イラン大統領選挙の結果

アイルランドの報道機関 RTE、2021年6月19日
超保守派のライシ氏が当選

タイシャン原発の事故については、本当に中国当局が発表した程度の出来事だったのか、それともFramatomeが主張するように放射性物質が漏出しているのか、今後報道があると思います。それを待ちましょう。
それまでの間、JCPOA交渉の報道に戻ります。JST で6月19日にはイラン大統領選挙があったのですが、その結果がJCPOA再建交渉にも影響するかも・・という懸念がありましたよね。
そのイラン大統領選挙ですが、大方の予想通り、「超保守派」と言われるライシ氏が当選したそうです。
アイルランドのRTEによる報道記事を紹介しますね。

Raisi wins Iranian presidential vote as rivals concede (rte.ie)
(対立候補たちが譲歩し、ライシ氏がイラン大統領に当選)

(記事本文)
Ultraconservative cleric Ebrahim Raisi was declared the winner of Iran’s presidential election, a widely anticipated result after many political heavyweights were barred from running.

Mr Raisi won 62% of the vote with about 90% of ballots counted from yesterday’s election, poll officials said, without releasing turnout figures, after the three other candidates had conceded defeat.

“I congratulate the people on their choice,” said outgoing moderate President Hassan Rouhani without naming Mr Raisi. “My official congratulations will come later, but we know who got enough votes in this election and who is elected today by the people.”

The other two ultraconservative candidates – Mohsen Rezai and Amirhossein Qazizadeh Hashemi – explicitly congratulated Mr Raisi, as did the only reformist in the race, former central bank governor Abdolnasser Hemmati.

Mr Raisi, 60, takes over from Mr Rouhani in August as Iran seeks to salvage its tattered nuclear deal with major powers and free itself from punishing US sanctions that have driven a sharp economic downturn.

Mr Raisi, the head of the judiciary whose black turban signifies direct descent from Islam’s Prophet Mohammed, is seen as close to the 81-year-old supreme leader, Ayatollah Ali Khamenei, who has ultimate political power in Iran.

Many voters chose to stay away after the field of 600 hopefuls including 40 women had been winnowed down to seven candidates, all men, excluding an ex-president and a former parliament speaker.

Three of the vetted candidates dropped out of the race two days before yesterday’s election, and two of them quickly threw their support behind Mr Raisi.

Populist former president Mahmoud Ahmadinejad, one of those who were barred from running by the Guardian Council of clerics and jurists, said he would not vote, declaring in a video message that “I do not want to have a part in this sin”.

Mr Raisi has promised to fight corruption, help the poor and build millions of flats for low-income families, and holds deeply conservative views on many social issues including the role of women in public life.

To opposition and human rights groups, his name is linked to the mass execution of political prisoners in 1988.

The US government has sanctioned him over the purge, in which Mr Raisi has denied playing a part.

Ultimate power in Iran, since its 1979 revolution toppled the US-backed monarchy, rests with the supreme leader, but the president wields major influence in areas from industrial policy to foreign affairs.

Mr Rouhani, 72, leaves office in August after serving the maximum two consecutive four-year-terms allowed under the constitution.

His landmark achievement was the 2015 deal with world powers under which Iran agreed to limit its nuclear programme in return for sanctions relief.

But high hopes for greater prosperity were crushed in 2018 when then-US president Donald Trump withdrew from the accord and launched a “maximum pressure” campaign against Iran.

While Iran has always denied seeking a nuclear weapon, Mr Trump charged it was still planning to build the bomb and destabilising the Middle East through proxy groups in Iraq, Lebanon, Syria and Yemen.

As old and new US sanctions hit Iran, trade dried up and foreign companies bolted. The economy nosedived and spiralling prices fuelled repeated bouts of social unrest which were put down by security forces.

Iran’s ultraconservative camp – which deeply distrusts the United States, labelled the “Great Satan” or the “Global Arrogance” in the Islamic republic – attacked Mr Rouhani over the failing deal.

Despite this, there is broad agreement among Iran’s senior political figures, including Mr Raisi, that the country must seek an end to the US sanctions in ongoing talks in Vienna aimed at rescuing the nuclear accord.

(私による日本語化)
超保守派のイスラム教聖職者Ebrahim Raisi が、イランの大統領選挙の勝者として認められたが、今回の大統領選では政界での大物たち多くが立候補できなくされていたため、これは大方の予想通りの選挙結果であった。

昨日(18日)の投票のほぼ90%がカウントされた時点で、Raisi 氏は総投票数の62%を獲得していると、選挙管理委員会の役員たちは述べている。他の3名の候補者たちが敗北を認めた後でのことだったが、投票率の数値は示していない。

「任期終了をまもなく迎える穏健派の(現職)大統領Hassan Rouhaniは「イラン国民が賢明な選択をしたことに、お祝いを申し上げたい。いずれ後ほど正式な祝辞を述べるが、今回の選挙で当選するだけの票を集めたのはだれか、イラン国民の選択したのはだれなのかは、我々の知るとおりだ」と述べたが、Raisi氏という名前は口に出さなかった。

超保守派の候補は他にも2名いた。Mohsen Rezai と Amirhossein Qazizadeh Hashemi だが、Raisi氏にはっきりと祝辞を述べている。今回の選挙では唯一の革新派であった候補Abdolnasser Hemmati は、イラン中央銀行の前総裁であったが、その彼もRaisi氏の当選を祝っている。

60歳のRaisi氏はこの8月にRouhani氏の後継者として大統領に就任する予定だが、イランは主要諸国との核合意を再建し、アメリカによる過酷な経済制裁を解除させようと懸命だ。制裁のため、イラン経済は急激に悪化してしまった。

Raisi氏はイランの司法長官であり、黒いターバンを身に着けているのはイスラム教の預言者ムハンマド直系の子孫であることを示している。81歳になる最高指導者Ayatollah Ali Khamenei氏の側近であると見られている。最高指導者は、イランでの最高の政治権力を握っている。

この大統領選では当初、40名の女性も含め600人の候補者がいたが、それが男性ばかり7名に絞り込まれた。そのため、今回の選挙で投票しなかった市民が多い。なお、その7名には前職大統領と議会の前議長とは含まれていない。

昨日の投票の2日前に、最後に残っていた候補者たちのうち3名が出馬を取り消した。しかもそのうち2名はすぐに、Raisi氏の支持に回った。

聖職者と法律家からなるイラン護憲評議会はポピュリストであるMahmoud Ahmadinejad前大統領の出馬を禁止していたが、そのAhmadinejad氏は投票に行かないと述べていた。しかも動画メッセージで、「この罪悪行為に、自分は参加したくない」と述べている。

Raisi氏は汚職と戦い、貧困層を助け、低所得世帯向けに数百万軒のアパートを建設すると約束しており、公的生活での女性の役割も含め社会問題の多くに関しては、きわめて保守的な見解を支持している。

彼の見解に反対しているグループや人権団体にとっては、Raisi氏の名前は1988年の政治犯の大量処刑から切り離せない。

そのためアメリカ政府はRaisi氏個人を制裁対象としているが、Raisi氏はそれへの関与を否定している。

イランは1979年の革命で、アメリカを味方にしていた王制を打倒、今やその最高権力は最高指導者の手にある。だが産業政策や外交政策も含め、大統領が各種分野で大きな影響力を行使できる。

72歳のRouhani現大統領はこの8月で、憲法で定められている4年任期を最長の2期務めることになるため、職を去る。

彼が歴史に名を遺した功績として、2015年に世界の主要国と締結した合意がある。その合意でイランは、経済制裁を解除してもらう代わりに、自国の核開発プログラムに制限を設けることに合意した。

