だったら、初めから原発の占拠とかするなよ!

下の7月21日に紹介したWashington Examiner の記事との関連で、
ありました、ありました、ウクライナ軍によるザポリージャ
原発への攻撃に関して、ロシアのお偉いさまから 「トンデモ非難」
がありました!

News.am (News Armenia) というアルメニアの通信社の英語版ウェブサイト
Russia MFA: Ukraine is deliberately leading to man-made disaster by its attacks on Zaporizhzhia NPP (news.am)
にある報道です。
2022年7月27日付

いつもどおり、私の日本語化で。< > 内は、私からの補足説明。

******************
ロシアの外務省で広報担当副部長を務めるIvan Nechayev は、
ウクライナが <ロシア軍が占拠している> ザポリージャ原発に
攻撃を仕掛けたのは、人為的な大規模災害をウクライナが
意図的に引き起こそうとしているからだ、と述べた。<ロシア国営の>
RIA Novosti 通信社の報道による。

Nechayevによれば、「ウクライナ軍は病的な執拗さをもって
ザポリージャにあるヨーロッパ最大の原発への砲撃を続けており、
その安全性も考えておらず、IAEA総会の決議や決定も無視している。
核施設目掛けての砲撃実施ということに関して、キーフのウクライナ
政府は、誰も気にしていないようだ。ウクライナ側が意図的に
技術災害を引き起こそうとしていることは、明らかだ」
******************

\” (;; ^ O^) ‘’’/ ははははは!! だったら、初めからロシア軍は
原発を占領して自軍の兵器庫にしたりするなよ!!

皆様も、ロシア側が上記のようなデタラメ主張をしてくるんだろうなあ、
って予想をしてらしたと思います。
予想通りの妄言ですよね。

では、ザポリージャ原発関連の報道を追いかけるのと並行して、例の
「核抑止理論の10の欠陥」も1つずつ紹介していきますね。

Posted in Uncategorized | だったら、初めから原発の占拠とかするなよ! はコメントを受け付けていません

10の欠陥、その2 何百万人死ねばいいの??

10の欠陥、その2
欠陥2  何百万人死ねばいいの??

Ten Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theory (wagingpeace.org)
(核抑止理論に見られる10の欠陥)
David Krieger | 2011年2月7日)
に戻って、2つ目の 「欠陥」 を。
いつもどおり、私による日本語化、< > 内は私からの補足説明です。

******************
欠陥2  <核抑止が成立するには> 大量殺りくを実行しようという
殺意が前提とされる。核抑止を実現しようとすると、敵国からの
核攻撃を抑止するには、何万人の声明を脅かせば抑止に充分なのか、
という政策議論が発生する。ある敵国を抑止するには、100万人の
生命を脅かせば良いのか?敵国
Bなら、その人数は異なるのか?
そもそも、何万人を殺す能力があれば、抑止に充分なのか?
100万人なのか?1,000万人か? 1億人か?それとも、それ以上か?
そしてこの虐殺人数を多めに見誤ってしまう傾向が絶えず存在
するので、そのためさらに強大な殺戮システムを構築しようという
動きが出てしまう。さらにそのため軍拡競争が続き、決して使用
されることがあってはいけない兵器システムのために巨大な
リソースが割り当てられる結果となる。指導者たちは自国民に、
大量殺戮という脅威があること、抑止のための大量殺戮という
脅威を実現するためのリソース支出によって国民の安全が守られる
こと、さらに科学的リソースや財政的リソースを他の用途に
割り当てるよりも賢明であることを、説得せねばならなくなる。
その結果、リソースがおかしな用途に割り当てられるだけではなく、
国際問題に協力して取り組む努力が削がれてしまう。
*******************

人類はその科学力を、協力しての問題解決よりも 「大量虐殺の
脅し合い」 に費やしてしまってきている ・・・・ 言い古された悲劇
ですが、なんともイヤになりますよね。
巨大な軍事費の一部でも貧困対策に投じれば、この世界には餓死者は
いなくなる、との試算もありますし。

では、次回は第3の欠陥を。
ただし、ザポリージャやJCPOAなどの関連で何か起きたら、
それも取り上げますね。

Posted in Uncategorized | 10の欠陥、その2 何百万人死ねばいいの?? はコメントを受け付けていません

ザポリージャ原発、続報

Ukraine connects nuclear power unit to electric grid (yahoo.com)

