ザポリージャ原発での砲撃により、「福島第一を上回る」 大災害の可能性

2022年8月10日 JST

オンライン ラジオのTimes Radioで、ザポリージャ原発の危機を
取り上げた番組を見つけました。
YouTubeに投稿された日付は、2022年8月10日 JSTです。

Shelling Zaporizhzhia power plants would cause a disaster
‘worse than Fukushima’
(ザポリージャ原発での砲撃により、「福島第一を上回る」
大災害の可能性)

Shelling Zaporizhzhia power plants would cause a disaster ‘worse than Fukushima’ – YouTube

Times Radioの番組。Mark Fitzpatrickさんのインタビュー
Mark Fitzpatrick, アメリカ国務省に26年勤務したのち、英国の
国際戦略研究所の南北アメリカ オフィスのエグゼクティブ ディレクター。
地域での核兵器拡散問題と核関連の危険防止が専門。
Times Radioは、英国のWireless Group、The Times、The Sunday Timesが
共同で運営しているオンライン ラジオ局。2020年6月に放送開始。


心配で眠れない ・・・
私の20分クロッキー

現時点で皆様の関心の高い問題だろうと思いますので、このラジオの
音声から直接、私が以下に日本語化して紹介しますね。音声から
直接なので、聞き間違いがあり得ることは、初めにご了承願います。
例によって、< > 内は私からの補足説明です。

7分弱程度のヴィデオですので、英語のニュース番組などを聞いて
わかる方は、ぜひ上のリンクから元の番組をお聞きになって
くださいませ。

******************
0:37 (実際にはこの番組は、0:37あたりから始まります)

Interviewer
ザポリージャでは危機が高まりつつあるという現状を見て、
国連は国際査察チームの原発現場調査を認めてくれと求めています。
この原発は旧ソヴィエト時代に建設されたもので、それが先週から
砲撃を受けているのですね。ヨーロッパでも最大の原発で、加圧水型
原子炉が6基あります。400万世帯に電気を供給できます。
それでは、核兵器拡散問題担当のセクレタリー、さらに英国の国際
戦略研究所の核兵器拡散問題や軍縮研究担当のディレクターを歴任
された、Mark Fitzpatrickさんにお話を伺います。
Patrickさん、Times Radioに登場いただき、ありがとうございます。

Fitzpatrick
こちらこそ、お目にかかれてうれしいです。

Interviewer
先ほど申しましたように、ヨーロッパ最大の原発での戦闘に
ついて国連は、「自殺的な」危険だと述べています。「 」 付きの
自殺的な(suicidal) ですね。そこでまず、放射線を伴うような災害が
実際に起きるという目に見える危険はあるのでしょうか?
もしあるのなら、それはどういった意味を?

Fitzpatrick
危険は間違いなくあります。6基の原子炉があって、今までの発電
稼働のなかで、使用済み核燃料も何千トンと溜まっています。それを、
今まで冷却し続けてきているのです。この冷却を常時続けないと、
もしその冷却プールへの電力供給が途絶えてしまうと、冷却プールの
水が蒸発してしまいます。この場合、<ザポリージャ> 原発は巨大な
ダーティ ボムと化してしまい、その放射性物質の漏れは日本の福島
第一事故の場合よりもひどいものに なるでしょう。外部電源供給が
途絶えた場合ですね。チョルノービの事故よりもひどい結果に
なるでしょう。


Writing on the wall —- (ダニエル書5章)
私の20分クロッキー

Interviewer
実際にそんなひどい大事故になりえるのでしょうか?

Fitzpatrick
もちろん、その他の偶然に変化する要因もありますから、最悪の
シナリオを説明しているのですが、あくまで現実にあり得る可能性です。
安全性を高めるため、原発は充分な冗長性を持たせて設計されています。
原発への外部電源の供給が途絶えた場合、これはよく発生する問題なの
ですが、バックアップとしてのディーゼル発電機とその燃料が原発には
用意してあり、ディーゼル発電で冷却システムその他の稼働を維持します。
ところが戦闘が行われているようだと、そうしたバックアップ システムも
悪影響をこうむり、大災害のシナリオが現実化してしまうのも想像に
難くありません。

Interviewer
The Timesの今日の記事を見ますと、ウクライナでロシア軍が
使用している武器の中では、西側の電子工学が使われているそうです。
しかも、そうしたコンポーネントの多くは秘密裏に入手されたものだ
そうです。こうした報道を聞いて、西側はこうした技術漏出を防ぐために
もっと手を打つべきだとお考えでしょうか? どうお考えに、なりますか?