そこで一層の繁栄を目指していたイランであったが、2018年にその希望が打ち砕かれた。当時のアメリカ大統領ドナルド トランプがその合意を棄却、イランに対する「最大のプレッシャー」というキャンペーンを始めたのだ。

イランは決して核兵器を欲しがってはいないという表明を貫いているが、トランプ氏によればイランは今も核爆弾を製造する計画を保持しており、しかも代理武装集団を使ってイラク、レバノン、シリア、イエメンなど中東の不安定化の原因となっている、という。

2015年以前と2018年以降のアメリカによる経済制裁を受け、イランの対外貿易は枯渇し、外国企業も撤退した。イラン経済は急速に失速、物価が急騰し社会不安の中で暴動などが繰り返され、それを治安部隊が鎮圧するという事態が続いている。

イランの超保守派勢力はアメリカに対して深い不信を抱いており、アメリカを「大いなる悪魔」や「世界に名だたる傲慢国家」と呼んでいる。その超保守勢力はRouhani氏が締結した核合意の破綻を理由に、同氏を攻撃していた。

だがそうした動きにも関わらず、Raisi氏も含めたイラン政界の指導層の間には、ウィーンで現在進行しているJCPOA合意の復活を目指す交渉でアメリカによる制裁を解除してもらわねばならないという合意が広く存在している。

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それでは、ウィーンでの会談の進展状況については、今後も報道記事を紹介して
まいりますね。

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BBCの記事では ・・・

タイシャン原発で放射性物質が漏れだしたというCNN報道について、
やはり他の報道機関からの記事もあれこれ出回るようになりましたね。

今回はそうした報道の中から、BBCの記事を紹介します。
日本時間では、6月16日深夜の発表です。

Taishan nuclear plant: China admits damage to fuel rods – BBC News
(タイシャン原発: 中国政府、燃料棒の損傷を認める)

(記事本文)
The Chinese government has acknowledged damage to fuel rods at a nuclear power plant in the south of the country, but said no radioactivity had leaked.

China’s Ministry of Ecology and Environment said the problem was “common” with no need for concern.

The admission comes after CNN reported that the US government was assessing a reported leak at the facility.

The French energy firm which helps operate the plant in Guangdong province earlier reported a “performance issue”.

On Monday, a spokesperson for EDF Energy said a problem with fuel rods had led to the build-up of gases, which had to be released into the atmosphere.

In its report, CNN said the company had warned the US government that China’s nuclear regulator had raised limits on permissible levels of radiation outside the plant to avoid shutting it down.

But in a statement on Wednesday, China’s environment ministry said this report was not true.

The statement – its first official confirmation of the incident – said while the regulator, the National Nuclear Safety Administration (NNSA), had reviewed the use of noble gases in a reactor, this had “nothing to do with the detection of radiation outside the nuclear plant”.

(中略)

An increase in radiation levels was detected in Taishan’s Unit 1 reactor, but this was within the parameters for safe operations, the ministry said.

The ministry said the increase was caused by damage to the cladding of a small number of fuel rods. Fuel rods are sealed metal tubes which hold nuclear materials used to fuel the nuclear reactor.

Of the 60,000 fuel rods in the reactor, the damaged ones accounted for “less than 0.01 percent”, the ministry said.

Its statement said “fuel-rod damage during the operation of nuclear power plants is unavoidable” and “a common phenomenon”.

The Taishan plant provides power for the Guangzhou and Shenzhen areas, both major manufacturing hubs.

China has dozens of nuclear plants and has invested billions of dollars to develop its atomic energy sector.
(私による日本語化)
中国南部にある(タイシャン)原発で燃料棒に損傷があったことを、中国政府は認めた。だが、放射性物質の漏れはないと主張している。

中華人民共和国生態環境部によれば、今回の問題は「普通に」みられるもので、心配する必要はない。

中国政府が燃料棒の損傷を認めたのは、同原発で放射性物質の漏れがあり、それをアメリカ政府が調査しているとCNNが報道したことを受けてのことだ。

広東省にある同原発の運営に協力しているフランスのエネルギー企業(EDF系列のFramatomeという企業)が先に、「パフォーマンスの問題」を報告していた。

今週月曜、EDF エネルギーのスポークスマンが、燃料棒に問題が発生して放射性ガスが蓄積し、大気中に放出されたと述べていた。

CNNの記事によれば、 Framatomeがアメリカ政府に対し、中国の規制当局が同原発周辺での許容最大放射線量を引き上げ、同原発の稼働を停止させる必要がないようにしたとの警告を出していた。

だが中国の環境部がこの水曜日に発表したところによれば、その報道は誤りだったという。

その発表は、中国政府が初めて公式に今回の事故の発生を認めたものだが、それによると規制当局である中国の国家核安全局(NNSA)が(同原発の)ある原子炉での希ガスの使用状況を調査したのだが、その結果「同原発外部での放射線検出とは何の関係もない」ことが判明したとしている。

(中略)

確かにタイシャン原発の1号炉で放射線レベルの増大が検出されたのだが、安全な稼働のパラメーター以下のものであったと中国環境部は述べている。

同環境部によれば、この放射線レベルの増大を招いたのは少数の燃料棒の被覆に損傷が発生したためである。核燃料棒は金属製のチューブの中に密閉されており、原子炉のエネルギー源となる物質はそのチューブ内部に封じ込まれている。

問題になっている原子炉には60,000本の燃料棒があるが、今回の損傷が発生した燃料棒はそのうちの「0.01%未満」にすぎないと同環境部は主張している。

タイシャン原発は広東と深センの両地域に対して電力を供給しており、ともに重要な工業地帯である。

中国には数十基の原発があり、原子エネルギー部門の発展のために、数十億ドルを今までに投資している。

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実際は、現場ではどうなっているんでしょうね?
・ チェルノブイリの時も、当時のソビエト政府などが大事故を認める前に、
スウェーデンの観測者が放射線の急上昇を発見して世界に発表、
そのためさすがの旧ソビエト政府も事故を認めざるを得なくなったのでした。

・ 日本での福島第一メルトダウンの場合にも、水素爆発などで
原子炉建屋がぶっ壊れている様子が報道されても、一部の「御用学者」たちが
なお「まだ、メルトダウンには至っていないのでは・・・」などと
宣うてらっしゃいましたよね。当然、日本政府はメルトダウンという事実を
なかなか認めませんでした。

要するに、核(兵器も、発電も)については事実がなかなか明らかにされない、
という深刻な問題が洋の東西を問わずあるわけです。

では、しばらくタイシャン原発とJCPOA再建交渉の両方に目を配りながら、
いずれかの新しい報道記事を紹介してまいりますね。

 

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CNNによれば、中国のタイシャン原発で放射性物質漏れ?

皆様もお聞きになってらっしゃると思いますが、中国南部の広東省、香港の西にあるタイシャン(泰山または台山)原発で、放射性物質を含む気体の漏れがあったという報道が、アメリカのCNNから流れています。
発信ソースがもともとCNNだけで、他社の報道はCNN情報をもとにしているので、異なる報道を比較検討することができません。
とにかくCNNの報道内容を見ると、
(タイシャン原発はフランスのFramatomeと中国のパートナーとが共同で運営しているのだが) そのFramatomeがアメリカ政府に6月8日、同原発での放射性物質の漏れが疑われると報告したそうです。中国の原子力安全管理当局は、同原発での安全基準を緩和し続けて稼働停止を回避していると、同社は主張しています。
アメリカ政府は今のところ、タイシャンの状況はまだ危機的レベルには達していないと述べている、とのことです。

そんなわけで、JCPOA再建交渉の話題はいったん中断して、そのCNNの記事そのものを見てまいりますね。

China nuclear plant: US assessing reported leak at facility in Taishan, Guangdong – CNNPolitics
(中国南部の泰山原発で放射能漏れか?通報をアメリカ政府が検討中)

CNN報道、6月14日
CNNの情報提供者は、Kylie Atwood, Kristen Holmes, Yong Xiong and Shanshan Wang

(記事本文、長いので途中まで)
(CNN) The US government has spent the past week assessing a report of a leak at a Chinese nuclear power plant, after a French company that part owns and helps operate it warned of an “imminent radiological threat,” according to US officials and documents reviewed by CNN.

