戦> そして今ではウクライナ
での戦争において、イランはロシアと軍事的に
協力している。さらに中国とも、長的な経済・
軍事・安全保障の合意を締結している。

だが、核兵器の製造は間違いなく、1979年
のイスラム革命以降にイラン指導層が下した
重要な決定の中でも、もっとも重大なもの
となろう。

西側は、どう対応できるのか?

今までのところ、こうしたイラン指導層による
意思決定プロセスの遅さが大きな要因となり、
核開発プログラムはまだ核兵器プログラム
にはなっていない。

この、イラン指導層の制約は、西側にとっては
良い機会でもある。現在イラン国内では、
各地で反政府抗議活動が巻き起こって
いるのだ。

一人の女性から ・・・ 私の20分クロッキー2つ 私の20分クロッキー

一人の女性から ・・・
私の20分クロッキー2つ
私の20分クロッキー

こうした抗議活動はすでに何か月も続いて
いるが、それらが始まったきっかけは昨年、
「道徳警察」 に拘留されていた女性が
死亡したことであった。こうした広義の広がり
のため、国内では政権への支持の衰えが
加速、国際世界からも新たな制裁が科せ
られることとなった。

西側諸国がJCPOA再建へのこだわりを
捨て、イラン市民たちによる抗議活動への
支援を外交と経済面でのプレッシャーによって
継続するならば、イラン指導者たちには強力な
合図を送ることになろう。つまり、政権の存続に
対する脅威とは何も軍事的要因だけから
生じるわけでなく、国内からも生じ強力化して
いるのだ、という合図である。

こうした市民による抗議活動のただなか、
イラン政府高官たちや強硬派メディアが
核合意はなくなったわけではない、交渉は
今も継続中であると頻繁に力説してきたと
いう事実は重要だ。そもそもそうした勢力の
大半は以前には、西側とはどのような合意
もすべきではないと主張していたのだ。

この事実から、核交渉が失敗した場合の
リスクに対応する用意がイスラム共和国
にはないことが分かる。すなわち、<核交渉
が失敗 ⇒ 新たな制裁による> さらなる
経済ショックとなった場合には、広く市民たち
からの抗議が一層激しさを増す、という
事態だ。

したがって、イラン政府と市民の間の勢力の
バランス不安定が長く続くほど、近未来に
政権が核兵器に関する断固たる決定を下す
可能性は小さい。

したがってこれは、長期的にはさらに強固で
効果的な合意を締結するうえでの、強力な
機会をもたらしえる。
*********************

核 VS people

核 VS people

確かに、核問題というととかく軍事・外交と
いった面ばかりに目が向くのですが、国内
の経済事情や民主化といった要因も、
当然影響を及ぼしますよね。
「核兵器と核発電の不可分性」 という視点
からは、これは当然の結論です。原発の
誘致や推進といった問題には、その国に
おける民主主義の未熟さや情報歪曲
(たとえば、「MSRならメルトダウンし
にくいよ~」 といった面だけを訴え、
その他の諸側面での問題を言わない、
など) といった問題が絡んでいますもんね

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固定ページ s-5) をアップロード

固定ページ s-5) (SMR) Prof. Ramanaに
よる専門家見解
をアップロードしました。

Beyond Nuclear Bulletin Apr. 6, 2023で
紹介されているヴィデオで、SMRの
問題点を専門家が指摘してらっしゃいます。
その専門家とはカナダのブリティッシュ
コロンビア大学教授M. V. Ramana氏です。
同氏は以前にはプリンストン大学のNuclear
Futures LaboratoryやProgram on Science
and Global Securityでも研究に当たられ、
核関連の各種国際団体にも名を連ねて
らっしゃいます。

元のヴィデオが1時間45分程度あるので、
とても私一人では日本語化できません。
そこで、タイムスタンプで 4:10 あたりから
36:30までを、音声から直接、私が日本語化
しております。ただし、細かい単語など
かなり省いております。

英語のレクチャーをそのまま聞いてわかる
方々は、元のヴィデオをご覧ください:
Small Modular Nuclear Reactors: More Problematic Than Large Reactors – YouTube

「それは困る ・・・」 という方々は、
上の黒いメニューで s-5) をクリック!
(メニュー内の項目は、基本的に
アルファベット順です)

* 次回の固定ページアップロードは
s-6) で、「小型原子炉だと、むしろ発電量
あたりの放射性廃棄物発生量が増えてしまう
⇒ proliferation risksが増大してしまう」
という問題を扱います。
SMRのproliferation risksについては
すでに s-3) で取り上げたので、この
問題も述べたつもりでした。が、読み
直してみると、書き落としてましたので。
スイマセン ・・・

なお、Beyond Nuclear Bulletinに
subscribeしたい方は、
Beyond Nuclear : Sign Up to Stay in Touch (constantcontact.com)
をどうぞ!