Fitzpatrick
そうですね、ウクライナ問題のもう1つの側面がそれですね。ロシアの
機器類の多くには、西側の高度なチップが使用されていると。そういう
報道は、私も読んでおります。ロシアはそうしたチップなどを合法的には
入手できないので、何らかの非合法な入手方法があって、それをロシアが
利用しているはずです。全世界のブラック マーケット システムなどですね。
チップは小さくて運びやすいので、誤った手に入ってしまいやすいものです。
西側の諜報機関は網を張り巡らせているはずですが、こうした技術漏出を
完全に防ぐのは困難です。

Interviewer
わかりました。
その他にも、多くの人たちにとっての不安の種があります。
海運の拠点でウクライナの船が一晩足止めを食わされたうえで出港した
のですが、それが先週末のことでしたね。そして、ガザでの爆発。
国際問題となると、いろいろなことが起きています。そうした事件が
あっても、ここ英国では新聞などのヘッドラインにもならない場合さえ
ありますが。Patrickさんは、ガザでの爆発などをご覧になると、
どうお感じになりますか?

Fitzpatrick
そうですね、世界中で火災が発生しているような。台湾では紛争の影が
ちらついていますし、ガザではすでに実際の紛争になっています。
私の考えでは、ガザの紛争は話し合いで抑え込むことが可能だとみて
おります。イスラエルも、攻撃に対して応戦していますが。
で、どう言えばよいのか、このインタビューの最初に話し合った
ザポリージャ原発の問題は、かなりスケールが違う問題で、
一種のダーティボムですよね。その深刻さを軽んじるわけでは全く
ないのですが、切迫のレベルは異なっています。

Interviewer
時間が迫ってきましたが、世界中で問題が発生している中、Patrickさんの
最重要問題は台湾だと。現時点で最も注目してらっしゃるのは、
台湾なのですね。

Fitzpatrick
そうでしょうね。台湾では、2つの超大国が交戦してしまう危険性が
あります。一方、ウクライナでは確かに超大国が1つ戦争をしていますが、
他の超大国つまりアメリカとヨーロッパ、要するにNATOは、注意深く
ロシア本来の領土には攻撃がなされないように配慮しています。ところが
台湾のシナリオでは、中国が台湾に攻め込んでくる可能性が少なからず
あります。そしてアメリカは、台湾防衛のために抗戦する可能性が。
まだそうなってはいませんが、そうなりやすい状態ですね。

Interviewer
Mark Fitzpatrickさん、いろいろ伺いたいことはあるのですが、今夜は
TIMES RADIOにご登場くださり、ありがとうございました。
******************


あ~~あ
私の20分クロッキー

最悪のシナリオ、つまりザポリージャ原発の原子炉すべてがメルト
ダウンしたり、and / or 使用済み核燃料冷却プールが蒸発した場合には、
福島第一の大事故程度ではすまない、ひどい放射性物質漏出に
なっちゃいますよね。一刻も早く、プーティンが正気を取り戻して
くれることを!

原発が巨大なダーティ ボムになりえることについては、上の黒い
メニューの if-3) でも取り上げております。
この種の軍事リスクを考えるなら、原発を建てるとは、とりも
なおさず 「敵国/テロ組織が巨大ダーティ ボムとして利用できる施設を、
わざわざ作ってあげる」 ことに他ならないのですね。

では、次回はMail Onlineによるザポリージャ原発の危機に関する記事、
残りを紹介する予定です ~~ 特に突発的な事件や展開などがない限り。

 

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「制御不能な」ザポリージャ 原発への砲撃が電力線を破壊 ~ 後半

Daily Mail の Mail Onlineより

Shelling HITS power line at ‘out-of-control’ nuclear power plant: Ukraine and Russia risk disaster | Daily Mail Online
(「制御不能な」 原発への砲撃が電力線を破壊、ウクライナとロシアに災害のリスク)

英国の “中間層読者” 向けタブロイドとして有名なDaily Mailの
Onlineより、2022年8月5日初投稿の記事。前半は下の8月6日に
日本語化紹介しました。
続きを、下に。
いつもどおり、私の抜粋・日本語化、< > 内は私からの補足説明です。

Matthew Lodge, Walter Finch, Chris Jewers記者からMailOnlineへの報告
最終更新: 2022年8月6日
***************