The warning included an accusation that the Chinese safety authority was raising the acceptable limits for radiation detection outside the Taishan Nuclear Power Plant in Guangdong province in order to avoid having to shut it down, according to a letter from the French company to the US Department of Energy obtained by CNN.

Despite the alarming notification from Framatome, the French company, the Biden administration believes the facility is not yet at a “crisis level,” one of the sources said.

While US officials have deemed the situation does not currently pose a severe safety threat to workers at the plant or Chinese public, it is unusual that a foreign company would unilaterally reach out to the American government for help when its Chinese state-owned partner is yet to acknowledge a problem exists. The scenario could put the US in a complicated situation should the leak continue or become more severe without being fixed.

However, concern was significant enough that the National Security Council held multiple meetings last week as they monitored the situation, including two at the deputy level and another gathering at the assistant secretary level on Friday, which was led by NSC Senior Director for China Laura Rosenberger and Senior Director for Arms Control Mallory Stewart, according to US officials.

The Biden administration has discussed the situation with the French government and their own experts at the Department of Energy, sources said. The US has also been in contact with the Chinese government, US officials said, though the extent of that contact is unclear.

The US government declined to explain the assessment but officials at the NSC, State Department and the Department of Energy insisted that if there were any risk to the Chinese public, the US would be required to make it known under current treaties related to nuclear accidents.

Framatome had reached out to the US in order to obtain a waiver that would allow them to share American technical assistance in order to resolve the issue at the Chinese plant. There are only two reasons why this waiver would be granted, and one is an “imminent radiological threat,” the same verbiage used in the June 8 memo.

The memo claims the Chinese limit was increased to exceed French standards, yet it remains unclear how that compares to US limits.

“It is not surprising that the French would reach out,” according to Cheryl Rofer, a nuclear scientist who retired from Los Alamos National Laboratory in 2001. “In general, this sort of thing is not extraordinary, particularly if they think the country they are contacting has some special ability to help.”

“But China likes to project that everything is just fine, all the time,” she added.

(今回は、ここまでにしておきますね。今後もし新たな報道などが見当たらなければ、記事の後続部分も紹介していきます)
(私による日本語化)
(CNN) CNNがレビューした、アメリカ政府高官たちとその関連文書によれば、中国の原発を共同所有しその稼働を支援しているフランスの企業が「逼迫した放射線脅威」に関する警告を発し、それを受けてアメリカ政府は先週、その放射性物質漏れ報告を検討した。

そのフランス企業がアメリカ政府のエネルギー省に提出した書簡をCNNは入手しているが、その書簡によれば警告内容の一部として、中国の安全管理当局が広東省にあるタイシャン原発外部での検出放射線の許容限度を引き上げて原発の稼働停止を回避していると非難している。

そのフランス企業つまりFramatomeからの警告にも関わらず、バイデン政権は同原発がまだ「危機的レベル」には達していないと、関連情報筋の1つは述べている。

アメリカ政府高官たちは今のところ、同原発の従業員や周辺住民を深刻な安全面での脅威にさらすような状況には至っていないと見ているが、Framatomeと共同で同原発の運営に当たっている中国国営企業は、放射性物質漏れの問題が存在することをまだ認めていない。そうした中、アメリカ企業ではないFramatomeがアメリカ政府に一方的に警告を知らせてきたというのは、尋常な行為ではない。こうした状況にあって、放射性物質漏れが続く、あるいは対応ができず悪化した場合には、アメリカは面倒な立場に追いやられる恐れがある。

だがこの警告は充分に現実的なもので、アメリカ政府高官たちによれば、アメリカの国家安全保障会議(NSC)は先週幾度も会合を開き、問題の現状を監視した。代理レベルの会合が2回、さらに金曜日には次官レベルの会議が持たれた。金曜日の会議の指揮を執ったのは、NSCの中国担当上級ディレクターであるLaura Rosenberger と軍縮担当上級ディレクターのMallory Stewartであった。

アメリカのエネルギー省の情報筋によれば、バイデン政権はこの問題について、フランス政府ならびにエネルギー省の専門家たちと相談している。さらにアメリカ政府は中国当局とも連絡を取っていると米高官たちは述べているが、その連絡がどの程度のものかについては明確ではない。

アメリカ政府はその検討の詳細を説明していないが、NSCや国務省、エネルギー省の高官たちが断言するところによれば、中国の一般市民に何らかのリスクが生じた場合には、原子力災害に関する現存の条約の下でアメリカ政府にはそのリスクを公表する義務を負う。

Framatomeがアメリカ政府に警告を伝えたのは、中国の同原発での問題を解消するためにアメリカの技術支援を得るための許可を求めてのことであった。この許可が認められるのは、2つの場合に限られる。その1つとは「逼迫した放射線の脅威」であり、6月8日付の(警告を伝える)メモにも同じ言葉遣いが見られる。

そのメモによれば、中国の放射線許容上限はフランスの基準を超えて引き上げられているそうだが、それがアメリカの上限と比べてどうなのかは、いまだ不明である。

2001年にロス アラモス国営研究所を退任した核科学者Cheryl Roferによれば、「フランス企業がアメリカに働きかけてきたのは、驚くに当たらない。一般に、この種の問題は珍しいことではなく、連絡相手の国に特殊な支援能力があるとみなされている場合には、特にそうだ」

「ただし中国はいつも、万事正常だという取り繕いをしたがる」とも、Roferは語った。

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1986年のチェルノブイリの時もそうでしたが、かなりの放射性物質が漏出しているのに、その国の政府が隠ぺいに努めてしまう場合もありますよね。あのときには、
スウェーデンで放射線の急増が観測されて、ばれたのでした。
今回は、隠ぺいが行われていないことを願います!

では、次回は本件に関する報道記事の様子を見て、本件をさらに続けるか、
それともJCPOA交渉の話題に戻るかを決めますね。

 

 

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ウィーン会談第6ラウンド、12日に再開 ・・ Trend の記事

JCPOA再建交渉の第6ラウンドがすでに始まっているはずです。
その会談の中身については、14日(月)の午後4時JST現在、まだ報道記事が
見当たりません。

そこで、6月11日付のTrend News Agencyによる記事を紹介しますね。
ウィーン会談の再開に関するものです。
交渉が進展し、核兵器開発が中止に向かうことを祈っております。
そんな良いニュースを、今週にはここでお知らせできると良いのですが。

「日本は、コロナ不況で大変なんだ! 中東で核兵器ができても、
何の関係があるんだ!?」などとおっしゃる方々もいらっしゃるかも。
でも、ご存じのとおりサウディの皇太子は「イランが核兵器を手にした場合、
サウディも対抗すると明言してらっしゃいます。(本ウェブサイトの
ページ f-4) 参照。上の黒いメニューで f-4) をクリック)

そうでなくても、日本では「消費増税不況」+「コロナ不況」で私たちは
経済的にはいつくばっているのに、さらに
中東で核兵器保有国が増大 → 緊張が高まり、原油価格が高騰
なんてことになれば、壊滅的な打撃になりかねませんよね。
そんなことが、起こらないよう祈っております!

