↓ ずっと下の今年9月15日、
日本政府がFBRにここまで執着を
続けている真の理由は何か?
という疑問を取り上げたいと、
私は申しました。
それから今まで、HALEUの問題が
あったため、そちらに時間を取られ
ていました。
ようやく、「日本政府がここまで
FBRにゾッコンな理由」に関する
固定ページを制作中です。
アップロードまで、しばしお待ち
くださいませ!
↓ ずっと下の今年9月15日、
日本政府がFBRにここまで執着を
続けている真の理由は何か?
という疑問を取り上げたいと、
私は申しました。
それから今まで、HALEUの問題が
あったため、そちらに時間を取られ
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ようやく、「日本政府がここまで
FBRにゾッコンな理由」に関する
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The Guardian
Zelenskiy pledged not to attack nuclear plant in Zaporizhzhia, says IAEA chief | Ukraine | The Guardian
しばらく、アメリカ国内でのHALEU製造
の話題に目を向けていましたが、
ザポリージャ原発の近況も忘れては
おりません。
英国の日刊紙 The Guardianのウェブ
サイトより。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は 私からの補足説明
です。
**********************
Zelenskiy pledged not to attack nuclear
plant in Zaporizhzhia, says IAEA Chief
(ゼレンスキーがザポリージャ原発への
攻撃はしないと約束 ー IAEA事務局長)
Rafael Grossi によると、ウクライナは
反撃攻勢において「ザポリージャ原発に
直接に砲撃や爆撃を行うことはない」と
ゼレンスキー大統領は個人的にGrossi
に約束したとのこと。
Dan Sabbagh記者(国防と安全保障
担当エディター)
2023年10月10日
IAEAのヘッドRafael Grossiによれば、
ヴォロディミール ゼレンスキーは
ウクライナがヨーロッパ最大の原発
<であるザポリージャ原発> を、
対ロシア反撃攻勢の一環としては
ウクライナが攻撃することはないと
約束したそうだ。
The Guardianとのインタビューで,この
IAEAチーフが語ったところでは、
Grossiにとってはザポリージャ原発が
ウクライナとロシア間の戦闘に巻き
込まれてしまうのでは、という問題が
最大の関心事であったのだが、
ウクライナ大統領からは <同原発を
直接攻撃することはないとの> 確約を
得られたと断言していた。
「ゼレンスキー大統領は個人として、
同原発に直接に爆撃や砲撃を行うこと
はないと、私に約束してくださった」
と、Grossiは述べた。ただし、さらに
Grossiは、ザポリージャ原発を
ウクライナが取り戻すためには 「それ
以外の選択肢は、すべて実行可能だ」
というゼレンスキーの発言もあったと
語った。
つまりウクライナは、新たな核安全の
5原則の1つ目「原発を攻撃するなかれ」
を順守するということだ。この5原則は
当初、今年5月終わりに国選安全保障
理事会でGrossiが「破局的事故」を
回避するため骨子を示したものだ。
ザポリージャ原発をロシア軍は2022年
3月に占拠したが、これは戦時に原発が
占拠された事態としては、世界史上初の
ものであった。1986年には <現在の
ウクライナで> チョルノービ原発の
爆発があり、全ヨーロッパに放射性物質
をまき散らしたのだが、その同じ国で
新たな核事故が起きるのでは、という
不安を掻き立てている。
Grossiによれば、現在の軍事情勢に
あっては、「いつ・何が起きても、
おかしくない」という危険が存在して
いる。「(ザポリージャ原発は)
現時点で、安全なのか?」という質問を
私はよく受ける。安全なはずはない。
反撃攻勢の戦闘地帯の真っただ中にある
のだから」と、Grossiは述べている。
彼の見方では「主な問題が2つある」
と、Grossiは語った。その中でも特に
深刻なのが原発の敷地内の比較的防御の
甘い地域への「直接攻撃」で、もう1つ
の問題が冷却水の保持だ。ザポリージャ
の6つある原子炉はすべて停止中では
あるが、停止中でも水による冷却は必要
である。
ウクライナは今回の戦争の初めにロシア
侵略軍に奪われた領土の奪還に努めて
きており、特に激しい戦闘はOrikhiv
<という町。ザポリージャ州にある> の
南にある南部前線から東に97㎞までの
地帯で行われている。 .