原発を基地にしちゃうなんて、どうかしてる ~~~
私の20分クロッキー
今回の砲撃が行われた時、<英国の> 国防省 (MoD) は、占領軍
<ロシア軍> が 「原発のセキュリティや安全を踏みにじっている」 と
発表、プーティンの軍隊は同原発を建てとして利用していると主張していた。
ロシア軍が同原発を占領したのは今年3月のことであったが、
チョルノービのような大災害を招くのでは、という懸念を集めてきている。

同原発はまだ稼働可能ではあるが、<現時点でウクライナに> 15基ある
原子炉の状態が心配だと、専門家たちは語っている。特に、ロシア軍の
侵攻の間に原発目掛けた砲撃があったことが深刻な憂慮を呼んでいる。

MoD の発表によれば、同原発の周辺地域は砲兵部隊の基地として
利用されている。同原発に沿って流れるドニエプル川の対岸に配備されて
いるウクライナ軍部隊を標的にしているのだ。

IAEAではロシアとウクライナの両国に対し、緊急嘆願を発している。
IAEAの専門家を直ちに紛争の現場であるザポリージャ原発に派遣し、
状況を安定化させるとともに、核事故を防止させてほしい、という嘆願だ。

この派遣を実現できるかどうかは現時点では不明で、MoDは本日、
ロシアによる5か月の占拠を経た現時点での同原発の状態に関する
最新記事を発表している。


“Wise CEOs stay away from nukes”
私のパーカ作品

MoDはTwitterで毎日諜報関連の最新情報を発表しているのだが、
こう記している。「5か月間の占拠を経たが、ザポリージャ原発に
関するロシア軍の狙いが何なのかは、いまだによく分かっていない。
だが、同原発でロシア軍が今までにやってきたことを見れば、
この原発の正常な稼働のセキュリティと安全性とを損なっているようだ」

「ロシア軍はおそらく、同原発に隣接した地域で作戦を展開しており、
その地域に本拠を置く砲兵隊を利用して、ドニエプル川の西岸にある
ウクライナ陣地を目掛けて攻撃を仕掛けてきた。

「おそらくロシア軍は同原発の施設敷地全体を利用しているのだろう。
特に隣接しているエネルホダル市に部隊を休ませ、特別な保護施設で
ある原発の法的ステータスを悪用して自軍の人員や機器がウクライナ軍
からの夜間襲撃を被るリスクを軽減していると見られる」

今週既に <8月1-5日> アメリカの駐ウクライナ大使のBridget Brinkは、
ロシア軍が同原発を一種の核を利用した盾として利用しており、同原発
周辺のウクライナ人に対して砲撃を加えている、との 「信頼できる報告」 が
あると述べている。
・・・・(次回投稿に続く)・・・・
******************

まったく、ある程度以上稼働させた原発には大量の核ゴミが保管される以上、
「巨大ダーティ ボム」 になってしまうリスクが絶えずあります。
ですから、他国を侵略する場合、対象国の原発を占拠するのは、実に
戦略的には巧みなやり方です。でも、世界への汚染ばらまきリスクを考えるならば、
「正気の沙汰ではない、実に卑怯な」やり方ですよね。

では、ウクライナ側はなぜこうも簡単に、原発を占拠されてしまったのか??
それについては後日、Reutersの特別調査をさらに紹介しますね。

とりあえず次回は、上記のDaily Mailの記事の残りを。

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[原発と原爆] ABEMAのドキュメンタリー

何も目新しい情報ではないのですが、YouTubeに新しい日本語ヴィデオが
出ています。(ただし、最初の放送は2020年3月14日のことだそうです)

ABEMAドキュメンタリーの 「【原発と原爆】戦後日本の原子力問題 背後に
あったアメリカの核戦略」 というもので、
【原発と原爆】戦後日本の原子力問題 背後にあったアメリカの核戦略|ABEMAドキュメンタリー – YouTube
にございます。

タイムスタンプで 23: 57 あたりから、二次大戦後のアメリカの対日政策との
絡みで、核発電と核兵器の不可分性を示してくれています。
まあ、「やかんをのせたら~~」 を以前からお読みくださっているような、
基礎知識のある皆様にとっては、何も新しい内容はないと思います。
ただ、いまだに 「原発 = 平和利用、発電とCO2排出の問題」
という “認識の囲い込み” から抜け出せない方々には、お勧めします。

