Israel: Iran May Soon Enrich Uranium to
84% Purity
ザポリージャ原発の現状も気になりますが
多くのメディアでも取り上げられています。
一方、イランのウラニウム濃縮の問題は、
日本語メディアではほとんど報道を
見かけませんよね。
その点、イランとずっと緊張関係にある
イスラエルのメディアは、イランのU濃縮
をずっとウォッチしていますので、その
一例を紹介しますね。
内容をお読みくだされば、ザポリージャ
NPPに劣らず深刻な事態だとすぐに
お分かりいただけるはずです。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
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By Hana Levi Julian
2023年5月24日
イランがウラニウムの84%への濃縮を
近日中に始める恐れがあると、
イスラエル高官たちは見ている。
そこまで濃縮すると、原爆に必要な
濃度である90%の濃縮まで、あと
一息になってしまう。しかも、イラン
イスラム共和国はある山の地下深くに
新たな核施設を建築中である様子で、
それはフォルドウウラニウム濃縮工場
よりも深い地下にあるようだ。
国連のIAEA監査官たちは今年の2月、
イランがその当時、すでに83.7%まで
ウラニウムを濃縮していたことを発見、
驚愕した。.
それを受け、イラン政府高官たちは
IAEA監査官たちが検出した微粒子は
故意に濃縮したウラニウムではなく、
もっと低濃度の濃縮プロセスの副産物
として生じたものだ、と主張した。
イラン政府が以前にIAEAに述べた
ところでは、イランの遠心分離機は
60%濃縮のために設定されている
そうであった。だが60%はすでに
憂慮すべき濃度であり、それを90%に
まで高めるのは容易なのだ。
<ウラニウム濃縮で遠心分離機を使う
ことについては、上の黒いメニュー
(項目は基本的にアルファベット順)
にある「付録 w-1)」をクリック ⇒ 「
核燃料製造の過程で」という段落を
参照>
イスラエル高官たち、イランのU濃縮
と地下核施設とを討議
だがイスラエルの「Hayom」紙という
日刊紙の報道によれば、ベニヤミン
ネタニエフ首相やヨアフ ギャラント
国防相、国軍のヘルジ ハレーヴィ
参謀長などをはじめとするトップ
政治家たちや軍指導層たちは、
こうした濃縮が一度きりであるとは
見ていない。
彼らは今週、数回の会合を開き上述の
高濃度のウラニウム粒子について論じ
あった。さらに、イランは近いうちに
ウランの濃縮度を84%以上に高める
恐れがあると話し合った。
さらにイスラエルは、状況から必要が
生じれば、同国国防軍が行動すると
明言している。
ヘルズリヤ会議 <イスラエルの国防や
政策などを論じ合う毎年の会議> の
2023年会合が今週開催されたのだが、
そこでのハレーヴィの発言によれば、
イスラエルはイランの核開発
プログラムを密接に監視しており、
国防軍の参謀長もイスラエル軍はこの
プログラムの様子に応答して行動
できるよう用意ができている。
「イランでは秘かに困った開発が
進んでいる可能性があり、もし
そうなら対応が必要だ」と、
ハレーヴィは述べている。
「対応する能力は、イスラエル軍
にはある。他のある種の諸国にも
ある。これは実に重大で深刻な事態だ」
ネタニエフ首相が繰り返し強調して
きており、アメリカのジョー バイデン
大統領も同様なのだが、イランが
核兵器を製造することは、許容でき
ない。なにしろイランはすでに幾度
も、イスラエルを「世界地図から消し
去る」と宣言してきたのだ。
イラン、「手の届かぬ場所に」
新たな核施設を建設中
今週、<アメリカの地球観測画像
公社である> Planet Labs PBC が
新たな衛星画像を公表したのだが、
それを見るとイラン中央部にある
ザグロス山脈の山頂近くにイランが
新しい核開発施設を建設中である
様子が分かる。現存のナタンズ
ウラニウム濃縮複合施設の近くだ。
この新しい核施設は地面から最低
でも100m地下にあるようだ。
この新施設があまりにも地下深く
あるため、アメリカの兵器システムを
もってしても「まったく到達できない」
との懸念を、アメリカ政府高官たちは
表明している。地下施設を破壊する
ために設計されているアメリカの
強力なバンカー バスターは地下深くの
目標を破壊できるが、それをもって
してもこの新施設には届かない。.
この新施設が完成すれば「さらに
核武装のエスカレーションの循環を
招きかねない悪夢のシナリオとなって
しまう」とAssociated Press <通信社
のAP> に述べたのは、ワシントンに
本部を置くArms Control Association
<という軍縮団体> の理事Kelsey
Davenportだ。 .
「イランは核兵器に手の届くところ
まで来ており、さらに核開発
プログラムを少しでも進めるなら、
アメリカとイスラエルは確実に行動を
始めることになろう。ここから一歩
でもイランが進むなら、衝突のリスク
は増大してしまう」
イスラエル: 手の届かない場所など、
ない
イスラエルの国家安全保障顧問
TzachiHanegbiが先述の今秋開催
された2023年ヘルズリヤ会議の
出席者に対して述べたところでは、
手の届かない場所など存在しない。
もっとも 、かなりの課題はあろうが。
イランが新たな地下核施設を建設中
であり、しかもアメリカのバンカー
バスター爆弾も届かない地下深くに
あるという報道に、イスラエルは
驚きはしなかったと、Hanegbiは
語った。
Hanegbiは確かにこのような地下
施設では「攻撃方法が限られて
しまう」ことを認めたものの、
結局のところ「本件について言える
こととして、手の届きえない場所
など、存在しない」 としている。
そうした攻撃をイスラエルが単独で
実行できるのかどうかとの質問に
ついては、Hanegbi は回答を拒否
した。
「イランの核兵器事情が悪化し、
物理的な介入つまり軍事攻撃を
含むソリューションを招くに至ら
ないことを、我々は願っている」
とも、彼は語った。
Hanegbi はさらに、イランと国際
社会の対立はあくまで外交的手段で
解消されることを、イスラエルは
今でも願っているとも述べている。
イラン、新たな地下核施設に関する
報道を否定
イラン核エネルギー機関 (Atomic
Energy Organization) のディレクター
Mohammad Eslami は、この新核施設
建設に関するアメリカとイスラエルの
報道を否定し、「単なる虚偽の主張だ」
とした。
「<イスラエルの> シオニストたちは
中東情勢が緊迫したり時刻が困難に
直面すると必ず、この種の心理作戦を
強め要求を高めるのだ」と彼は語った
と、イランの「青年ジャーナリスト
クラブ(Young Journalist Club)」と
いうニュース ウェブサイトは報じて
いる。
「<イスラエルの> こうした主張や
捏造には、何の根拠もない。イランは
あくまでIAEAの基準や核拡散防止策に
則って行動しており、イランの取ろう
とする行為はいずれもIAEAとの調整を
経ている」とも、Eslami は語っている。
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もしこのままイランが核兵器製造に
突っ込んでいった場合、「核発電が
核兵器開発の隠れ蓑として悪用されて
きた」歴史の延長となります。
それがすでに、これだけ懸念されて
いるわけですが、それでもなお
「発電は平和利用」だと主張され
ますか??