下でも申しましたように2022年1月現在、
1) 炭素排出ゼロが焦眉の急だ
2) 核発電(原発)はゼロ カーボン (炭素排出なし) だ
3) だから、メルトダウンしない新型原子炉を多数新設すべきだ
という論調がまかり通っております。核発電の基本を学ばれた方なら
だれでもすぐにお分かりのとおり、上記の主張は核発電が
「カーボン排出は少ないが、他にもっと困ったもの(放射性廃棄物)を
出す」
という事実を無視しております。しかも、この種の「核ゴミ」は
フィンランドのOnkaloを除き処分場所も決まっておりません。
「炭素は出しちゃダメ! でも、PuやU238は出しても仕方ない」
っていうのは、いったいどういう屁理屈なのでしょうか???
この「ゴミ捨て場のなさ」が如実に浮かび出ている現象の1つが、
MOXですよね。
で、果たして
★ MOXで本当に核ゴミは減らせるのか??
★ MOXを軽水炉の燃料として使用することについては
すでに問題が指摘されてきましたが、
それ以外にもっと深刻な問題はないのか??
といった問題について調査中です。
まとまったら、新しい固定ページにしますので、
しばしお待ちくださいな。
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( – _-) > それにしても ・・・ 反原発団体などの皆様へ
本「やかんをのせたら~~」でもたびたび申し上げて
きたように、「カーボン排出削減を理由に、核発電を正当化する」
というやり方は、核発電推進勢力が既に2000年代後半の
Nuclear Renaissanceの頃に採用していた手口です。
それが福島第一のメルトダウンで、いったんは中断しました。
それと同じころ、あるいはそれ以前から、
いわゆるGeneration IV(第4世代)原子炉の
「安全性の喧伝」も核発電推進勢力は進めていました。
こうした流れを見れば、すぐに予想できるはずなのですが、
核発電推進勢力は、福島第一メルトダウンの「ほとぼり」が
冷める(実際には、何も解決などしていないのですが)のを
待って、
★ 新型原子炉(SMRなど)なら、メルトダウンしない
★ カーボン排出を削減するのが、焦眉の急だ
という論法で巻き返しを図るだろうなあ
と読めますよね? 私自身も、そう読んでいました。
いかんせん、2022年1月現在、その「読み」どおりになって
しまっております。
私自身はすでに2011年から’12年にかけて、上記の「読み」に
基づき、Generation IV(第4世代)原子炉の問題点などを
学んでおりました。
ですが。2011~12年当時に驚いたのは、脱原発を唱える
人たちの一部から、上記の「読み」が笑いものにされたことです!
曰く、
( ◎ o◎) 「そんな新型原子炉のことなんか調べている暇があるんなら、
反原発デモにでも参加しろ!」
(私は、以前からデモにはほとんど参加しません。
通行妨害になるだけなので。それよりは、
No nukes! とか書いた衣服を普段から着て津々浦々を
多くの人たちが歩いていれば、デモよりは影響力があるハズです。
デモでは、その経路周辺にしかメッセージが届かないので)
( ◎ o◎) 「新型原子炉なんて言っても、どうせ原発推進派の言うことなんて、
ウソばっかりなんだから、無視すりゃいい」
(これじゃ対話になりませんよね。それに、推進勢力がGeneration IVを
根拠として世論誘導を行っているのに、反対派がそれを無視していたんじゃ、
世論はいずれ誘導されてしまう! 現実、2022年1月現在、そうなってる
じゃないですか!)
別に私は、反原発団体の一部に対して恨みがあるわけでも、なんでもなくて、
2011~12年ごろの反原発運動には、
★ (いうなれば)「敵」(核発電推進勢力)を知ろうという問題意識がなかった
★ 長期的な世論形成の努力がなかった
★ そして、「やかんをのせたら~~」のフォーカスであるproliferation risks
(核発電が核兵器に結びついてしまうリスク)の重大性と、その具体的な
事例に関する認識もなかった
という現実の問題点を指摘せざるを得ないのですね。
上記の問題点を認識した新しい反核団体などあれば、私ができることなら
なんでも協力したいのですが、2022年1月現在のところ、私が東京圏で
そうした団体を存じません。
仕方なく、一人でこの「やかんをのせたら~~」を続けているわけですね。