イランは核開発プログラムをどう再構築しているのか?

エルサレムからの視点:
イランは核開発プログラムをどう再構築しているのか?
過去のイスラエルによる攻撃からの教訓

The Jerusalem Postのウェブサイトより
How Iran is rebuilding its nuclear program, learning from past Israeli strikes
Yonah Jeremy Bobさん、
2025年10月24日

ZNPPでは今のところ外部電力供給が一部復旧できたものの、
・ イランの核開発
・ その敵であるイスラエルはとっくの昔から核兵器を保有
(おそらく)
・ インド VS パキスタンは、相変わらず一触即発状態
・ 中国はICBMサイロなど増設中とみられる
・ 北朝鮮の核に対抗すべく、韓国の世論は核を求める
・ そして「当初の核保有5か国」にも不審な動き
と、どうも核をめぐる世界の動きは眩暈を引き起こし
そうな勢いです。

そんな只中、イランの核開発プログラム債権の様子を、
イスラエルのメディアがどう見ているのか?
その一例を紹介します。

不安 ・・・
私の、かなり昔の10分クロッキー
20分クロッキーの予定だったものが、
モデルさんの体調不良で10分になったものです。

いつもどおり、
私が抜粋・要約・日本語化しております。元の英語記事は
長いので。
全部を読みたい方は、上のリンクをクリックして、
元の英語記事をどうぞ!
<  > 内は、私からの補足説明です。
***************************************

How Iran is rebuilding its nuclear program,
learning from past Israeli strikes
(イランは核開発プログラムをどう再構築しているのか?
過去のイスラエルによる攻撃からの教訓)

昨年10月、イスラエル空軍(IAF)がTaleghan 2という
イランの核施設を攻撃した。それ以来今までに、その
施設では建設との関連で少なくとも4つの展開があった。

An Institute for Science and International Security
<科学国際安全保障研究所アメリカのNPOで、設立者の
Albrightは元IAEAの核査察官> の理事長David Albrightが
この月曜日 <10月20日> にある報告書を公表したのだが、
同研究所の他のメンバーたちがその4つの展開の間の
衛星画像を詳細に分析している。

イランがその核開発プログラムの再建に努めている
という点で、イスラエルと西側諸国にとって憂慮の対象
となっている施設は多数あり、Taleghan 2はその1つに
過ぎないのだが、この施設は有益なテスト ケースであり、
そこからイラン政府の全体的な方向性が見えてくる。

それでもまだやっとるがな~~

全体像

一歩退いて全体像を見てみよう。昨年10月の攻撃でIAFは
イランにある標的およそ20か所を攻撃した。それから7か月
以上後の今年6月には、さらに大掛かりな攻撃を実施、
少なくても1,000の標的を爆撃した。

昨年10月の攻撃での主な目的は、イランが保有している
先端型のロシア製S-300対空ミサイル システムをすべて
破壊することだった。

それを達成したことで、この6月にはイスラエルはさらに
大規模な攻撃を実施、それによりイランの核開発プログラム
を約2年遅らせる結果となった。

2024年10月の攻撃の主な標的はS-300対空システムで
あったが、同時にイスラエルはイランの核施設と弾道
ミサイル施設も数か所攻撃していた。

Albrightの報告書によれば、今年5月中旬までにはイランは
10月に攻撃を受けた現場に黒い一時的なカバーを設置、
破壊された施設の一部の再建に着手していた。

今年6月の攻撃の直前6月12日までには、衛星画像からは
上述の黒いカバーの前でイランが土台を構築していることが
判明していた。

上述のように、この6月の攻撃までにイランはこの2種類の
再建活動を始めていた。

8月30日までに、その土台の上には新たなアーチ型屋根の
建造物1棟と小型のやはりアーチ型屋根の建造物2棟とが
建設途上であった。土台は、大型建造物の前と両側とに
できていた。

さらに9月27日までには、第3のアーチ型屋根の建造物も
衛星画像で確認された。さらにその他のアーチ型建造物も、
ゆっくりと建設が進んでいた。

ことによるとさらに重大な問題だが、先に発見された2棟の
建造物の配置は、地中へのバンカーバスター攻撃を受けた
場合に「ブラスト トラップ」となるよう設計されていると
思われた。それぞれ、爆撃の威力を軽減するように働くのだ。
<通常、blast trapとは侵入などがあると爆発するトラップ
ですが、ここでは爆撃の影響を軽減するためのものの
ようです>

Albrightの報告書はさらに、このメインとなる再建
プロジェクトから200mほど離れた地点にも、新たな
サポート施設があったと記している。

上述の2つの動きが、6月の空爆以降にイランが行っている
核施設再建の動きである。

同研究所の報告書によれば、該当箇所でイランが何を建設
しようとしているのか、決定的に判定することはできない。
また、建設中の建造物が核開発プログラムとは無関係である
可能性もありえる、とのことだ。

再掲、20年以上も前にも、やっとったがな~~

とはいってもAlbrightはこうも記している:「その昔にはAMAD
<というイランの昔の核開発プログラム> で核兵器開発の
現場であった場所で、建設作業が行われているという事実
そのものが、充分に憂慮を招く。これら施設の本当の用途が
何なのか、重大な疑問が生じる」

Albrightの警告によれば、西側諸国とイスラエルそしてIAEAは、
こうした建築作業が「以前にはAMADプログラムで用いた
核兵器に伴う高性能爆薬のテスト室を再建しようとする
ものでないのか、あるいは比較的最近報告されたPETN
<peathriteとも呼ばれる爆薬で、可塑剤と混合してプラスチック
爆薬にも用いられます。C(CH2oNO2)4> というプラスチック
爆薬の製造所の再建行為ではないのか、見極める必要がある。
PETNの製造は、イランの核兵器開発活動の重要な一環で
あった」

