Kyiv Postより、ウクライナへの
ロシア軍空爆の件
原発には外部からの電力供給が必要
それが切れると、最悪メルトダウンも
・・・
なら、現在ロシア軍が進めている
ウクライナの発送電システムへの
攻撃は極めて危険
ウクライナの報道機関Kyiv Postの
ウェブサイトより
https://www.kyivpost.com/post/29904
本「やかんをのせたら~~」では度々
申し上げてきたことですが、原発には
例え停止中であっても外部からの電力
供給が必要です。発電をしていない
場合でも、核燃料がそこにある限りは
崩壊熱を発生するので、それを冷やす
ために外部から電力が必要なのですね。
で、このところロシア軍がウクライナ
の発電施設や送電設備に激しい攻撃を
加えてますよね。当然、原発への外部
電力供給が危ぶまれているわけでして
~~
Major Russian Assault on
Ukraine’s Energy Sector,
Zaporizhzhia Nuclear Plant on
Brink of Blackout
(ウクライナのエネルギー部門を
ロシアが攻撃、
ザポリージャ原発はステーション
ブラックアウト寸前)
ロシア軍がザポリージャ州のドゥニプロ
水力発電所を標的に
ザポリージャ原発は周辺地域全体の
ブラックアウトの危険性の中、
風前の灯
Julia Struck記者
2024年3月22日
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
* なお今回、ウクライナ語の固有名詞
のカタカナ表記は暫定的なもので、
正確ではありません。
***********************
3月22日金曜日早朝、ロシア軍部隊が
ウクライナのエネルギー部門を標的に
大規模の攻撃を実施した。そのため
数か所の町で停電となり、緊急事態が
発動、負傷者の報告もある。
ドゥニプロ水力発電所への攻撃
ザポリージャ市には大がかりな攻撃が
加えられ、この地域の軍管理部(OVA)
のヘッドであるIvan Fedorovによれば
12基のミサイル攻撃があった。
未確認情報によれば7棟の建築物が
破壊され、35名が負傷した。「そう
した人たちは負傷し、現在死者数を
確認中だ」とFedorovは述べている。
避難中のマリウポリの市長への顧問を
務めるPetro Andryushchenkoが明かし
たところによると、今回のロシアに
よる攻撃中に、ドゥニプロ水力発電所
を横断中のトロリーバスに1基の
ミサイルが命中した。その時、その
トロリーバスは満員だった。
ザポリージャ市への爆撃により、
ドゥニプロ水力発電所を横断する道路
は全面的に閉鎖されている。
この緊急事態に対応し、ウクライナ政府
の情報操作対抗センター(Center for
Countering Disinformation)は、ロシア
が今回の大規模なエネルギー部門への
攻撃の後には一連の情報心理作戦
(Information and Psychological
Operations、IPSO)を計画していると
強調した。ダムの破壊やウクライナの
全面的なブラックアウトなどといった
虚偽報告が既に広まっている。
同センターによれば、「そうした情報
はいずれも虚偽だ」
ドゥニプロ ダムでは火災が発生した
との報告があり、緊急対応サービスと
エネルギー関連の作業員たちとが目下
現場で対処に当たっている。
ザポリージャ原発は、ステーション
ブラックアウトの一歩前か
ウクライナのエネルギー大臣Herman
HalushchenkoがFacebookで公表した
ところでは、ロシアは目下、近年の歴史
では最大級の攻撃をウクライナの
エネルギー産業に対して実行している。
同大臣がさらに述べたところでは、
今回の攻撃のためザポリージャ原発
(NPP) の電力供給線が使用不能に
なっている。
<原文では lines supplied by the
Zaporizhzhiaつまりザポリージャ原発
からの電力供給線となっているのです
が、同原発は発電停止中のはずなので、
英語の誤りだろうと判断します。英語圏
以外の報道機関が記した英語テキスト
では、時折こうした英語の誤りがある
ものです>
ヨーロッパ最大の原発である
ザポリージャ原発は今回の侵略初期に
ロシア軍に占拠されたが、今も
ウクライナの電力グリッドからの
送電線からの外部電力を受け取って
いる。
「朝5時10分にウクライナに対する
大掛かりなミサイル攻撃があり、
その間は一時的にロシア軍に占拠されて
いるザポリージャ原発とウクライナ全土
のエネルギー供給システムとを結ぶ外部
高架電線が切断された」と、ウクライナ
の核エネルギー事業者Energoatomは
発表している。
「この状況のため極度なリスクが発生、
緊急事態につながる恐れもある」と、
その発表にはある。
Energoatomはさらに、最後の電力
供給線が失われた場合には、同原発は
「またブラックアウトに陥る危険が
あり、原発の安全稼働のための条件に
ひどく違反することになってしまう」
と警告を発している。
カーキフでのブラックアウト
ロシア軍部隊は <ウクライナ東北部に