今年夏の間にはウクライナ軍の侵攻は
ゆっくりとしたものであったが、
ウクライナはいずれザポリージャ原発
周辺地域も奪還し、原発施設そのものも
取り戻すつもりだ。現時点では同原発は
500から600名程度のロシア軍部隊の
基地となっている。
Grossiによれば、「原子炉そのもの以外
にも脆弱な個所がいくつかあり」、
それらが特に心配だという。その1つが
「まだ防御のできていない使用済み
核燃料保管区域」であり、他にも未使用
の核燃料保管区域も心配だという。
「未使用核燃料を補完するホールは
2022年8月に砲撃を受けていたことを
忘れないでいただきたい」と、Grossiは
述べている。この攻撃のため、原発の
この主要施設の屋根に穴ができ、衛星
画像でも観察されたのだが、その時の
被害のことを彼は述べていたのだ。
インタビューの数日後、Grossiは前線
を渡って ザポリージャ原発を現地訪問
した。今回の戦争が始まって以来、
三度目の視察である。そこで彼は、
上述の攻撃の跡を観察したと述べて
いる。「わずか数メーター離れた
ところに、未使用核燃料を載せた
ラックがあった」
弧の損傷はどうも、ウクライナ側からの
攻撃によるものであったようなのだが、
Grossiは誰のせいなのかは言うまいと
述べている。「私には、(どちらの責任
なのかを判断する)法的な権限がない。
(ウクライナによるものだ)と、ロシア
なら言うことは明らかだ」
IAEA の監視員たちが恒久的に同原発
には配置されているのだが、先週
グリーンピースが発表したところでは、
監視員たちの人数はわずか4人であり
安全を効果的に確保できない。検査
要求を出すとき、1週間前に出すこと
が要求されているためだ。
Grossiは、IAEAが安全性の管理を
できると主張して譲らない。「困難な
状況もある。現場に入れないような
場合だ。だから、少々の公論はあると
思う。だが、そんなことには、我々は
慣れっこだ。監視員が来るのを歓迎
する人など、いないものだ」 イラン
など、ロシア以外の諸国でも立ち入り
についてはIAEAは困難を体験して
きたことを指している。
ロシアの核エネルギー公社 Rosatom が
同原発の運営権を奪っているが、戦前
からこの原発にいるウクライナ人
スタッフの一部に依存せねば、原発の
稼働ができない。Grossiによれば、
職員の人数は侵略開始以前には12,000
人であったものが、今では およそ
2,000人にまで減ってしまった。ただし
Grossiによると、ロシア人職員が現場に
到着しており、職員数は回復しつつ
あるそうだ。
下流にあるノヴァ カホヴカ ダムが6月
に爆破され、同原発そばのドニプロ
貯水湖から水が大量に漏出、原発の予備
の貯水池が干上がった後では、冷却水の
確保が大きな懸念となった。
蒸発と漏水のため、この貯水池の水位は
毎日1㎝ずつ下がっていた。だが井戸を
掘って新たに水を供給することで、この
問題は解消した。「言えることは、今の
ところは原発の管理努力によって状態は
安定している、ということだ」 と
Grossiは述べている。
だがGrossi は、この原発が両国間の
軍事的な瀬戸際戦略に利用されて
しまったことについては、遺憾の意を
表明している。「こんな形での戦争が
起きるとは、予想していなかった」
核の規制に当たる諸関係者の関心は
近年、テロリストやサイバー攻撃の
リスクに向かっており、ヨーロッパ
での地上戦にはあまり注意を向け
なかった。Grossiによれば 「私はこれ
まで、前線を三度も超えて行かねば
ならなかった。外交官ではあるが、
自分のキャリアでそんなことになる
とは、思わなかった。両国の兵士たち
がにらみ合う、その現場に行ってきた
のだ。IAEAは、その中間にいる」
*************************
なお、Grossi事務局長が定めた新たな
5原則とは以下の通りです:
(IAEA chief outlines five principles to avert nuclear ‘catastrophe’ in Ukraine | UN News)
念のため、私の日本語化も入れて
おきますが、この程度の英語テキスト
は、ご自分でお読みになれることを
お勧めしておきます。
Mr. Grossi developed five concrete
principles essential for averting “a
catastrophic incident” at the
Zaporizhzhya plant.