さらに同研究所によれば、新しい建造物を土で埋めてバンカー
にした場合、イスラエル軍の空爆では従来よりも破壊しにくく
なる恐れがあるそうだ。

Albrightの報告には結論と呼べる記載はないものの、最悪の
シナリオとなった場合には、イラン政府は2024年10月の
イスラエルによる空爆から、IAFがイランの核施設をどこまで
破壊できるのかという能力を見極めており、また空爆の限界に
ついてもある程度学んだ可能性もある。

そういった視点で見ると、この5月から6月にかけての建設の
進捗は、新たな核施設をイスラエルからの攻撃から保護する
という対策であったように思われる。

6月の爆撃を受けてイラン政府が上述の以前核施設があった
箇所での再建プロジェクトの有効性を信用しない判断をして
いたのであれば、イランは建設をやめて別の場所を建設地点に
選んでいたはずだ。

だが <現実には> イランはその同じ場所で建設を続け、
拡張すらしている。それも、2024年10月の空爆の後のみならず、
この6月の攻撃の後ですら、そうなのだ。この事実から、
新設中の核施設の一部を将来のイスラエルによる攻撃から
保護するための新しい方式をイランが見つけたと、
アヤトーラたちは考えているようだ。

この報告書の多数箇所にある記載からは、イランがその核施設を
さらに地下へと移そうとしている模様だ。その地下戦略以外にも
各種の戦略を利用、将来のIAFによる空爆の効果を制限しようと
しているようだ。

イランに対する2024年10月とこの6月との空爆は大変効果的な
ものであったのだが、オープン ソースの記録からは、一部の
核施設には数回に及ぶ攻撃が必要であったことが明らかだ。

そうした例の一部として、同じ核施設敷地にある複数の施設の
一部が以前には標的にされていなかったのだが、それらも
破壊する必要があったのかもしれない。

再掲、壊せるもんなら、壊してみろ~

だが一部の例では、以前の攻撃では対象となる核施設に
充分な損害をもたらすことができなかったことが明らか
なのだ。

同じような理由から、この6月の攻撃ではイスラアエルは、
地下深くに全体があるフォルドウ核施設そしてイスファハン
核施設の地下部分への攻撃に当たっては、アメリカに対し
支援を求め、かつ支援を受けたことは皆が知るとおりである。

複数の核施設の攻撃でイスラエルがアメリカの支援を求めた
という事実から、核施設を保護するというイランの戦術の
一部が効果を発揮していることは、一層明らかだ。そうした
保護のため、施設を地下に建設したり、空爆による爆破や
ショック ウェーブの威力を軽減したりするのである。

さらに次のような方法によっても、イスラエルがとりえる
選択肢をイランは制限してきた。つまり、IAEAによる査察
すべてを実質的に禁止し、2015年の核合意では関係者全員に
より無視されてしまい、今のところ西側とイランの間では
核に関する交渉は行われていないのだ。

世界からの経済制裁

イランに対し外交・経済面での最も強力な武器は世界からの
経済制裁の「再開」であるが、ほぼひと月前に英国、
フランス、ドイツ(E3と呼ばれる)がこの制裁を再開している。
だがそれでも、イランが交渉の席に戻ろうとする様子は皆無だ。

・・・(中略)・・・

ずっと先を見てみると・・・
私の点描練習
Kettle, 2016, Nov 16

イランの核プログラムが再建されるのではという懸念は、
短中期的なものではない。これは、確かだ。

6月の爆撃以降のこの4か月間、イランはその核プログラムが
今も充分に生き続けていることを示す兆候を、何一つ
示せずにいた。その例として、爆撃以前にはウラニウム濃縮用
の遠心分離機が約2万台揃っていたのだが、<爆撃後には>
一台の遠心分離機も濃縮を行っているところを提示できて
いない。

憂慮すべきは、長期的につまり2年以上先にイランがまたもや
核の脅威となっているのでは、という問題なのだ。

イランが忍耐強くその核施設のすべてあるいは大部分をより
深い地下に移し、空爆の影響を軽減するための新たな防御策を
実施した場合、イスラエルがそれを攻撃するには、フォルドウ
とイスファハンという特に攻撃困難な施設だけでなく、
いずれの核施設を爆撃するにもアメリカ軍の支援を必要と
するのであろうか?

さらにトランプ政権の将来、つまりあまりアメリカの軍事力を
行使したがらなくなった時点で、イランの核開発プログラムが
重大な発展を遂げたとすれば、どうなるのだろうか?
あるいは、次のアメリカ大統領の政権が誕生し、大型バンカー
バスター爆弾でアメリカ軍が攻撃を行うというハイ リスクの
決断を嫌がる可能性もある。その時まで、ハメネイが待つ
つもりだとしたら?

イランはかつて秘密裏にAMADという核兵器開発プログラムを
進めていたが <1989年から2003年のことでした>、それを
発見したのはモサドであった。また昨年10月また今年6月の
空襲で使用したイラン核施設すべてを示した地図を発見した
のも、イスラエルのスパイ機関であるモサドであった。
そのとき、テヘランにある核資料アーカイブにイスラエルの
スパイたちが侵入したのだ。2018年のことである。

イランはIAEAを国内から締め出し、世界からの制裁を受け
ながらも外交を閉ざしている。今後もイランの核施設を
モサドが監視し続けること、また必要なら核施設を妨害する
ことが、今後は今まで以上に重要となろう。
*****************************************

やれやれ、もうイヤ・・・
私の点描練習

核開発なんて、やめていただくのが一番ですよね。
ただ、イランに核開発をやめてもらうには、イスラエルも
核兵器を放棄しないといけないでしょう ・・・

同様に、北朝鮮への対抗で韓国が核兵器を保有した場合、
どちらも相手が核を放棄するまで、自分たちも放棄しないと
言い出すんじゃ?
そして、そうした脅威に対抗するのだと日本が核兵器開発を
始めた場合には、北朝鮮が日本の核施設(原発や使用済み
核燃料再処理工場、U濃縮工場なども含む)を攻撃して
こないという保証はあるのでしょうか??