ウクライナ、原発の発電ユニットを送電グリッドに接続

2022年7月25日

ザポリージャ原発の状況に関する最新報道の紹介を続けますね。
Yahoo! newsより。
いつも通り、私の日本語化です。
*************
—- (前略) —–

現時点で、ウクライナで稼働している原発としては、ロシア軍
部隊が占拠しているザポリージャ原発の3基、リヴネ原発の3基、
ピヴデノウクラニンスカ原発 (以前の南ウクライナ原発、
4月に改名)の2基、そしてフメリニツキー原発の2基がある。

IAEAのラファエル マリアーノ グロッシ事務総長によれば、
「ザポリージャ原発とその周辺での出来事について」 の最新の
報告からは、事態は警戒度をさらに高めつつあることが分かる
ようだ。

ウクライナやその周辺の住民の健康にとって脅威となるような事態を
防止するため、最大限の注意を同事務総長は求めている。

—- (中略) —–

IAEAが注目している問題として、占拠されている原発のウクライナ
スタッフが直面している状況はさらに悪化しているとの報告が最近
あった。それも、マス メディアとIAEAが受け取った公式報告の両方だ。

さらに以前の報告によれば、ウクライナはその3番目の原発の燃料を、
ロシア製からアメリカ製に切り替えている。りヴネ原発の3号機炉心には、
アメリカのWestinghouse社の燃料集合体が入っている。

**************

日本では 「天然ガス価格が高騰 ⇒ 原発再稼働を急げ」 といった
飛躍した主張がまかり通っていますが、ウラニウム燃料も
輸入資源です。日本国内にウラニウム鉱山はございません。

ウクライナの原発で核燃料をWestinghouse製に変えたのは、
政治や戦争状況がエネルギー資源の入手にも影響する典型的な
実例ですね。

ウクライナの既存原発の原子炉はすべて、ソヴィエト時代に
開発されたVVERですが、一種の加圧水型原子炉ですので、
Westinghouseの核燃料で大丈夫なのでしょう。

では、またザポリージャ原発関係の報道が入ったら、紹介しますね。

 

Posted in Uncategorized | ザポリージャ原発、続報 はコメントを受け付けていません

ザポリージャ原発の最新状況 ・・ 英国のタブロイド紙の記事ですが

Daily Express (ロンドンに本拠を置く英語タブロイド、
保守党の一部との関係が疑われたりする新聞で、保守系)の記事より

Ukraine: Putin army risks ‘Chernobyl-scale disaster’ placing EXPLOSIVES in nuclear plant | World | News | Express.co.uk

ザポリージャ原発の最新状況が気になりますよね。
日本語では詳細な報道が聞こえてこないので、タブロイド紙では
ありますが、英語圏のメディア報道も紹介しておきましょう。
ロンドンのDaily Expressから。まあ、タブロイド紙の報道だという
ことはお忘れなく。
いつも通り、私の日本語化で。< > 内は、私からの補足説明です。

*******************
プーティンの軍隊、原発に爆薬を保管し 「チョルノービ規模の大災害」 の
リスクを現実化

ヴラディミール プーティンの軍隊はザポリージャ原発を制圧、
そのエンジン室に実弾薬を格納しており、チョルノービ原発災害に
匹敵するほどの規模の災害が発生するリスクを現実化させてしまって
いると、ウクライナ高官たちが述べた。

Imbalance ---- 私の昔の作品

Imbalance —-
私の昔の作品

ALEKS PHILLIPS 記者

2022年7月22日

<ザポリージャ原発が爆発するような事態になれば> ロシア支配下に
あるウクライナ領土で原発が爆発するのは2回目となってしまう。
しかもそうなった場合、今度はヨーロッパ最大の原発だ。今回の
ヴラディミール プーティンによる恐るべき侵略が始まってすぐに、
この原発は制圧された。そしてロシア軍が同原発に対し直接に砲火を
放ったと、広く批判が向けられている。

今では占拠部隊は6基ある原子炉のうち1基に 「軍用重機器や弾薬、
武器、火薬類」 のユニットを 「少なくても」 14ユニット格納しており、
壊滅的なメルトダウンが発生するリスクを高めてしまったと、
ウクライナの国営核エネルギー企業エネルゴアトムは発表している。

同社によれば、こうした武器類は発電タービンの稼働を継続させる
ための設備の 「すぐそばに」 格納されている。発電タービンとは、
原子炉からの熱を利用して発電を行う蒸気タービンのことである。

