英国セラフィールドは悲惨とカネと絶望 の底なし沼

英国セラフィールドは悲惨とカネと絶望
の底なし沼

The Guardianの”Nuclear Leaks”
(核関連のすっぱ抜き)
Sellafield: ‘bottomless pit of hell, money and despair’ at Europe’s most toxic nuclear site | Energy industry | The Guardian

Beyond Nuclear Bulletinの2023年
12月14日号で紹介されている、The
Guardianによる英国セラフィールド
(ウィンズケール)核施設に関する
記事です。

まず、Bulletinの記事を日本語化して
紹介します。
その後で、The Guardianの記事を
抜粋・日本語化して紹介しますね。

ふたつとも紹介しますよ

いつもどおり、私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

Beyond Nuclear Bulletinの2023年
12月14日号より:
*******************************
Plutonium time bomb
A shocking expose on Sellafield
(プルトニウムという時限爆弾
セラフィールド核施設に関する驚愕の
事実が露呈)

英国の日刊紙The Guardian では1年
にわたり同国にあるセラフィールド
再処理施設・各廃棄物処分場の調査を
実施してきているが、その結果、驚愕
の事実が露呈した。その1つとして、
地球上で最大のプルトニウムを保管
しているこの再処理施設に、ロシアと
中国に強く結びついているサイバー
グループがハッキングを行ったのだ。
ただし英国政府はそれを否定して
いる。さらにこの施設は等級化が激しく
危険であり、そこでの職場体質が有害で
「ヨーロッパでも最も有害な核施設の
安全性を脅かしかねない恐れがある」
セラフィールドではいじめや嫌がらせ
が行われており、それが知られるに
至ったのは、以前にセラフィールドの
人材関連の職務を下請けで行っていた
Alison McDermottの勇気ある内部告発
によるものだ。McDermottはインタ
ビューで、セラフィールドを相手取った
訴訟を行ったところ筆舌に尽くしがたい
いじめを受けたと語っている。
*************************************

「目をつむれ!」って ・・・

われ思うに、柏崎刈羽原発のテロ対策の
ずさんさの報道などを思い返すと、
TEPCOもセラフィールドのことを笑え
ませんよね。
どの企業も核関連組織も、いじめや
嫌がらせといった大人のやることじゃ
ない悪事に費やす時間や労力があるの
なら、しっかりとテロ対策や安全性
向上に努めてほしいものです。

では続けて、The Guardianの
すっぱ抜きを:
*************************************

Sellafield: ‘bottomless pit of hell, money
and despair’ at Europe’s most toxic
nuclear site
(セラフィールド: ヨーロッパで
もっとも有害な核施設は、悲惨とカネと
絶望の底なし沼)

核のナルニア <C. S. Lewisの
「ナルニア国物語」の部隊。映画にも
なりましたよね> として知られるこの
セラフィールド核施設は、<イング
ランド北部の西海岸にある>
カンブリア地方の財源となっている。
だが長年、国際的に安全面での懸念対象
でもあり続けているのだ。

– セラフィールド核施設、ロシアならび
に中国と関係する集団からのハッキング
を受ける

Anna Isaac記者、Alex Lawson記者

<写真キャプション ― セラフィールド
が核ゴミの受け入れを始めたのは1959
年のことだった、とあります>

2023年12月4日

放射性物質の漏出なら、ウィンズケールでは過去に実際に発生しています

ヨーロッパで最も有害な核施設である
セラフィールド。そこを初めて訪れた
閣僚たちはまごうことなく、この施設
の抱える課題を認識する。

英国の外務大臣を以前に務めた人物は
セラフィールドを「悲惨とカネと絶望
の底なし沼」と呼んだ。この施設が
あまりにも巨額のカネを吸い込むため、
他の多数のプロジェクトを衰退に追い
込んでしまった。そうした各種
プログラムが成功していれば、この地の
経済は潤っていたはずなのだが。

従業員たちにとっては、セラフィールド
は憧れの場であるとともに、恐怖の対象
でもある。

「セラフィールドで仕事に就くという
のは、別世界に入り込むようなものだ。
なにしろ、それは核のナルニア国みたい
なものだから」 と、ある上級従業員は
述べている。「ただ、<Lewisの
ナルニア国物語のように> 収納家具
からナルニアに入り込むのではなく、
銃を持った警官たちがパトロールして
いる中でチェックポイントを通って
入るのだが」 他の従業員たちは、
セラフィールドのことを核のディズニー
ランドと呼んでいる。

<写真キャプション― 冷戦時代の
核兵器競争の産物で、1947年に核兵器
開発のプルトニウム製造施設として
出来たものだ、とあります。世界初の
商用規模の原発だったコルダー ホール
原発も1956年にこの地に出来、2003年
に発電を終えた。>

発電しない実用原子炉カルダーホールの概略図、再掲

セラフィールド <旧名はウィンズ
ケール、上の黒いメニューで
ページd-1) を参照> は、災害と賛否
両論の渦巻く施設でもあった。災害の
実例として、1957年にはウィンズ
ケール火災が発生。その当時、この
火災はヨーロッパ史上最大の核災害と
認められていた。そこからの有害な
煙はヨーロッパ大陸全土にも広がって
しまった。200平方マイル <およそ
520平方km> に及ぶカンブリアの
牧場で乳牛からとった牛乳は、
放射性牛乳として排斥された。

セラフィールドが放射性ゴミの処分場と
してその種のごみの受け入れを開始した
のは、1959年のことだ。それ以来
今までに、核燃料棒からスクラップに
なった金属に至るまで、何千トンという
ゴミを受け入れてきた。そうしたゴミは
コンクリート製のサイロや人工の池、
密封された建物に収められている。
老朽化している建物の安全性を保ち、
さらに有害なゴミを入れる新たな施設を
建設するため、新しい作業プログラムの
実施が絶えず必要だ。そうした施設は、
少なくとも2030年までは操業を続ける
見込みだ。

例によって、すごいカネを ・・・

 

施設を運営しクリーニングするための
費用も、うなぎ上りだ。セラフィールド
の維持にはあまりにも多額の経費が必要
で、予算担当の役人たちはそれを財政上
のリスクの1つと見なしている。英国中
の核施設のクリーニングに要する費用は
最新の推定によれば2,630億ポンド
<およそ47兆3,400億円> で、
その中でもセラフィールドが圧倒的に
大きなシェアを占めている。ただし
その経理処理に手を加えることで
1,000億ポンド以上を他の項目に移す
ことも可能だ。これは、英国の年間の
総債務よりも巨額である。また
セラフィールドの諸施設を廃止処理
するための費用も膨らみ続ける債務
であり、しかもこの債務は英国の
純負債には算入されてはいない。

セラフィールドを所有しているのは、
エネルギー安全保障省 (Department for
Energy Security) が資金出資している
特殊法人の原子力廃止措置機関
(Nuclear Decommissioning Authority)
とNet Zeroで、後者は全英に17か所
ある核施設のクリーニングを請け負って
いる。

セラフィールドに勤務している従業員は
11,000人にのぼり、専用の鉄道路線も
有している。専用の洗濯サービスもあり
放射性物質で汚れた衣類と、そうでない
衣類とを扱っている。またこの施設専用
の警察部隊まであって、警察犬が80頭
以上もいる。施設の建物は、1,000棟を
超えている。

放射性 子猫

 