(Trendの記事本文)
The Joint Commission of the Joint Comprehensive Plan of Action (JCPOA) will resume in a physical format this Saturday (June 12) in Vienna, EU External Action Service said in a release, Trend reports citing IRNA.

The Joint Commission will be chaired, on behalf of EU High Representative Josep Borrell, by the Deputy Secretary General/Political Director of the European External Action Service, Enrique Mora, the release added.

The commission, as it was in the past, will be attended by representatives of China, France, Germany, Russia, the United Kingdom, and Iran, according to the EU release.

“Participants will continue their discussions in view of a possible return of the United States to the JCPOA and on how to ensure the full and effective implementation of the JCPOA.”

Participants of the JCPOA, and the US indirectly, have held five rounds of talks during the last two months to revive the nuclear deal put in danger of elimination by former US President Donald Trump

Trump ceased US participation in the deal in 2018, resuming all sanctions against Iran which were lifted by the deal. To deteriorate the situation, Trump even added hundreds of sanctions against Iran.

Joe Biden, the incumbent US President, has hinted his administration was willing to rejoin the Iran nuclear deal, but has yet to take the difficult decision to remove all sanction, as Iran demands.

Iran has said it would reverse all compliance reduction measure it has taken to reciprocate US withdrawal of the deal, in case the Washington ‘verifiably’ remove sanctions.

(私による日本語化)

包括的共同行動計画(JCPOA)の合同委員会は、この土曜日(6月12日)に対面での会談をウィーンで再開すると、EUの対外活動サービス(External Action Service)がリリースで発表した。本Trend記事は、イランのlRNAという報道機関からの情報を引用している。

この合同委員会の議長を務めるのは、EUの上級代表者のJosep Borrellではなく、欧州対外活動サービスの事務総長代行兼政治ディレクターのEnrique Moraであると、同リリースは述べている。

合同委員会に出席するのは、今までと同様、中国、フランス、ドイツ、ロシア、英国、イランの各代表者たちだと、そのリリースには記載されている。

「参加諸国は引き続き、アメリカのJCPOA復帰を目指しての話し合いを続け、JCPOAのフルで効果的な実施を確保するにはどうするべきかを論じ合う」

JCPOAの参加諸国ならびに間接的ながらアメリカはこれまでに5ラウンドの会談をこの2か月間に持ち、アメリカのドナルド トランプ前大統領のために消滅の危機にさらされているこの核合意を復活させるべく務めてきている。

トランプは2018年にアメリカをこの合意から脱退させており、この核合意でいったんは解除されていたイランに対する制裁も、すべて再開した。トランプはさらに新たな対イラン制裁も追加、状況をさらに悪化させた。

現在のアメリカ大統領ジョー バイデンは、このイランとの合意にアメリカが復帰する可能性をほのめかしている。だが、イランが要求しているすべての制裁の解除については、困難な決断でありまだ決定を下していない。

アメリカの核合意からの脱退への報復として、イランはこれまでJCPOA順守を縮小してきたが、アメリカ政府が「制裁を解除し、それを検証できるならば」それをすべて逆行させ完全な順守に戻るとイラン政府は述べている。

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核発電を普及させてしまうと、核兵器の開発製造にもつながってしまう場合がある
ことの、実例ですね。そして、国際交渉でそれをやめさせようとしても、これだけ
困難が伴う。(さらに、北朝鮮は実際にもう、核兵器を保有しちゃってますよね)
核発電と核兵器の両方を地球から廃絶するしか、現実には平和への道はないと
本ウェブサイトは主張しているのですが、こうした現実に根拠を置く主張なのですね。

では、引き続きJCPOA再建交渉に関する報道の紹介を、次回投稿以降も続けて
まいりますね。

 

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Al Jazeera、「イラン大統領選挙までに、核交渉は再開」

Al Jazeera
Nuclear talks to resume ahead of upcoming Iranian election

Effort to revive landmark pact blocking Iran from obtaining nuclear weapons in return for lifting US sanctions.
(アメリカによる制裁債を解除し、代わりにイランによる核兵器開発をやめさせようとする歴史的合意の再建努力)

2021年6月9日

Nuclear talks to resume ahead of upcoming Iranian election | Elections News | Al Jazeera
(イラン大統領選挙までに、核交渉は再開)

第5ラウンドで妥結に至らなかった以上、JCPOA交渉の今後が気になるところですが、
その再開に関する報道です。かなり長いですが、もともとの記事が長いわけで、
ご容赦くださいな。

(記事本文)
Negotiations between Iran and world powers on how to revive the 2015 nuclear accord will resume over the coming weekend, US Deputy Secretary of State Wendy Sherman said on Wednesday.

Biden administration officials had hoped to conclude an agreement with Iran before the June 18 Iranian presidential election, which could complicate the talks, said Sherman.

“I know that the negotiation will start again over this coming weekend,” Sherman said during a virtual event organised by the German Marshall Fund.

“I think there’s been a lot of progress made, but out of my own experience until the last detail is nailed down, and I mean nailed down, we will not know if we have an agreement,” said Sherman, who was part of the Obama administration team that negotiated the original agreement with Iran.

The talks seek to revive the landmark pact under which Iran agreed to curbs on its nuclear programme in return for the lifting of international sanctions and which had opened the way for a brief thaw in decades of US-Iranian confrontation.

A host of barriers to the revival of Iran’s nuclear deal remain firmly in place ahead of talks, suggesting a return to compliance with the 2015 accord is still a way off, four diplomats, two Iranian officials and two analysts told the Reuters news agency.

“This is complicated, of course, by the Iranian presidential election, which is happening in just a few days,” Sherman added.

President Hassan Rouhani, a pragmatist who promoted the original deal, is widely expected to be followed by a hardline successor.

Among six candidates dominated by conservatives and hardliners, Iranian chief justice Ebrahim Raisi is considered to be the frontrunner in the upcoming election, Al Jazeera has reported.

Former US President Donald Trump abandoned the deal in 2018 claiming it would allow Tehran an eventual path to become a nuclear power.

Trump reimposed US sanctions and embarked on a “maximum pressure” campaign. Iran responded by violating the agreement’s limits and reinvesting in its uranium enrichment capabilities.

Biden has sought to restore the deal’s nuclear limits and, if possible, extend them to cover issues such as Iran’s regional behaviour and missile programme.

Iran wants all sanctions lifted and no expansion of the terms.

Appearing before a US Senate committee on June 8, Secretary of State Antony Blinken said the US was very unlikely to remove all of its sanctions from Iran.

If Iran were to return to the 2015 agreement, which prevents it from developing nuclear weapons, the US would lift sanctions related to Iran’s nuclear programme but not those imposed by the US for alleged aggressive actions, Blinken said.

“I would anticipate that even in the event of a return to compliance … hundreds of sanctions would remain in place, including sanctions imposed by the Trump administration,” Blinken said.

“If they are not inconsistent with the JCPOA, they will remain unless and until Iran’s behaviour changes,” he said, using the formal name of the 2015 agreement, the Joint Comprehensive Plan of Action.

Blinken said Iran’s trajectory after leaving the agreement puts it on a path to obtain enough fissile material for a nuclear bomb within a few months.

In the Gulf, Saudi Arabia and the United Arab Emirates, resigned to a revival of a nuclear pact with Iran, have been engaging with Tehran to contain tensions while lobbying for future talks to take their security concerns into account.