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Ramana教授のレクチャー、もうちょっとお待ちください

すぐ下で言及したRamana教授の
レクチャーですが、日本語化を終えて
(彼のレクチャーの箇所だけですが)、
いつもどおり 「アホバカ漫画」 を作成中です。

レクチャーも元の英語で30分を優に超え、
かなり長いページになったので、
あほ漫画も多数必要です。

面倒だから、漫画なしで ・・・ にしてみると、
長いテキストが延々と続き、とても
読む気になれません!
やはり、「アホバカ漫画」 も必要です。

目下、そんな漫画をいつもどおり作成中
なので、しばらくお待ちくださいませ。

そんな漫画の1つ ~~
「ヴィデオが長すぎると、途中で寝てしまう~~」

Zzzzzz ---

Zzzzzz —

 

 

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Ramana教授のレクチャー、日本語化を進めております

Beyond Nuclear Bulletinの2023年4月6日号に、
SMRの問題点を専門家が指摘している
ヴィデオが紹介されていました。
講師はカナダのブリティッシュ
コロンビア大学教授M. V. Ramana氏です。
同氏は以前にはプリンストン大学のNuclear
Futures LaboratoryやProgram on Science
and Global Securityでも研究に当たられ、
核関連の各種国際団体にも名を連ねて
らっしゃいます。詳しくは、
M. V. Ramana – Wikipedia
を。

SMRの問題点については、
本 「やかんをのせたら~~」 でも
すでにページ  s-0) – s-4) で取り上げ
ました (上の黒いメニュー、項目は
基本的にアルファベット順で配列)が、
せっかく世界的な専門家がSMRの問題点を
列挙してくださっているので、
ぜひ日本語化しておこうと思います。
元のレクチャーは、英語なので。

このレクチャーの主催者は、Nuclear Information
Serviceという団体です。

質疑応答まで含むと、元のヴィデオは100分
程度あります。
全部を一人で日本語化するのは無理なので、
Ramana教授のレクチャーの箇所のみ、
およそ32分ほどだけを音声から日本語化
しているのですが、それでも一人でやってると
時間がかかり、大変です!

そんなわけで、日本語化を終えて漫画を入れ、
アップロードできるまで、しばしお待ちくださいな!

なお、Beyond Nuclear Bulletinに
subscribeしたい方は、
Beyond Nuclear : Sign Up to Stay in Touch (constantcontact.com)
をどうぞ!

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固定ページ nw-2) をアップロード

中国の研究所でクマムシの遺伝子を人間に組み入れ、
放射線への体制がある人間を作れる可能性が ・・・
という報道がありましたよね。

真偽のほどは分からないのですが、
本当であった場合、いったい放射線に
耐える 「スーパーソルジャー」 は、なんの
職務に当たるのでしょうか???

考えられるのは、
戦術核で敵の現場部隊をせん滅 ⇒ その後、
「黒い雨」が降りしきる中を、スーパー
ソルジャーたちが占拠
といったところでしょうか??

そんなことにならないよう、祈ります!

この遺伝子改変研究について、
Zero Hedgeというニュース ブログの
記事を紹介しております。

上の黒いメニュー (項目は、基本的に
アルファベット順)で、nw-2) を
クリック!

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またまた、Beyond Nuclear Bulletinより

Beyond Nuclear の Bulletin 4月6日号が来ました。

Subscribeしたい方は、
Beyond Nuclear : Sign Up to Stay in Touch (constantcontact.com)
をどうぞ!

