Business Insiderのウェブサイトより
Russia’s former president suggested firing a hypersonic missile at The Hague after Putin’s ICC arrest warrant: ‘Look carefully into the sky’ (msn.com)
本件はすでに日本語メディアでもカヴァーされ
ましたが、下のBusiness Insiderによる記事
のほうが、多くの日本語報道よりも少し詳しい
です。なので、この記事を紹介することに
しました。
それにしても、核兵器に代表される強力な
破壊兵器を持つと、国家というものはどこ
までも横暴で凶悪になり下がりえる ・・・
その実例ですね。
では、いつもどおり
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
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国際刑事裁判所 (ICC) がプーティンに
逮捕状を発したことを受け、ロシアの前
大統領が <同裁判所のある> デン
ハーグに超音速ミサイルをぶち込むぞと
脅迫: 「空をよく見ていろ」
Mia Jancowicz記者
2023年3月20日JST
* <ロシアの前大統領> ドゥミトゥリ
メドゥヴェージェフ、この月曜日 <3月
20日> にブチ切れた投稿をソーシャル
メディアに投稿、ハーグに超音速ミサイル
攻撃を仕掛けるぞと脅した。
* これは、<ハーグに本拠を置く> 国際
刑事裁判所がロシアの現大統領
ヴラディミール プーティンに逮捕状を発行
したことを、受けての投稿だ。
* メドゥヴェージェフは同裁判所を侮辱した
のみならず、ウクライナ侵略に関しては悪意
まみれのレトリックを頻繁に吐いている。
ロシアの前大統領 ドゥミトゥリ
メドゥヴェージェフが、<オランダの> デン
ハーグにある国際刑事裁判所 (International
Criminal Court、ICC) にロシアの超音速
ミサイルをぶち込むぞといった脅しをした。
同裁判所がロシアの現大統領ヴラディミール
プーティンに逮捕状を発行したが、その数日
後のことだ。
この月曜日にメドゥヴェージェフがTelegram
<というソーシャル メディアに> 怒りの燃え
盛る長文の投稿をしたのだが、その中に
「北海を泳ぐロシアの軍用艦からハーグに
ある裁判所めがけて超音速ミサイルを発射
するシーンを、容易に想像できるぞ」 と
記していた。
ぷーティンを熱心に支持するメドゥヴェージェフ
は同裁判所を罵倒し、<上述のようなロシア
から同裁判所への攻撃があっても> NATO
は報復してはくれない、それは同裁判所が
「無力な国際機関にすぎず、NATOの一員
ではないからだ」 と主張している。
「だから、戦争が始まることもない。怖くて
できないだろう」 とも、メドゥヴェージェフは
記した。
同裁判所の所在地である <デン ハーグと
いう都市がある> オランダは、NATO加盟
国だ。ICCのスポークスパーソンがInsiderに
述べたところでは、「政治的なものと思われる
発言」 についてはコメントを差し控えると
している。
メドゥヴェージェフはさらに、同裁判所の
裁判官たちに対し 「空をよく見ていろ」 と
“助言” もしている。
先週金曜日 <17日> に同裁判所は、
ウクライナのロシアが占領している地域
での児童に対する 「無法な連行」 に関連
して、プーティンに対し逮捕状を発行
していた。
国連はそうした強制連行を戦争犯罪と
して非難しており、その翌日にこの逮捕
状の発行があった。
メドゥヴェージェフはその投稿でICCを
罵倒、こんな裁判所には実力はなく少数の
{アングロサクソン諸国} に操られているに
過ぎない、としている。
<だが> アメリカは今のところ、ICCの設立
条約である 「国際刑事裁判所に関する
ローマ規定」 の加盟国ではなく、中国、
ロシア、インドも加盟していない。
さらにメドゥヴェージェフは、プーティンに
対する逮捕状発行は国際法の崩壊を表す
もので、「国際関係のシステム全体の陰鬱な
日没」 であると主張している。
アメリカのICCとの関係は今まで問題だらけ
であったのだが、金曜日にジョー バイデン
大統領はこのプーティンに対する逮捕状を
正当なものとした。
その昔、メドゥヴェージェフは西側からは
ロシアに自由主義をもたらす先駆者になり
える存在と見られていた。だがその彼が、
今や悪口雑言のスピーカーに成り下がって
しまっている。InsiderのSinead Bakerが
すでに以前の記事で述べている通りだ。
<お読みになりたい方は、 Ex Russian President Medvedev Has Become a Key Warmonger Since Ukraine Invasion (businessinsider.com)
もお読みください>
実際、彼による投稿は往々にして、
プーティン自身によるレトリックよりも
ひどいものだ。
この1月にメドゥヴェージェフは、アメリカ
本土への攻撃が可能な距離にロシア軍
軍用艦を配備せよと提唱していた。それにも、
超音速ミサイルを搭載してのことだ。
さらにメドゥヴェージェフは、ロシアの核兵器
についても繰り返し使用を暗にほのめかして
きている。昨年には、ウクライナでロシアが
核兵器を爆発させても、NATOは対応しない
だろうと述べていた。<お読みになりたい方は
Medvedev: NATO Won’t Step in If Russia Uses Nuclear Weapons in Ukraine (businessinsider.com) もどうぞ>
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権力への固執、強力な兵器、集団的
megalomania (誇大妄想)、国際社会から
の孤立、侵略を始めたものの激しい抵抗に
会い立案通りに進軍できない ・・・ そういった
事情が重なり合った場合に、権力者とは
どこまでイカレ得るものか?
その実例ですね。
国家というもの、あるいは人類という種族
全体も、他との共存を基調として存在したい
ものです。
「誰であれ、お前たちの中で大きな存在となり
たいと願うものは、お前たちに仕えるものと
なるのだ」 (マルコ福音書10:43、私の翻訳)
* なお、私は英語圏での用語法に従い
「ソーシャル メディア」 と呼んでいますが、
日本語で言う 「SNS」 のことですよ。