エネルゴアトムの警告によれば、これらの兵器類はメイン オイル
タンクの 「すぐそばに」配置されており、このタンクには蒸気
タービンを冷却するための可燃性オイルが入っている。

「それ以外にも、発電機の冷却に使う爆発性の水素もある」

ロシア部隊がこうした爆発物を配置した地帯には、特殊用途化した
消防車が 「近寄れない」。そのため、火災が発生すれば沈下不能に
陥るリスクが高い。こうした配置が無知によるものなのか、生命
そのものを軽んじているためなのかは、わからない。

エネルゴアトム社は深刻に憂慮しており、こうした兵器類の配置の
ため、「火災が発生した場合には、消火活動には大いに問題が伴う」
としている。

手に負えなくなる ・・・ 私の20分クロッキーより

手に負えなくなる ・・・
私の20分クロッキーより

本日木曜日 <7月21日> 発表の声明では、同社はさらに 「たとえば
弾薬が偶発的に爆発してしまい、火災が発生した場合には、その規模は
チョルノービ原発事故での火災と同程度のものになりかねない」 と
述べている。

つい昨日 (水曜日) ロシア軍はザポリージャ原発のウクライナ国籍の
作業員たちに対し、エンジンルームを開放して武装ユニット3個が兵器を
格納できるようにせよと 「要求した」。このため、爆発発生のリスクが
さらに高まり、複数の原子炉が被害を受ける危険性もある、という不安が
高まった。

ウクライナでの前回の原発事故、つまりチョルノービ事故の傷跡を、
今でもウクライナは負っている。同事故では大気中に放射性物質が漏出し、
数えきれないほどの早期死亡が発生した。今ではチョルノービ原発は、
1,000平方マイル <約2,590平方㎢> にものぼる立入禁止地域の中に
座している。

2016年には従来の放射性物質封じ込め建築物の上に新たな封じ込め用
構築物を建設、その費用は15億ユーロ (12億8千万ポンド) ほどにのぼった。

ロシア軍部隊は、この2月に今回の孫略を始めて最初の日にザポリージャ
原発を制圧、ウクライナ北部での攻撃の失敗を受けて <いったんは>
撤退した。

ザポリージャを占拠して以来、ロシア軍部隊は連日のように原発安全
規則に違反してきたと、非難を浴びている。
*************************

原発問題を論じるとき、軍事的側面を無視してエネルギーと環境問題だけに
矮小化してしまうことが、いかに危険か。それが今、ウクライナで現実化して
いるわけですね。
従来、日本の反原発団体の多くは軍事的側面をあまり取り上げて
こなかったですよね。
軍事的側面をむしろ中心に据え、反核運動の一環として原発にも反対していく
・・・ そんな運動が、日本にはないのでしょうか?

Posted in Uncategorized | ザポリージャ原発の最新状況 ・・ 英国のタブロイド紙の記事ですが はコメントを受け付けていません

ウクライナ軍が「ザポリージャ原発 ⇒ ロシア軍基地」 を攻撃??

アメリカの保守系ニュース ウェブサイト (週刊政治誌も発行) の
Washington Examiner の記事より。

ザポリージャ原発で新たな動きがあったとの報道です。
原発を自軍の基地化してそこから周囲を砲撃すれば、ウクライナ軍は
手が出せまい
というロシア軍の狙いだったようですが、こういう手に出たうえ、
さらにロシア軍兵士がその原発の安全規則を無視したとの報道も
ありましたよね。
すると、ウクライナ軍がこの「原発基地」に攻撃を加える可能性も、
考えられます。どうせ、攻撃しなくても原発の安全規則が無視されて
いるわけですから。

この問題に関連する報道です。

いつもどおり、私の日本語化で。< > 内は、私からの補足説明。

Nuclear power plant attacked by Ukrainian kamikaze drones, Russian officials say | Washington Examiner

ウクライナのカミカゼ ドローンが原発を攻撃とロシア高官が主張

速報ニュース担当 Brady Knox

2022年7月20日

**********************
ロシア軍の支配下にあるザポリージャ原発に対して水曜日 <7月20日> に
ウクライナのカミカゼ ドローン数基による攻撃があったと、
ロシア側の高官が述べた。

同原発がある自治体エネルゴダルの役所の広報担当部署によれば、
4機のドローンが使用されたとRIA Newsは報じている。だがこの
地域の行政官によれば、3機だったという。同原発のスタッフ11名が
負傷、うち4名は重傷だと、ザポリージャ地域のロシア派の非戦闘員と
軍部合同行政部の評議員Vladimir RogovはTASS通信に対して述べている。
Rogovによれば、当該のドローンは原発の中の原子炉がある部分は
攻撃しなかったという。