“The Gulf countries have said ‘fine, the US can go back (to the nuclear deal), this is their decision we cannot change it, but … we need everybody to take into account regional security concerns’,” Gulf Research Center’s Abdulaziz Sager, who has been active in past unofficial Saudi-Iran dialogue, told Reuters this week.

(私の日本語化)
2015年の核合意を再建しようというイランと世界主要国の間の交渉は、この週末に再開する見込みだと、アメリカの国務次官Wendy Shermanは水曜日に(6月9日)述べた。

Shermanによれば、バイデン政権の高官たちは、6月18日のイラン大統領選挙までにイランと合意を締結することを望んでいた。大統領が変わることで、会談がさらに複雑なものになる可能性があるためだ。

ドイツ マーシャル ファンドが主催したオンライン イベントでShermanは、「この週末には交渉が再開することは、分かっている」と語った。

さらに同外務次官は、「これまでに大きな進展がったが、私自身の経験から言って、最後のディテールが締結されるまでは、しっかりと締結されるまでは、合意が成立したといえるか否かはわからないものだ」と述べた。Shermanは、イランとの2015年の合意締結に当たったオバマ政権のチームの一員であった。

現在の話し合いは、国際的な対イラン制裁を解除する代わりにイランが核開発プログラムを縮小することに合意した歴史的な合意を、再建しようとするものだ。この合意により、何十年も続いていたアメリカとイランの対立は、短期間ながら雪解けを迎えていた。

今回の交渉では、イランとの核合意を再建するには、数々の困難な問題を乗り越えねばならない。つまり、2015年の合意を復活させるまでの道のりは、まだまだ遠い。通信社のロイターに対しそう語ったのは、4名の外交官そして2名のイラン高官だ。

さらにShermanが述べたところでは、「無論、イラン大統領選挙までにこの交渉を妥結させるのは大変な課題だ。大統領選は、あと数日で始まってしまう」

イランのハサン ルハーニ現大統領は現実主義者で、2015年の合意を推し進めていた。だが(この大統領選挙で彼は退任し)その後には強硬派の大統領が就任するものと見られている。

Al Jazeeraの報道によれば、今回の大統領選の候補者は6名だが、いずれも保守派や強硬派で、現在のイラン司法長官であるEbrahim Raisi が先頭を走っていると見られる。

アメリカのドナルド トランプ前大統領が2018年に、この2015年合意のためイランはいずれ核兵器保有国となってしまうと主張、JCPOA合意を破棄した。

トランプはアメリカによる対イラン制裁を再開、「最大限のプレッシャー」という動きに打って出た。それに対抗してイランはJCPOA合意によるウラニウム濃縮の上限を無視、さらに自国のウラニウム濃縮能力強化に努めた。

バイデン現大統領はJCPOA合意の核開発制限の再建に努めてきており、さらに可能なら合意範囲を拡大してイランの中東での行動やミサイル プログラムをもカバーしようとしている。

イラン側はすべての制裁の解除を求めており、合意内容の拡大を望んでいない。

6月8日のアメリカ上院の委員会に出席したAntony Blinken 国務長官によれば、アメリカが対イラン制裁をすべて解除する見込みは、きわめて小さい。

Blinkenによれば、2015年の合意はイランの核兵器開発を禁じているが、それに復帰するのならアメリカがイランの核開発プログラムに関連する制裁を解除せよと、イランは要求している。だが、イランが展開してきたと思われる対外活動に対するアメリカによる制裁については、その限りではない。

「たとえ合意に復帰したとしても、アメリカによる対イラン制裁は多数残るはずだと私は見ている。その中には、トランプ政権が設けた制裁も含まれるだろう」と、Blinkenは述べた。

さらに同国務長官は「そうした制裁がJCPOAの規定と食い違ったものではなければ、イランが行動を変えるまでは、そうした制裁は残存することだろう」と語り、2015年合意の正式名称である「包括的共同作業計画」(Joint Comprehensive Plan of Action)を口に出した。

Blinken によれば、2015年の合意を破棄して以来のイランの行動を見ると、同国はあと2-3か月で原爆を作るに充分なだけの核分裂性物質を手に入れる道をたどっている。

ペルシャ湾岸では、イランとの核合意の再建を望んでいるサウディアラビアとUAEがイラン政府に働きかけを続けており、緊張の緩和に努めている。今後の国際交渉で両国の抱える安全保障上の懸念をも交渉に取り入れるようロビー活動に努めている。

Gulf Research Center (ペルシャ湾研究センター)のAbdulaziz Sagerは、「湾岸諸国の主張はこうだ。“結構なことだ、アメリカは核合意に復帰すればよい。それはアメリカの決定で、我々が変えることはできない。だが … 関係者すべてに、ペルシャ湾地域の心配も計算に入れていただきたいのだ”」と今週、述べている。Sagerは以前、非公式のサウディとイラン間の交渉にかかわっていた。

************
来週には、JCPOA交渉の進展状況についての報道があるでしょうから、
それを紹介してまいりますね。

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ページ w-1) 原発はCO2を出さない??

本サイト「やかんをのせたら・・・」の本題からは離れるのですが、
どうも巷では、核推進勢力がいまだに「原発はCO2を出さない」といった
主張を流布しているようです。

そうした問題への指摘が、最近(2021年6月)にも、AERA.dotでありました。
6月8日付の古賀茂明さんによる記事で、皆様もお読みになったかもしれませんね。
秋の選挙後に怒涛の展開か 原発新増設を巡る菅総理の「策略」 古賀茂明 (msn.com)

本当に、核発電はCO2を出さないのか??その問題について、
「付録」(あくまで、本ウェブサイトの本題からは外れるので)の
ページ w-1) で短く取り上げております。

上の黒いメニュー(ゴチャゴチャしていて、すいません!いずれ、
内容が一通りそろったら、きれいに整理する必要がありますね)で、
w-1) をクリックしてくださいな。

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次回ラウンドへと続く

結局、JCPOA再建交渉は第5ラウンドでは終結せず、次回ラウンドへと続きそうです。
イラン、イラクを中心に中東情勢を専門に扱っている報道機関である
Iran Focusの記事を紹介します。6月4日付のものです。

Iran Focus
Esmaeil Mohades, June 4, 2021

Vienna JCPOA Talks Have Not Come to a Final Conclusion – Iran Focus

(ウィーンのJCPOA交渉、最終合意に至らず)

(記事本文)
On the eve of the fifth round of Vienna talks between Iran and world powers over the former’s illicit nuclear projects, Mikhail Ulyanov, Russia’s representative in the Atomic Energy Agency, said in the talks that the fifth round would probably be the last round of negotiations. But evidence suggests that the fifth round of Vienna talks has not come to an appropriate conclusion.

Then in a tweet on June 1, 2021, he stated that, “Everything is so much complicated in relations between Iran and the #IAEA to our regret! Nevertheless, we appreciate the fact that they continue to maintain the necessary level of cooperation. We have reasons to believe that the current difficulties are of temporary character.”

(Tweet省略)

Vienna talks over four rounds and the fifth round was in progress that news announced by Rafael Grossi, the Director General of the Atomic Energy Agency, made the maintenance of the talks more complicated as he said:

“Iran’s failure to provide credible explanations for traces of uranium found at two undeclared sites is “a big problem” that is affecting the country’s credibility.”

Then he added that a linear return to the old JCPOA, “It is not possible. Iran has accumulated knowledge, has accumulated centrifuges, and has accumulated material.”

Then he added: “They have developed new centrifuges. Research and development have taken place. It was not allowed by the original JCPOA. It has happened and now the issue is how to deal with the results. What you absolutely need is a way to verify that if they have that knowledge, it is not being used to make bombs.”