Grossi氏は、ザポリージャ原発での
「破局的事態」を回避するために
不可欠な5か条の具体的な原則を
策定した。
“There should be no attack of any kind
rom or against the plant, in particular
targeting the reactors, spent fuel
storage, other critical infrastructure,
or personnel,” he said, outlining the
first point.
その第1を要約して、Grossiはこう
述べている: 「同原発からも、それに
対しても、いかなる攻撃も行っては
ならない。特に原子炉や使用済み核燃料
保管施設、その他の重要なインフラ
ストラクチャーや人員に対して」
The nuclear plant also should not be
used as storage or a base for heavy
weapons, such as multiple rocket
launchers, or military personnel that
could be used for an attack emanating
from it.
また同原発を、多段層ロケット発射装置
などの重兵器や、原発からの攻撃を行い
うる軍人員の保管場所あるいは基地と
して利用してはならない。、
Off-site power to the plant should not be
put at risk, and all efforts should be
made to ensure supply remains available
and secure at all times, he said.
同原発への賀部からの電力供給をリスク
に晒してはならない。電力供給を常時
利用でき確保できるよう、あらゆる努力
を払うこと。
Furthermore, all structures, systems and
components essential to the safe and
secure operation of the plant should be
protected from attacks or sabotage.
Finally, no action should be taken that
undermines the principles.
さらに、同原発の安全で確実な稼働に
不可欠なすべての構造物やシステム、
コンポーネントを攻撃や破壊行為から
守ること。
最後に、上記の諸原則に抵触する
行為は、一切行ってはならない。
なお、proliferation risksを考えるなら、
核エネルギー技術や世界情勢、軍事
動向などが不可分に絡みます。そうした
分野では、英語をある程度理解できる
ことが現実上必須になってしまう
ので、英語の理解力を身に付ける
ことをお勧めしておきます ・・ 核兵器
と核発電の不可分性という問題系に
進んでいきたいのであれば。
固定ページ hal-2) をアップロードしました。
HALEUのproliferation risks を説明しています。
上の黒いメニューで hal-2) をクリック!
(あるいは、このリンクをクリック)
HALEU とはそもそも何なのか? そして
それをアメリカが国内製造しようとしている事情とは?
それらを、固定ページ hal-1) で取り上げました。
現在 hal-2) を制作中で、HALEUのproliferation risksを
取り上げます。
アップロードできるまで、しばしお待ちくださいませ!
Beyond Nuclear Bulletin
2023年October 12 号より
Russia and US to spar over nuclear
test ban treaty?
(ロシアとアメリカ、核実験禁止条約で
いがみ合い)
October 11 2023
Russia and US to spar over nuclear test ban treaty? – Beyond Nuclear
1991年12月に旧ソヴィエト連邦が解体
されて以来、世界は核戦争の脅威は
緩んだものと錯覚してきましたよね。
その間もインドVSパキスタンの「核の
にらみ合い」は」続いていましたし、
中東では核開発の疑惑は持たれ続けて
いました。
最近になって、イランのU濃縮、北朝鮮
の核武装、ロシアのウクライナ侵略 ⇒
核兵器を使うぞという脅し、イランに
対抗してか? サウディのU濃縮計画
・・・ と核の脅威は再度目に見えて
表れてきています。
そうした状況に関連して、ロシアと
アメリカがある種の核実験を再開する
つもりか?という記事です。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
***********************
The Bulletin of Atomic Scientistsの