セラフィールドから環境への悪影響が、
かなり昔から問題にされてきている。
当地のツバメなどの動物を検査して
みると、セラフィールドからの放射性
物質の痕跡が発見された。また施設に
暮らす野良猫たちは「放射性小猫」が
実際にどこまで有害なのか、現地周辺
では論争が絶えない。セラフィールド
施設の主張では、野良猫の放射性物質を
検査したうえで安全なものを保護して
いるそうだ。

この施設で何が行われているのか、
それを諸国が賢明に凝視しており、
そうした国々としてはアメリカ、
ノルウェー、アイルランドも含まれる。
これは、セラフィールドには世界最大
量のプルトニウムが保管されており、
しかもイタリアやスウェーデンなどの
諸国からの核ゴミも受け入れている
ためだ。

ノルウェーの人たちはかなり昔から、
セラフィールドでの事故が及ぼす
被害を気に病んでいる。モデル作成の
結果を見ると、セラフィールド方面
からは南西からの風が吹いていること
が多く、そのためこの施設で大規模
事故が発生した場合には、放射性粒子
が北海を超えて飛来し、ノルウェーの
野生生物や食料生産にまで壊滅的な
被害を及ぼす恐れがあるのだ。

ノルウェーとアイルランドも、
セラフィールドから海中への
テクネティウム – 99 という放射性
金属元素の放出を止める努力に加担
していた。2003年、ノルウェーは
ロブスター関連事業を崩壊させたと
して、国としてセラフィールドを
非難した。

情報筋によるとセラフィールドでの
雇用は、ゴールド チケットのような
扱いを受けることが多い。これは、
この施設で職に就くと契約期間が長い
うえに賃金も平均以上であるためだ。
この地域には、他には大規模の
雇用主が極めて少ない。

英国の「核海岸」の地図
右上の車線部がカンブリア。
カンブリアを拡大したものが、左下の地図

セラフィールドがあるのは、<イング
ランド北西部の> ウェスト カンブリア
に位置する「核海岸」の中心部である。
湖沼地帯 <Lake District、風景に
恵まれた山岳地帯です> 国立公園と
アイリッシュ海との間だ。核海岸の
南端にあるバロー イン ファーネス
(Barrow-in-Furness)では、
BAE Systems社が潜水艦を製造して
いる。セラフィールド近くの土地では
原発の新設計画が長年練られていたの
だが、2018年にそのムーアサイド
(Moorside) 原発計画はお流れに
なった。日本の東芝グループが撤退を
決めたのだ。<東芝の子会社
ウェスティンハウス社の英国子会社
だったNuGeneration社がAP1000と
いう軽水炉 (上の黒いメニューに
ある al-1) 参照) の原発を建てる計画
だったのですが、2017年に
ウェスティンハウスが倒産したことで、
東芝は撤退に至りました。2020年、
EDF社とロールズ ロイス社とがEPR
で (上の黒いメニューにある al-4)
参照) 建設計画を再開しようと名乗り
出たそうです>

セラフィールド施設は、この地域に
とっては重大な財源である。情報筋に
よれば、誰もがセラフィールドに勤務
しているか、勤務者が知り合いにいる
ような親密なコミュニティができて
いるそうだ。

住宅 ・・・ これじゃ、再建は不可能

 

セラフィールドに努める高給取りの
マネジャーたちの多くは、施設の南方
にある田園地帯や自然豊かな村落に
暮らしており、その例として
ゴスフォース (Gosforth) という村
がある。<英国最大の不動産ウェブ
サイトである> Rightmoveによると、
そこでは平均的な住宅の価格は
311,000ポンド <およそ5,500万円>
である。ある情報筋によると施設の
北方にあるウォーキントン
(Workington) 町や ホワイト
ヘイヴン(Whitehaven)町にはこの
施設の平社員たちなどが住み、それ
ぞれ平均的な住宅の価格は133,000
ポンドと155,000ポンドだ。

セラフィールドの前施設長マーティン
チョウン(Martin Chown)は、年収が
330,000ポンドから334,999ポンド
だった。新卒初任給は36,556ポンド、
マネジャーたちは平均で50,000
ポンド、工場のエンジニアたちは平均
的に63,000ポンドだと、Indeedと
いう求人ウェブサイトには出ている。
2022年のイングランド北西部での
平均年収は、国家統計局(Office for
National Statistics)によると30,248
ポンドだった。
********************************

すごいコスト ~~

最後の部分、日本に住む人なら当然の
ように六ケ所村のことを想起します
よね。再処理工場には、ここまで費用
がかさむ ・・・ ま、地域にそれだけ
カネを落とさないと、こんな危ない
施設を作らせちゃもらえません
ものねえ。
こういうバラマキから、現実には
やり取りされているはずの「闇のカネ」
まで計算に入れたら、原発の電気って
とてつもなく高価なもので ・・・

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World Nuclear Industry Status Report 2023
(世界の核エネルギー産業の現状報告書 2023)
から抜粋・日本語化して紹介しています。

「やかんをのせたら~~」のフォーカス
であるproliferationに関するページ、
pp. 385 – 388のSecurity and Proliferation
という箇所の紹介です。

上の黒いメニュー(項目は基本的に
アルファベット順)で、add-5) を クリック!

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西側がRosatomから核燃料など購入しているので~~

FOX Business
New report shows Russia raking in revenue from state nuclear company (msn.com)

New report shows Russia raking in
revenue from state nuclear company
(ロシア [政府・軍]、ロシアの国営
核企業から資金を調達と、新たな報道)

泥沼化しつつあるウクライナ戦争ですが
西側諸国もロシアに公式には経済制裁
を加えながらも、核燃料はロシアの
Rosatomから輸入を続けていたりして
います。

裏で結びつく ・・・

そのため、アメリカは自国内での
HALEU燃料製造に務めようとしてます
よね。(右の「アーカイブ」で2023年
12月をクリック ⇒ 「プライス・
アンダーソン法の再承認・ ~~」を
お読みくださいな)
で、そのRosatomの収益がロシアの
ウクライナ侵略への軍資金になっている
という報道です。結局、「平和利用」
などという言葉がどうであれ、現実には
核発電と軍事が不可分であるという
事実の、新たな一例ですね

では、いつもどおり
私の抜粋・日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。

******************************
New report shows Russia raking in
revenue from state nuclear company

Chris Massaro記者
2023年12月9日(JST)

Foundation for the Defense of
Democracies (FDD) <「民主主義防衛
財団」とでも日本語化すれば良いので
しょうが、日本語名称は現時点で
見当たりません。ワシントンDCに本部
を置く、アメリカの非営利団体です>
が発表した新しい報告書を見ると、
ロシアの国営核エネルギー企業
Rosatomが今もなおロシア政府にとって
の主な収入源の1つである様子が
浮かび出る。ロシアのヴラディミール
プーティン大統領がウクライナへの
侵略を続けるうえで、資金面での力と
なっているのだ。

カネを喰らうやつが、とんでもないヤツで~

Radioactive: Executives from Russia’s
Rosatom Corporation May Qualify for
U.S. Sanctions <放射線のように
有害なロシアのRosatom社のエグゼク
ティブは、アメリカによる制裁対象と
すべき可能性> というタイトルのこの
報告書によれば、ロシアのウクライナ
侵略を受けてアメリカとEUは対ロシア
制裁を強化したが、その反面で両者とも
Rosatomから核製品やサービスを17億
ドル購入した模様だ。さらにRosatom
はロシア軍に各種の重要なコンポー
ネント類を提供するなどしており、
それらは戦場でウクライナの兵士や
非戦闘員を殺害するために使用されて
いる。

バイデン政権はこれまで、Rosatomへ
の制裁には難色を示してきた。これは
核エネルギー市場を攪乱してしまう
のでは、という不安からだ。アメリカ
とそのヨーロッパの同盟諸国は、自分
たちの必要とする核エネルギーを入手
するうえで、部分的にRosatomに
頼っており、Rosatomが原子炉から
ウラニウム燃料サイクルに至るまで
重要な核技術を供給している。Energy
Information Agency <エネルギー
情報庁> によると、2022年には
アメリカが購入した採鉱・加工済み
ウラニウムのうち12%、濃縮ウラニウム
の24%がロシアから購入したもので
あった。 .