Separately, France, one of the signatories to the deal, voiced concern after a report from the U.N. nuclear watchdog which showed on Monday that Iran had failed to explain traces of uranium found at several undeclared sites.

Now following the release of the new International Atomic Energy Agency report on the origin of new uranium particles, the three European powers must now decide whether they want to resume pressure to pass a resolution against the Iranian regime, as it could overshadow and making the ongoing talks to revive the JCPOA more complicated.

Three months ago, three European countries, Britain, France, and Germany, suspended the plan that the United States had submitted to the Board of Governors to issue a resolution against the Iranian regime on the discovery of new nuclear particles.

According to the latest report by the IAEA, the Iranian regime has not been able to provide a convincing explanation of the origin of the new uranium particles on several of its unannounced sites.

Of course, these were not the only news which are complicating the situation. In the middle of the fifth-round talks, the Agency provided another negative information about Iran’s nuclear program.

Iran’s 20 percent uranium deposits increased to 62 kilograms, which is an increase of 44.4 kg comparing the amount in February. The Agency also announced on May 31, Iran’s enriched uranium reserves reached 16 times the authorized ceiling allowed by the JCPOA. This rate was agreed upon 202 kg, while now Iran has 3.41 kg enriched uranium.

All this news is worrying while the Agency previously on 23 February 2021 has also announced that they have no access to the regulatory data.

Surprisingly, with this level of ambition, Iran’s government expectation that all the sanctions will be lifted at once is just an illusion.

The Vienna negotiations indicate that the main issues behind the scenes remained not only unresolved, but the agency’s recent statement adds to the volume of the complications and stagnation.

And the proof for that is, that the representatives of the negotiating counties returned to their capitals on June 1, 2021, without any progress, despite all the regime’s claims about progress.

Laurence Norman, a Wall Street Journal reporter in Brussels, wrote in a Twitter message on June 1: “Understand the current plan is to organise a break from Iran talks tomorrow or Thursday for delegations to return to capitals. Could change but that’s the plan. The Big question: when to resume and whether to continue before Iran presidential elections is not yet settled.”
(私の日本語化)
(JCPOA交渉という)イランの不当な核開発プロジェクトに対応した、イランと世界主要国の間の会合の第5ラウンドがウィーンで開かれているが、その前夜にIAEAへのロシア代表Mikhail Ulyanovは、この交渉ではおそらくこの第5ラウンドが最後の会談になるだろうと述べていた。 だが現実を見ると、ウィーン会談の第5ラウンドでは、好ましい結論はまだ出ていないようだ。

2021年6月1日付のTweetでUlyanovは「嘆かわしいことに、イランとIAEAの間の関係は、あらゆる点で極めて複雑なものだ!それでも両者は今も必要なレベルの協力を続けており、これは高く評価できる。今直面している困難は、一時的なものだと考える根拠がある」

ウィーン会談はすでに4ラウンドを重ね、(先週まで)第5がもたれていた。IAEAのRafael Grossi事務総長が発表したところでは、この会談の継続がさらに困難になっている。その発言を紹介する。

「イランの未申告の施設2か所でウラニウムの痕跡が発見されたのだが、それについてイランは釈明をしていない。これは“深刻な問題”であり、イランという国に対する信用が損なわれている」

さらに同事務総長は以前のJCPOAの単純な回復に関し、「それは、不可能だ。イランも知識を積み重ねており、遠心分離機を増設し、材料も蓄積している」と述べた。

さらにGrossiの述べたところでは「イランは新たな遠心分離機を開発しており、研究開発も行っている。もともとJCPOAでは、そうした行為は許可されていなかった。それが現実になされており、今では問題は、その成果にどう対処するか、である。イランにはそうした知識があることを確認し、それを原爆製造に利用していないことを検証することが、焦眉の急だ」
それとは別に、この核合意への加盟国の1つであるフランスは、国連の核監視機関であるIAEAからの月曜日の報告を受け、憂慮を表明している。イランの未申告の施設数か所でウラニウムの痕跡が発見されたのだが、それらについてイランが説明をしていない、という報告だ。

新たに発見されたウラニウム粒子がどこから来たのかに関するIAEAによるその新報告の公表を受け、ヨーロッパの加盟3か国は、イラン政府に対する制裁決議を可決せよという圧力を強化するか、決断を迫られている。だがそうした決議をすると、JCPOA再建のための現在の交渉がさらに複雑なものとなり、前途が暗くなる恐れがある。

3か月前、これらヨーロッパ3か国つまり英国、フランス、ドイツは、この新たなウラニウム粒子の発見を理由にイラン政府に制裁を加えよと求めてアメリカがIAEA理事会に提出したプランに関しては、一時停止を選んでいた。

IAEAからの最新の報告によれば、イラン政府はいまだに、同国の未申告施設数か所で新たに発見されたウラニウムの由来については、納得できる説明をしていない。

無論、交渉を難しくしている事情は、それだけではない。第5ラウンドの会談の途中で、IAEAはイランの核開発プログラムについてさらにネガティブな情報を発表した。

ウランを20%まで濃縮していたイランだが、その重量がこの2月比で44.4㎏増え、62㎏に増大していたのだ。さらにIAEAが5月31日に発表したところでは、イランが保有する濃縮済みウラニウムの備蓄量が、JCPOAで許可している上限の16倍にも膨れ上がっていた。本来は202㎏までとされていたのだが、今やそれが3.41㎏に達しているのだ。

こうしたニュースだけでも憂慮すべきなのだが、さらにIAEAが今年2月23日に発表したところでは、(イランによる)規制に関するデータを入手できない、とのことである。

こうした(核への)野望を抱きながら、イラン政府はすべての制裁を解除せよと求めているが、これは幻想に過ぎず、あきれた話だ。

ウィーン会談で明らかになった問題として、表に出ない重要な諸問題が解決されていないだけでなく、IAEAの最近の声明により、そうでなくても複雑で困難な交渉が一層難しいものになっている。

その証拠として、この6月1日には参加各国の交渉官たちがいったんそれぞれの国に戻っており、交渉には何の進展も見られなかった。それぞれどの国も、進展があったと述べてはいるのだが。

ブリュッセル駐在のWall Street Journal記者であるLaurence Normanが6月1日付のTwitter メッセージに記したところでは、「今のところの予定では、明日あるいは木曜日に対イラン交渉を中断して代表団はそれぞれの国に帰国するものと見られる。変更の可能性もあるが、予定としてはそういうことだ。問題は、イランの大統領選挙の結果が出る前に交渉を継続すべきなのか、いったいいつ再開すべきか、ということだ」

***************
やはり国際社会では、いったん何かの合意を締結して後に破棄したりすると、
その合意の再建はかなり難しくなりますね。

なお、本ウェブサイト「やかんをのせたら・・・」の次回投稿では、
JCPOA問題を短く離れて、「核発電とカーボン排出」という
別問題に関する日本政府の動きを取り上げます。
本来、他の反原発団体などで取り上げてくれている問題なので、通常なら
ここで論じる話題ではないのですが、どうも巷で人と話していると、いまだに
「でも、原発なら二酸化炭素が出ないのだろ?」と真顔でおっしゃる方が
いらっしゃるので。社会的な洗脳やマインド コントロールというものは、
なかなか消えていかないのだなと呆れてしまったので。

AERA.dotの6月8日付の古賀茂明さんによる記事をもとにしますので、
皆様もお読みになったかもしれませんね。
秋の選挙後に怒涛の展開か 原発新増設を巡る菅総理の「策略」 古賀茂明 (msn.com)
では、次回に!