「終末時計」は現在、「深夜90秒前」
を指している。さらにロシアVS
ウクライナ、イスラエルVSガザなど
拡大の可能性をはらんだ戦争が進んで
おり、世界の緊張はうなぎ上りだ。
実際の爆発を伴う核兵器実験の再開を
警戒すべき時代になっているのだ。
だが、 (包括的核実験禁止条約
(Comprehensive Test Ban Treaty
Organization、CTBTO) でのロシア
議員が今年10月8日に発表したところ
では、ウラディミール プーティン
大統領はロシア議会に対して、
いったんは2000年に批准した1996年
の核実験禁止条約を今年10月18日
までに破棄することを検討するよう指示
した。プーティンによれば、ロシアが
その老朽化した既存の核兵器の実験を
始めるということではない、とのこと
だが、西側の軍事安全保障のアナリスト
たちの見方では、ロシアは地下核実験
プログラムを再開するつもりではないか
とされている。
ロシアからの反論によると、以前は
ネヴァダ核実験サイトであったネヴァダ
の核セキュリティ サイトやもう何十年
も前に使われていた核実験場で核実験を
再開しようとしているのは、アメリカの
方だという。アメリカ政府高官たち
からの応答では、核兵器の爆発実験の
禁止を廃棄する計画などない。ただし
アメリカ政府はCTBTに署名しては
いるものの、まだ批准してはいないの
だが。実際、アメリカのエネルギー省
(Department of Energy、DOE)では
その配下の全米にある研究所を動員して
ネヴァダの実験サイトで
「非臨界テスト」なる一連の地下実験を
2027年までに実施するつもりなのだ。
この地下実験ではごく少量の核分裂性
プルトニウムを使用してimplosionが
起こるかどうかをテストする。実際に
核爆発を起こすことは、ない。
<老朽化した既存の核兵器がまだ機能
できるのか否かを確かめるため、
爆発には至らない核兵器の試験が、
この非臨界テストです。またimplosion
とは、プルトニウム型原爆の内部にある
コアの中ではプルトニウムが急激に
圧縮され、ある程度以上の量であれば
核爆発を起こすことを言います。この
実験ではimplosionが起きるかどうかを
確認したいので、ごく少量のプルト
ニウムを用い、核爆発は起こらない
ようにするのでしょう> アメリカの
核兵器研究所が核弾頭がまだ有効で
信頼できるという検証を行わなく
なってから、もう30年以上になる。
アメリカの国立研究所では実際の爆発
実験ではなく、過去の核兵器実験から
収集したコンピューター モデルの計算
に頼っている。これは、現在の
thermonuclear核弾頭 <日本語でいう
原爆ではなく水爆の弾頭> は、あまり
にも破壊力が凄まじいためだ。
国連総会でCTBT の署名が始まった
のは、1996年9月のことだ。現在まで
に187 か国が署名しており、そのうち
178か国はこの核実験禁止条約を批准
している。言い換えれば、この条約は
まだ批准段階なのだ。特に「nuclear-
capable <核兵器保有能力がある>」
とされる44か国がすべてこの条約を
批准しないと、CTBTは効力を持て
ない。そしてその44のうち8か国は
今もまだ批准していないのだ。その
8か国とは、中国、インド、
パキスタン、北朝鮮、イスラエル、
イラン、エジプト、そしてアメリカだ。
核不拡散条約(Non-Proliferation Treaty,
NPT)に署名している諸国のうち、
CTBTをまだ批准していないのは、中国
とアメリカだけだ。プーティンの今回の
議会への指示も、中国やアメリカと
同じようにNPTのみに署名した国に
なろうというものだ。そうなると、
CTBTが最終的に批准される見込みが
弱まり、国連の定めた法が「効力を
有する」望みが小さくなる。そして、
核実験が再開されてしまう恐れが。
*******************************
核兵器や、本来それを作るための技術の
変形応用である核発電とがある限り、
核の脅威は消えることはありますまい。
私たち市民が、声を上げ続けませんと。
固定ページ hal-1) をアップロードしました。
上の黒いメニュー内の項目は基本的に
アルファベット順ですので、
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(あるいは、ここの hal-1) というリンクを
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ロシアのウクライナ侵略をきっかけに
アメリカがHALEUを自国内生産しようと
しているとの、報道が少なからずあります。
しかし、
そもそもHALEUってなに?
HALEUには、強いproliferation risksが
つきまとうのでは??
といった疑問がおありと思います。
そうした問題を説明しようとするのが、
ページ シリーズ hal-x) です。
ページ hal-1) ではまず、
・ そもそもHALEUって?
