g-12) Nuclear latency
2025年11月
このページ、タイトルがNuclear latencyと英語のままですが、
既にここに問題が表れております。
proliferation risksについても、直訳は「核兵器拡散リスク」
なのですが、核発電を隠れ蓑にしたそれは「核発電を隠れ蓑に
した核兵器拡散」とでも説明ぽく記載するしかなく、
「やかんをのせたら~~」でも そうしてまいりました。
つまり、proliferation risksに該当する「スタンダードな
日本語」が、2025年11月現在、まだ固まっていない と
いうことですね。
nuclear latencyについても、インターネットを探しても
「スタンダードな日本語」が見当たりません。まあ、
「潜在的核保有」が使われているようですが、文脈次第で
「いざとなれば核兵器製造ができる能力」などと説明ぽい
日本語が必要になります。
で、下で紹介する英語版Wikipedia英語版の記事に明記され
ているように、日本国は「核兵器スレッショルド国」の
筆頭に挙げられています。やはり、この国では伝統的に
「反核兵器」と「反原発」とが分離してきたことの現れ
でもあると思えてなりません。
言語を変えて「外部から」日本を見てみれば、この国は
立派に「潜在的核保有国」と見られているのです。この
困った「分離」をのさばらせている余裕はありません、
「世界から尊敬される日本」にしたいのであれば。
「核発電は平和利用だ」というマヤカシを破るために、
英語版WikipediaのNuclear latencyというページを私が
日本語化して紹介しますね。このページは英語を含め
6言語で存在しているのですが(2025年11月4日JST現在)、
日本語では存在しておりません。この事実からも、
日本社会ではまだ「平和利用というマヤカシ」が無視できない
ほど残存してしまっていることがお分かりでしょう。
元の英語ページをお読みになりたい方は、次をぜひどうぞ:
Nuclear latency – Wikipedia
以下の日本語化では、nuclear latencyやnuclear thresholdは、
英語のままにします。
< > 内は、私からの補足説明です。
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Nuclear latency <潜在的核保有> ないしは nuclear
threshold state <核兵器保有への指揮以上にある状態/
国家> とは、ある国家がまだ実際には核兵器を開発しては
いないものの、短期間で核兵器を作れるだけの技術や
専門知識、インフラストラクチャーなどをすべて保有して
いる状態のことをいう
Nuclear hedging <核ヘッジ/核兵器を
作れる体制を作っておくこと>
Nuclear latencyは、純粋な平和利用という意図であったの
にも関わらず実現できてしまう場合もある。だが、将来に
核兵器競争があっても競い合えるようにという意図から
nuclear latency を達成する場合もある。後者をnuclear
hedgingと呼んでいる。国家がnuclear hedgingに取り組んで
いても、NPTの規定に直接違反するわけではない。だが
周辺諸国、特に対立関係にある周辺諸国をも同様のhedging
に招き入れる結果となるリスクが存在する。こうして、
将来の核武力を確保しようとする「実質的な」核軍拡競争の
種子がまかれてしまうのだ。こうした状態が成立すると、
短期間で現実の核軍拡競争に発展してしまう危険があり、
その地域の緊張は急激に高まり、潜在的な核の応酬という
リスクが増大してしまう。
核 <発電> 開発プログラムが真に平和目的
なのか否かの判定
<2015年にイランと関係諸国との間でいったん締結された>
JCPOA <包括的共同作業計画> の成立を受けて作成された
文書において、Nuclear Threat Initiative <というワシントン
DCに本拠を置くNPO。大量破壊兵器の廃絶を目指しています。
NTI> でカウンセラーを務める John Carlsonは、ある国の
核プログラムが平和目的だけのものなのか、それともnuclear
hedgingを考えているのかを見極めるための基準を、いくつか
要約している。
- その国に現在ある原子炉を維持するために必要と思われる
量を大きく上回る核物質を製造している。これには、
U濃縮とPu再処理の両方を含む。 - 保管している核物質で核兵器に使用できるものの量が、
研究用原子炉や発電用など民生用原子炉に使用する予定だ
と合理的に推定できる量を超えている。 - IAEAの基準を順守していない、あるいは同期間に非協力的