「見てみたいけど、23: 57以降を全部見ている時間はない」 という方は、
36:34 あたりからご覧ください。

Just a 20-min croquis, empty space contains something --- / 単なる20分クロッキー、うつろな空間には何かが ・・・
振り返って見ると、なんやらマヤカシが ・・・
私の20分クロッキー

ついでながら、42: 25 あたりから46:00 あたりに出ているように、
放射線による健康被害については、アメリカ政府の軍事・政治的圧力など
から、1950年代前半の時点ですでに 「因果関係」 がぼやかされています。
したがってこの因果関係を扱うには、反核勢力は放射線の健康被害に
関する専門家たちのブレーンを必要とします。私が 「やかんをのせたら~~」 で
この問題にあまり言及していないのは、軽視しているわけでは全く
ありません。逆でして、重要な問題で、しかも政治的圧力による
「ごまかし」 が80年近くも (広島の原爆投下から数えれば)
続いてきたからこそ、放射線の健康被害に関する専門家たちが扱うべき
だと考えているわけですね。私自身は、医学や生理学には門外漢です。

さらに、46:00 以降では、アメリカが日本に 「安い電力ができるよ~」 と
いう触れ込みで核発電を導入したプロパガンダも紹介されています。この
「マインド コントロール」 はいまだに有効なようで、日本の財界や政界の
核発電信奉者の皆さんは、いまだに 「原発は安い」 をおっしゃいますよね。
対テロリズム対策や軍事面での 「巨大ダーティ ボム リスク」、
「言いがかりリスク」 (右の「アーカイブ」から2022年7月9日の記事を
参照)、さらに大国が核兵器を増産しようとした場合のウラニウム
供給リスク (付録 w-6) )、放射性ゴミの処分・管理コストなどは、
「経費」 に入らないようです!
このプロパガンダ問題については、軍事での重要な側面ですので、
「やかんをのせたら~~」でも扱っております。私自身、その昔は
クリエイティブ エージェンシーのディレクターとして、原発広報にも
関わっていましたし。

上の黒いメニューの底の方にある add-4) で、「原発問題」は実は1つの
分野じゃなくて、多数の問題系が入り組んでいるのだと説明しました。
そして、「やかんをのせたら~~」 は、あくまで軍事側面(それに
関連する、新型原子炉技術やプロパガンダ問題も含む) にフォーカスする
と断言しました。この適切さを、お分かりいただけるでしょうか?

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ザポリージャ原発の最新情勢、英国の Daily Mail の記事を紹介

ザポリージャ原発の状況が、心配ですよね。
英国のタブロイド、Daily Mailの8月6日更新の記事がこの問題を
詳しく扱っているので、例によって私が日本語化して紹介を始めます。

このところ、長いテキストの紹介を少しづつ進めようとしていますが、
・ 「核抑止理論の10の欠陥」も途中ですし、
・ 「チョルノービ原発が戦闘なしに陥落した事情、ロイターの調査」も
途中になっています。
もう1つ、「途中まで紹介」を加えることになってしまいますが、
いずれも重要な問題なので、ご了承を。

****************
Daily Mail の Mail Onlineより

Shelling HITS power line at ‘out-of-control’ nuclear power plant: Ukraine and Russia risk disaster | Daily Mail Online
(「制御不能な」 原発への砲撃が電力線を破壊、ウクライナと
ロシアに災害のリスク)

英国の “中間層読者” 向けタブロイドとして有名なDaily MailのOnlineより、
2022年8月5日初投稿の記事を紹介します。タブロイドなので、
表現が大げさであったりする点は、ご了解ください。
いつもどおり、私の抜粋・日本語化、< > 内は私からの補足説明です。

「制御不能な」<ザポリージャ> 原発で、砲撃が電力線を破壊。
プーティンの部隊が新たなチェルノブイリ級の災害を引き起こしかね
なかった事態の後で、ウクライナとロシアが非難合戦

せっかく都市が機能していても、砲弾がそれをすべて破壊してしまう場合が ・・・ 私の、かなり昔の作品

せっかく都市が機能していても、砲弾がそれをすべて破壊してしまう場合が ・・・
私の、かなり昔の作品

・ 今回の侵略の初期段階で、ロシア軍がザポリージャ原発を制圧
・ ウクライナはある砲弾が金曜日 <8月5日> に同原発を直撃したと
主張。ただし、放射線は検出されていない。
・ 3月の侵攻時にも、同原発に向けた砲撃があった。
・ <英国の> 国防省の主張では、同原発は反撃を遮る盾として
利用されている。
・ 同省によれば、ロシアは同原発を占拠することで、その現場での安全と
セキュリティをリスクに曝している。
・ 国際的専門家たちは同原発での核事故を憂慮し、同原発現地の調査を
求めている。