食い違った報道だらけね~~

食い違った報道だらけね~~

ロシア軍制圧下の原発での死を招く 「出来事」 に関して、ウクライナ
国内の市長が謎めいた投稿

“未確認の情報ではあるが、今回の攻撃に使用された無人攻撃機は弾頭を
搭載しており、その爆薬重量はTNT火薬相当量で算定されていた。
このUSILというテロ組織を壊滅させねばならない」 とRogovはロシアの
SNSであるTelegramの自分のページに記している。彼はさらに説明を
加えており、USIL とはUkrainian State of Ivano-Frankivsk and [Lviv]
(イヴァノ・フランキヴスクならびにルヴィヴのウクライナ国家) という
ウクライナ西部にある2つの都市政府のことで、RogovはUSILをISIS
つまりイラクから地中海東岸にかけて存在している過激派イスラム組織に
なぞらえている。

Rogovは他にもTelegramに投稿しており、今回の攻撃は「“ゼレンスキー
大統領のテロリストたち” がザポリージャ地域の住民を脅すために
やらかしたことだ」 と主張している。

「この地域の住民たちはロシアと再度統合化されたいと願っており、
それに対する報復が今回の攻撃だ」とRogovは述べている。彼はさらに、
今回の攻撃で使用されたドローンのパーツであると主張する物体の
画像も数枚投稿している。

この嫌疑について、ウクライナ政府はまだコメントをしていない。
在アメリカ ウクライナ大使館にもコメントを求めたが、まだ回答は
ない。国連事務総長の副報道官Farhan Haqも、水曜日に開かれた
ブリーフィングにて今回の攻撃に関する直接の情報をまったく
有していないと述べたと、TASS通信は報じている。

ヨーロッパ最大の原発 <であるザポリージャ> は、2月にロシアに
よるウクライナ侵略がフルに開始されて以来、すでに幾度もロシア軍と
ウクライナ軍の両方から攻撃を受けている。今週月曜日には
ウクライナから避難中の市長Dmytro OrlovがTelegramに投稿、
ロシア軍兵士数名が死亡あるいは負傷した「出来事」に暗号的に言及
していた。RIA News によれば今回の攻撃はウクライナのドローン1機に
よるもので、兵士ではなく原発のスタッフ11名が負傷したそうだ。
Orlov は今のところ、ザポリージャ原発の施設に対して攻撃があった
との主張に関しては、コメントしていない。

ウクライナ南部にある同原発はロシア軍の基地に改造されており、
ロシア軍は兵器や兵員をそこにかくまってウクライナ軍による攻撃
から守っていると、Wall Street Journalは報じている。

Posted in Uncategorized | ウクライナ軍が「ザポリージャ原発 ⇒ ロシア軍基地」 を攻撃?? はコメントを受け付けていません

ザポリージャ原発でロシア部隊が安全規則に違反と、エネルゴアトム

Last Updated: 20th July, 2022 09:07 IST

Russian Troops Breach Safety Rules At Zaporizhzhia Nuclear Power Plant, Says Energoatom
(ザポリージャ原発でロシア部隊が安全規則に違反と、エネルゴアトム)

インドのメディア ネットワーク企業Republic World による、ザポリージャ原発関連の報道です。2022年7月20日付。

ウクライナへの侵略でロシア軍がザポリージャ原発を占拠しているが、ウクライナの国営核発電企業エネルゴアトムによれば、そのロシア軍部隊が同原発の安全規則に違反した。

Riya Baibhawi 記者

Russian troops breach safety rules at Zaporizhzhia Nuclear Power Plant, says Energoatom (republicworld.com)
より。

いつも通り、私の日本語化で。< > 内は私からの補足説明。

*****************
ウクライナへの侵略でロシア軍がザポリージャ原発を占拠しているが、
そのロシア軍部隊が同原発の安全規則に違反した。ウクライナの国営
核発電企業エネルゴアトムによれば、この月曜日 <7月18日> に
プーティンの軍はロシア軍制圧下のエネルホダルにある同原発の従業員
たちから通行書を奪い取った。同部隊の兵士たちは誰も放射線防護服を
着用しておらず、しかも同原発構内を進むうちに幾度も安全規則に違反した。