それと、モサドが云々という箇所、まるでスパイ映画
みたいな話ですが、フィクションではなく広く世界中で
報道されています。たとえば、次の英語のヴィデオを
ご覧ください:
Israel’s Strike on Iran That Took 20 Years to Plan | Explained

Inside Israel’s nighttime attack on Iran’s nuclear program | About That

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ZNPPの外部電力、1か月ぶりに復旧

ZNPPの外部電力、1か月ぶりに復旧

UKRINFORMの記事より
Zaporizhzhia Nuclear Power Plant is out of month-long blackout — Hrynchuk

日本語メディアではReutersなどの記事を要約したものが
公表されていますが、「やかんをのせたら~~」では
ウクライナのUKRINFORMの記事を紹介しましょう。

いつもどおり、
私による要約・抜粋・日本語化、
<  > 内は私からの補足説明です。
***********************************

再掲。Island operationという、
原子炉を少しだけ稼働させて、その発電で原子炉自体や使用済み核燃料冷却プールなどを
冷却するという場合もときにあるのですが、うまく調整して
持続するのが難しいようです。
結局、原発は外部からの電力を大量に消費する代物なのですね。

Zaporizhzhia Nuclear Power Plant is out of month-long blackout
— <ウクライナのエネルギー大臣である スヴィトゥラーナ>
フリンチュク

2025年10月23日

ZNPPに外部電力を供給する電力線の1つの修復作業を、
作業員たちが完了した。

Ukrinformによれば、<ウクライナの> エネルギー大臣
スヴィトゥラーナ フリンチュクがこの復旧について
Facebookで報告している。

同エネルギー大臣の投稿によれば、「エネルギー作業員
たちが、一時的に <ロシア軍に> 占拠されている
ザポリージャ原発への外部電力供給を復旧させた。これに
より同原発は、この1か月ほど続いた完全な <ステーション>
ブラックアウトから脱出したことになる。ロシアによる
全面的侵略が始まって以来、今回のステーション ブラック
アウトは10回目であった。750 kV のDniprovska 電力線の
修復が完了したのだが、それに続けて330 kV のFerospavna
電力線の修復作業が進行中だ」

フリンチュクが強調して述べていることとして、ZNPPでの
今回の1か月にわたる外部電力喪失は占拠しているロシア軍の
活動によるものであり、ロシア軍は体系的な砲撃を行って
同原発をウクライナのエネルギーシステムに接続している
電力線に損傷を起こしている。

さらに同大臣が強く訴えている点として、「今回の全面的
侵略の開始以来、ウクライナのエネルギー関連の作業員
たちはZNPPの電力線を42回修復してきた。同時に、核の
安全を長期的に確保できる唯一の方法は、非武装化を徹底
しザポリージャ原発の <ロシア軍による> 選挙を終わらせる
ことだ。そして、同原発をウクライナの原発事業者である
Energoatomの合法的な管理下に、完全に戻すことである」

・・・・ 以下略 ・・・・
*************************************

今後も、修復作業の進捗に関する報道を見つけたら
紹介しますね。
軍事活動の干渉なく、無事に修復が完了することを
祈っています!

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ザポリージャ原発の電力供給線の修復作業が始まる

Repairs begin on Zaporizhzhia power plant lines as local ceasefire zones set
(周辺地域での停戦ゾーンが決まり、ザポリージャ原発の電力供給線の修復作業が始まる)

Reutersのウェブサイトより
Repairs begin on Zaporizhzhia power plant lines as local ceasefire zones set
2025年10月19日

ようやく停戦ゾーンが定まり外部電力供給線の修復作業が開始されたそうです。
さっそく、Reutersの記事を紹介しましょう。
いつもどおり、私の要約・抜粋・日本語化です。
<  > 内は、私からの補足説明。

元の英語記事を読みたい方は、ぜひ上のリンクをクリックしてくださいな。

やっと始まった・・・行く先を守り導きたまえ
私の、かなり昔のボールペン スケッチ、東京のニコライ堂

**************************

(ロイター) – ウクライナのザポリージャ原発では外部電力供給が約4週間途絶えていたが修復作業が始まったと、土曜日 <10月18日> に高官が述べた。

IAEA のラファエル グロッシ事務局長によれば、修復作業を進めるために欠かせない停戦ゾーンが設けられた後に、この修復作業が始まったそうだ。

現時点ではこの原発は発電を行っていないが、炉内の核燃料を確実に冷却しメルトダウンを防止するため、外部からの電力供給を受ける必要がある。<上の肥大化した黒いメニューにある   付録 w-15) 参照>.

「外部からの電力供給を取り戻すことは、核の安全と安全保障のために大変重要だ。ロシアもウクライナもIAEAに建設的に協力、複雑な修復計画の完遂を可能にしてくれている」と、グロッシはXへの投稿で語っている。

ウクライナのエネルギー省も、同原発の管理を担当しているロシアの部門も、修復作業の開始を確認している。

・・・・(中略)

先を見通してみよう
私のかなり昔の人物デッサン

ウクライナのエネルギー大臣Svitlana Hrynchuk によれば、同原発をウクライナのグリッドに接続しウクライナの専門家たちが同原発の安全な稼働を確保することが、核事故を防止するうえで実に重要だそうだ。

同原発の管理を担当しているロシアの部門によると、修復作業の安全を確保するうえでは、ロシア国防省が重要な役割を果たすとのことだ。

(<インドの> Bengaluru駐在のRajveer Singh Pardesi ならびにロンドン駐在のFilipp Lebedev、そしてキーフのOlena Harmashによる報告。Jan Harvey編集)

*****************************

今後も、この修復作業の進捗について報道を見つけ次第、紹介してまいりますね。

もう、この辺で喧嘩しないでね ・・・
停戦ゾーンが守られることを祈ります
私の、昔のスケッチより
東京・目白聖公会のインテリア

 

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イランのU濃縮問題も、忘れちゃいません!

イランのU濃縮問題も、忘れちゃいません!