で、その4月6日号には、SMRの
問題点に関するヴィデオへのリンクが
あります。

Bulletinそのものによる紹介は、
“There’s no such thing as safe nuclear
power,” said physicist and professor,
M.V. Ramana, as he ran down a compelling
and comprehensive list of reasons why
still theoretical small modular reactors
cannot address climate change.  —-
などといったものです。

SMRの問題点については、本 「やかんを
のせたら~~」 でも、上の黒いメニューに
ある固定ページ s-0) – s-4) で取り上げて
おります。(メニュー内の項目は、基本的に
アルファベット順)

さらに詳しい問題点の解説を、専門家で
いらっしゃるRamana教授がしてくださって
いるヴィデオです。

英語のレクチャーを聞いて分かる方は
Small Modular Nuclear Reactors: More Problematic Than Large Reactors – YouTube
をご覧ください。本論は、4:00 あたりから
始まります

\” (;; > O<) /  英語のレクチャーなんか、
聞いたって分かるか!!
とおっしゃる方々のために、私が音声から
日本語化して ・・・ と言いたいのですが、
約 1 時間45分もあるヴィデオなので、全部は
無理です
やむなく、主要部のみ抜粋して日本語化し、
いずれSMRに関する固定ページ s-5) として
アップロードする予定です

しばしお待ちくださいな!

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Israel National News ウェブサイト、Iranian Nuclear Crisisというニュース シリーズより

英語記事を読める方々は、元記事をどうぞ!
Report: US discussing freeze-for-freeze approach on Iran | ערוץ 7 (israelnationalnews.com)

やはり、イスラエルはイランの核活動に対する
反応が違いますね。日本語メディアが最近
ほとんどイランの核関連ニュースを報じて
いないのに対し、イスラエルの国営報道では、
このとおりIranian Nuclear Crisisという
シリーズを展開してらっしゃいます

睨まれても、言うべきことを言わないといけない場合があります

睨まれても、言うべきことを言わないといけない場合があります

ついでながら、「核発電と核兵器の不可分性」
という問題系を突っ込んでいくなら、日本語の
情報だけに頼っているとすぐに行き詰りますよ
と、私は以前に申しました。それを読んで
反感を感じた方々もいらっしゃるはず。でも、
御覧のとおり、現実を根拠にした私の発言
だったのですね。
それに、たとえば 「原発事故の放射能が
怖いから、原発に反対しているだけなのに
~」 という方々は、「核発電と核兵器の
不可分性」以外にも各種問題系があるわけ
ですし。

では、そのIsrael National Newsの記事を。
例によって私の日本語化、
< > 内は私からの補足説明
です。
***************************
報道: イランの核活動で、アメリカは核活動
の凍結と制裁緩和の交換を検討

バイデン政権はヨーロッパのパートナー諸国
ならびにイスラエルとともに、イランとの暫定
的な合意提案についての討議を行った。
その提案の一環として、イランがその核
プログラムの一部と凍結するなら、経済制裁
の一部を解除する、という取引も含まれて
いる。

ちょっと待て~~

ちょっと待て~~

2023年4月4日

ここ何週間かバイデン政権はヨーロッパの
パートナー諸国ならびにイスラエルとともに、
イランとの暫定的な合意提案についての
討議を行った。その提案の一環として、
イランがその核プログラムの一部と凍結する
なら、経済制裁の一部を解除する、という
取引も含まれている。イスラエル高官、
西側外交官、アメリカの専門家でこの提案を
知る者たち10名が、今週月曜日に
<4月3日> Axios (アメリカのニュース
ウェブサイト)  のBarak Ravidに述べた
情報である。

バイデン政権によるこの新たなアプローチ
からは、最近のイランの核プログラムを
アメリカがどれだけ憂慮しているかが分かる。
2015年の核合意を再建しようとする外交
努力をあきらめてはいないが、昨年イランが
ロシアへの軍事支援を行ったこと、また
イラン政府が反政府抗議運動を弾圧した
ことを理由に、イランとの外交で同核合意
再建を取り上げなくなっている。

今年1月にはバイデン政権はそうした
新しいアプローチに関する討議を開始、
翌月にはイスラエルならびにE3 の
3か国(フランス、ドイツ、英国) という同盟
諸国に対し、新しいアプローチに関する
ブリーフィングを行ったと、上述の10名は
述べている。

取引しようぜ

取引しようぜ

この討議での提案の一環として、イランが
ある種の核活動を凍結すれば制裁の一部を
解除する、というものもあった。主な内容と
しては、イランがウラニウム濃縮を60%で
止めるというものがあったと、上述の
イスラエル高官、西側外交官、アメリカの
専門家たちは述べた。