先週、ザポリージャ地域の親ロシア派軍・市民勢力の代表者である
Yevgeny Balitskyが述べたところでは、同地域のロシアへの併合に関する
住民投票が今年秋初めにも実施されるそうだ。Balitskyは併合のために
あらゆる 「組織的メカニズム」 を整備していると語っていると、
TASS通信は報じている。労働運動や労働組合、活動家たちから、
ザポリージャ地域の命運を早く決めるよう請願を受けていると、
Balitsky は述べている。さらに彼は、同地域の住民たちはロシアへの
併合を望んでいると強調していた。

一方、ロシア軍はウクライナの南部ならびに東部工業地域にある
町や村への攻撃を続けている。火曜日にはクラマトルスクに対して
ミサイルを発射、住民1名が死亡し、住民10名が負傷した。
Pavlo Kyrylenko知事は後に10階建てアパートが攻撃を受けたことを
確認、超音速ミサイルR-37が使用されたと発言した。ウクライナの
国家緊急事態サービスによると、それとは別の攻撃で、プーティンの
軍団はスロヴィアンスクの居住用ビルを部分的に破壊、2名を死亡させた。

早く平和を ・・・ 私の10分クロッキー

早く平和を ・・・
私の10分クロッキー

オデッサ、巡航ミサイルの標的に

さらにオデッサではロシア軍が夜間にKalibr巡航ミサイルを7発発射、
6人が負傷した。ロシアの国防省は後程、このビレンケという村への
攻撃は正当な軍事目的を達成したもので、「アメリカや西欧諸国が
提供した兵器用の弾薬の保管庫を破壊した」 と主張した。だが
オデッサの地方政府の広報官Serhiy Bratchukはこの主張は無根拠だと
否定、ロシアがこの攻撃を加えたのは威嚇戦術の一環であるとした。

 

BratchukがウクライナのTVに述べたところによれば、「こうした
非戦闘員に対する攻撃の目的とは、1つしかない。住民や地方政府当局を
威嚇し、絶えず緊張の中に閉じ込めることだ」 ロシア対ウクライナの
戦争は5か月目に突入しようとしており、両国合わせると何十万人もの
死亡者が出ている。
*****************

どうもロシア軍は自分の兵士たちに放射線防御の必要事項なども教えずに、
原発制圧に放り込んじゃっているようですね。まともな訓練を行う余裕も
ないのでしょう。
問題は、こんなまったく無知な兵員が原発を制圧している以上、その
原発ではどんな異常事態が発生しても不思議ではない ・・・ という
ことですね。
「やかんをのせたら~~」 でたびたび説明してきたように、原子炉とは
もともと核兵器製造用のマシーンです。それにいくら 「やかん」 を
のせて発電をしたところで、「安全な機械」 に変身するわけじゃ、
ありません。
異常事態が起きる前に、プーティンが正気を取り戻してウクライナに
平和が戻ることを!

Posted in Uncategorized | ザポリージャ原発でロシア部隊が安全規則に違反と、エネルゴアトム はコメントを受け付けていません

“Ten Serious Flaws”, 1つ目の欠陥

では、”Ten Serious Flaws —” に戻って、1つ目の「欠陥」を。

Ten Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theory (wagingpeace.org)
(核抑止理論に見られる10の欠陥)
David Krieger | 2011年2月7日)

では、この 「10の欠陥」 から、まず第1の欠陥を。
いつもどおり、私による日本語化、< > 内は私からの補足説明です。

*****************
欠陥1 <核抑止理論は> 単なる理論に過ぎない。  核抑止理論は
実証されたものではなく、そもそも実証不可能だ。理論というものでは、
たとえば誰かが何かをすると、ある種の結果が生じるという因果関係が
提示されている場合もある。核抑止理論では、一方が <相手からの
攻撃に対抗して> 核兵器で報復するという脅威を示せば、その相手は
攻撃しては来ないとする。だが、攻撃がなかったからと言って、それが
核抑止のためだという結論には、必ずしもならない。つまり論理学では、
誤った因果関係の想定というものがあり得る。何か前提条件を満たせば
何か他のことが発生しえないという否定命題は、証明できないのだ。
核攻撃が行われていないという事実の原因としては、他にいくつでも
考えられる。あるいは、単なる例外的な幸運という場合もあり得る。
核戦争が <今までのところ> 発生していない事実を核抑止による
ものだと主張するのは、誤った肯定命題なのだ。そうした誤りのため、
核抑止理論には無根拠な有効性があるものとされてしまう。
******************