あり、同国第二の大都市である>
ハルキウ市のエネルギー施設に15回を
上回る攻撃を加え、同市はほぼ全面的な
ブラックアウトに陥っている。
「緊急対応サービスがすべて、既に
機能中だ」と、この地域の軍管理部の
ヘッドであるOleh Synehubovは
述べている。
ハルキウのIhor Terekhov市長によると
ポンプ施設でも電力が中断している
ため、ハルキウ市では水道供給に支障が
生じている。さらにトロリーバスや
トラムのような電力による交通手段を
午前中に通常のルートで運航できなく
なっている。ブラックアウトへの対応
としてバスが稼働している。
熾烈なミサイル攻撃のため、ハルキウ
の地下鉄は <動いておらず> 現時点
ではシェルターとなっている。
ドゥニプロと <ウクライナ中部の
都市> クリヴィイリーでの緊急電力
不足
ドゥニプロでは、今回の攻撃のため
一部地区で停電中だ。
またロシア軍はドゥニプロ ペトゥロ
フスク地域にあるクリヴィイリーをも、
ミサイルや「シャヘド」ドローンで
攻撃した。
「必要不可欠なインフラストラクチャー
に被害が出ており、この年では緊急
シャットダウンを実施することに
なった」と、クリヴィイリーの防衛
評議会のヘッド、Oleksandr Vilkulは
語った。
病院などの必要不可欠な施設では自家
発電装置に切り替え、死亡事例は報じ
られていない。
ドゥニプロペトゥロフスク地域の
カミアンシュケという産業都市では、
市の大半が停電中だとAndrii Bilousov
市長が発表している。水道や暖房施設
に影響が出ており、トラム交通は停止、
さらに今日は幼稚園などは午前だけで
終了、学校もリモートでの授業だ。
各地でのロシアからの攻撃
<ウクライナ東北部にある> スームィ
地区でもエネルギー システムの施設に
対するミサイル攻撃があり、ス―ムィ市
ならびに同州にあるコノトプ市や
ショストカ市では一時的な緊急シャット
ダウン対応を実施している。携帯電話や
ガジェット類の充電ポイントは利用可能
で、エネルギー業界の作業員たちは送電
復旧のため全力を挙げている。
ロシア軍部隊はさらに <西部の>
クメルニツキー地区にも攻撃を加え、
インフラストラクチャーに損害が出た
だけでなく、死者も判明している。
クメルニツキー市のOleksandr
Simchyshyn市長によると、攻撃の
あった朝の様子は「ひどい」もので、
インフラストラクチャーにも住居ビル
にも損害が発生、死者も出た。
<クメルニツキーから東に120㎞程度
の> ヴィニツィヤ地区では巡航
ミサイルと無人航空機(UAV)とを
組み合わせた複合戦術による攻撃が
あった。ヴィニツィヤのOVAのヘッド
Serhiy Borzovによれば、不可欠な
インフラストラクチャー施設への攻撃が
あったそうだ。
リヴィフ地区でもストゥリー地区にある
エネルギー インフラストラクチャー
施設に攻撃ドローンが命中、火災が発生
し消防隊員たちが目下鎮火中だという。
さらにゾロチフ地区にある山林中央部
でも火災が発生している。
今回のロシア軍による爆撃では、
プリカルパチャ州でも爆発音が報じ
られており、 ドローンとロケットとが
この地域を標的にしており、死者も
出ている。
「不可欠なインフラストラクチャー
施設に命中した」と、OVAのヘッド
Svitlana Onyshchukは述べている。
未確認の報道からは、一人が負傷した
がこの地域では停電の記録は
ないそうだ。
ゼレンスキーの反応
ウクライナのヴォロディミール
ゼレンスキー大統領は今回の攻撃を
非難、ロシア軍部隊が「シャヘド」
ドローンを60機以上、各種ミサイル
を合計90基近く使用したと述べた。
「ロシアというテロリストが発電所や
エネルギー供給のライン、水力発電所、
一般市民の居住ビル、トロリーバス
まで標的にしているのは見え見えで、
世界がその証人だ」と彼は語って
いる。
「ロシアは、一般市民の生命を脅かす
戦争を進めている。今回のテロ攻撃で
愛する人や家族を失った方々に、
心よりお悔みを申し上げる」とも、
ゼレンスキーは述べた。.
同大統領は電力供給の復旧努力を続ける
ことを約束、ロシアからのミサイルに
遅延はないのに「ウクライナへの支援は
遅延している」と語っている。
「一部の政治家たちと違って、
”シャヘド”ドローンはためらうことも、
ない。<支援の> 遅延や決定の
先延ばしがどれだけの損失を招くか、
計算することが大切だ。パトリオット
システムでハルキウやザポリージャを
防衛することが責務だ。人命やインフラ
ストラクチャー、家庭、ダムを守るため
防空が不可欠なのだ」とウクライナ
大統領は述べた。
「モスクワの指揮下にある人でなし
ども」による脅威から <ウクライナ
を> 防衛するため、ウクライナの
パートナー諸国が不可欠な兵器類を
供与することの必要性を、
ゼレンスキーは繰り返し説いた。
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今回も長くなりましたが、ウクライナに
1日も早く平和が戻ることを、引き続き
祈っています!
それと、核発電と核兵器とが、この世界
からなくなる日も、早く来ますように!