アメリカがプーティンの資金源を断ち
たいのであれば、バイデン政権は
Rosatomに目を向けるべきだ。

だれか、とめてくれ!

「バイデン政権は、ロシアの収入減を
減らすよう努めなければ。それには、
ロシア政府にとって大きな収入源である
核エネルギーも含まれる。アメリカ政府
はまずRosatomの経営陣に制裁を科し
ウクライナ侵略の対価をロシアは払わ
ねばならず、それは戦争の終結後も続く
ぞ、という合図を明確にすべきだ」
Fox News Digitalにそう語るのは、
<冒頭で言及した> FDDで核不拡散
とバイオ防衛のプログラムを担当する
シニア ディレクター Anthony
Ruggieroだ。ここで取りあげている
報告書の共著者でもある。

そのFDD の報告書は、大統領命令の
14024によりアメリカはRosatomを
制裁対象とすべきだと断言する。
これは「ロシア連邦政府による有害な
対外活動との関連での、資産凍結」と
いうもので、2021年4月にバイデン
大統領が署名したものだ。

アメリカ国務省のあるスポークス
パーソンが Fox Businessに述べた
ところでは、「将来の制裁対象に
ついては検討も議論も行わない」と
いうことだが、「国務省は既に
Rosatomの関係者数名に制裁を
科しており、これは大統領命令
14024によるものだ」とも語って
おり、そうした制裁をFox
Businessに紹介した。

バイデン政権も、目を向けつつある。
この報告書によれば、この2月に
アメリカはロシアの核エネルギー
関係ならびにRosatom関連の個人と
法人とを制裁対象に指定している。
だが専門家たちが力説するところ
では、アメリカはさらに歩を進め、
Rosatomの監督者たちと経営陣との
14名全員を制裁対象にすべきだ。
これに対し英国は同社の経営陣全員
を制裁対象としており、各個人に
Rosatomとのつながりがあること
を明示している。

「喰われたカネ」は、どこかに流れていく

FDDで核不拡散とバイオ防衛の
プログラムを担当するディレクター
代行のAndrea Strickerは、今回の
報告書の共著者でもある。その
StrickerがFox News Digital に語った
ところでは、「今回の <ウクライナ
での> 戦争は長引いており、そこ
からもロシア政府への収入減を西側
が適切に枯渇させていないこと、
そのためクレムリンを停戦に追い
込めずにいることが浮かび上がる」

Strickerはさらに「Rosatomから核商品
を買い続けることで、バイデン政権と
そのヨーロッパの同盟諸国は、一方で
ウクライナが早期に決定的な勝利を
得られるよう支援しながら、もう一方で
そうした努力を無駄にする行動をして
しまっている」とも述べている。

Rosatamの取締役会を構成しているのは
現職あるいは前職の政府安全保障部門の
高官で、プーティンの側近たちだ。
2016年からRosatomの理事長を務めて
いるAlexey Likhachevは以前にはロシア
外相でもあり、アメリカはまだ彼には
制裁を科していない。Likhachevは
Rosatomの顔として表に出ており、
今回のFDD の報告書によると
Likhachevは世界を頻繁に旅して各国
政府に、地政学的な現実やウクライナ
でのロシア軍による残虐行為を忘れ、
ロシア政府との取引を維持・発展
させよと要請している。

ほとんど恐喝じゃないの!
私の昔の10分クロッキーに彩色したもの

Rosatomはまた、ウクライナ南東部に
あるヨーロッパ最大の原発である
ザポリージャ原発の稼働を監督して
いる。今回の戦争の初期段階で同原発
において戦闘が行われたが、そのため
多数の人たちが核の破局的事態の
発生を恐れた。

Rosatom は今もロシア政府に利益を
もたらしており、また今回の戦争が
始まってから2回目の冬が近づくに
つれウクライナでは非戦闘員の
死亡者数も増大を続けている。
少なくても10,000 名の非戦闘員が
死亡、負傷者は18,500名を超えると
国連は発表している。

このFDD報告書によれば、ウクライナ
での惨状を理由にロシアとプーティン
の責任をアメリカが本気で問いたいので
あれば、Rosatomを制裁対象とする
ことでロシアにも世界にも「本気だ」と
いう合図を送ることができる。
ウクライナでの戦争犯罪は容認される
ものではない、という合図である。

「バイデン政権は、対ロシア制裁の
抜け穴を塞ぎ、ウクライナを支援すると
ともにRosatomからの収入をロシア
政府から奪うべきである。さらにそれに
より、ロシアがウクライナの原発を占拠
しておりその安全やセキュリティを
脅かしているのは深刻な結果を招くと
いうメッセージをはっきりと伝えること
になる」とこの報告書には記されて
いる。

・・・以下略
********************************

ずっと先まで見ていないと~~
私の点描練習

核産業がいったんできてしまうと、
簡単には取り壊せなくなります。
今回のような侵略者への資金拠出元
という事態になっても。
私たち反核勢力は、そんな核産業の
廃絶後の問題も考えていないと
いけませんよね。
廃炉作業による収益や雇用、
核発電業界から再生可能エネルギー
業界への転職、
などなど。

こうした面も考えると、反核運動は
腰を据えて長年続けていかないと
いけませんよね。

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World Nuclear Industry Status Report 2023の抜粋紹介を作成中

World Nuclear Industry Status Report
2023の抜粋紹介の固定ページを作成中です。

アップロードできるまで、しばしお待ちくださいな。

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Beyond Nuclear Bulletinより、核発電業界の現状

Beyond Nuclear Bulletin
2023年12月7日号より、2件

今回はBeyond Nuclear Bulletinの
2023年12月7日号より、記事2つを
紹介しますね。2つを合わせて読めば、
核発電業界の現時点でのトレンドが
浮かび上がってきますよ。

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

COP28の報道だけ見てると「また原発の時代か」
と思ったけど、他と見比べてみると~

まず、1つめはCOP28会議でアメリカの
代表が「原発の発電量を3倍に増やそう」
と呼びかけている件に関する記事です。

**********************************
Nuclear Nonsense
Fantasy plans announced at
COP28
(核のナンセンス
COP28で夢物語を発表)

<アメリカのCOP28での> 気候問題
代表であるJohn Kerryの指示のもと、
ドゥバイで開催されたCOP28気候問題
サミットで、アメリカを含む22か国が
「2050年までに原子力発電容量を3倍
に増やす宣言」を発表した。 (後に
Kerryは、気候変動対策として核融合
エネルギー利用を実現するという、
さらにひどい夢物語を発表している)
従来の大型原子炉でさえ、ここまでの
急拡大に近い増大を実現したためしは
ない。工期の延長、キャンセル、コスト
超過といった諸問題に付きまとわれて
きているのだ。<そこで原発推進勢力は>
小型モジュール式原子炉 <SMR> や
先端型原子炉各種を提唱し、それらなら
この大規模な目標を実現できるとしている
のだが、そうした原子炉は今もまだ紙の上
の問題の多い設計段階に過ぎない。
アメリカでSMR開発の先頭を走っていた
NuScale社は、先月同社のビジネスが破綻
<右の「アーカイブ」で2023年11月を
クリック ⇒ 11月19日付の
「Reuters報: あるSMRプロジェクト
の終焉」も参照>、
SMRならできるという約束ははかなくも
露と消えた。各発電よりもはるかに現実的
な選択肢として、今回のCOPでは
118か国が世界での再生可能エネルギーの
発電容量を2030年までに3倍に増やす
という宣言を発している。