Matthew Lodge, Walter Finch, Chris Jewers記者からMailOnlineへの報告
最終更新: 2022年8月6日

核なき世界になりますように ・・・

核なき世界になりますように ・・・ 私のTシャツ作品

ロシア軍からの砲撃がザポリージャ原発の高圧線を直撃したと、
ウクライナの国営核発電企業が主張している。

<その国営企業である> エネルゴアトムによれば、この金曜日にヨーロッパ
最大の原発 <であるザポリージャ> をロシア軍の砲撃が直撃したが、
まだ稼働を継続でき、放射性物質の漏出は検出されていない。
同原発周辺地区は、現時点でロシア軍が制圧している。

この発表が出される少し前に、ロシアに占拠されているウクライナの
エネルホダル市のロシア軍が設けた自治体当局は、同原発の電力線が
ウクライナ軍の攻撃で損傷していると述べていた。

国連の核管理チーフ <IAEAの事務局長のこと> は、同原発が 「飛び交う
銃弾のため、まったく管理不能に陥っているが、まだウクライナ側の
スタッフが稼働を続けている」 と警告を発している。

今回の砲撃が行われた時、<英国の> 国防省 (MoD) は、
占領軍 <ロシア軍> が 「原発のセキュリティや安全を踏みにじっている」
と発表、プーティンの軍隊は同原発を盾として利用していると主張していた。
*****************

続きは次回に!

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ロイターのスペシャル レポート、チョルノービ原発が戦闘なしで「陥落」したのは ・・・

2月終わりにロシア軍がウクライナ侵略を始めた際、
チョルノービ原発にはウクライナ側の防衛隊がいたのに、
すぐにロシア軍の手に落ちましたよね。
なぜそうなったのか、不思議でした。

そこで、Reutersも特別な調査を実施したのですが、
ウクライナのセキュリティや防衛関連の省庁の中に、
ロシアがエージェント網を張り巡らせていたようです。

How Russia spread a secret web of agents across Ukraine (reuters.com)
(ウクライナ全土に、ロシアが秘密のエージェントのウェブを張り巡らせていた様子)
というページで公開されていますが、
長い
日本語版が見当たらない
という2つの理由から、日本語読者の多くには
せっかくのスペシャル レポートの内容詳細が伝わらないと
思います。


聞こえてこない ・・・
私の20分クロッキー

(なお、こうした「言語障壁」のために
日本国内の反原発団体などに充分な情報が伝わっていない
問題を、従来から経験しております。
反原発団体などの皆様は、こうした言語障壁の
克服にも努めるべきでしょう。)

そこで、このスペシャル レポートの内容を、私が少しづつ
抜粋・日本語化して 「やかんをのせたら~~」 で紹介していく
ことにしました。
いつもどおり、< > 内は私からの補足説明です。

今回は、冒頭部だけです。

*****************
記者: MARI SAITO(キーフ)、MARIA TSVETKOVA(パリ)
2022年7月28日
2022年2月24日
ロシアからの侵略部隊の先頭装甲車両がチョルノービ中心部に到達したとき、
この悪名高き原発の防衛に当たるウクライナの部隊と直面した。

それから2時間
戦闘はなかった
ウクライナ国家親衛隊の169名からなる部隊は、武器を置いたのだ。
ロシア軍は、チョルノービを掌中に収めた。そこには何トンもの
核物質があり、またキーフに進軍するうえでの重要な集結地点でもある。
・・・・(中略)・・・・

ロイター スペシャル レポート
ウクライナ全土に、ロシアが秘密のエージェントのウェブを
張り巡らせていた様子

この、世界史上最悪の核発電災害の現場であるチョルノービの
陥落は、今回の5か月になる戦争での異常な事態として目立っている。
その他の地域での戦闘では、ロシア軍部隊が残忍非道に進軍、
その電撃作戦をウクライナ軍がしぶとく食い止めているのだが。

今回のロイターによる調査の結果、チョルノービでのロシア軍の
楽勝は決して偶然の産物ではないことが判明した。ウクライナ
国内に秘密のエージェントを深く潜入させておくという、
ロシア政府の長期的作戦が成功したのだった。