・ HALEU市場をロシアが独占している現状
・ そこで、アメリカが ・・・
といった問題を説明しております。
HALEU推進の立場からの主張を、私の
日本語化で紹介しておりますが、
決して私自身の主張じゃありませんよ!
(対立する立場の主張も知っておかないと)
HALEUの問題点については、次回
hal-2) で取り上げます!
最近、特にアメリカから、HALEUの自国(アメリカ)製造に関する動向を耳にします。HALEUとは、おおざっぱに言って、LEU(低濃縮ウラニウム)の一種ではあるのだが「低濃縮」に分類される上限である20%近くまで濃縮された U のことですね。(既存の軽水炉用 U の濃縮度は 3-5%程度)
現時点ではHALEU供給をロシアが独占しており、ウクライナ侵略でロシアに経済制裁を実施しているものの、HALEUはロシアから買わざるを得ない ・・・ そんな事情による動きです。でも当然、proliferation 問題がつきまといますよね。
それに関するページです。しばしお待ちくださいませ。
Beyond Nuclear Bulletin
October 5, 2023号より
カリフォルニア州中部、太平洋岸から
少し離れたところに San Luis Obispo
という町があります。Yesというprog
rockバンドがお好きな方であれば、
この町での録音アルバムなどがある
ので、お聞きになったことがあるかも。
30年ほど昔、私もこの町に行ったこと
があります。Grey HoundバスでSFから
向かいました。バス ターミナルを出ると
とにかく山脈や牧場が連なり、牛や羊の
群れが歩き回っており、人の個体数より
羊の人口のほうが大きいんじゃ??
と思いました。
それほど、きれいな ”いなか町”
ですよ。
そんなきれいな町のそば、沿岸に原発を
建てるのは ・・・ それが困った
ことに、Diablo Canyonという原発が
あるのですよ! カリフォルニアも、
ご存じのように地震が多い地域ですし。
津波が来たら、どうするんだろう?
でも、その原発を監視する地元の
お母さんたちやその他メンバーによる
団体もあって、優れた仕事をして
らっしゃる、という記事です! その
団体、なんとDiablo Canyon原発が
できるずっと以前、1969年から今も
活動を続けてきてらしゃるんです。
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
**************************
カリフォルニア州のディアブロ
キャニオン原発の脆弱さ
NRC委員、スタッフに問題を
突き返す
カリフォルニア州中部太平洋岸そばに
ある町サンルイス オビスポにある
San Luis Obispo Mothers for Peace
<「サンルイス オビスポ 平和のため
の母親連合」> と Friends of the
Earth <日本ではFoE> とは、同地
太平洋岸にあるディアブロ キャニオン
原発を長年監視し警告などを発して
きている。この両団体は連名でアメリカ
のNuclear Regulatory Commission
<原子力規制委員会、NRC> 委員に対し
同原発1号機の即時停止を求めていたが
それに対するNRCの返答に対し両団体
が反応を示した。両団体では、原子炉
圧力容器 (RPV) の中性子脆化
<下記参照> のレベルを検査するよう
求めている。加圧熱衝撃が加わると、
RPVの壁部に亀裂が発生する場合があり
そこから炉心のメルトダウンや放射性
物質の大量漏出などを招く危険性が
ある。ディアブロ キャニオンの1号機
は、全米の原子炉の中でも3番目に
脆弱だ。これ以上に脆弱なのは2つだけ
<ミシガン州のミシガン湖畔にあり、
1971年に稼働開始した老朽原発である>
パリサデス原発、そしてウィズコンシン
州にありやはりミシガン湖に突き出て
いるポイント ビーチ原発2号機だけだ。
NRCの委員たちはこの問題をNRCの
スタッフにつき戻したが、スタッフたち
はもう何十年もこの問題を
無視してきた。
*************************************
Bulletin自体には Read Moreというボタン
があって、それをクリックすると下記の
ウェブページが登場します。
Beyond Nuclearのウェブサイトではなく、
Mothers for Peaceという別団体のサイト
ですので、勝手に日本語化できません。
NRC Commissioners Fail to Take Action on Critical Safety Issue at Diablo Canyon (mothersforpeace.org)
でお読みになれます。
中性子脆化
エネルギーの高い中性子を鋼鉄やその
合金などに照射すると、結晶格子中の
原子の一部がはじき出されますよね。
そうすると、その鉄の ”柔らかさ /
粘り” が低下し、さらに固くなる ⇒
脆くなる、という結果を招きます。