カネがかかり過ぎる電源は・・・

******************************************

上記の下に Read More ボタンがあるの
ですが、それをクリックすると
At COP28, Countries Launch Declaration to Triple Nuclear Energy Capacity by 2050, Recognizing the Key Role of Nuclear Energy in Reaching Net Zero | Department of Energy
というEnergy.govのページに飛びます。
これはBeyond Nuclearさんのサイトでは
ないので、無断で翻訳できません。
ですから、上のリンク先をご自分で
お読みくださいな。

では、今回紹介する2つ目の記事に
進みますね。

Nukes decline despite hype
World Nuclear Industry Status Report 2023
World Nuclear Industry Status Report 2023 – Beyond Nuclear

結局は斜陽産業の悪あがき??

**************************************
2023年12月 6日

Nuclear industry continues in
decline despite hype of a
“renaissance”
(「原発ルネッサンス」騒ぎに
関わらず、核エネルギー業界の衰退
は続く)

「真実と核発電産業とは、仲が良かった
ことがほとんどない。実際、この産業の
ヴァイタル サイン(生命兆候)に
ついては、正確な情報を見つけるのが
容易ではない場合が、たびたびあった。
だからこそ、World Nuclear Industry
Status Report (WNISR)
 <「世界の
原子力産業の現状報告書」とでも
言えばよいのか。日本語にはなって
いません> が、商用核発電産業の現状
を知りたい全ての人々にとっての
必読書となる」 そう記しているのは、
ベテランの核エネルギー ジャーナリスト
Stephanie Cookeだ。 2023年12月6日
公表の WNISR 2023年版の前書きに、
またベルギーのブリュッセルからの
多様な内容の報告にもそう記している。

ご自分でお読みいただくしか~~

World Nuclear Industry Status Report
(WNISR)
 は
World Nuclear Industry Status Report 2023 (worldnuclearreport.org)
にあります。私が勝手に大量に翻訳する
わけにいかないので、リンク先の英語
原文で必要なページをお読み
くださいな。549ページもあるので、
必要な個所を読めばよいでしょう>

このstatus reportの見出しとしては、
“Nuclear Production Sees Biggest
Slump in a Decade
” <核発電量、
ここ10年間で最大の落ち込み> と
いったものもあり、そこには次の記載が
ある:「2023年半ばの時点で、全世界で
稼働中の原子炉は407基、合計発電能力
は365 GWで、前年より4基減り、
今まで最大であった2002年の438と
比べれば31基の減少だ 」 世界を
見渡すと、新たな原子炉の稼働開始より
も恒久的な閉鎖の件数のほうが
多かった。ここアメリカでは「商用発
電量のなかで核発電が占める比率は
18.2%にまで低下した。ここ25年間で
最低のレベルだ。<ジョージア州に
ある> ヴォートル (Vogtle) 原発
ではこの10年間かけて原子炉2基を
建設してきたのだが、その1つ
(3号機)が2023年4月にグリッド
への送電を開始した。この2基に
かかったコストは350億米ドルを
超えている」 フランスを見ると、
「核発電量は1990年のレベルよりも
下にまで低下した」  英国では
「稼働しているのは、9基だけだ。
ヒンクリー ポイントC原発
(Hinkley Point C) で2基が建設中
だが、そのコスト推定は2023年2月
時点で440億米ドル(2021年基準)
に達しており、グリッド送電開始の
予定も2027年6月まで延期されて
いる」

あれもある、これもある~~

その他の重要な話題としては、
「福島の現状」、「核発電の経済と
財務」、「小型モジュール原子炉
(SMR)」、「廃炉」、「再生可能
エネルギー、各発電よりも何桁も先行」
といったものがある。

WNISR 2023は549ページある無料の
概要レポートで、オンラインで入手
でき、核発電に関する考察や統計、
最新のトレンドなどを述べている。
国連のIAEAも尊重し採択している。
もっとも、それは ”しぶしぶ” の
採択ではあるが。

++++++++++++++++++++++++++++++

必要な個所を

まあ、549ページの報告書をすべて
読むのは時間がかかりすぎるので、
目次を見てご自分の関心がある項目を
お読みになればよいでしょう。

「英語の報告書なんて、読めない~~」
と仰る方々のため、「やかんをのせ
たら~~」ではそのフォーカスである
proliferationに関するページ、
pp. 385 – 388のSecurity and
Proliferationという箇所を部分的に
抜粋・日本語化して紹介する予定です。

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プライス・アンダーソン法 の再承認・拡大法案、国防承認法案から除外

Beyond Nuclear Bulletin
2023年11月30日号より
Price-Anderson reauthorization and expansion dropped from US defense authorization bill – Beyond Nuclear

Price-Anderson reauthorization
and expansion dropped from
US defense authorization bill
(アメリカのプライス・アンダーソン法
の再承認・拡大法案、国防承認法案
から除外される)

プライス・アンダーソン法というのは
1957年にアメリカで成立した連邦法律
で、今までにも幾度か改定されて
きました。要は、原発災害はその規模
や損害があまりにも巨大で、保険各社
もカバーしきれません。そこで、原発
運営企業などが負担する賠償額に、
法律で上限を求めようという主旨の
法律ですね。

どこの国であろうと、さも似たり ・・・

アメリカ議会での出来事ですし、
「日本に関係ないや」と思われやすい
のですが、日本の原子力損害賠償
基本法などのモデルになったのが、
このPrice-Andersonです。
要するに「保険会社もカバーできない
ほど巨大な損害を招くものなら、
初めからやるな!!」

それが正論ですよね。それでも国が
主導して核発電を推進してきた、
その真の目的とは ?? 「やかんを
のせたら~~」の読者の皆様なら、
もうご存じ。

では、Beyond Nuclear Bulletinの
2023年11月30日号より、そのPrice-
Anderson法のアメリカ議会での再承認
に関する記事を。
**************************

2023年11月30日

プライス・アンダーソン法の再承認と
拡張を行い、核エネルギー産業を深刻な
事故の補償責任から守ろうという動きが
アメリカ下院で進んでいるのだが、
国防承認法の内容からは除外された。
<国防承認法ととりあえず日本語化し
ましたが、日本語での定着した名称は
まだ見当たりません。1961年に最初の
バージョンが成立し、国防相の予算を
議会が審査し適切ならば承認を行う
ことを定めた法律です。国防予算と
核施設の災害の賠償上限設定とが法的
に結びつきかねなかった、という事実
にご注意。核エネルギーと軍事は、
宿命的に結びつこうとしてしまうもの
ですね>  
懸念される問題がいくつもあり、
それらに関する公聴会が、まだ問題と
されている。