ロシア政府の今回の戦争への準備のことを良く知る5名の人物に
よれば、ヴラディミール プーティン大統領の側近にいる戦争計画
立案者たちは、こうした秘密のエージェントたちの協力により、
大した戦力を必要とせずにロシアは数日でウクライナのヴォロディミル
ゼレンスキー政権を解体、国外逃亡ないしは捕虜にできると考えて
いたようだ。

Another 20-min croquis -- tried to treat the model and surrounding space as a unity / 20分クロッキー。モデルさんと周囲の空間とを、一体として扱おうという試行
やってみると、予想より遥かにややこしかった ・・・
私の20分クロッキー

<今回の調査では> ロシアならびにウクライナの高官数十名を
インタビューするとともに、チョルノービで勤務していた人々の
行動に関する調査に関連したウクライナの法廷文書や調査官に
対する供述内容を調べた。その結果ロイターは、このロシアによる
秘密エージェントの潜入が、それまで一般に認められていたよりも
はるかに深いものであったことを突き止めた。インタビューした
高官たちとしては、ロシア軍による侵略計画についての
ブリーフィングを受けていた在ロシアの役人、またスパイの追跡を
任務とするウクライナの調査官の両方を含んでいる。
******************

次回以降、レポートの内容を少しづつ紹介してまいります!

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付録 w-2) に加筆 ~~ 「原発の夏バテ」報道

日本経済新聞の会員限定記事のリードより ・・・ 2022年7月31日

「火力発電や原発の ”夏バテ”」 について、日本経済新聞が
記事を掲載したようです。
リードを読む限り、熱力学第2法則から考えて、「あったりまえじゃ
ねーか!」 と呆れました。
関連する 付録 w-2) の終わりに、追記として記しておきました。
上の黒いメニューの下の方で、付録 w-2) をクリック!

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だったら、初めから原発の占拠とかするなよ!

下の7月21日に紹介したWashington Examiner の記事との関連で、
ありました、ありました、ウクライナ軍によるザポリージャ
原発への攻撃に関して、ロシアのお偉いさまから 「トンデモ非難」
がありました!

News.am (News Armenia) というアルメニアの通信社の英語版ウェブサイト
Russia MFA: Ukraine is deliberately leading to man-made disaster by its attacks on Zaporizhzhia NPP (news.am)
にある報道です。
2022年7月27日付

いつもどおり、私の日本語化で。< > 内は、私からの補足説明。

******************
ロシアの外務省で広報担当副部長を務めるIvan Nechayev は、
ウクライナが <ロシア軍が占拠している> ザポリージャ原発に
攻撃を仕掛けたのは、人為的な大規模災害をウクライナが
意図的に引き起こそうとしているからだ、と述べた。<ロシア国営の>
RIA Novosti 通信社の報道による。

Nechayevによれば、「ウクライナ軍は病的な執拗さをもって
ザポリージャにあるヨーロッパ最大の原発への砲撃を続けており、
その安全性も考えておらず、IAEA総会の決議や決定も無視している。
核施設目掛けての砲撃実施ということに関して、キーフのウクライナ
政府は、誰も気にしていないようだ。ウクライナ側が意図的に
技術災害を引き起こそうとしていることは、明らかだ」
******************

\” (;; ^ O^) ‘’’/ ははははは!! だったら、初めからロシア軍は
原発を占領して自軍の兵器庫にしたりするなよ!!

皆様も、ロシア側が上記のようなデタラメ主張をしてくるんだろうなあ、
って予想をしてらしたと思います。
予想通りの妄言ですよね。

では、ザポリージャ原発関連の報道を追いかけるのと並行して、例の
「核抑止理論の10の欠陥」も1つずつ紹介していきますね。

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10の欠陥、その2 何百万人死ねばいいの??

10の欠陥、その2
欠陥2  何百万人死ねばいいの??