イスラエル高官1名と西側の外交官1名
によれば、イラン側もアメリカのそうした
討議を認識しているが、現時点までは
それを拒否している。Axiosがイラン
外務省にコメントを求めたが、同外務省は
返答していない。

この新たなアプローチは、ホワイトハウスの
国家安全保障顧問のJake Sullivan ならび
にCIAのBill Burns 長官が提唱したものに
似ている。2013年にイランと関連諸国は
「共同作業計画」 (Joint Plan of Action、
JPOA) に署名したが、その当時のアメリカ
のオバマ政権にBurnsは在籍していた。
このJPOAの一環として、イランが短期間
核プログラムを凍結する代わりに、他国は
イランへの経済制裁の一部を解除したのだ。

暴力に訴えても、解決しない!

暴力に訴えても、解決しない!

この当初の暫定合意は6か月間のもので、
その後幾度か更新された。最終的な合意は、
2015年7月に締結された。

ホワイトハウスの国家安全保障会議の
スポークスパーソンによれば、バイデン
大統領は 「イランが決して核兵器を手に
することがないよう全力を傾注しており、
そのためには今も外交こそがベストの手段
だと信じている」。

そのスポークスパーソンはさらに、バイデン
政権はあらゆる選択肢や偶発事態にも、
パートナー諸国や同盟諸国と完全に足並み
をそろえて対応できるよう用意を整えている、
とも述べた。だがホワイトハウスは 「外交
討議に関する派生的な流言に関しては、
コメントしない。ただ、そうした流言の大半は
誤りだと警告だけはしておく」。
************************

あっちも見てないと~~ 私の点描実験より

あっちも見てないと~~
私の点描実験より

核問題というと、2023年4月現在の時点
では、どうしてもロシアの戦術核配備に目が
向かいますし、それは当然だと思います。
さらに、北朝鮮ですね。
でも核兵器は、ある日突然ヒョコっと出てくる
わけじゃなく、ウラニウム濃縮や使用済み
核燃料からのプルトニウム抽出などの
プロセスがあって初めて出来るものです
よね。
そうしたプロセスにも目を光らせておか
ないと。
出てきた核兵器だけに騒いでいると、
それが核発電というプロセスから出てくる
ものだという自明な事実を見落としがちです。
プロセスも見張っていないといけない。
ここに、核問題を扱う場合の面倒さの1つが
あります。

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固定ページ nw-1) をアップロード

新しい固定ページのシリーズ nw-x) (nuclear war) を
設け、nw-1) をアップロードしました。
核戦争がどのような被害を招き得るのか、それを
説明してまいります。

今回は、Beyond Nuclear Bulletin 3月30日号より。
「核の冬」が何も 「80年代の流行」ではなく、
それ以降今も研究が進んでいるのですが、
地球規模の過酷環境異変を招きかねない
というのが、今も科学者たちの見解です。

では、上の黒いメニュー (項目は基本的に
アルファベット順に配列) で
nw-1) を見つけてクリック!

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IAEAの事務局長、ザポリージャ原発へ

アメリカのCBS Newsウェブサイトより
U.N. pushes for Russia-Ukraine deal to protect Zaporizhzhia nuclear plant, warns of “more dangerous phase” – CBS News

ザポリージャ原発の、現時点での最新情勢
です。
目が離せない状況ですから、安心できる状態
になるまで、ザポリージャ原発の情勢は
追いかけていきますね。
とにかく、巨大ダーティ ボムになって
しまわないよう祈ります。

では、いつもどおり
私による日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

ウクライナの原発 あくまで、概略地図ですよ

ウクライナの原発
あくまで、概略地図ですよ

********************************
UN pushes for Russia-Ukraine deal to
protect Zaporizhzhia nuclear plant, warns
of “more dangerous phase”
(国連、ザポリージャ原発を守るためのロシア
・ウクライナ間の合意を強く求め、「さらに
危険な段階」があり得ることを警告)

Pamela Falk記者
2023年3月30日

国連発  —  国連機関で全世界の核を監査
しているIAEAのヘッドが、今週 <3月
終わり> ウクライナで <戦闘地帯の>
前線をまたぎ、ヨーロッパ最大の原発
<であるザポリージャ原発> の被った損害
を検査した。<そのヘッドである> ラファエル
グロッシはこの水曜日 <3月29日> に、
ウクライナ南部にありロシア軍が占拠中の
ザポリージャ原発 (ZNPP) に2回目の訪問
を行った。前線では戦闘が激化しており、
原発施設への脅威となっている。