ザポリージャ原発の問題については、また進展があり次第その都度
紹介してまいりますね。今回は、イランのU濃縮について。

で、以前にも申しましたが、私はなにもイランに対して嫌悪や
敵意があるわけじゃ、まったくございません。どこであれ、
誰であれ、核兵器とその製造施設に対しては反対せねば
なりませんし、その証拠に上の肥大化した黒いメニューの
c-3)  c-4)  ではイスラエルの核兵器のことも取り上げております。

しかし。
・ 「例の60%濃縮U」について、イランがいまだに納得できる
説明をしていない
・  イラン当局の示してきた核兵器に関する方針が、
「核兵器はイスラームに反する」という主旨のファトゥワ
(イスラム指導者による判断)と、地下に秘密の核兵器関連
施設を建設・運営するという行為の間で揺れており、外部から
見ると不明確
という現状が続いております。
なら、イランによる核兵器製造の疑念についても、
「やかんをのせたら~~」では取り上げないわけには、
まいりません。「どこの国/団体が」はどーでもよくて、
「核だから問題だ!」なのですね。

誰がやらかしてるかは、関係ない!行為そのものが ~~

で、そのイランの「核に関する本音」を探るうえで重要な
記事が、The Foundation for Defense of Democraciesという
団体のLONG WAR JOURNALというウェブサイトにありました。
その内容を、私の抜粋要約・日本語化で紹介しますね。

元の英語記事を読みたい方は、
https://www.longwarjournal.org/archives/2025/10/analysis-iran-threatens-nuclear-weaponization-ambitions.php
をどうぞ。

Janatan Sayeiiさんによる記事
2025年10月18日付け
です。

<  > 内は、私からの補足説明です。
もはや2015年のJCPOAによる拘束を受けないと宣言した、
イランの核開発プログラム。
「やっぱりね~~」と思ったのは、私だけじゃないハズ。
で、内部事情を知る人からの情報を読んでみましょう。

内部を知る人のお話 ・・・

****************************************
アナリシス: イラン、核兵器製造で脅し

イランのShahid Beheshti大学学長であり同国を代表する
核科学者の一人でもある、Mahmoud Reza Aghamiri。
そのAghamiriが、イラン政府の核兵器開発の裏にある計算を
探るうえでの、希少な情報を明かしてくれた。

10月16日のインタビューでAghamiriが語ったところによれば、
イラン政府にはすでに「核爆弾を製造する能力はある」そうだ。
さらに、最高指導者アリ ハメネイ師による(核兵器を悪とする)
宗教上の宣言 <ファトゥワのこと> も変更される可能性がある、
とのことだ。イラン政府高官たちや核科学者たちが核兵器製造を
検討したことはあるのか否かという質問に対し、Aghamiriは
「もちろんだ」と答えた。関連科学者たち全員の脳裏を、
核兵器製造がよぎったことがあると述べていた。

さらにAghamiri によれば、イランが核兵器製造を目指すと
すれば、「ベストのやり方で製造する」とのことだ。
さらに、「核製造のプロセスで最重要な部分とは、ウラニウム
濃縮だ」そうである。実際、この5月にはイラン政府と
アメリカ政府の間で5回にわたる交渉が行われたのだが、
そこでもU濃縮と遠心分離機の能力とが中心的な決裂要因と
なった。アメリカもイランも、U濃縮を跨いではならない
レッド ラインとしていた。

EU、英国、カナダ、オーストラリア、スイスはShahid Beheshti
大学を核兵器拡散の責任ありとしているのだが、この大学が
研究してきた事項として、遠心分離機の連結カスケードを
最適化するためのパラメーター、排水からUを抽出するための
電気透析、U製の球体の爆発圧縮における臨界の算出、
そして中性子の精製や測定、移送のモデリングなどがあるのだ。

一度そう決めたなら、守ってくれよ!

Aghamiriの発言に類似した発言を、イラン政府要人たちも
先週しており、その中にはイラン国防省と軍部ロジスティクス
の長を以前務めていたAli Shamkhaniも名を連ねていた。
Shamkhaniは今月12日のインタビューで90年代の自分の任期
当時のことを回想、もし時間を巻き戻せるのなら、自分は
核爆弾の製造を命じていたと述べていた。

Shamkhaniは6月13日のイスラエルによる殺害攻撃を生き延びた
が、以前には国家安全保障最高評議会の秘書を務め、現在は
Expediency Council <交易判別会議 (Expediency Discernment
Council) のことだろうと思います> で最高指導者の顧問と
いう役職にある。したがって、アメリカとイランの核交渉に
おいても主要な役割を演じている。そのShamkhaniも、
防衛大臣としての任期中に核の専門家の「サークル」を形成した
ことを明かしている。その構成員の多くは、先日のイスラエル
との12日間戦争で消された。

Shamkhaniは1990年代前半にはイランは核兵器を求めては
いないと主張していたのだが、実際の証拠を見ると事実は
そうではない。パキスタンの核開発プログラムの父とでも
呼ぶべきAbdul Qadeer Khan <上の肥大化した黒いメニューで
b-11)  g-7)   f-8)  f-3) を参照> は1980年代終わりにこう
記している: Shamkhani が <パキスタンの首都> イスラマ
バードを訪問、核兵器を求めてきた、と。パキスタンは核爆弾を
販売することは拒否したが、遠心分離機の部品や核爆弾の青写真、
世界中のサプライヤーのリストをイランに供給したとされている。
これにより、イラン政権によるU濃縮プログラムの基盤が出来
上がった。

ゴミ容器の中身が「ゴミ」だけとは、限らない

先のアメリカとイスラエルによるイランの核施設への攻撃
以降、イランの濃縮Uが今後どうなるのかは謎に包まれている。
2025年5月中旬の時点で、イランの蓄積ウラニウムのうち
濃度が60%のものはおよそ408.6㎏あった。イスラエルによる
攻撃の後でAbbas Araghchi外相は「イランの濃縮Uは、爆撃を
受けた核施設のがれきの下に埋もれている」と述べたが、
これは 濃縮Uが破壊されたという意味かもしれない。だが
衛星画像と諜報機関からの漏洩情報とによれば、高濃縮Uの
多くはイランのフォルドウ施設から爆撃に先立って搬出され
別の場所に移された可能性がある。同じころ、6月13日に
イランはIAEAに対し自国の核物質を保護するために
「特殊な対策」を取ると通知していた。