Ten Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theory (wagingpeace.org)
(核抑止理論に見られる10の欠陥)
David Krieger | 2011年2月7日)
に戻って、2つ目の 「欠陥」 を。
いつもどおり、私による日本語化、< > 内は私からの補足説明です。

******************
欠陥2  <核抑止が成立するには> 大量殺りくを実行しようという
殺意が前提とされる。核抑止を実現しようとすると、敵国からの
核攻撃を抑止するには、何万人の声明を脅かせば抑止に充分なのか、
という政策議論が発生する。ある敵国を抑止するには、100万人の
生命を脅かせば良いのか?敵国
Bなら、その人数は異なるのか?
そもそも、何万人を殺す能力があれば、抑止に充分なのか?
100万人なのか?1,000万人か? 1億人か?それとも、それ以上か?
そしてこの虐殺人数を多めに見誤ってしまう傾向が絶えず存在
するので、そのためさらに強大な殺戮システムを構築しようという
動きが出てしまう。さらにそのため軍拡競争が続き、決して使用
されることがあってはいけない兵器システムのために巨大な
リソースが割り当てられる結果となる。指導者たちは自国民に、
大量殺戮という脅威があること、抑止のための大量殺戮という
脅威を実現するためのリソース支出によって国民の安全が守られる
こと、さらに科学的リソースや財政的リソースを他の用途に
割り当てるよりも賢明であることを、説得せねばならなくなる。
その結果、リソースがおかしな用途に割り当てられるだけではなく、
国際問題に協力して取り組む努力が削がれてしまう。
*******************

人類はその科学力を、協力しての問題解決よりも 「大量虐殺の
脅し合い」 に費やしてしまってきている ・・・・ 言い古された悲劇
ですが、なんともイヤになりますよね。
巨大な軍事費の一部でも貧困対策に投じれば、この世界には餓死者は
いなくなる、との試算もありますし。

では、次回は第3の欠陥を。
ただし、ザポリージャやJCPOAなどの関連で何か起きたら、
それも取り上げますね。

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ザポリージャ原発、続報

Ukraine connects nuclear power unit to electric grid (yahoo.com)

ウクライナ、原発の発電ユニットを送電グリッドに接続

2022年7月25日

ザポリージャ原発の状況に関する最新報道の紹介を続けますね。
Yahoo! newsより。
いつも通り、私の日本語化です。
*************
—- (前略) —–

現時点で、ウクライナで稼働している原発としては、ロシア軍
部隊が占拠しているザポリージャ原発の3基、リヴネ原発の3基、
ピヴデノウクラニンスカ原発 (以前の南ウクライナ原発、
4月に改名)の2基、そしてフメリニツキー原発の2基がある。

IAEAのラファエル マリアーノ グロッシ事務総長によれば、
「ザポリージャ原発とその周辺での出来事について」 の最新の
報告からは、事態は警戒度をさらに高めつつあることが分かる
ようだ。

ウクライナやその周辺の住民の健康にとって脅威となるような事態を
防止するため、最大限の注意を同事務総長は求めている。

—- (中略) —–

IAEAが注目している問題として、占拠されている原発のウクライナ
スタッフが直面している状況はさらに悪化しているとの報告が最近
あった。それも、マス メディアとIAEAが受け取った公式報告の両方だ。

さらに以前の報告によれば、ウクライナはその3番目の原発の燃料を、
ロシア製からアメリカ製に切り替えている。りヴネ原発の3号機炉心には、
アメリカのWestinghouse社の燃料集合体が入っている。

**************

日本では 「天然ガス価格が高騰 ⇒ 原発再稼働を急げ」 といった
飛躍した主張がまかり通っていますが、ウラニウム燃料も
輸入資源です。日本国内にウラニウム鉱山はございません。

ウクライナの原発で核燃料をWestinghouse製に変えたのは、
政治や戦争状況がエネルギー資源の入手にも影響する典型的な
実例ですね。

ウクライナの既存原発の原子炉はすべて、ソヴィエト時代に
開発されたVVERですが、一種の加圧水型原子炉ですので、
Westinghouseの核燃料で大丈夫なのでしょう。

では、またザポリージャ原発関係の報道が入ったら、紹介しますね。

 

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ザポリージャ原発の最新状況 ・・ 英国のタブロイド紙の記事ですが

Daily Express (ロンドンに本拠を置く英語タブロイド、
保守党の一部との関係が疑われたりする新聞で、保守系)の記事より

Ukraine: Putin army risks ‘Chernobyl-scale disaster’ placing EXPLOSIVES in nuclear plant | World | News | Express.co.uk

ザポリージャ原発の最新状況が気になりますよね。
日本語では詳細な報道が聞こえてこないので、タブロイド紙では
ありますが、英語圏のメディア報道も紹介しておきましょう。
ロンドンのDaily Expressから。まあ、タブロイド紙の報道だという
ことはお忘れなく。
いつも通り、私の日本語化で。< > 内は、私からの補足説明です。