「否定命題」云々という箇所が少しわかりにくいかも。
実例として、たとえば
「アメリカは旧ソヴィエト連邦から核攻撃を受けなかった ⇒ だから、
核抑止は有効だ」
というかなり飛躍した主張を、アメリカではいまだに耳にします。
でも、隣国のカナダは1984年以降、少なくても公式には核兵器を
維持・保有しておりません。そしてカナダにも、ソヴィエトからの
核攻撃はありませんでした。
「いやそれは、“アメリカの核の傘” のおかげだ!」 という理屈が
すぐに聞こえてくるのですが、じゃあフィンランドは??旧ソヴィエトと
長い国境を接し、実際に交戦もしていました (1939-40の冬戦争、
1941-44の継続戦争) が、少なくても明示的には核兵器を保有した
ことはありません。最近のニュース報道でNATO加盟が話題に
なりましたが、逆に言えば旧冷戦時代にはNATOの核の傘の下には
いなかったことになります。でも、ソヴィエトから核攻撃を受けた
ことは、ないのです。
核抑止理論の提唱者の間では、どうも 「何でもかんでも核抑止の
おかげ」 にしてしまう傾向があります。

では、欠陥2 は、次回に。ただ、それまでにザポリージャ原発や
JCPOA関連などで何か発生した場合には、それを取り上げます。

Posted in Uncategorized | “Ten Serious Flaws”, 1つ目の欠陥 はコメントを受け付けていません

ロシア軍、ザポリージャ原発を「基地として利用」

下で 「ザポリージャ原発の基地化」 を憂慮する記事紹介を
しましたが、ついに同原発からロシア軍がミサイルを発射して
いるという報道が流れています。
ああ、しばらく落ち着いてすぐ下の “Ten Serious Flaws —” を
紹介したかったのですが、核関連の出来事が、それも深刻な
ものが多すぎて、落ち着くことは許されないようです。。。

では、France 24のライブ報道ブログ英語版より、私の抜粋・日本語化で。
いつもどおり、< > 内は私からの補足説明です。

フランスの国営国際放送France 24による英語記事より。
Live: Russia accused of shelling from Zaporizhzhia nuclear plant (france24.com)
(ライブ報道: ロシア軍、ザポリージャ原発から砲撃を実施、
非難を受ける)

初投稿: 16/07/2022 – 07:07   修正: 16/07/2022 – 12:32

************
ウクライナ政府高官たちは、ロシア軍が占拠している原発を
武器保管庫兼発射基地として利用していると、非難している。
ロシア軍はウクライナの諸都市に対する攻撃を激化させており、
土曜日 <16日> にはキーフで空襲警報のサイレンが鳴り響いた
・・・ <下記の> 時刻記載はいずれもパリ時刻。 <東京より
7時間遅い>

・・・ 該当箇所へと飛びます ・・・

あそこを押さえられると、手が出せない ~~ 私の20分クロッキー

あそこを押さえられると、手が出せない ~~
私の20分クロッキー

06:41am: ロシア軍が占拠している原発からミサイルを発射して
いるとの非難

ロシア軍は、ヨーロッパ最大の <ザポリージャ> 原発を基地と
して利用、「ミサイル システム」も含んだ武器を保管している。
さらに同原発を基地として、ウクライナ国内の同原発周辺地域を
砲撃していると、キーフの核エネルギー機関の高官が金曜日に
述べた。同日、ウクライナのほぼ全土が空襲警報の対象となっていた。

その核エネルギー機関エネルゴアトムの理事長によれば、
ザポリージャ原発の状況は 「著しく緊張して」 おり、最大で
500名のロシア軍兵士が同原発を制圧している。

「占拠部隊は軍の機械類をこの原発に運び入れており、
それにはミサイル システムも含まれている。そうした兵器により、
ロシア軍部隊は既にドニエプル川 <ザポリージャ原発のすぐ北側を
流れている大河> の対岸地域やニコポル地区に対し砲撃を加えている」
と、エネルゴアトムのペドロ コーティンはテレビのインタビューで
述べた。川の対岸にある町の状況に関する発言だ。

このウクライナ南西部にあるザポリージャ原発は、ロシア軍による
侵略の初期段階から今まで、ロシア軍の支配下にある。ただし今も
原発の稼働はウクライナのスタッフが担当している。

