JCPOA再建交渉、続報

しばらく固定ページ p-x) の制作に追われていたので、JCPOAや中国のタイシャン原発事故、その他現在進行中の問題を取り上げられませんでした。
しばらくお暇したJCPOA再建交渉に関する報道のなかで、2022年1月7日早朝 (JST) 現在で、インターネット上で見つけられた最新の報道を紹介しますね。

Tasnim News Agencyというイランの報道機関による記事で、同機関は反イラン的なプロパガンダなどに対抗してイラン イスラム共和国を守ることを使命としているそうです。つまり、西側メディアの多数とは「対立」しやすいのですが、日本語圏では西側の立場からの報道が多いので、バランスを取るためにTasnim などの記事も読んでおくのは賢明でしょう。

JCPOA Talks Resume in Austria – Politics news – Tasnim News Agency
にある、JCPOA Talks Resume in Austria (JCPOA再建交渉、オーストリアで再開) という記事で、ロイターやAPなどの情報ではなく、Tasnim自身の情報によるものです。2022年1月4日付です。

「あちら側も見てみないと ・・・」
私の20分クロッキーに色を加えたもの

いつもどおり、私による日本語化です。< >内は、私からの注釈。

テヘラン発 (Tasnim)– イランと「P4+1」諸国つまりロシア、中国、英国、フランス、ドイツによる、2015年の核合意の再建とイランに対する経済制裁の解除とを目指す交渉が、この月曜日(1月3日)にウィーンで再開した。

<このJCPOA 交渉は先週から行われていたが> 新年の休暇が3日間あり、4日に再開した。

イランならびにP4+1 諸国の代表者たちが今回の第8ラウンド交渉を介したのは12月27日のことで、その焦点はイランに対するすべての制裁の解除にあった。この制裁は、アメリカがこの核合意から一方的に脱退したときに、課されたものである。この核合意は歴史的なものであったが、アメリカは2018年に一方的に脱退したため、この再建交渉の階段には直接参加することが許されていない。

イランの交渉団のトップAli Baqeri はこの月曜日早くにウィーンに到着、EUの外交政策主任代行で包括的共同作業計画(JCPOA)のヘッドでもあるEnrique Moraと会談した。

イラン政府で国際問題担当の外務副大臣を務めるBaqeriは、それ以外にも他の加盟諸国の高官たちとも会合を持った。

同日早く、ロシアの在ウィーン国際機関担当大使であるMikhail Ulyanovがトゥイートしたところによれば、この第8ラウンド会談は「非公式の会合」という形態で再開する。

イラン交渉団のトップであるBaqeriは先週木曜日にウィーンを断ち一時的に帰国する前に、第8ラウンドのその時点までの階段では、制裁の解除とその解除の検証とに関する限り、大きな進展を遂げていたと記者団に語っていた。

Press TVの報道によれば、「今回の会談の主な焦点は、制裁解除にあった。イランと加盟諸国とは多数の問題に関して交渉を続け、制裁界の検証に関しては、何回かの話し合いを重ねた。そうした会合には 、JCPOAの合同委員会のコーディネーターとヨーロッパ諸国の両者が出席した」と、Baqeriは述べた。

この交渉の前回会談では、交渉のテーブルでイランは新たな提案を行い、交渉の前進に尽力した。さらにその後、JCPOAの加盟ヨーロッパ諸国が受け身にとどまり、その提案に追随しなかったと批判している。
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さすがにイラン側の報道機関だけあって、はっきりとイラン寄りの報道ですね。
こうした立場からの報道も読んで、バランスを保ちたいものです。

「なんで、JCPOAの話題なんだ??」 私の20分クロッキーより

「なんで、JCPOAの話題なんだ??」
私の20分クロッキーより

「やかんをのせたら~~」のJCPOA交渉関連の報道紹介を始めてお読みの方々の中には、「原発問題と、イランと諸国の交渉と、何の関係??」と不思議がってらっしゃる皆様もいらっしゃるかも。そうした方々のために説明しておくと、イランが「核兵器を保有する意図はない」と主張しながら、自国のウラニウム濃縮工場 (← やはり発電用と主張されていた) で20%を超える濃縮ウラニウムを製造していたことが、そもそもこのJCPOAがいったん締結されるに至った問題でした。

「20%」濃縮ウラニウムというのは、ほとんどの核発電(原発)では使うことがありません。そんな濃度のウラニウムの主な用途と言えば、さらに濃縮して(90%以上) 核兵器に使う、というものです。
(上の黒いメニューで ページ p-3) をクリック ⇒ そのページ p-3) の PBR用燃料のウラニウム濃縮率 という箇所もご覧ください)

この実例が明確に示しているように、「平和利用(発電)」というのは「核兵器製造の隠れ蓑」にされるリスクが常にあるのですね。「平和利用」と「軍事利用」は、実は原子炉というものの歴史の最初から、不可分なのです。(上の黒いメニューから、b-2) から d-5) にかけて、延々とこの事実の実例を紹介しております

JCPOAとは、その「不可分性」が如実に表れている、現在進行中の実例です。ですから、「やかんをのせたら~~」では以前からJCPOA関連報道を紹介してきているのですね。

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