*******************
プーティンの軍隊、原発に爆薬を保管し 「チョルノービ規模の大災害」 の
リスクを現実化

ヴラディミール プーティンの軍隊はザポリージャ原発を制圧、
そのエンジン室に実弾薬を格納しており、チョルノービ原発災害に
匹敵するほどの規模の災害が発生するリスクを現実化させてしまって
いると、ウクライナ高官たちが述べた。

Imbalance ---- 私の昔の作品

Imbalance —-
私の昔の作品

ALEKS PHILLIPS 記者

2022年7月22日

<ザポリージャ原発が爆発するような事態になれば> ロシア支配下に
あるウクライナ領土で原発が爆発するのは2回目となってしまう。
しかもそうなった場合、今度はヨーロッパ最大の原発だ。今回の
ヴラディミール プーティンによる恐るべき侵略が始まってすぐに、
この原発は制圧された。そしてロシア軍が同原発に対し直接に砲火を
放ったと、広く批判が向けられている。

今では占拠部隊は6基ある原子炉のうち1基に 「軍用重機器や弾薬、
武器、火薬類」 のユニットを 「少なくても」 14ユニット格納しており、
壊滅的なメルトダウンが発生するリスクを高めてしまったと、
ウクライナの国営核エネルギー企業エネルゴアトムは発表している。

同社によれば、こうした武器類は発電タービンの稼働を継続させる
ための設備の 「すぐそばに」 格納されている。発電タービンとは、
原子炉からの熱を利用して発電を行う蒸気タービンのことである。

エネルゴアトムの警告によれば、これらの兵器類はメイン オイル
タンクの 「すぐそばに」配置されており、このタンクには蒸気
タービンを冷却するための可燃性オイルが入っている。

「それ以外にも、発電機の冷却に使う爆発性の水素もある」

ロシア部隊がこうした爆発物を配置した地帯には、特殊用途化した
消防車が 「近寄れない」。そのため、火災が発生すれば沈下不能に
陥るリスクが高い。こうした配置が無知によるものなのか、生命
そのものを軽んじているためなのかは、わからない。

エネルゴアトム社は深刻に憂慮しており、こうした兵器類の配置の
ため、「火災が発生した場合には、消火活動には大いに問題が伴う」
としている。

手に負えなくなる ・・・ 私の20分クロッキーより

手に負えなくなる ・・・
私の20分クロッキーより

本日木曜日 <7月21日> 発表の声明では、同社はさらに 「たとえば
弾薬が偶発的に爆発してしまい、火災が発生した場合には、その規模は
チョルノービ原発事故での火災と同程度のものになりかねない」 と
述べている。

つい昨日 (水曜日) ロシア軍はザポリージャ原発のウクライナ国籍の
作業員たちに対し、エンジンルームを開放して武装ユニット3個が兵器を
格納できるようにせよと 「要求した」。このため、爆発発生のリスクが
さらに高まり、複数の原子炉が被害を受ける危険性もある、という不安が
高まった。

ウクライナでの前回の原発事故、つまりチョルノービ事故の傷跡を、
今でもウクライナは負っている。同事故では大気中に放射性物質が漏出し、
数えきれないほどの早期死亡が発生した。今ではチョルノービ原発は、
1,000平方マイル <約2,590平方㎢> にものぼる立入禁止地域の中に
座している。

2016年には従来の放射性物質封じ込め建築物の上に新たな封じ込め用
構築物を建設、その費用は15億ユーロ (12億8千万ポンド) ほどにのぼった。

ロシア軍部隊は、この2月に今回の孫略を始めて最初の日にザポリージャ
原発を制圧、ウクライナ北部での攻撃の失敗を受けて <いったんは>
撤退した。

ザポリージャを占拠して以来、ロシア軍部隊は連日のように原発安全
規則に違反してきたと、非難を浴びている。
*************************

原発問題を論じるとき、軍事的側面を無視してエネルギーと環境問題だけに
矮小化してしまうことが、いかに危険か。それが今、ウクライナで現実化して
いるわけですね。
従来、日本の反原発団体の多くは軍事的側面をあまり取り上げて
こなかったですよね。
軍事的側面をむしろ中心に据え、反核運動の一環として原発にも反対していく
・・・ そんな運動が、日本にはないのでしょうか?

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