「目には目を」じゃなくて、「目にはまつ毛を」かよ・・・
私がかなり昔、あるウェブサイト用に描いたイラストより

Price-Anderson Act (PAA、プライス・
アンダーソン法) は20年に一度再承認
を行うことになっているが、その真偽が
下院で進行中だ。深刻な核エネルギー
関連事故が発生した場合に、
核エネルギー産業を全額賠償責任から
保護するという主旨で、<今回再承認
されれば> 2045年まで効力を有する。
福島第一の大事故の現実を見るなら、
たった1つの事故でもあらゆる世代の
人々に人心損害をもたらし、大量の
放射性物質を悲惨させて長期に及ぶ
財産への損害をもたらす。その被害
総額は数十兆円に達しうるが、今回の
Price-Anderson法はその巨額の賠償
にも適用されうる。だが、議会では
民主・共和両党の協力した勢力が、
国防承認法 (National Defense
Authorization Act、NDAA)の最終案
にPAAの再承認を組み入れようと
務めていたのだが、この努力が断念
されたことは明らかだ。また破局的な
事故での有限賠償責任の適用範囲は
今回拡張され、未承認の新型設計による
原子炉の場合にも稼働事業者を全額賠償
から保護するようになる。さらに
こうした未承認の新型原子炉の場合には
敷地外部の放射性物質対策となる
緊急対策地帯が必要とされなくなって
しまう。

あれも欲しい、それも欲しい ・・・

この20年間にわたり核災害に伴う賠償
責任の制限の適用対象を設定しなおし
拡張しようという連邦政府の動きだが、
当初はAccelerating Deployment of
Versatile, Advanced Nuclear for Clean
Energy (ADVANCE) Act of 2023
<クリーン エネルギー推進のための
多目的・先端型核エネルギー導入の
加速化のための2023年法律、
ADVANCEという略称> に組み込まれ
ていた。このADVANCE法はその後、
多数の「成立しないと困る」規定と
合わせてNDAAに組み込まれた。
そうした規定は、アメリカ上院で承認
され下院へと送られた上院通過
バージョンでは承認されていた。
ADVANCE法とは民主・共和の両党が
承認した核の福袋、あるいはほしい
ものリストのようなもので、その意図
とは「アメリカの民生用核エネルギー
でのリーダーシップを強化し、先端型
核技術の認可をサポートし、国内の
核エネルギー燃料サイクルとサプライ
チェーンを強化し、核エネルギー関連
の法律を向上させ、その他の目的を
果たす」ことにある。

E&E Daily <というアメリカの
エネルギーと環境問題に関する報道
機関の日報> の2023年11月29日号
の報道によると、上院環境・公共事業
委員会の高位メンバーでありこの法案の
もともとの提出者の一人でもあった
Shelley Moore Capito上院議員 (共和党
ウェスト バージニア州選出) によれば、
ADVANCE 法案には議会のエネルギー・
商業委員会の議員たちから手続き上の
反対があった。国防の承認に関する法案
に民生用の核エネルギーに関する規定を
取り入れるのは不適切だ、という反対だ。
そんな取り入れを認めるには、徹底した
公聴会プロセスを踏んだうえで、委員会
での全面的な折衝を行う必要がある。
E&E Daily はquoted Sen. Capito上院
議員の発言を引用しており、「最後まで
やってみないと分からないが、最終法案
には <民生関連の規定は> 含まれて
いない」とある。

それはダメよ

さらにE&E Dailyの報道によれば、
プライス・アンダーソン法の再承認に
対して壁となった手続き上のハードルが
国防承認法案の中に組み込まれている
追加的な民生用核発電関連の法案の成立
にも待ったをかける可能性がある。その
一部として「核燃料安全保障法」
(Nuclear Fuel Security Act)もあり、
これは低濃縮ウラニウム (U-235の
濃度が3%から5%)と特に新たな
原子炉燃料である高濃度低濃縮
ウラニウム (High Assay Low Enriched
Uranium、U-235の濃度が5% – 19.9%,
HALEUという略称)とのアメリカ国内
製造を増大しようという法案だ。現時点
では、HALEUは商業的にはロシアから
の輸入によらねば入手できない。

アメリカのエネルギー省の2023年1月
の発表によれば、第170e項にある
プライス・アンダーソン法は現時点では
「アメリカ国内でのどのような核事故に
ついても、事故1件の法的な賠償金額の
合計を100億ドルまでと制限している。
この金額には5年ごとにインフレ調整を
行う」  Adjustment of Indemnification
Amount for Inflation <賠償金額の
インフレ調整> 83 Fed Reg. 49,374と
いう連邦の規定 (2018年10月1日)
では、法定の公的な賠償上限が137億
ドルに定められ、これが現在の上限と
なっている。アメリカ国外で発生する
ある種の「核事故」については、
賠償上限は5億ドルとなっている。
*********************************

大火事やらかしといて、得たものはカップラーメンのお湯だけ!?

日本にも同様の「賠償金額の法定の
上限」があります。
つまり、そもそも核発電というものは
「数えきれないほどの一般市民に損害を
もたらしておいて、その賠償となると
”大きすぎて払えないよ~~”と法的
上限を設けてもらう」という、あまり
にも非常識な過保護を施さないと、
やっていけない代物なのですね。
そして、国家がそこまでして核発電を
進めたがるのは、結局は軍事・国防が
絡むからです。

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固定ページ b-9) は、インドの核開発史

固定ページ b-9) をアップロードしました。
インドの核開発の歴史を、短く要約しています。
フランスもそうでしたが、当初は
「平和利用のみ!」と関係者が固く
断言していたものが、結局は
核兵器になっていった歴史の実例ですね。

上の黒いメニューでは、項目は
基本的にアルファベット順です。
b-9) を見つけてクリック!

次回アップロードする固定ページでは、
インドと対立して核兵器を持つパキスタンを
取り上げる計画です。

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ザポリージャ原発で爆発があったら、 どうなるのか? ー METROより

英国の日刊紙METROのウェブサイト
より
Map reveals what would happen if Zaporizhzhia nuclear plant explodes | World News | Metro News

Map reveals what would happen if the
Zaporizhzhia nuclear power plant
explodes?
(ザポリージャ原発で爆発があったら、
どうなるのか?地図がそれを示す)
* 元記事には地図があります。
上のリンク先でご覧ください。

そのうちドッカーン ・・・ しちゃ、困ります!

「原発で爆発」というと、すぐに
「わ! 核爆発!?」と反応して
しまう方々がいまだにいらっしゃる
ようですが ・・・ 「やかんをのせ
たら~」でたびたび申してきました
ように (たとえば、ページ p-3) の
中ほど)、原子炉で使うウラニウムは
U-235 の比率が3-5%程度なので、
90%以上ある原爆用ウラニウムの
ような爆発はしません。
福島第一の大災害の直後でも、巷には
「核爆発だ!」と叫んでいる人たちが
一部にいて、正直なところ私も呆れて
いました。
実際に起きたのは、メルトダウンです
よね。で、メルトダウンが発生したの
で、水素爆発などが起きたと。水素
爆発と核爆発は、全く別物です。
ただし、水素爆発であっても原子炉内
や使用済み核燃料冷却プールなどに
ある放射性物質が飛び散ることは、
あります。(軽水炉の炉内はかなりの
高圧です)

