CNNのウェブサイトより
US warns Russia not to touch American nuclear technology at Ukrainian nuclear plant (msn.com)
やはりというか、ザポリージャ原発などで
アメリカのWestinghouse社の核燃料を使い
始めたことは、すでに昨年報道されて
いましたが
(Westinghouse to supply all of Ukraine’s nuclear fuel – Bellona.org)、
その時以来 「核技術関連の秘密は、大丈夫
なのかあ??」 と心配でした。なにせ、
アメリカの核燃料を使っている原発を、今の
ところロシア軍が占拠してるわけですから。
やっぱり! CNNの報道を見てみましょう。
いつもどおり、私による日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。
***********************
US warns Russia not to touch American
nuclear technology at Ukrainian nuclear
plant
(ウクライナの原発にあるアメリカの核
技術には、ロシアは手を出すなとアメリカ
が警告)
Natasha Bertrand記者、
2023年4月19日
ウクライナの某原発ではアメリカの機密性の
高い核技術を利用しており、アメリカ政府は
ロシアに対し、そうした技術には手を出さない
よう警告している。アメリカのエネルギー省が
ロシアの国営核エネルギー公社Rosatom
に対し、先月送付した書簡に基づく。
2023年3月17日付の同書簡をCNNでは
入手したのだが、エネルギー省の
Nonproliferation Policy (核不拡散政策)
担当のAndrea FerkileがRosatomの
社長に対し、エネルホダル市にある
ザポリージャ原発ではアメリカで作成した
核関連の技術的データを利用しているが、
これはアメリカ政府が輸出規制している
データだと述べている。
アメリカの国家安全保障上の利益を損なう
ような使用が可能である物品、ソフトウェア、
技術は、アメリカの輸出規制の対象となる。
このエネルギー省からの書簡の背景として、
ヨーロッパ最大の原発であるザポリージャ
原発を今もロシア軍が占拠している。昨年
2月にロシアはウクライナ侵略を始めたが、
それ以降ロシアはザポリージャ原発がある
地区を占領している。同原発はそれ以来、
同地区でのロシア軍による激しい砲撃の
ため、頻繁にグリッドから切断され、核事故
が発生するのではと、ヨーロッパ中で不安
が高まっている。
同原発を実際に稼働させているのは今も
ウクライナ側のスタッフだが、管理主体は
Rosatomになっている。アメリカの
エネルギー省はRosatomに対し、この
書簡で、アメリカの技術をロシアの市民や
団体が操作するのは 「非合法だ」 と
警告している。
CNN では、Rosatomにもコメントを求めた。
この書簡によれば、「アメリカの法の下では、
許可を受けていない人物が <こうした核
技術を扱うのは> 非合法であり、それには
ロシア国民やロシアの団体も含まれる。
Rosatomやその系列企業などもだ。ここで
禁じられている行為は、そうした技術や
技術的データを意図的に入手・保有・制御・
輸出・保管・強奪・検査・再輸出・輸送・譲渡・
複写・操作すること、また他者がそうした
行為をするよう指示あるいは許可することなど
だ。 そうした行為を願うロシアの個人や
団体は、アメリカのエネルギー長官から許可
を受けねばならない」
この書簡にRosatomが回答したのか否か
は、明らかになっていない。エネルギー省の
National Nuclear Security Administration
(国家核安全保障局)がCNNに述べたところ
によれば、この書簡は本物である。
この書簡のことを最初に報道したのは、
ニュース報道機関であるRBCウクライナ
だった。
「エネルギー省のNational Nuclear Security
Administrationとしては、この書簡が本物で
あることは確認できる」 そう語るのは、同
Administrationの公共問題担当副理事の
Shayela Hassan だ。
Hassanはさらに、「エネルギー長官には、
機密に該当しない民間の核技術の譲渡や
外国の核エネルギー活動への支援であって
も、それらを許可する法的な責任がある。法
規制活動については、エネルギー省は
コメントしない」 と述べている。
Ferkileがエネルギー省の監察官に宛てた
別の書簡もあり、これも CNNが内容を確認
しており、2022年10月24日付のものだ。
その書簡には、ザポリージャ原発で使用する
ためにアメリカがウクライナに輸出した核
技術の概要が記載されており、しかも
エネルギー省には“そうした核技術や技術的
データを何らかのロシア国籍の個人や団体に
譲渡してよいとの許可を現時点で発している
という記録は皆無だ” と繰り返し記されている。
エネルギー省のOffice of Nuclear Energy
(核エネルギー局) では、アメリカが
ザポリージャ原発に支援を行っているという
事実は公然と認めており 、同省のウェブ
サイトでも2021年6月に、ウクライナでの
“エネルギー安全保障を最終的に強化する
ための原子炉の新たなメインテナンス手順
や操作の実施を支援してきた” と記して
いた。
*********************
「原子力」 が完全に 「平和利用」 であるの
なら、発電用核燃料をロシアが分析したとして
も、あくまで私企業間の技術秘密に関する
問題となるハズで、国家政府がここまで
反応する必要はありませんよね??
現実にはアメリカ政府がこうした対応をしなきゃ
ならないってのは、「平和利用」 が実はいかに
アブナイものかの現れ見るべきでしょう。
そもそも 「原子炉」 とは本来何のためのもの
だったのか、「やかんをのせたら~~」 では
繰り返し説明してきました。まだお読みでない
方は、上の黒いメニューにある固定ページ
シリーズの b-x) や d-x) をご覧くださいな。
また、「商用」 原発で発生するトリチウムを
公に核兵器用に使用している実例について
は、ページ シリーズ t-x) を!