イラン政府が西側に対する際、今も裏表のある発言をする
ことが主な様式となっている。核兵器製造に進むぞと見せかけ
つつ、ハメネイ師の上述のファトゥワがそれを禁じていることを
持ち出す。そして後に、このファトゥワも変更される恐れが
あると言い出すのだ。濃縮Uの今後についても同じような
曖昧さが付きまとっており、アメリカ政府の判断を鈍らせる
ための意図的な曖昧性なのだ。<核兵器を持ちたいという>
願望を表す発言はイランの意図を表し、濃縮Uはそうする能力を
示している。そしてイランの国家体制にあっては、能力が
得られると意図も生じた実例がよくあるのだ。

Janatan Sayeh はFoundation for Defense of Democraciesの
研究員で、イランの国内事情と中東地域での悪質な影響とを
専門にしている。

*************************************

どっちもどっち ・・・
私の、かなり昔の20分クロッキー x2

やや一方的にイランばかりを悪役にしてしまっている感は
ありますが、AghamirさんやShamkhaniさんの発言、また
アメリカとイスラエル VS イランという対立からは元は
第三者であり「世界の核の闇市場の創始者」でもある
Khan博士の記録などは、読む者を震撼させる恐怖を
覚えますよね。

ただそれを武力でやめさせようとしたイスラエルと
アメリカは、とっくに核兵器を保有しているわけでして ・・・・
イスラエルの核保有については、上の黒いメニューで
c-3)  c-4) をクリックしてお読みくださいませ。

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小型HTGR設計企業のRadiant社、ワイオミング州を追われテネシーへ

小型HTGR設計企業のRadiant社、ワイオミング州を追われ
テネシーへ

Beyond Nuclear Bulletin10月16日号より

元の英語記事は、次のウェブページでお読みになれます:
Radiant booted from WY Heads to TN – Beyond Nuclear

ザポリージャ原発の外部電力復旧工事が気になりますし、
復旧が始まったとの日本語報道も見かけるのですが、
周辺での軍事活動をまず停止させないと、工事をいくら
進めてもまた一撃で ~~~
ですから、この復旧工事については軍事活動に関する報道を
見つけたら、また紹介しますね。

お前のせいだ!いや、お前のせいだ!

では、今日は?
Beyond Nuclear Bulletinにある面白い記事を、私の抜粋要約・
日本語化で紹介します。
Radiant Industries社というアメリカの新型原子炉設計開発企業が、
最近までワイオミング州で業務をしていたのに、地元市民たち
からアレコレ反対に会い、テネシー州のオークリッジ国立研究所に
移転した、という記事です。マンハッタン計画の拠点の1つで
あったことで有名な研究所ですよね。
同社が開発している新型原子炉は小型のHTGRで、工場で製造し
現地に搬送するものだそうです。要するに、HTGRのマイクロ
SMRですね。マイクロ原子炉、つまり発電容量が1MW までの
ものです。同社の計画では、年間にこの”Kaleidos”という
HTGR-SMRを最大50基、工場で製造できるようになるそうです。Radiant社ではそのKaleidosをアメリカ国内で販売するだけで
なく、輸出することも考えているようです。

ここですでにお気づきの通り、
・ 年間最大で50基も製造、世界に輸出
・ しかも小型なので地下の秘密基地など、衛星画像では追跡
できない場所への
設置も可能
・ しかもHTGRなので、核燃料はHALEUになる恐れ
というわけですから、proliferation risksが従来の大型軽水炉
よりも大幅に高くなってしまいますよね。

なお、
・ HALEUについては上の肥大化してしまった黒いメニューに
あるページ hal-1) と hal-2) をお読みください。
・ HTGRについては、やはり上の黒いメニューにあるページ
h-0)  h-1)  h-2)  h-3)  h-4)  をお読みくださいな。
・ SMRについては、ページ
s-0)  s-1)  s-2)  s-3)  s-4)  s-5)  s-6)  s-7)  s-8)  s-9)  s-10) を
お読みくださいませ。
特にSMRは目下、核発電推進勢力が必死に売り込んでいる
代物ですので、私たち反核勢力はSMRの問題点などを
よく知っておく必要があります。

Radiant社については、同社のウェブサイトを:
Homepage – Radiant Nuclear

参照箇所が多すぎ~~
私がたわむれに描いたクロッキー

では、そのRadiant社の最近の騒ぎについて、Beyond Nuclear
ウェブサイトの記事から、抜粋・日本語化で紹介しましょう。
元の英語記事は長いので、全部を紹介するのはやめて
おきますね。
<  > 内は、私からの補足説明です。
**************************************

Radiant booted from WY   Heads to TN
(Radiant社、ワイオミング州を追い出されテネシーへ)

2025年10月16日

2025年10月13日、カリフォルニア州のエル 背軍度に本拠を
置く核発電のスタートアップ企業であるRadiant Industries社は
突如、プロジェクト計画の変更を発表した。当初、同社は
その新型マイクロ原子炉(最大で1MWのHTGR)設計の、
アメリカ初の大量生産アセンブリ―ラインを建設する予定
だったが、これに人々の賛同が得られず、変更を決めたのだ。
Radiant社がこのプロジェクトの試験的な実施を始めたのは
今年3月25日のことで、この時同社は一般市民との
ミーティングを行った。その場所はワイオミング州の
バーナン(Bar Nunn)というロッキー山脈の高地地帯に
ある小さな町(人口は3,000人以下)で、その町の住民たちが
このミーティングで同社に質問を突き付けた。集まった
町民たちは誠実な回答を期待していたのだが同社はまともな
回答をせず、それ以降のミーティングは喧しいものとなった。
話は事態の最後へと飛ぶが、それから202日後になって、
Radiant社はCowboy State Daily <というワイオミング州の
地方紙> のエディター宛の公開書簡を発表、Kaleidos原子炉
(ギリシャ語で、「麗しいもの」という意味)のアセンブリ―
ラインの建設場所をテネシー州オーク リッジにあるオーク
リッジ国立研究所へと移すと告げた。もともと、アメリカ
エネルギー省の研究所である。「マンハッタン プロジェクト」
での原爆製造施設の1つであった。