では、現時点で大問題のザポリージャ
原発っで爆発が発生したら??
その恐ろしい結果について、英国の
METROが報じています。

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
で、紹介します。

終わらない にらみ合い・・・

***********************************
Gergana Krasteva記者、
Ben Ashton記者
2023年11月17日

ロシア軍が占拠中のザポリージャ原発
の安全性は、今週 <11月12日から
18日> 幾度かの「緊急事態」が発生
したため、「脅かされて」いる。

現在の戦争の初期段階でロシア軍が
このザポリージャ原発を占拠したが、
それまで同原発を運営していた
ウクライナの核エネルギー企業
<Energoatomのこと> が警告を
発している。<原発の稼働に関する>
要求されている規定に、なんとごく近日
11月14日にも「無能な」作業員たちが
違反したという警告だ。

Energoatomのペトロ コーティン社長に
よれば「ロシアの行っていることは、
まったく要求水準に達していない」

「侵略ロシア軍はその行為により、
またもやザポリージャ原発の稼働の
安全性を脅かし、設備を絶えず劣化
させ、障害の発生という危険を増大
させている」

「そしてそのため、いつ何時、緊急
事態が発生するか分からない」

ザポリージャ原発で大規模の核事故が
発生するならば、中央ヨーロッパの
数か国は深刻なリスクに直面することに
なりうる。

ヨーロッパ大陸が核事故が発生した場合
にどのような影響をこうむるか、ある
モデリング マップが示している。その
マップを見れば、セシウム137が放出
されたらどこまで届き、どのような
濃度で散乱するかも分かる。それに伴い
大規模の健康上の被害が発生する。

危険すぎる技術は、いずれ・・・

 

ザポリージャ原発で、今まで
何が起きてきたのか?

ウクライナ南部にあるザポリージャ
原発はヨーロッパ大陸では最大の原発
であり、全世界でもトップ10に入る。

同原発はエネルホダルという町にある
のだが、ロシア軍が2022年早期に
侵入、同原発の職員を人質に取り、
原発を占拠した。それ以来、ロシア軍
が同原発を制圧している。

それ以来、<同原発の本来の稼働企業
である> Energoatom社によれば、
ロシアの人員、特に化学ワーク
ショップのシフト監督者が「特殊な
水浄化フィルターが飽和してしまって
いたのに管理できずにいる」

同社によれば、「一次冷却系の冷却水
にはホウ酸を混ぜてあるのだが、それが
発電用タービン ホールの空気分離機に
侵入を始め、さらにそこから蒸気
発生器全体へと入り込んでいったのだ」

「さらにザポリージャ原発の現時点
での ”マネジャーたち” が無茶な決定
を下し、同原発を ”ホット シャット
ダウン” 状態 <この下の11月23日
の記事を参照> に変更することにした
のだ。そのため原発では放射性の液体
廃棄物が増大、職員にも公衆にも自然
環境にも危害が及ぶ危険性が生じて
いる」と、同社は発表している。

今年の7月、国連の核エネルギー監視
機関 <IAEA> の査察官たちが確認した
ところでは、堂宇原発には地雷が設置
されていた。ヴォロディミール
ゼレンスキーはそれ以前から、ロシア軍
が同原発に爆発物を設置していると
ロシアを非難していた。

汚染 ・・・・

Paul Dorfmanは核エネルギー安全性の
専門家で、英国とフランスの政府に対し
顧問を務めてきた。同博士によると、
ザポリージャから放射性物質の噴出が
あった場合、ウクライナだけでなく
ロシアの一部もヨーロッパ中央部も
汚染されるリスクを負う。

「今までのところ、ラッキーで
<そんな事故を免れていた。>
今までのところは、ザポリージャ原発
からは大がかりな放射性物質の漏出は
ない。だが、幸運に頼るのは、賢明な
策ではない」と、同博士はMetro.co.uk
に述べている。

「何か問題が発生すれば、あとは
放射性物質の流れがどちらに向かうか、
それがどのような事態なのか次第で
<諸国の命運が決まる>
そうなれば、経済的にも巨大な損害が
生じ、多数の人命も失われる」

今回の戦争が始まって以来、
ザポリージャ原発は熾烈な戦闘の最中に
あり、ロシアとウクライナは非難合戦も
繰り広げている。

この闘争によるスタッフ配置レベルの
「不適切さ」もあいまって、既に
1986年のチョルノービ原発事故で辛酸
をなめたウクライナが、「またもや
核事故に苦しむリスクが大幅に増大
した」

総体として、国連もDorfman博士の
ような科学者も、ザポリージャ原発の
「恐れおののくべき状況」に「肝を
冷やし」続けている。

いつ崩れ落ちるのか ・・・

この6月には警察官たちや救命士たちは
放射線事故対応の訓練を実施しており、
緊急事態に対応する備えをしていた。

同原発の最後まで稼働していた原子炉が
「コールド シャットダウン」と
呼ばれる状態に移行したのは2022年の
ことで、それに先立ち背部からの電源
供給の復旧がなされた。それにより、
安全にシャットダウンすることが可能
になったのだ。

Dorfman博士はパリを本拠とする
専門家であるが、「ザポリージャの
原子炉の多くは今ではコールド
シャットダウン状態にあるが、
ウクライナでは冷却システムを維持する
ための外部電源の供給が不安定だ」と
述べている。

「正常な状態では、炉心をパイプが
取り囲んでいて、冷却を保つ」

「その冷却ができなくなると、メルト
ダウンとなる。まさしく、日本の
福島第一原発で起きた事故だ」

飛び交う放射線
このまま増殖を続けると、解決不能になる恐れも

「稼働中の原子炉には冷却が必要だが
<外部から供給される> 電力が
途絶えると、冷却ができなくなって
しまう。こんなことは決して起きて
ほしくはないが、原発に攻撃がなされる
と、実に悪夢としか呼びようのない
シナリオが展開される」

「現時点では、まだそのリスクは極めて
小さい。だが、極めて危険な状況である
ことに変わりはない。原発が軍事攻撃に
さらされるというような事態は、
前代未聞だ」

「本格的な軍事攻撃に耐えられるような
原発など、世界に存在していないことが
その主な原因だ」

Dorfman博士は、ザポリージャ原発の
状況がまだ解消されてはいない点を
強調するとともに、「sod’s lawという
経験則がある。何か問題が起きうる
可能性があるなら、いずれそれは現実
に発生してしまうだろう」とも述べて
いる。

この博士の指摘によれば、防御が
<原子炉本体よりも> ずっと脆弱な
使用済み核燃料の冷却保管プールは、
オリンピック プールと同程度の
サイズで「池」と呼ばれたりしている
が、これも重大なリスクを伴っている。

「そうした”池”への電源供給がなく
なった場合には、冷却水が蒸発し重大な
核事故が発生してしまう。高レベル放射
性廃棄物が爆発してしまうのだ」と、
博士は専門家として語っている。

最新のモデル作成を見ると、放射性噴出
の大半はウクライナとロシアの国境地帯
とに降下する。

ヨーロッパ中央部とトルコも含めた
中東の北端部分も放射性物質を浴びる
リスクがある。

生きるか死ぬか、それは風次第
そんなことが、あってよいのでしょうか?

 

「すべてが、風と拡散の様子しだいだ。
さらに、風は向きを変えることがある」
と、Dorfman博士は述べている。

「だから、放射性物質の種類や事故の
あり方、そして風向き次第で変わる。
それは間違いない。それ次第で、
重大な事態になりえる」

そうした「破局に発展しうる事態」が
始まらないうちに、同博士はウクライナ
やロシア、ヨーロッパ中央部、中東北部
に安定ヨウ化カリウム <放射性ヨウ素
の悪影響を防止するための薬剤です>
を配布しておくことが「重要だ」と
呼びかけている。.