つまり、亀裂が生じたりしやすくなる
のですね。原子炉の壁は大変分厚い
鋼鉄などでできていますが、原子炉で
ある以上は中性子線を壁が浴びるので、
この中性子脆化がつきまとう問題に
なります。
San Luis Obispo Mothers for Peace
さんやFriends of the Earthさんは、
こうした技術的な問題までNRCに指摘
してらっしゃるわけで、大したもの
だと思います。
2011~12年ごろには日本で市民の
皆様が自発的に立ち上げた反原発団体
などが多数あり、私も誘われて
出席したことがありましたが、中性子
脆化のような技術的問題への言及を
(講師ではなく)一般会員の方々から
は、聞いたことがありませんでした。
反省点の1つでしょう。
(上の黒いメニューでは項目を基本的
にはアルファベット順に並べて
いますが、その最初の方にある
ページ a-4) 参照)
ウクライナのオンライン新聞
Ukrayinska Pravdaのウェブサイトより
Russia puts power unit 4 of Zaporizhzhia nuclear plant on hot shutdown, increasing likelihood of accident (yahoo.com)
Russia puts power unit 4 of Zaporizhzhia
nuclear plant on hot shutdown,
increasing likelihood of accident
(ロシア、ザポリージャ原発の4号機を
ホット シャットダウンに: 事故の
リスクが高まる)
やっぱりね ・・・ って感じですね。
ロシア軍のやりそうなことですよ。
なお、ホット シャットダウン(「温態
停止」と日本語では呼ぶそうですが、
この日本語自体が分かりにくいですよね)
とコールド シャットダウン(「冷態
停止」)については、以前にも本ウェブ
サイトで短く説明しましたが、
ATOMICAにも説明があります。
温態停止 – ATOMICA – (jaea.go.jp)
では、例によって
私による日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
Ukrayinska Pravda
2023年10月4日
***********************************
ロシア軍が、ザポリージャ原発(ZNPP)
4号機をコールド シャットダウンから
ホット シャットダウンに切り替えた。
これにより、放射線漏出事故が発生して
しまう可能性が増大している。
ウクライナ国営の核エネルギー公社
Energoatomの発表による。
ソース: EnergoatomによるTelegram
<というロシアのソーシャル メディア>
での発表
Energoatomによる発表の引用:
「一次的にロシア軍に占拠されている
ザポリージャ原発で、侵略ロシア軍が、
それまでコールド シャットダウン状態
であった4号機をホット シャット
ダウンに切り替えた。だがIAEAに
よれば6号機はホット シャットダウン
状態であったものをコールド シャット
ダウンに移したそうだ」
詳細: Energoatomの Petro Kotin
社長は、ロシアがこうした状態切り替え
を行ったため、同原発の安全に欠かせ
ない設備やシステムが必然的に劣化して
しまうと力説している。
「この切り替えのため、機器の故障が
増加してしまうだけでなく、放射線漏れ
事故に至る危険性も増えた」 と、
Kotinは強調している。
同社長によると、原子炉稼働の許可要件
をしっかりと順守することが、原発の
安全稼働や職員の安全、周辺住民や環境
の保護のためのカギとなる。
さらにKotinによれば、「そうした許可
要件はウクライナの法令や規則だけで
なく、国内外での長年の原発稼働実績
にも基づいて定められているものだ」
ザポリージャ原発の各原子炉の稼働に
関する国家核規制監査局(State
Nuclear Regulatory Inspectorate)に
よる許可要件は今年6月に改定された
のだが、それによればザポリージャ
原発の原子炉はすべてコールド
シャットダウン状態に保たねばなら
ない。ホット シャットダウン状態に
切り替えると危険が増すので、
禁じられている。
Energoatom の説明によると、
ザポリージャ原発の稼働に関しては
こうした要件の改定がなされたのは、
同原発をロシア軍が占拠して以来
今まで、質の高いメインテナンス作業や
必要とされる定期的な機器修理が
タイムリーに実施されてこなかったこと
を受けてのことだ。
さらにEnergoatomによると、ロシア軍
の行動のためすでに緊急事態が幾度も
発生してきている。特に4号機では、
放射能を帯びた冷却材(軽水)の漏出が
一次冷却系から二次冷却系にかけて発生
していた。過熱のためだ。放射性物質に
よる汚染拡散を防止するための防御策の
1つに対する違反である。.