戦闘の前線から離れた地域からも空襲の報告があり、ウクライナの
ほぼ全土で空襲への警戒が高まった。ヴォロディミール ゼレンスキー
大統領によれば、ロシアの目的は 「ウクライナの諸都市に可能な
限りの被害をもたらすことだ」
同大統領は毎日、TVで国民にメッセージを届けているのだが、
この日は 「改めてお願いしますが、この空襲警報は決して無視しないで
ください」 と述べていた。
********************

早くプーティンが正気を取り戻してロシア軍が撤退し、ウクライナに
平和が戻ることを祈っております。
それと、下の7月9日の記事で問題にした、「原発の軍事的リスク、その4」 が
いよいよはっきり現実化しちゃいましたね。日本の原発を最大9基再稼働する
とか日本政府は仰ってますけど、軍事的防御はできるのでしょうか??
敵国が原発を占拠・基地化してしまった場合、こちらは下手に手を出せない
「極めてやっかいな敵基地」 になるのは、容易に想像できますよね。
また日本国は現時点で、確かに戦争状態にはないですが、テロという
危険もございまして ~~ ページ g-5) と g-6) 参照。
どうしても再稼働したいなら、福島第一の大惨事から今までの11年間の
間に、こうしたリスクへの対策は考えて実施しておくべきでしたよね。
11年間も、何をやっていたのか ・・・

Posted in Uncategorized | ロシア軍、ザポリージャ原発を「基地として利用」 はコメントを受け付けていません

Ten Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theory

では、すぐ下で予告した Nuclear Age Peace Foundation (NAPF)
という国際的 NPOが公表しているTEN SERIOUS FLAWS IN
NUCLEAR DETERRENCE THEORY (核抑止理論に見られる10の
欠陥)という文章を、少しずつ紹介してまいります。NAPF の
設立者の一人、David Kriegerさんの考察です。2011年2月のもの
ですが、核抑止という問題に関する限り、2022年7月現在でも
有効な考察です。
いつもどおり私による抜粋・日本語化、< > 内は私からの
補足説明です。
*******************

「安心できない安心」 私が昔描いた絵画の、地塗り段階

「安心できない安心」
私が昔描いた絵画の、地塗り段階


Ten Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theory (wagingpeace.org)
 より

TEN SERIOUS FLAWS IN NUCLEAR DETERRENCE THEORY
(核抑止理論に見られる10の欠陥)

David Krieger | 2011年2月7日

核抑止とは、所定の行動に対する核による報復という脅迫のことで、
一般的には<その「所定の行動」とは> 核抑止に訴えている当該国に
対する <敵対国からの> 攻撃のことである。核抑止理論によれば、
こうした脅迫を <敵対国が> 現実のものであり充分な被害を
もたらすものだと認識すれば、<その敵対国は> 攻撃その他の所定の
行動をとらないはずだ。

核抑止を求める願望は、核兵器そのものが出来上がる以前から
存在していた。二次大戦中にヨーロッパから <アメリカへと>
避難していた科学者たちは、ドイツが核兵器を開発する可能性を
憂慮し、アメリカ政府に対してウラニウムの核兵器製造における
利用を研究するよう促した。アルバート アインシュタインも、
<当時のアメリカの> ルーズベルト大統領に対して核爆弾の実現
可能性を調べるプログラムを発足するよう強く勧めた科学者たちの
一人であった。ドイツが核兵器の製造に成功した場合、その核兵器の
使用を抑止するため、というわけだ。のちに広島と長崎で核爆弾が
使用されたが、それを知ったアインシュタインは <このアメリカ
政府への提言を> 自分の人生での最大の誤りの1つだと認識を変えた。

アメリカが核兵器を開発したのは1945年7月のことだったが、その
時点でドイツは既に降伏していた。アメリカはその強力な新型爆弾を、
広島と長崎に投下した。そうすることでアメリカは、核抑止の
メッセージを他の諸国、特に <当時の> ソヴィエト連邦に送ったのだ。
アメリカは核兵器を保有し、それを必要なら使うぞ、というメッセージだ。
当時ソヴィエト連邦は秘密裏に核兵器プログラムを進めていたが、
アメリカに今後核兵器を使用させないように、ということでその
秘密プログラムが加速される結果を招いた。その他の諸国も同様の
動きに出た。ソヴィエトを抑止するため、英国とフランスも核兵器
装備を始めた。イスラエルも、自らの独立を守り他の核兵器保有
諸国からの介入を防止するため、核兵器開発を進めた。また
インドは、中国とパキスタンを抑止するために核兵器を開発し、
パキスタンはインドを抑止するため同じ動きに出た。北朝鮮は、
アメリカを抑止するために核を保有した。