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Sputnik Internationalより

JCPOA再建交渉について、ロシアの報道も見てみましょう。

Sputnik Internationalによる、5月31日付の記事です。

Sputnik International
May 31, 2021

Iran’s Top Negotiator Reportedly Says Nuclear Talks Unlikely to Conclude in Current Round
(イラン交渉団のトップ、JCPOA核交渉は現在のラウンドでは完結しそうにないと発言との報道)

Iran’s Top Negotiator Reportedly Says Nuclear Talks Unlikely to Conclude in Current Round – Sputnik International (sputniknews.com)

(記事本文)
MOSCOW (Sputnik) – Iran’s top negotiator on the revival of the Joint Comprehensive Plan of Action (JCPOA), Abbas Araqchi, said that the fifth round of talks was difficult and unlikely to be the last, media reported.

Negotiators have been debating how to bring Iran and the United States back into compliance with the 2015 nuclear deal since April. Russian Ambassador to international organizations in Vienna, Mikhail Ulyanov, said after meeting the Iranian delegation alongside Chinese diplomats, that talks are at the cusp of concluding.

“I am personally not sure that we will reach a conclusion in this round [of talks]. However, we will continue our efforts… no final decision has been reached yet,” Araqchi told reporters in Vienna, as quoted by Iranian national news outlet Press TV.

The Deputy Foreign Minister added that delegations may need to travel back to their home countries for consultations.

“The negotiations are very complicated. We are dealing with the main points of difference. We think that we have made good progress so far and trodden a good path,” Araqchi said

Iran has scaled back its commitments under the agreement to produce purer uranium after the US quit the pact in 2018 and reimposed crippling sanctions on Tehran. Iran wants all economic curbs lifted before agreeing to any concessions.

(私の日本語化)
Sputnik
、モスクワ発報道によれば、JCPOA核合意の再建交渉でイラン代表団のトップを務めるAbbas Araqchiは、同交渉の第5ラウンドは困難なもので、これで交渉が完結する見込みは低いと述べた。

2015年の核合意にイランとアメリカを復帰させようとする、代表者たちによる討議はこの4月に始まった。ウィーンにある各種国際機関に対するロシア大使であるMikhail Ulyanovが、中国代表団とともにイラン代表団と会合した後に述べたところでは、交渉は完結し始めている。

「(会談の)今回のラウンドで結論に到達できるか否かは、私個人としては定かではない。しかし、努力を続ける。今のところ、最終的な結果は出ていない」と、Araqchi はウィーンで記者団に対して述べた。イラン国営の報道機関であるPress TVの報道による。

Araqchi外務次官はさらに、各国の代表団がそれぞれ自国に戻り、検討を行う必要があると述べている。

「この交渉は、きわめて複雑なものだ。主な食い違いについて、話し合っている。今までの交渉でかなり良い進展が得られたと見ており、ここまでは良くやったと思う」と、Araqchiは語った。

2018年にアメリカがこの核合意を脱退、イランに対する過酷な制裁を再開した。それを受けてイランもJCPOAの規定順守を縮小し、ウラニウム濃縮の純度を高めている。何らかの妥結をする前に、まずすべての経済制裁を解除することをイランは要求している。

****************
やはり、アメリカの主流メディアによる報道とは色合いが違いますよね。
例えば、最後の段落の crippling sanctionsとか。上では私は「過酷な制裁」と
日本語化しましたが、字義的には「対象をまともに機能できなくするような
制裁」ということです。

今後も本「やかんをのせたら・・・」では、可能な限り他地域での報道を紹介して、
特定地域の視点への偏向を軽減したいと願っております。

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では、その36条の本文

前回までの投稿でお分かりのとおり、イランがウラニウムの過剰濃縮を再開しちゃった
のは、アメリカが先にJCPOAの合意順守を放棄したからだというのが、イランの主張
ですよね。

そこで、当の36条本文を紹介しましょう。

JCPOAの合意内容本文より、第36条。
0. Main Text (europa.eu)
より

DISPUTE RESOLUTION MECHANISM

  1.  If Iran believed that any or all of the E3/EU+3 were not meeting their commitments under this JCPOA, Iran could refer the issue to the Joint Commission for resolution; similarly, if any of the E3/EU+3 believed that Iran was not meeting its commitments under this JCPOA, any of the E3/EU+3 could do the same. The Joint Commission would have 15 days to resolve the issue, unless the time period was extended by consensus. After Joint Commission consideration, any participant could refer the issue to Ministers of Foreign Affairs, if it believed the compliance issue had not been resolved. Ministers would have 15 days to resolve the issue, unless the time period was extended by consensus. After Joint Commission consideration – in parallel with (or in lieu of) review at the Ministerial level – either the complaining participant or the participant whose performance is in question could request that the issue be considered by an Advisory Board, which would consist of three members (one each appointed by the participants in the dispute and a third independent member). The Advisory Board should provide a non-binding opinion on the compliance issue within 15 days. If, after this 30-day process the issue is not resolved, the Joint Commission would consider the opinion of the Advisory Board for no more than 5 days in order to resolve the issue. If the issue still has not been resolved to the satisfaction of the complaining participant, and if the complaining participant deems the issue to constitute significant non-performance, then that participant could treat the unresolved issue as grounds to cease performing its commitments under this JCPOA in whole or in part and/or notify the UN Security Council that it believes the issue constitutes significant non-performance.

    (私の日本語化)
    紛争の調停のための仕組み

36.  E3/EU+3(JCPOAの参加国でイラン以外の諸国)のいずれか、あるいはすべてがJCPOAの下での責任を果たしていないとイランが判断した場合には、 イランはその問題を合同委員会に報告して解決を求めることができる。同様に、イランがJCPOAの下での責任を果たしていないとE3/EU+3 諸国の何れかが判断した場合にも、合同委員会に報告して解決を求めることができる。合同委員会は報告を受けてから15日以内にその問題を解決すること。ただし、合意によってこの期間を延長することができる。合同委員会による検討の後、いずれの加盟国も、合意順守の問題が解決していないと判断した場合には、その問題について外相と相談することができる。関係諸国の外相たちは15日以内に、その問題を解決すること。ただし、合意によってこの期間を延長することができる。合同委員会による検討、そしてそれと並行しての、あるいはそれに代わる外相レベルでのレビューの後で、その問題を提出している加盟国あるいは合意順守への違反が疑われている加盟国のいずれも、諮問委員会によるその問題の検討を要請することができる。この諮問委員会は3名のメンバー(問題提出国が1名、問題ありとされている加盟国が1名、独立した第3の加盟国が1名)で構成される。諮問委員会は15日以内に、その合意順守問題に関する見解を発表すること。ただし、この見解には拘束力はない。ここまでの30日間のプロセスの後で、その問題がなお解決していない場合には、合同委員会は諮問委員会の見解を最長で5日間検討し、問題の解決に努めること。それでもなお、その問題が未解決であり、しかも問題提出国がその問題が深刻なものであるとみなす場合には、未解決であると判断する場合には、その提出国はその未解決問題を理由として、JCPOAの下での自らの責任のすべて、あるいはいずれかの履行を中止し、国連の安全保障理事会に対し、その問題が加盟国による義務不履行の深刻な例であると考えている旨を通知することができる。

