d-18) (発電原理) U濃縮って?(きわめて基礎的内容)
2026年3月
* 本ページの内容は、すでに上の黒いメニューにある
d-4) d-13) f-12)
などなどと重複します。ご了承願います。
3月14日現在、私も含め多くの人たちが恐れていた
イラン vs イスラエル+USという戦争が進行中です。
メディアではホルムズ海峡の実質的封鎖のもたらす
経済的影響に関する論調が喧しいですが、そもそも
今回の戦争に至る主要要因の1つとしては、イランによる
核開発がありますよね。これは、「やかんをのせたら~~」
で以前からたびたび取り上げてきた事実です。
ホルムズ海峡が封鎖された場合の世界への経済的打撃に
ついても、幾度か言及してきました。
戦争の影響として発生する打撃が気になるのは当然ですが、
戦争に至る原因となった要因についても目を向けて
おりませんと ・・・ 今回はたまたまイランでしたが、
核発電を隠れ蓑にした核兵器開発が将来、別の国で
行われれば、また戦争になる危険性がございます。
その意味で、
・ 問題とされてきたイランの60%濃縮U ~
この濃度だと、何がそんなに危険なのか
・ そもそもU濃縮とは、何か?何を・どうやって
濃縮し、何に使うのか?(核分裂しやすい同位体と
しにくい同位体、はたまた核分裂とは?)
などを理解しておくことは大切です。
当然、「やかんをのせたら~~」ではそうした解説を
以前から幾度も行ってきました。
ですが、いかんせん、現時点で知人たちと話していると、
理解していない人が多いのに困惑するのですね。
そこで、U濃縮について基本をまとめるページを作る
ことにしたのです。
きわめて基本的内容ですよ。「こんなこと、とっくに
知ってらあ!」とおっしゃる方は、本ページを
無視なさってくださいな。
U濃縮とは?
一言でいえば、精製したU(厳密には、酸化U)の中の
U-235の濃度を高めることです。
天然のU鉱石の中にあるUは、大まかに言って
Uの同位体U-238 — 約99.3%
Uの同位体U-235 — 約0.7%
という比率で構成されています。
同位体とは?
「化学的」には同じ元素なのだけど、中性子の個数が違う
ので重さが少し異なる物質のことです。
分かりやすくするために水素(H)という元素の同位体を
3つ挙げておくと:
核分裂とは?
核兵器でも核発電(原発)の燃料でも、Uの原子核に
中性子をぶつけて(照射)、原子核を分裂させます。
その際、各種放射線や原子核内部からの中性子(最初に
ぶつけたもの以外の中性子)、そして大量の熱が出ます。
この熱を利用するのが、核兵器と核発電ですね。
核兵器: 核分裂を大量に、瞬時に発生させる ⇒ 核爆発
核発電: 核分裂を少しずつ引き起こす ⇒ 発生した熱で
水を蒸気に(現在多数派の軽水炉の場合)⇒ 水蒸気で
蒸気タービンを回す ⇒ 発電
Uの同位体と核分裂
Uの同位体として、天然鉱石の中にあるのは主に238と235
だと上で申しました。
この2つ、核分裂のしやすさがずいぶん違うのですね:
ですから、核兵器にせよ核発電にせよ、天然のU鉱石にある
同位体比率のままだと、使えません。
そこで、「濃縮」する
つまり、U-238を分離させ、U-235ばかりを集めるわけです。
今のところ、濃縮の手法としては遠心分離機を主に
使っています。
235と238では重さが少し異なるので、それを利用して
遠心分離するのですね。
しかし、わずかな質量の差なので、1回や2回の遠心分離
では、意味をなしません。
U濃縮工場では数百台、大きな工場では1,000台以上の
遠心分離機を連続接続して(カスケード)、稼働させて
います。(ものすごい電力が必要!もしその電力の出所が
火力発電所なら、それだけのCO2が発生)
で、濃縮の度合い
235が何%あるかによって、その濃縮Uの用途が
変わります。
次のチャートをご覧くださいな:
つまり、イランが保有を認めている460kgの60%濃縮Uは
核兵器に使うものとしか思えず、大問題です。(上の黒い
メニューの左上にある「ホーム」をクリック → 3月6日
2026の「60%濃縮Uはどうなっている?」を参照)
以上で、ご理解いただけましたでしょうか?
さらに、歴史的背景
イランは2000年代から ・・・
既に2002年8月、イランに秘密のU濃縮工場があることが
発覚しました。
Iran Watchのウェブサイトに詳細が
おまけに、2005年から2013年までイランの大統領を務めたMahmoud Ahmadinejad氏は在任中にイスラエルや
サウディ アラビア、英国、アメリカに対する嫌悪をあらわに
し、ホロコーストは事実無根の神話だと主張したりして
いました。詳しくは、英語版WikipediaのMahmoud Ahmadinejadというページを参照。
当然、イスラエルとしてはイランの核施設を破壊しよう
という動きに出ますよね。
それが2025年6月の12日間戦争という結果に表れ、さらに
現在の戦争に至っているわけですね。
↑ こういうと、私がイスラエル側を支持しているかのように
聞こえますが~~
実は、まったくそうじゃありません!
アメリカは、核弾頭数で世界第2位の核兵器保有国です。
イスラエルも、おそらく遅くとも1980年代以降、核兵器を
保有してます。(上の黒いメニューにあるページ
c-3) c-4) f-12) を参照)
これら核兵器保有国2つが、これから核兵器を保有しようと
している(とみられる)国に対して、核開発を理由に攻撃を
しているわけですね。
「そんな理由で攻撃を始めるんだったら、自分たちも
核兵器を捨てろよ!」と言いたくもなります。
こうした愚行と危険な狂乱を世界からなくすには、結局の
ところ核兵器を廃絶するしかないでしょう。そして核兵器を
廃絶するなら、その隠れ蓑にされてきた核発電も
廃絶するしか。
ついでながら、ホルムズ海峡が封鎖されると大変なことに
なるという警告は、私が覚えている限り、遅くとも1980年代
前半には何度も目にしていました。それから40年以上 ・・・
日本政府は確かに石油備蓄は増やしましたが、中東依存からの
脱却はほとんど進展できていませんよね。
結局のところ、本当に国を愛するとか国防とかいうので
あれば、エネルギーや食糧は極力自国内で調達できるように
しませんと。つまりは、再生可能エネルギー各種を
もっと有効に使用できるような技術開発に努めませんと。
U鉱石は日本国内では現在、算出しておりません。つまり、
100%輸入依存です。U価格が安定している間は
「原発は安い」などというプロパガンダも通用するので
しょうけど、U価格が高騰したら ・・・
詳しくは、付録 w-22) 参照。