「ウクライナセ紛争が続く限り、ZNPPは
絶えずリスクに晒されており、グロッシ事務
局長は原子炉6基を擁する同原発の事故
を防止するべく外交的調停努力を進めて
いる。ここで事故が発生すれば、ウクライナ
でもその他諸国でも、人々と環境に重大な
損害を招く」 と、グロッシの現地視察を受け
IAEA は木曜日に発表している。

「ザポリージャ原発と周辺地域は、ことに
よるとさらに危険な段階に入っているようだ。
同原発の保護のため、何らかの <ロシアと
ウクライナの間での> 合意を形成するよう、
さらに努める必要がある」 と、グロッシは
記者団に語った。

いつまでにらみ合ってるつもり??

いつまでにらみ合ってるつもり??

(IAEAからのTweet)
事務局長

@rafaelmgrossi

今日、前線を超えてザポリージャ原発を
視察、その核関連の安全性とセキュリティ
を評価する。同原発を保護する緊急の
必要があることを、同局長は繰り返し
訴えた。
*************************

結果を見せてくれ! 私がかなり昔、あるウェブサイト用に描いたイラストより

結果を見せてくれ!
私がかなり昔、あるウェブサイト用に描いたイラストより

今回は単に、事務局長が現地を視察と
いうことですね。
視察の結果、どんな危険を発見したのか、
具体的な成果の報道を待ちましょう。

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ベラルーシに戦術核 ~~ なんのため??

abc News
Why does Russia want tactical nuclear weapons in Belarus? – ABC News (go.com)

ベラルーシにロシアが自国の戦術核兵器を
移送して配備する計画だとのプーティンに
よる発表が、世界的に騒ぎや憶測を呼んで
いますよね。
それに関する記事を、アメリカのabc News
ウェブサイトより紹介します。

お前も持て ・・・

お前も持て ・・・

*************************
Why does Russia want tactical
nuclear weapons in Belarus?
(ロシアが戦術核をベラルーシに配備した
がるのは、なぜ?)

ロシアのヴラディミール プーティン大統領が
ベラルーシ領土内に戦術核兵器を配備する
つもりだと発表した。

The Associated Press(AP) 発

2023年3月28日

ロシアのヴラディミール プーティン大統領は、
ベラルーシ国内に戦術核兵器を配備する
つもりだと公表したが、これはウクライナでの
戦争をさらに激化させる選択とみられる。

ロシア領土への攻撃を退けるためならロシア
は 「利用できる手段は、なんでも利用する」
用意があるとの警告を同大統領は発したの
だが、それに続いて今回のベラルーシ配備
の発表があった。「利用できる手段」 とは、
ロシアの核兵器のことを指す。

プ~ティンによる発表とその意味するところ
とを見てみよう。

何か隠してるな? 「おめでただ」 と言っておこう。

何か隠してるな?
「おめでただ」 と言っておこう。

ベラルーシ配備という動きを、プーティンは
どう説明したのか?

プーティンによれば、ベラルーシの
アレクサンデル ルカシェンコ大統領は既に
長年ロシア政府に対し、ロシアの核兵器を
ベラルーシ国内に配備することを強く要請して
きている。両国は軍事的に密接なつながりが
あり、2022年2月24日にロシアが隣国
ウクライナに侵略を開始した時にも、
ベラルーシがその侵略部隊の待機場所と
なった。

既にロシアはベラルーシの軍用機の近代化
に協力、核兵器の搭載を可能にしている。
それについてベラルーシの権威主義的
指導者 <ルカシェンコ> は、たびたび
言及してきた。

この土曜日 <3月25日> に放送された
発言でプーティンは、ベラルーシにロシアの
戦術核兵器を配備することにした直接の
要因は、英国政府がウクライナに劣化
ウラニウムを含む徹甲弾を供与することを
決めた決定だと述べた。最初はそうした
弾薬には核物質が含まれていると偽りの
主張をしていたプーティンだったが、それ
以降は語気を和らげた。それでも、劣化
ウラン弾は非戦闘員に新たな危険を
及ぼし、環境を汚染しかねないという主張
を曲げていない。