ロシア軍は6号機を「ワームアップ」
しようとしたことがあり、その際にも
同様の事故が発生していた。ロシア軍
の行為のため、同原発現場での放射性
廃棄液体の量が大幅に増大、原発職員
にも周辺住民にも環境にも害を及ぼす
危険性がある。
***********************************
ウクライナ側からの報道ですから、
本来ならロシア側からの情報と照らし
合わせる必要がありますが ・・・
このところ、ロシアからの発表には
明らかにイカレタものが多くて~~
放射性物質の漏れが既に発生していた
との報道内容ですが、こんな大問題を
日本語メディアはあまり報じていない
ですよね。
そうした日本語メディアの「悪癖」の
ようなものもあるので、核(兵器も
発電も)の廃絶を目指す皆様は、
日本語以外の各種情報にも目を光らせて
おく必要がありますよね。
でも、
「そうしたいけど、日本語でしか
ニュースが読めない」という方々も
いらっしゃることと思います。そこで、
「やかんをのせたら~~」では、国外の
ニュースの日本語化も頻繁に行っている
のですね。
The Deep Dive (というニュース
ウェブサイト)
Niger Boosts Price of Uranium to €200 Per Kilogram From Just $0.80 | the deep dive
Uranium Niger Boosts Price of Uranium to
e200 Per Kilogram from Just e0.80
(ニジェール、ウラニウム価格をkgあたり
0.80 ユーロから200ユーロに大幅引き上げ)
September 13, 2023
3週間ほど前の記事ですが、値上げ幅が
凄まじいので紹介しておきます。
同時に、値上げ率があまりにも大きい
ので、うのみにして良いのかどうか、
疑わしくもあります。
10月6日 朝6am JST時点での為替
レートは
euro = 156.59 yen
でしたので、おおまかに
125.2 yen から31,320 yen へと、約250
倍の破壊的な値上げですよね。
(もっといえば、原発大国フランスは、
今までニジェール産ウラニウムを相場
外れのとんでもない安価で入手、
フランスの原発を動かしていたわけ
ですね)
上の黒いメニュー(項目は基本的に
アルファベット順)にあるページ s-0)
などで、私は「ウラニウム価格だって、
世界情勢や市場動向に応じて変動する」
と申しました。
だから、「石油や天然ガス価格が
上がって電気料金が高騰している ⇒
原発再稼働しろ」という現時点で日本の
巷にはびこっている主張は、おかしいと。
エネルギーのセキュリティを本気で
求めるなら、再生可能エネルギーと蓄電
とを進めてエネルギーの地産地消を
目指すべきだ、と。(付録 w-14) 参照)
それに対する反論として、すぐに考え
られるのは:
「いや、原発はコスト中での燃料費の
比率が極めて小さく、大まかに5%程度
なので、ウラン価格による電気料金の
影響は小さい」
というものでしょう。
でも:
★ 今回の「とんでもない大幅値上げ」
が事実である場合、さすがに原発からの
電気料金にも影響が出ないわけでは、
ありますまい。
★ そもそも「燃料費比率が小さい」
のは、原発の燃料以外のコストが巨大
だからです。
★ 言うまでもなく、ウラニウムは強度に
戦略的物資です。価格だけが問題なの
ではなく、その他世界情勢や軍事的動向
などが大きく影響します。(その実例と
して、現在アメリカがHALEUの自国内
製造を目指しております ― 詳しくは、
後日)
今日のところは、まずはニジェールから
のウラニウム価格急騰の報道記事を。
異常な話だと私は思うのですが、
まずはそのまま日本語化して紹介
しますね。
例によって
私による日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
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世界のウラニウム市場では主要
プレイヤーの1つであるニジェール。