バーナンの町はナトローナ郡 <Natrona County> にあるの
だが、そこで独自のスタイルで社会活動を行い影響力のある
活動家Samantha Fowlerは、次のように述べている。
「Radiant Industries社がワイオミング州に来た時、まるで
開拓者みたいな口をきいていた。その当時から住民たちは
安全性や放射性廃棄物、何かあった場合の責任の所在などに
ついて同社に質問を投げかけていた。同社は質問には答えず、
以前から用意していた通りの言葉を返してきた。バーナンの
町役場と市長は私たちに、放射性廃棄物は「一時的に」
「安全に管理する」と述べていたのだが、廃棄物をどこに
保管するのか、この「一時的」はどの程度の期間なのかに
ついては、まったく説明がなかった。この問題に関し住民が
投票を行うことも彼らは拒否、請願も無視し、この問題を
憂慮していた住民たちのことを、議員たる自分たちが代表者を
務めている市民としてではなく、妨害者であるかのような
振る舞いをしていた。その間、Radiant社は黙していた。
ワイオミングでのこのプロジェクトを指揮していたMatt
Wilsonはある時、突然Radiantの姿をワイオミングの公衆から
消し去った。新たな通知もなく、声明もなく、何もなかった。
Radiant社がテネシー州へと移るというニュースがようやく
報じられたとき、Wilsonは住民たちからの講義も、バーナン
<の住民たち> が抗議を貫いたという事実も、気に留め
なかった。それどころか彼は、まっとうな抗議を貫いた
住民たちを侮辱していた。ワイオミングの人たちは
「核に関するIQが低い」と宣うたのである。それが、
Wilsonの最後の言葉だった」

おい、ちゃんと回答しろ!

・・・以下略・・・
********************************

やれやれ、最後の方は、日本でもありそうな展開ですよね。
ただ、原発推進勢力や原発企業などに「核IQが低い」などと言わせないよう、
私たち反核勢力が日ごろから技術面も含んだ情報発信をしっかりと進めていることは必要です。

特にHTGRやSMRとの関係では、いまだに反原発派の一部に見られる
核発電の最大の問題 = 原発事故
という往々にして発作的な反応は、困りものです。
上の参照ページの一部で紹介したように、確かに
SMRにはpassive safetyが備わっており(特にページ s-2) 参照。ただし、付録 w-20) も参照)、
HTGRの実験で、2024年3月に茨城県でJAEAが「わざと冷却系をとめて、
メルトダウンが起きるかどうか試すテスト」を実施したのですが、
現実に「勝手に原子炉は停止、メルトダウンはしなかった」のです。(ページ h-4) 参照)
仮に事故が全くなくなった場合でも、proliferationというさらに深刻な問題は残る・・・というより、
原子炉の事故が減った分だけproliferators は原子炉を「安全に」使用できる ⇒ Pu-239の製造がやりやすくなる
というディレンマは、決して忘れないでください。
所詮、過去の事実からも、原子炉とは核兵器用のPu-239製造装置なのです。

20-minute croquis  Moms are great!
私の産む子供は、私に似る ・・・
私の、昔の20分クロッキー
このモデルさん、お子さんがいらっしゃる様子でした
美術モデルさんの中では、比較的珍しい存在です

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ZNPPの外部電力供給回復工事、今週末から??

Reutersのウェブサイトより
Work to restore link to Zaporizhzhia nuclear plant begins this week, Russian official says | Reuters

2025年10月15日(元は14日の発表でしたが、翌日にアップデート)

ザポリージャ原発の外部電力供給を回復しようとする工事が始まりそうだ、とのニュースを下で紹介しましたが、ロシア側からの反応に関するReutersの記事を、私が抜粋・要約・日本語化で紹介しますね。

<  > 内は、私からの補足説明です。

たとえば冷却塔のある原発の場合、冷却塔の中ではこうした処理が。
当然、外部からの電力供給がないと、冷却ができなくなります。
説明のために簡略化した一例

************************************
あるロシア高官が火曜日 <14日> に語ったところでは、ザポリージャ原発 <以下、ZNPP> への外部電力供給を回復するための作業は今週始まるそうだ。ZNPPが非常湯のディーゼル発電機に依存するようになってから、今で3週間になる。

ウィーンにある国際機関向けのロシア代表であるMikhail Ulyanovがロシアの国営通信社RIAに対し、「今回は、<電力供給回復のための> 作業を始める準備を進めている。<2系統ある> 電力供給線の両方を修復する作業を、今週末に始める予定だ」と述べた。さらに彼の発言では、
「この作業をやり遂げるには、修復作業を行う地域での停戦で合意することが不可欠だ」とも、Ulyanovは語っている。
・・・・・
ウクライナ外相によれば、ロシアは意図的に外部電力供給線を切断、ロシアのグリッドにZNPPを接続しようとしているそうだ。この日曜 <12日> の発言である。
一方、ロシアのトップ外交官が今月述べたところによれば、ロシアにはZNPPを再稼働する意図は全くないそうだ。
************************************

さて、どうなることやら ~~
また、今後の報道を見つけ次第、ここで紹介しますね。

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ウクライナ情勢に関するIAEA事務局長の声明

IAEA Weekly News, 10 Oct. 2025

Update 320 — IAEA Director General Statement on Situation
in Ukraine
(アップデート320 — ウクライナ情勢に関するIAEA事務局長の
声明)
オーストリアのウィーン発
2025年10月9日