あいつがやるなら、俺も 私の20分クロッキー

あいつがやるなら、俺も
私の20分クロッキー

核時代 (Nuclear Age) に常に見られる要因の1つとして、
核兵器保有国は必ず核抑止理論を信奉する。核兵器を開発した国は
いずれも、核抑止の実現であるという理由で、その開発を正当化
してきた。その核保有国自体だけでなく、人類の文明そのものの
安全が、核抑止理論の信頼性にかかっている、というワケだ。
全世界の多数の人たちが、核抑止が地球の安全に、さらには自分や
家族の安全に、寄与していると考えている。だが、本当にそうなのか?
核兵器保有国すべての政治・軍事的指導者たちは、核抑止理論を
金科玉条、あたかも神聖不可侵な教えであるかのように扱ってきた。
核抑止があれば、安全が守られる、という非現実的な教義だ。
だが、そうした指導層が間違っていたら? その場合、人類の未来は
致命的な危機を迎えることになりかねない。核抑止が現実には
機能しなくなった場合、人類の存在そのものを脅かす脅威が
訪れかねないからだ。

アメリカ戦略軍の前司令官であったジョージ リー バトラー将軍は、
在任期間中にはアメリカの前核兵器を管轄していた。アメリカ空軍を
退役した後、バトラー将軍は核抑止理論を批判、「国家の安全保障の
究極の目的に関して、この核時代における合理的な思考を危うくして
しまっている。国家安全保障の最終目的とは、その国家を存続
させることだ」 と語った。バトラー将軍の結論として、核抑止とは
「危うい知的構築物で、現実の世界にはほとんど該当しない。
現実世界には、偶発的な危機もあれば動機説明が不可能な動き、
諜報活動の不完全さ、人間関係のもろさといった諸問題が溢れている」

火山が噴火する前には、明確な兆候が見られ警告となる。同様に、
核兵器の使用と核抑止の崩壊にも先立つ兆候があり、我々はこの
核時代においてそうした実例を見てきている。噴火のような力の
ために核兵器群が急激に 「噴火」 し、核抑止理論による比較的
脆いものでしかない 「防御」 をぼろぼろに壊してしまう場合も
あり得る。そうした危険を考えるなら、我々は現状に満足しては
ならない。また、核兵器が自分たちを守ってくれると主張する
「専門家」 たちの意見で安心し続けているわけにも、いかない。
実は憂うべきことは実に多数あり、核兵器保有各国の核政策決定者や
理論家たちが説いているよりもずっと多い。下記 <次回以降に紹介>
では、核抑止理論に私が認める10点の深刻な欠陥を考察する。
こうした欠陥を考えるなら、核抑止理論は安定性にかけ、
信頼できず無効な理論なのだ。
*******************

今回は、イントロですね。
次回から、少しづつ 「10の欠陥」 を紹介してまいります。

Posted in Uncategorized | Ten Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theory はコメントを受け付けていません

しばらくTen Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theoryを

核抑止理論について調べておりますが、今後何年かかけて
追求していくべき問題です。
でも、その「何年か」のあいだ、ずっと新規投稿をお休み
するわけにも、まいりません。

そこで、私が読み調べしている材料の中から、
比較的わかりやすいと判断したものを、少しづつ
紹介していくことといたします。

まずは、
Ten Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theory (wagingpeace.org)
を。
Nuclear Age Peace Foundation (NAPF) という国際的 NPO (国連の
Peace Messenger Organization としても認定されています)が
公表している文章です。
タイトルのとおり、「核抑止理論に見られる10の欠陥」を
取り上げています。
NAPF の設立者の一人、David Kriegerさんによる文章で、
2011年2月7日付のものです ーー つまり、11年も前のものですが、
いかんせん、世界情勢はそれ以来改善などしておりません。

分かりやすい内容なので、できるだけ上記のリンク先にある
原文をお読みくださいな
でも、それが無理な読者の皆様もいらっしゃるでしょうから、
そうした方々のため、次回から少しづつこの文章を
私の日本語化で紹介していきますね

Posted in Uncategorized | しばらくTen Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theoryを はコメントを受け付けていません