************
要するに最後の方の、
then that participant could treat the unresolved issue as grounds to cease performing its commitments under this JCPOA in whole or in part and/or notify
(・・・ その提出国はその未解決問題を理由として、JCPOAの下での自らの責任のすべて、あるいはいずれかの履行を中止し、・・・)
という箇所が、イランのウラニウム“過剰濃縮”(西側寄りの態度でいうんじゃなくて、発電用なら5%でまったく充分なのですから!)再開の根拠となっているわけですね。何せ、アメリカがJCPOAそのものからいったん脱退しちゃったのですから。トランプ元大統領のやることは ・・・ この条項がある限り、アメリカが脱退しちゃうとイランが過剰濃縮を再開しちゃうってことを予測できなかったのでしょうか??
イランもイランで、ウラニウム濃縮で63%というのは、もう何を目指しているかは言うまでもないですよね。

一般にウラニウム濃縮という行為には、そうしたリスクが付きまといます。なにせ、確かに大量の遠心分離機を稼働させる施設が必要とは言え、あくまで「発電用濃度」と「核兵器用濃度」との間の差は単なる「程度問題」ですからね。
ですから、ウラニウム濃縮という行為そのものを各国・地域で行うことを全世界で禁止し、IAEAなりが一元管理する認定施設のみで行う ・・・ そんな風に変革したらどうかと、私は考えます。
むろんこれは、地球上に核兵器や核発電が残っている間の話でして、あくまで両方がこの世界から消えるのが最終的な解決ですが。

では、次回投稿でもJCPOA関連の報道を紹介していきますね。
福島第一からの汚染水海洋放出も大問題ですが、これについては反原発団体などが
YouTubeその他で報じてくださっていますので。
ですから私は、あくまで自分のフィールドである「核発電と核兵器の不可分性」に
関連した話題にこだわりたいと思います。

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その、第36条について … Tehran Times 3月30日

では、やはりイラン側からの視点も知るため、Tehran Timesが3月30日に報じた記事を見てまいりましょう。

Tehran Times, March 30, 2021
Iran to halt 20% enrichment only if sanctions lifted: Press TV – Tehran Times
(アメリカが制裁を解除した場合にのみ、イランは20%濃縮を停止する)

(記事本文)
“20-percent uranium enrichment is in line with paragraph 36 of the JCPOA and will be stopped only if the U.S. lifts all the sanctions,” the official said on Monday evening.

The official said Iran will not stop any of its current nuclear activities before the removal of all sanctions.

“The Biden administration is losing time, and if it fails to lift the sanctions soon, Iran will take the next steps, which will be further reduction of its JCPOA commitments,” the official added.

The Iranian official made the remarks in reaction to a report by Politico which claimed the U.S. is to end the deadlock over the 2015 nuclear deal with a new proposal.

Biden administration officials, mindful of the increasingly unfavorable calendar, plan to put forth a new proposal to jump-start the talks as soon as this week, two people familiar with the situation told Politico.

In reaction to the report, the Permanent Mission of the Islamic Republic to the United Nations reiterated that no proposal is needed for the U.S. to rejoin the JCPOA. “It only requires a political decision…”

Iran is in touch with the remaining participants in the #JCPOA on issues.

No proposal is needed for the U.S. to rejoin the JCPOA. It only requires a political decision by the U.S. to fully and immediately implement all of its obligations under the accord and abide by UNSCR 2231.

— Iran at the UN (@Iran_UN) March 29, 2021

The proposal asks Iran to halt some of its nuclear activities, such as work on advanced centrifuges and the enrichment of uranium to 20 percent purity, in exchange for some relief from U.S. economic sanctions, said one of the people, who stressed that the details are still being worked out.

The American proposal slated to be set forth this week is, “more than anything, about trying to get the conversation started” between the United States and Iran, one of the people familiar with the situation said.

Asked for official comment, a senior Biden administration official declined to discuss details of diplomatic conversations. “We have been clear that we are ready to pursue a mutual return to the [Iran deal],” the official added.

“We have also been open that we are talking with our [international] partners … about the best way to achieve this, including through a series of initial, mutual steps. We have been looking at options for doing so, including with indirect conversations through our European partners.”

Shahrokh Nazemi, the head of the press section at Iran’s mission to the United Nations, has also told Politico that the “return of the U.S. to the [deal] needs no specific proposal. It only requires a political decision by the U.S. to go for the full and immediate implementation of its obligations under” the agreement and a key UN resolution.”

Tehran has been insisting that since it was the U.S. that first quit the nuclear deal and slapped sanctions on Iran naturally it must be the first reverse its decision.

・・・(以下略)

(私の日本語化)
「20%のウラニウム濃縮はJCPOAの第36条に則ったもので、それを停止するのはアメリカが制裁をすべて解除した場合だけだ」と語るのは、あるイラン高官だった。月曜夜のことだ。

この高官によれば、制裁がすべて解除されるまでは、イランは現在行っている核開発関連の活動のいずれをも停止することはない。

さらに同高官によれば、「バイデン政権は、時間を無駄にしている。すぐに制裁を解除しなければ、イランは次のステップに進む。つまり、JCPOAの順守をさらに縮小する」

このイラン高官による発言は、ある政界からの報告に対する応答としてなされたものだ。その報告によれば、アメリカが2015年の(JCPOA)合意の行き詰まりを打破するため、新しい提案を用意している、という。

バイデン政権の高官たちは時間がなくなりつつあることを憂慮、今週にも交渉を躍進させるための新しい提案をする見込みだと、事情通2名が政治関係者向けに述べた。

その報告に応答して、イラン議会の対アメリカ代表団は、アメリカがJCPOAに復帰するには何の提案も必要ではなく、「ただ、政治的決断だけが必要だ …」と繰り返した。

JCPOA交渉での核問題に関して、イランはアメリカ以外の参加諸国と連絡を取り合っている。

「アメリカがJCPOAに復帰するには何の提案も必要ではなく、ただ、この核合意の下でのすべての義務を守り、UNSCR 2231(国連安全保障理事会決議)を遵守するという政治的決断だけが必要だ」

— Iran at the UN (@Iran_UN) March 29, 2021
Iran at the UN (@Iran_UN)
、2021年3月29日

その新たな提案では、イランは最新型遠心分離機の使用やウラニウムの20%濃縮といった核関連活動の一部を停止し、その代わりにアメリカが制裁の一部を解除することになると、上述の事情通の一人は述べた。詳細はまだ検討中であると、強調していた。

今週テーブルに提出される見込みのこのアメリカからの提案の狙いは「何よりも、アメリカとイランの間での対話を始めることにある」と、事情通の一人は語っている。

バイデン政権の高官の一人に正式なコメントが求められたが、外交会談の詳細について話すことは拒否した。さらに、「(イランとの合意に)両国が復帰する用意があることは、以前から明白にしている」と付け加えた。

「さらに我々が、その実現のためのベストの方法を求めて(国際的な)パートナー諸国と交渉を重ねていることも、オープンにしてきている … その一環として、最初に両国がどのようなステップを踏めばよいのかといった問題も討議している。アメリカのパートナーであるヨーロッパ諸国を介して、核合意再建のための選択肢を探している」と、同高官は語っている。

イランの対国連代表団の報道部門ヘッド、Shahrokh Nazem も政治関係者に向かい、「アメリカが(この核合意に)復帰するには、特に具体的な提案など不要だ。必要なのは、この核合意と国連安全保障理事会決議の下でのすべての義務を守るという政治的決断だけだ」と述べている。

イラン政府は、この核合意から最初に脱退しイランに制裁を科したのはアメリカなのだから、合意の再建にあたってもまずアメリカが態度を変えるのが当然だという主張を変えていない。

・・・(以下略)

要するに、JCPOAの第36条の規定では、アメリカ側がこの合意を破棄したのだから、イランは20%濃縮を再開してよいのだ、とイラン側は主張しているわけですね。

そこで次回投稿では、当のParagraph 36本文を紹介しますね。

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