そっちも見ておかないと~~
私の20分クロッキー、男性のモデルさん

私はIAEAのnews e-mailにもsubscribeしています。
反原発団体の一部には、「あんな原発推進機関のニュースレター
なんか読んで、何になるんだ!?」と仰る方々もいらっしゃるの
ですが、次の2つの点で必要です:
1) 核発電推進側の見解や主張も知っておかないと、まともな
議論ができません。
2) ことにウクライナ情勢のように戦争が絡んでいる場合、
どちらか一方の報道ばかりを読んでいては、情報操作に
操られてしまいやすいですよね。
それを可能な限り避けるには、「一応、中立的な」国際機関に
よる報道が重要になります。

そのIAEAのnews e-mailの10月10日号から、グロッシ事務局長
によるウクライナ情勢の最新報を、私の抜粋・要約・日本語化
で紹介しますね。

元の英語テキストを読みたい方は、
Update 320 – IAEA Director General Statement on Situation in Ukraine | IAEA
をどうぞ!
<  > 内は、私からの補足説明です。
*************************************

IAEA のラファエル マリアーノ グロッシ事務局長が本日述べた
ところでは、ウクライナのザポリージャ原発(ZNPP)への
外部電力供給を復旧させるためのプロセスが始まった。そこに
至るまでに、ここ何週間かウクライナとロシアの両者と頻繁に
接触し、軍事衝突の最中に同原発の外部電力供給が途切れて
しまっている問題に対処した。

再掲 外部電力、どないすんねん?砲弾が飛んでくるんやぞ!

ZNPPが先月送電グリッドとの接続をすべて失って以来、
グロッシ事務局長はウクライナとロシア連邦の両者に働きかけ、
同原発に外部電力供給を復旧させるための具体的な提案を
提唱した。同原発の6基の原子炉はすべて停止中だが、
それでもそれら原子炉とと使用済み核燃料とを冷却するため、
外部電力の供給が必要なのだ。

焦点となった課題は、損傷を被った750kVのDniprovska送電線
と330 kVのFerosplavna-1送電線との修復作業を無事に行う
ための安全な状態の確保にあった。この2つの送電線は、
ZNPP近くの戦闘前線をはさんでそれぞれ反対側にある。

「集中的な相談を重ね、Dniprovska と Ferosplavna-1という
電力線により外部電力を回復するためのプロセスが
開始できた」と、グロッシ事務局長は述べている。

さらにグロッシによれば、「ZNPPとのグリッド接続が回復
できるまでにはまだ時間を要するが、ロシアもウクライナも
IAEAと建設的に協力してくださり、核の安全と安全保障に
欠かせない外部電力回復という目的に取り組んでくれた。
その意味では <同原発の安全性という点では>、これ以上
事態が悪化すると誰も得をしない」

ZNPPへの電力供給線としては750kV の送電線が最後に
残っていたのだが、それが9月23日に切断され、それに
より今回の戦争では10回目の外部電力喪失となって
しまった。それに先立つこと約5か月前に、最後に残って
いた330kVのバックアップ送電線が切断されていた。
ロシアとウクライナはともに、こうした損害を軍事活動に
よるものと非難していた。

そうした事情から、この2週間以上、ヨーロッパ最大の
原発であるZNPPでは緊急用ディーゼル発電機(EDG)に
よって冷却用のポンプを稼働させざるを得なくなっていた。
かくして、同原発の核安全ならびに安全保障に関する状況は、
そうでなくても危険に晒されていたのだが、一層危険極まり
ないものとなった。

再掲 非常用ディーゼル発電装置の例
あくまで、概略図ですよ

ZNPPでは現在7台のEDGが稼働中で、その他13台も
スタンバイ状態にある。この原発では引き続きそれらEDGを
交代で使用、必要となる電力を発電している。電力を必要と
するものの1つとして、原子炉の安全システムもある。

現地のIAEAチームは核安全性に関するデータを定期的に
受け取っているのだが、それによれば使用済み核燃料冷却
プールでも原子炉の冷却材でも、温度上昇は見られない。
つまり、どちらの核燃料の冷却も順調に行われている。

今週前半、このチームは現地査察を実施、その時点で
スタンバイ状態になっていた核EDGの状態を調べた。
さらにこのチームは、冷却に不可欠な取水池も平常通り
機能していたことも確認した。この水で、原子炉と使用済み
核燃料とを冷却しているのだ。同原発での放射線レベルも
通常通りであったと、チームは報告している。

このチームは引き続き、同原発周辺で軍事活動が行われて
いると報じている。その原発からの距離は、まちまちだ。
この火曜日 <10月7日> の夜には、このチームのメンバー
たちは5回の爆発が次々に発生するのを聞いている。
<他の報道では2回となっているものもありました>
いずれも原発の近くで起きた爆発で、建物の窓が震えていた。

IAEAのチームは、ウクライナの他の原発にも配置されて
いるのだが、ほとんどの日に軍事活動を報告している。
ザポリージャ以外の原発とは、クメルニツキー、リウネ、
南ウクライナ、そしてチョルノービ <チェルノブイリ>
である。

10月4日にクメルニツキー原発のチームが得た情報によれば、
同原発周辺でドローン16機を観察した。そのうち最も近くに
来たものは、原発から5.5㎞の地点まで接近していた。
その翌日には、南ウクライナ原発の北やはり5.5㎞ほどの
地点で3機のドローンを確認した。

チョルノービ原発ではいまだに、330kVの送電線が先週切断
されたままで、接続が回復できていない。これは約40㎞
離れた地点、Slavutychという町の近郊にある変電所に対し
軍事攻撃がなされたためだとされる。

核安全と安全保障とを確保するためのIAEAの包括的な支援
プログラムの下、クメルニツキー 原発では今週、放射線測定
メーターを受け取った。この調達の資金はチェコ共和国と
日本からの拠出によるものだ。これで機器類の搬入は
159回目となり、今回の戦争中に行われた搬入物すべての
総額は2,000万ユーロに達する。
************************************