さらにプーティンの主張では、ベラルーシ
に戦術核を配備するのは、アメリカが既に
何十年もしているのと同じことをするだけだ。
アメリカはベルギーやドイツ、イタリア、
オランダ、トルコに核兵器を配備して
きている。今回のロシアの動きは核兵器の
拡散を禁じる国際条約 <核兵器不拡散
条約> に違反するものではないと彼は
主張している。もっともロシア政府は以前に、
アメリカがNATO同盟諸国の領土内に
核兵器を配備しているのは、この条約
への違反だと主張していたのだが。

そのプーティンは先週中国のシー
ジンピン大統領と会談しており、ある声明を
発表しているのだが、その声明は核兵器の
自国領土外への配備に反対している。これは
あからさまにアメリカに当てつけたものだが、
それとは自己矛盾する。

お前もやってんじゃないか!?

お前もやってんじゃないか!?

戦術核兵器とは?

戦術核兵器とは、戦場で敵の部隊や兵器を
破壊するためのものだ。<戦略核と>
比べて射程が短く、破壊力も長距離射程の
戦略ミサイルの核弾頭と比べればずっと
小さい。戦略核は、都市全体を壊滅させる
能力を有する。

米ロ間の軍縮合意の対象となっている
戦略核とは異なり、戦術核に対しこうした
制限を設ける条約は今まで存在していない。
さらにロシアは、自国の戦術核の数量
その他具体的な情報を公開していない。

アメリカ政府の推定では、ロシアはおよそ
2,000発の戦術核兵器を保有しており、
それには爆撃機で輸送する核兵器、短距離
ミサイルの弾頭、砲撃用の砲弾を含む。

戦略核は地上発射ならびに潜水艦発射の
大陸間弾道弾に装填する弾頭で、この種の
核ミサイルはいつでも発射が可能だ。これに
対し戦術核はロシア国内に少数ある厳密に
警備された格納庫に保管され、戦闘ユニット
めがけて発射するまでに時間がかかる。

ロシアの強硬派の一部はかなり以前から
ロシア政府に対し、戦術核の一部をその使用
に使う軍用機やミサイルの近くに移動し、
西側への警告とすべきだとの圧力をかけて
きている。

本気でやるのか??

本気でやるのか??

ロシアは、実際に何をするのか?

プーティンによると、ロシアは既にベラルーシ
の軍用機10機をアップグレードするのを支援
している。これは、核兵器を運べるようにする
ためのアップグレードだ。そうした軍用機の
乗員は、アップグレードした軍用機の使用に
関する訓練を、この4月3日に開始する。
プーティンによれば、ロシアはさらに
イスカンデル 短距離ミサイルをベラルーシ
に供与したが、これには通常弾頭でも
核弾頭でも装着できる。

この大統領によれば、ベラルーシの核兵器
格納施設の建設は、この7月1日に完了
する。そこにどれだけの核兵器を格納する
のか、いつ配備するのかについては、
言及がなかった。

プーティンが強調した点として、ベラルーシに
配備するすべての核兵器のコントロールは
引き続きロシアが行う。ちょうど、アメリカが
NATO同盟諸国の領土内に配備している
戦術核のコントロールを保持しているのと
同様だという。

ロシアがベラルーシに核兵器を供与する
なら、1990年代初頭以降では初めての
ロシア核兵器の国外配備となる。
ベラルーシ、ウクライナ、そしてカザフスタン
の3国は、1991年の旧ソヴィエト連邦の
解体の後で膨大な量の核兵器を引き
継いだ。だがその後、核兵器をロシアに
返送することで合意した。

裏に、何があるのか?

裏に、何があるのか?

今回のプーティンによる核移転の
結果、何があると考えられるのか?

プーティンの最新の発言は核兵器使用と
いう脅威をちらつかせるもので、ウクライナ
戦争をロシア政府がエスカレートさせる
つもりであるという合図だ。

ベラルーシはウクライナと1,084kmに及ぶ
国境を接しており、そこに戦術核を配備する
ということは、ロシア軍がその気になれば、
ロシアの軍用機やミサイルが今までよりも
<ウクライナ国内の> 潜在的な目標に
容易かつ迅速に到達できるということになる。
さらに、ヨーロッパの東部・中部にあるNATO
加盟諸国数か国をロシアが標的とできる
能力も拡大される。

今回の核移動の動きは、ロシアが占拠して
いる領土を取り戻すための反撃をウクライナ
が用意しているさなかで行われている。

ロシアの安全保障理事会のヘッド代理を
務めるドゥミトゥリ メドヴェージェフは先週、
ウクライナがクリミア半島を取り戻そうとする
なら、それは 「ロシア国家の存在そのもの」
に対する脅威であり、ロシアの安全保障
ドクトリンに従えば核兵器での対応が確実
となる、と述べた。ウクライナのクリミア半島
を、2014年にロシアは非合法に併合して
いる。

お前もやってるじゃねーか!