このヨウ化カリウムの錠剤は使用される
ことは稀だが、人体特に甲状腺が放射性
ヨウ素を呼吸あるいは飲食で取り込んで
しまった場合に、それを吸収してしまう
のを防ぐ。

ザポリージャ地区の知事である
Oleksandr Starukhがこの8月に
Ukrainian TVで述べたところでは、
同地区の住民にはこの種の緊急錠剤を
配布したそうだ。

Dorfman博士は他の諸国の人々に
対しても、ヨウ化カリウムを用意して
おくよう強く求めている。ただし、
「厳密な指導の下で、ある種の条件下
においてのみ」服用せよと注意して
いる。

指示を守らないと~~

 

同博士は、こう述べている: 「ヨウ化
カリウムは人体に入った放射性汚染物質
の過半数をブロックし、甲状腺がんの
発生確率を優位に下げてくれる。特に
児童や乳幼児に有効で、その様子は
チョルノービ原発災害の時に見た
通りだ」

IAEAは2022年9月にも短期間
ザポリージャを視察したが、同原発に
核安全・セキュリティ保護地帯を
急いで設けるよう要請していた。

世界の指導者たち、また全世界の
核エネルギー業界も、それを
支持していた。
***********************************************

遠方にも、思いをはせましょう
私のパステル スケッチ

「日本から遠いウクライナで核汚染が
あっても、日本には大した影響なんて
・・・」と軽く見ないで下さいね。
ウクライナは穀倉地帯ですから、
そこからの穀物で生存してらっしゃる
方々も、世界には多数いらっしゃい
ます。その穀物が放射性物質で汚染
されて食べられなくなったら?
世界の飢餓にも関わり、下手すると
何万人ものが死につながりかねない
深刻な問題なのですね。

その意味でも、1日も早くロシア軍が
撤退してウクライナに平和が戻ることを
祈っています。

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IAEAの一部査察官の現場入りをイラン が制限

AOLのウェブサイトより
Iran’s barring of inspectors is serious blow to IAEA’s work, Grossi says (aol.com)

Iran’s barring of inspectors is serious
blow to IAEA’s work, Grossi says
(IAEAの一部査察官の現場入りをイラン
が制限したのは査察への深刻な妨害だと
グロッシ)

これは打撃 ・・・

IAEAなどによる査察に協力しない
という実例は、過去にもありました
よね。たとえば、
2009年の北朝鮮(上の黒いメニューに
ある ページ c-5) 参照)
1965年―1969年のイスラエル
ページ c-4) )
などなど。
そうした過去の実例を見れば、現在の
イランが何をもくろんでいるのか、
誰にでも容易に分かりますよね。

なお、イランの核開発の今迄について
は、上の黒いメニューにあるページ
d-4)  f-2)  f-3)  f-4)
でも扱っております。
関連してサウディ アラビアの
「目論み」については、
f-5)
をご覧くださいな。
重大な問題ですから、日本語メディアも
もっと取り上げてほしいのですが ・・・
あまり日本語メディアでは、このイラン
の核開発問題を見かけません。
まあ、そのため私がここで英語の報道を
日本語化紹介しませんとね。

では、いつもどおり
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

「IAEAは出てけ!」は、以前にもありました

********************************************
Francois Murphy記者
2023年11月23日

ウィーン発、Reuters報 – 国連の
核査察機関 <であるIAEAがイランの
ウラニウム濃縮施設に査察団を派遣
しようとしているのだが>、その査察
チームから特に経験豊富で専門技術に
優れたメンバーの一部が査察に入る
ことをイランが拒否している。これは
IAEAの作業に対する「深刻な打撃」
であると、水曜日 <11月22日> に
IAEAのチーフ、ラファエル グロッシ
<Rafael Grossi> が述べた。

この9月にイラン政府がIAEAに
告げたところでは、同政府は
de-designationという処置
<指名から外す、というような
意味> を実施する。その際にIAEA
が発表した内容によれば、確かに
イランにはde-designationを行う
権利はあるのだが、その実施方法が
前例のない、査察作業を阻害しうる
ものであったという。

「これは実に深刻な打撃で、IAEAが
査察を実施する能力を損なってしまう」
と、グロッシは記者会見での場ている。
IAEAがイランで意味のある査察を実施
する能力を、このde-designationが
どこまで損なってしまうのか、という
質問があったのだ。グロッシはイラン
に対し、考え直すよう強く求めている。

ウラニウムの濃縮度と用途、再掲
HEU(High Enriched Uranium)
LEU (Low)、
HALEU (High Assay LEU)

ウラニウム濃縮はイランの
核プログラムの中核にあり、イランの
濃縮プロセスではウラニウムを最高で
60%まで濃縮する。核兵器用の
ウラニウムはほぼ90%だが、60%と
いうのはそれに近づいてしまう。
イラン政府は核兵器を求めてはいない
と否認しているが、今まで他の諸国で
60%前後という濃縮を行った場合、
例外なく核兵器の製造に至っている。

IAEA は、イランが拒否した査察官が
何名なのかは公開しない。外交官たち
の推測によれば、片手または両手で
数えられる程度だという。これは、
イランを担当する査察官の総数が
100名を超えることに比べれば、
その中のわずかな一部に過ぎない。
だが拒否された査察官たちはIAEA
の中でもウラニウム濃縮を専門と
する専門家たちであると、高官たちは
述べている。

ある外交官 <← 単数> によれば、
今回拒否された査察官の人数は8名で
ある。その全員がフランスまたは
ドイツ国籍だそうだ。その結果、
イラン担当の査察チームには濃縮の
専門家は一人しかいないとも語って
いる。(← この「語っている」の
主語は原文では theyなのですが、
「ある外交官」が単数であることと
矛盾しています。まあ、単なる
ウッカリだろうと思います>

ある高位外交官によれば、必要な
ノウハウをわきまえた濃縮関連の
専門家で拒否されていないのは、
おそらく5名に満たないと述べている。

お前、何か隠してるだろ?

 

その高位外交官は拒否された査察官に
ついて、「この種の専門家がいる国々
は、多くない。しかも多くの場合、
そうした専門家のいる諸国はその
専門技術を外国に漏らすことを極度に
嫌がる。しかも拒否された査察官たち
は、当該の施設をよく知る人たちで、
何年も当該施設の査察に当たってきた
査察官だ」とも述べている。

こうした経験がいかに重要化を実証
する実例が、この1月にあった。ある
査察官が、ウラニウム濃縮用遠心
分離機のカスケードという連結集合体
に些細ではあるが重大な変更が加え
られたことを発見したのだ。しかも
イランは、その変更をIAEAに通知
していなかった。この変更の結果、
濃縮レベルが83.7%にまで急上昇した
のだが、これは記録的なレベルだ。

その変更を発見した査察官はロシア
国籍の濃縮の専門家で、今年1月の
その発見より後にイランから拒否
された。それから間もなく、他の
査察官たちも拒否されたと、無数の
外交官たちは述べている。
********************************************

今のやり方じゃ、無理よ!
私の20分クロッキー

まあ、カスケードをいじって
何が起きたのか、想像は容易
ですよね。
そもそも、イランが核開発に向かった
のは、イスラエルが「実はおそらく」
核兵器を保有していることに対応
して、という要因もあるのでしょう。
(上の黒いメニューでページ c-3) 、
c-4) 参照)
そしてイランが核兵器を持つなら、
サウディも ・・・(ページ f-4))