そのニジェールが、とんでもない手に
打って出た。ウラニウム 1kgあたりの
価格を、なんと€0.80から€200へと
大幅に引き上げたのだ。これは
ニジェールの経済だけでなく、国際
関係や世界のウラニウム市場に大波を
もたらす動きだ。
歴史的にみると、ニジェール産
ウラニウムを主に購入してきたのは
フランスであり、アフリカのこの地域
でのウラニウム価格にはフランスが
強力な影響力を行使してきた。今回の
値上げ以前にはフランスはニジェール
産ウラニウムの価格をkgあたり€0.80
に設定しており、これは世界の
ウラニウム市場での価格よりもかなり
低いものであった。他国産の
ウラニウム、例えばカナダのものは
今回の値上げ後と同様にkgあたり
€200 であった。
値上げの理由
ニジェールがウラニウム価格を世界
市場の相場に合わせることに踏み
切ったのは現実的・経済的な動きだと
ニジェールに本拠を置くニュース報道
機関The Spectaclesは報じている。
この価格変更により、ニジェールに
とっては収入が大幅に増大し、重要な
インフラストラクチャー プロジェクト
や社会開発計画への投資が可能になる。
さらに、ニジェールのウラニウム資源
がもたらす利益を、ニジェールが本来
受け取るべきシェアで受け取ることが
確実になる。
自国産ウラニウムの価格を国際市場
での価格に合わせることで、ニジェール
のウラニウム資源は適正な評価を得る
ことになる。それまでの €0.80/kg と
いう価格は、ウラニウム資源としては
あまりにも安価で、世界市場でのある
べき価値を表していないとも、
The Spectaclesは述べている。
フランスはニジェール産ウラニウムを
大量に消費しているが、今回の値上げ
については憂慮を表明する可能性が
ある。だがThe Spectaclesによれば、
この値上げをきっかけに、フランスは
ニジェールとの公正な取引条件を
再考し「より公正な長期的関係」を
打ち立てるべく交渉を始めることが
できる。
注意すべき点として、フランスの
核発電の20%はニジェールからの
ウラニウムによるものとされており、
2022年には1,440トンのウラニウムを
ニジェールから輸入していた。 同年の
ニジェールによるウラニウム生産量
2,020トンの過半数を占めていた。Kg
あたり€0.80 という価格では、フランス
が支払ったウラニウム代金は合計で
€120万と推定されている。今回改定
された価格だと、この金額は跳ね上がり
€2億8,800万になる。
自国産ウラニウム価格を国際市場相場
に合わせようという今回のニジェール
の決定により、世界のウラニウム市場
全体に波紋が及ぶ可能性もある。他の
ウラニウム輸出諸国の価格設定戦略や
交渉のあり方にも影響を及ぼし、価格
決定慣行の公正化のための先例となる
可能性がある。
ニジェールとその以前の宗主国
フランスの間の関係が緊迫しているが、
その緊迫化が始まったのはこの7月の
クーデターの時であった。そのため、
モハメド バズーム大統領の追放劇と
なった。フランスのエマニュエル
マクロン大統領はハッキリとその
クーデターを非難、この地域での脅威で
あるだけでなくより広域に影響を及ぼし
えると主張していた。
ニジェールの現在の軍部政権に対しては
国際社会からの制裁が実施されており、
それを受けフランスの核企業グループ
Orano SAはニジェールにある同
グループの施設の1つでのウラニウム
鉱石処理を一時停止すると発表した。.
そのため、Oranoはニジェール以外の
ウラニウム産出諸国への依存を高め
ないとならなくなりそうだ。たとえば
カザフスタンやカナダ、
オーストラリアなどだ。
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それにしても、日本語メディアでは
このU価格大幅正常化の件はあまり報道
されておらず、
「石油やガス価格上昇中 ⇒ 原発再稼働
を」といった主張は見かけますよね。
いったい、どういう見識なのでしょう、
そうした日本語メディアは??
では、近いうちにHALEU問題に
ついての報道も紹介しますね。