お前もやってるじゃねーか!

「西側は日々ウクライナに武器を供与して
いるが、そのたびに核による破局が迫って
きているのだ」 と、メドヴェージェフは語った。

ウクライナの軍事アナリストOleh Zhdanov
によれば、プーティンの目的はウクライナを
支援している西側諸国をけん制し、反撃を
ウクライナが始める前に武器供与をやめ
させることにある。

Zhdanov によると、プーティンは 「核戦争
へのエスカレーションに訴えることで戦場の
状況に働きかけ兵器や装備のウクライナ
への供与を削減させようとしている。
ベラルーシに核兵器を配備しておくことで、
ウクライナだけでなくヨーロッパに圧力を
かけられる。常時存在する脅威であり、
ウクライナとその西側支援諸国両方の
緊張感を高め、神経を疲弊させることが
できるのだ」

雪合戦用新技術?? こんな技術、やめてくれ! そもそも、この世にないほうが良い技術ってのもありますよね。

雪合戦用新技術??
こんな技術、やめてくれ!
そもそも、この世にないほうが良い技術ってのもありますよね。

ウクライナと西側諸国の反応は?

今回のプーティンの動きに対してウクライナ
は、国連安全保障理事会の緊急会合を
求めている。ある国連スポークスマンが、
この問題に関する疑問事項を安全保障
理事会に提出したが、この会合は月曜日
午後まで開催されないと発表した。

「人類の文明の未来を危険に晒すものに
対しては、世界は一致団結して対抗せねば」
と、ウクライナの外相は述べている。

アメリカのホワイトハウス国家安全保障
評議会 (White House National Security
Council)のスポークスマン John Kirbyが
月曜日に語ったところによれば、ベラルーシ
配備に関するプーティンの発表があって
以来、アメリカの高官たちは 「戦術核や
その種のどのような物体の移動も、まったく
確認していない」 そうだ。同スポークスマン
によれば、アメリカの戦略的抑止行動を変更
するよう促すような事態を、アメリカ政府は
何ら認識していない。

12年前の火事 まあ、もういいでしょ~~? 全然、ダイジョーブとちゃうがな!

12年前の火事
まあ、もういいでしょ~~?
全然、ダイジョーブとちゃうがな!

ロシアがしようとしていることは、アメリカが
何十年もしていることと同じだとプーティンは
主張しているが、NATOはそれを否定して
いる。西側同盟諸国は、国際的な取り組みを
全面的に順守しながら構想していると、
NATOは主張している。

「ロシアの核に関するレトリックは、危険で
無責任だ」 と、NATOのスポークスパーソン
Oana Lungescu は述べている。さらに、
NATO同盟はロシアによる核兵器の扱いに
関しては、今のところ何の変化も観察して
いないとしている。

ベラルーシと国境を接しているリトアニアは
今回のプーティンの発言について、「何を
やらかすかわからない独裁国家2つが隣国
やヨーロッパ大陸全体をまたもや脅迫して
いるのだ」 としており、「プーティンと
ルカシェンコが絶望のあまり、ヨーロッパに
緊張と不安定性の波をまた引き起こそうと
している」 との理解を示している。

こうした西側からの批判に対し、ロシアの
外務省は、ヨーロッパからアメリカの核兵器
を撤退せよという度重なるロシアからの
呼びかけを、アメリカ政府もその同盟諸国も
無視してきたではないか、と応戦している。
同外務省は、ロシアには 「ロシアとその
同盟国の安全を確保するために新たな手を
講じる」 権利があると、改めて
主張している。

本記事の寄稿者は、ワシントンの
Aamer Madhani ならびにエストニアは
タリンのYuras Karmanau。
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あの人たち、どうかしてる ~~ 私の20分クロッキー

あの人たち、どうかしてる ~~
私の20分クロッキー

核なんてものが存在すると、こうした
ブッソーな発言も飛び交うことに。
世界の人心の平安のためにも、
核は廃絶を!

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