明らかに、proliferationは連鎖・拡散
するわけですね。

そして、その連鎖・拡散を防止する
には、現行のIAEAによる査察体制
だけでは、現実には無理があります
よね。やはり、核兵器の拡散を防ぐ
には、各発電も廃絶しませんと。

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Ukrainska Pravdaより: ザポリージャ原発の5号機で、一次 冷却系から漏れ

ウクライナのUkrainska Pravdaのウェブ
サイトより
Zaporizhzhia Nuclear Power Plant’s power unit 5 leaks from reactor’s primary circuit (msn.com)

Zaporizhzhia nuclear power plant’s power
unit 5 leaks from reactor’s primary circuit
(ザポリージャ原発の5号機で、一次
冷却系から漏れ)

やっぱり、事故?故障?が発生してしまい
ましたね。
そもそも、軍隊が原発を占拠するなんて
暴挙をやらかしちゃ、ダメですよね。
では、記事を詳しく読んでまいり
ましょう。


Divine Blessing??
総主教が核兵器を「祝福」って ・・・
私のオイルパステル作品

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
*******************************************
Echonomichna Pravda(Ukrainska
Pravdaの経済部門)による報道
2023年11月17日

ザポリージャ原発 (ZNPP) の5号機で
事故が発生、一次冷却系から二次冷却系
に <冷却水中の> 試薬が漏れた。
この問題は、まだ解消していない。

ソースEnergoatom 核エネルギー発電
国営企業 (NNEGC)

詳細Energoatomの説明によれば、
<現在同原発を占拠しているロシアから
送り込まれた> ロシア人職員の能力
不足、特に化学作業室のワークシフト
監督者の無能のため、  一次冷却系の
ホウ酸を含んだ冷却水が発電用タービン
ホールの脱気装置に侵入、さらに
そこからすべての蒸気発生装置へと
漏れ出した。特殊な水浄化フィルター
が飽和していたのだが、監督者がその
管理不能に陥った。

雑菌さえ殺せば「クリーン」だっていうのであれば~~
こんな「衛生管理」が、あるものか~~


引用
「ロシア主義者たちのやること
は、まったくの無能だ」と、
Energoatom社のペトロ コーティン
(Petro Kotin)社長は述べた。

今回の試薬漏れを伴う事故は侵略
ロシア軍の行動の結果として発生した
もので、ザポリージャ原発の5号機を
<コールド シャットダウンではなく、
すぐに発電稼働できる状態である>
ホット シャットダウン状態に移行
させたことに関連している。この
移行は、規定に違反していた。

コーティンによると、侵略軍のこの
行為のため蒸気発生器のチューブに
損傷が生じる可能性があり、発電
ユニット5号機の安全な稼働に関する
規則を順守していない。
<ホット シャットダウン状態では、
発電はしていないものの、発電を
開始できるよう蒸気は発生させて
います>

「そうした行為により侵略軍はまたもや
同原発の稼働の安全性を脅かし、設備の
劣化を絶えずもたらし、故障が生じる
危険を増際させている。そのため、
いつ何時緊急事態に陥るのか、分かった
ものではない」とコーティンは強調
している。

急いては、ことを仕損じる ・・・
ホット シャットダウンは、すぐに
発電稼働を再開できる状態です

さらに、3号機でも類似した行動が
行われている。

特に、3号機の修理をやめてホット
シャットダウン状態に移行させようと
<侵略軍は> しており、それは5号機
をコールド シャットダウンにする
ためだ。

Energoatomの記録によれば、ロシア軍
によるザポリージャ原発での規定違反
のため既に緊急事態が幾度か発生して
おり、そのうち最新のものが今年11月
14日にあった。

「さらに同原発の現時点での
”マネジャー” たちは原発を”ホット”
状態に移行しようと決定しており、
そのため同原発現場では液体の放射性
廃棄物が大きく増大している。これに
より、原発職員にとっても、一般市民に
とっても、自然環境にとっても、危害の
及ぶ危険性がある」とEnergoatomは
説明している。

あの事故車、ぜひ買いましょうよ!
本気か??何に使うねん??
自動車でも、事故車を買いたがる人はいないはず。
ましてや原発で、危険な状態・状況のものは ・・・


背景
<ザポリージャ原発を現在の
占拠下で管理稼働している>
Rosatom社(ロシアの核エネルギー
規制国営企業)の職員や占拠している
ロシア軍部隊による11月14日の
規定に反した行動のため、ザポリージャ
原発の一部で外部電源供給が途絶えた。
その結果、緊急用のディーゼル発電機と
安全確保のシステムとを始動し、
90分間作動させる羽目に陥った。

それ以前にも、4号機でも脅威が発生
したことが記録されている。過熱のため
放射性物質を含む冷却材(軽水)が
一次冷却系から二次系に漏れ出した
のだ。これは、放射性汚染の拡散を防ぐ
ための障壁の1つを壊したっことになる。
<ザポリージャで採用されているVVER
という形式の原子炉を含め、加圧水型
原子炉では冷却水システムが一次と
二次に分かれ、その間に熱交換器があり
ます。
原子炉内の熱で一次系の軽水が熱くなる
⇒ 熱交換器でその熱を二次の水に ⇒
冷めた一次の水は炉内に戻り、
熱くなった二次の水が発電用蒸気
タービンへ
というわけです。
そのため、炉内の放射性物質を含んだ
一次水は二次の水と接触せず、炉内の
放射性物質は炉外のタービンにまで
やってこない ⇒ 放射性物質の拡散を
防ぐ
ということになるハズなのです ・・・
事故や異常がなければ!
これが「放射性汚染の拡散を防ぐため
の障壁の1つ」ということは、すぐに
お分かりいただけますよね。で、
「放射性物質を含む冷却材(軽水)が
一次冷却系から二次系に漏れ出した」
ということは、とりもなおさず何か
重大な故障が発生した、ってことです>

VVER-1000の場合での、略式構成図

似たような状況が、6号機のワーム
アップを試行していた時にも発生した。

ウクライナの国家核規制検査局 (State
Nuclear Regulatory Inspectorate) の
ヘッドである Oleh Korikovからの以前
の報告によれば、ロシア軍は
ザポリージャ原発の3号機もホット
シャットダウン状態に移行させようと
しており、これは同検査局の求める
規定に違反している。

Korikovによると、このように
<ロシア軍は> 以前には4号機と
5号基、さらに3号機の状態を変更
しようとしているのだが、これは
いずれも極度に危険である。

Korikovが律樹設していることとして、
「規定によれば、ザポリージャ原発の
6つの発電ユニットはいずれも、例外
なしでコールド シャットダウンに
せねばならない。ウクライナの国定の
核エネルギー規則に違反して、侵略
ロシア軍は発電ユニット4号機と
5号機をホット シャットダウン状態に
変更しようとしたのだ。つまり、
稼働時の状態と同じレベルにワーム
アップしようとした」
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停止していても、「崩壊熱」が

要するに、ホット シャットダウン状態
では、発電こそ行いませんが、いつでも
発電稼働を始められるよう水蒸気を発生
させ稼働時に近い状態を保ちます。
コールド シャットダウンでは、稼働時
よりもずっと温度などが低く、発電稼働
にすぐに移行はできません。
ただし、コールド状態であっても核燃料
から崩壊熱が発生するため冷却を続ける
必要はあり、そのため外部からの電源
供給はマストです。つまり、原発は
停止中でも外部からの電力を消費しない
といけないわけです。原発とはいかに
厄介なものか、お分かりいただける
でしょう。

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