である。あるいは、そのセイフガードを深刻に無視している。 - 民生用というよりも核兵器用とみられる施設やインフラ
ストラクチャーを建設している。たとえば、Puを大量に
製造する原子炉など。 - 基本的に核兵器製造用の技術を製作している。たとえば、
インプロ―ジョン<密閉容器内の爆発で、中央に圧力を
集中させること。Pu型核爆弾によく使います> タイプの
核爆弾の製造に必要となる爆薬レンズなど。 - 核弾頭を<標的へと> 運ぶためのシステムの製造や開発。
たとえば、長距離弾道ミサイルなど。 - 民生用のはずのエネルギープログラムなのだが、その国の
軍部と深く関わっている。これは、その軍部が核物質を
手に入れたがっていることの表れだ。 - ブラックマーケットを利用して、核物質や再処理・濃縮の
ための技術、核兵器製造に必要な技術、核弾頭を運ぶ手段
<ミサイルなど>を入手している。あるいはそうした運ぶ
ためのシステムをブラック マーケットから直接購入して
いる。<核のブラック マーケットについては、上の肥大化
した黒いメニューでページ g-9) g-7) b-11) f-8) などを参照> - 周辺の数か国とのし烈な紛争が歴史上あった位置に
存在する国である。周辺の敵国からの攻撃を抑止する
ための手段としての核兵器を欲する原因となりえる。
え?私って、そんなにオカシイ?
私の20分クロッキー
Nuclear-threshold states (核の敷居に
ある諸国)
日本は “paranuclear” <核兵器保有の一歩手前> の国である
と見なされており、短期間で核兵器を開発できる技術すべてを
有している。「ねじを一本回すだけで」核爆弾を作れるとさえ
言われる場合さえある。自分が決断さえ下せば核兵器を作れる
だけの核物質も技術力も持っているからだ。
イランもnuclear threshold国の1つとみなされており、核兵器を
実際に手に入れるまで「ホップ・ステップ・ジャンプ」くらいの
距離だとされている。高度な核プログラムを進めており、
核分裂性物質を併記に使用するとした場合、数日でそうした
核物質を製造できる。その他のnuclear threshold 国家の例と
しては、カナダ、ドイツ、オランダ、ブラジルがある。
南アフリカは以前、自国製の核兵器開発に成功していた。
だが1989年にその核爆弾を解体した。台湾と韓国はともに
「不確かな」nuclear threshold国とされてきている。つまり、
核兵器を開発しうる技術力のある国なのだ。韓国は朝鮮戦争
<1950―1953に休戦、今もまだ終結はしていない> の休戦
以来核エネルギー技術に関わっており、核兵器プログラムを
進めていたのだが、1970年代半ばにNPTに加盟、その時点で
このプログラムを終わらせた。ただし、密かに核兵器研究を
1980年代後半まで続けていた。1977年のMitre Corporation
<アメリカのシステム企業で、政府や軍部との関連も強い>
の報告の公表以降、国家安全保障という意図から核兵器保有
という選択肢を真剣に検討していたのだ。アメリカの諜報
機関は、台湾もすでに核実験に適したデバイスを設計済み
であるとみている。
技術的にnuclear-latentである諸国の数は確実に増大している。
核エネルギーとそのための技術とが普及しているためだ。
だが、実際にthresholdにまで到達している国の数は限られて
いる。Nuclear latencyとは、そう見なされている国の中に
何らかの特定意図があるか否かとは、無関係である。
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日本の場合、上述の3に関しては実に「優等生」でして、
IAEAのセイフガードなどはよく順守しているそうです。
しかし:
1については、合計で数十トンのPuを保有していると
されています。
2については、六ヶ所村に再処理工場を持ってしまって
います。
4については、再処理工場以外に「もんじゅ」というFBRを
建設、何兆円かの資金を溶かしたもののあまり発電はできず、
諦めましたよね。それでも日本政府は次のFBRを進めようと
しています。
6についても、日本はロケット技術を有しています。
今特に問題なのは9でして、核保有3国が周辺にあるため、
対抗して核抑止を実現するため、日本も核武装すべきだ
という主張が、以前から日本政府内部にもありますよね。
当然、paranuclearだと世界からは見られるわけです。
本当に日本を愛するのなら、核兵器と核発電の廃絶の
リーダー諸国の1つに日本がいる ・・・ そんな国を
目指すべきかと。