再掲  原発の冷却(PWRの場合)

さて、軍事的な妨害なく、無事に復旧が進んでくれると
いいのですが~~
なお、原子炉は停止中でも冷却がっ必要で、そのため外部
からの電力を消費する必要があること(たとえば、冷却水を
循環させるためのポンプなどに)については、必要なら
上の黒いメニューの終わり近くにある 付録 w-15) を
お読みくださいな。

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ザポリージャ原発で爆発 ― IAEAが発表

ザポリージャ原発で爆発 ― IAEAが発表

Ukrainian Newsのウェブサイトより
IAEA reports explosions near Zaporizhzhia NPP | Ukrainian news

2025年10月7日

Herasimova Tatianaエディター

外部電力の供給を失ったままのザポリージャ原発ですが、
そこで砲撃?かなにかがあり、爆発があったようです。
IAEAの発表による情報を、Ukrainian Newsが取り上げて
います。
元の情報はIAEAという中立の機関がTelegramに公表した
ものなので、信頼性は高いと思います。

私の抜粋要約・日本語化で紹介します。
<  > 内は、私からの補足説明です。
*********************************************

攻撃なんか、やってまへんでえ~~


ザポリージャ原発近くで爆発 ― IAEA が報告

IAEAのチームが記しているところでは、現在のところ

<ロシアが> 一時的に占拠しているザポリージャ原発の
敷地の縁から1.25㎞の地点で、砲弾2発が着弾した
そうだ。IAEAのTelegramチャネルでの10月6日
月曜日のメッセージとして記載されている

ザポリージャ原発に配置されているIAEAのスタッフが、
同原発の近くで数件の爆発音を聞いている。IAEAは砲弾を
発射したのかは正確には言及しておらず、単に危険性を
報じている。

「ザポリージャ原発のIAEAチームが本日、同原発近くでの
着弾と発砲の音を数回聞いている。ザポリージャ原発に
よれば、敷地の縁から1.25kmの地点で2発が着弾した
そうだ。同原発の外部電力供給が途絶えてからもう2週間に
なるというのに、砲撃という更なる危険が加わった」と、
このメッセージには記されている。

すでにUkrainian Newsでは報じていることだが、10月2日に
ロシアの独裁者ヴラディミール プーティンはロシアが>
一時的に占拠しているザポリージャ原発にウクライナが
攻撃を加えたと主張、ウクライナを非難した。さらに、侵略者
であるロシアがウクライナの領土にある同原発に攻撃を加える
可能性もあると発言していた。
*************************************

よく見続けないと~
私のかなり昔の20分クロッキー

詳細が報じられたら、また紹介しますね。
いずれにせよ、これ以上の危険がZNPPを襲わないことを、
祈っています!

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アメリカ政府が無償でPu-239を民間スタートアップに支給!

アメリカ政府が無償でPu-239を民間スタートアップに支給!

Beyond Nuclearのウェブサイトより
U.S. to gift Pu-239 to private nuclear industry – Beyond Nuclear

Beyond Nuclearさんによる記事
2025年10月2日

ありゃま、こんなことって、あって良いのでしょうか!?!?
アメリカ政府って今まで、核の拡散に対して大変警戒して
きたはずです。
それがアル・ゴア元副大統領の姿勢などにも、はっきり
表れていました。
(上の肥大した黒いメニューで、付録 w-4) などを参照)

それが今や、アメリカ政府がPuを民間に支給だそうです。
まずは、Beyond Nuclearさんの記事を見てまいりましょう。

くどいけど再掲
それだけ、重要なチャートです。
「核燃料」と「核兵器」とは、単なる「程度違い」であることをお忘れなく!

 

ページ d-1) の説明図を再掲
Pu抽出については、右半分に

Beyond Nuclearさんの発表記事の一部については、
全体を日本語化する許可を私が得ているので、
記事本文を全訳しますね。
<  > 内は、私からの補足説明です。
**********************************************

トランプ政権、民間企業に国の核兵器Puのストックパイル
20トンを無償提供。核兵器拡散の危険が。 

未公開であった政府文書をPolitico <というウェブサイト、
Politics, Policy, Political News – POLITICO> が入手して
レビュー、さらに下院の民主党議員3名がドナルド トランプ
大統領への書簡でこの文書を問題にしたのだが、同文書に
よれば核発電のスタートアップ企業を対象に国の有する
核兵器グレードのPu 20トンを無償提供する計画を、
ホワイトハウスは進めている、とのことだ。
トランプ政権のこの目論見では、アメリカに冷戦時代から
残っていて恒久的な核廃棄物として処分されるはずに
なっていた核兵器のストックパイルから核弾頭2,000個
相当分<のPu> を取り出し提供することで、アメリカの
民間原子力スタートアップ企業が迅速に事業を軌道に
乗せられるよう支援する。対象となる原子力関連の
駆け出し各社は、それを受け取る代わりに、国内での
発電用に開発する新世代の原発で、そのPuの燃料を
使用することになる。だが、そうした原子炉は現時点では
実証がされておらず、ライセンスもおりて
いないのだ。この目論見の一環として、アメリカのスタート
アップ核企業の一部は核燃料中のPuを再処理して国外に
輸出する。トランプ
政権がこのような兵器グレードのPuの密売的行為を
行うなら、国家による核兵器プログラムのみならず、窃盗団に
よる核兵器用物質の入手とテロリスト組織への販売すら
全世界に大幅に拡散させてしまう結果になりかねない。

このホワイトハウスの目論見では、現時点で核兵器開発と
核発電の推進とを担当しているエネルギー省(DOE)に対し、
兵器グレードのPuを「変質」させて、スタートアップの
核発電各社が新型の設計の原子炉で使用できるようにする
任務を委ねる。そうした原子炉は未完成でまだ承認も受けて
いない(例として、カリフォルニア州サンタ クララに本部が
ある原子炉のスタートアップ企業のOklo社によるAuroraと
いうナトリウム冷却・金属燃料の高速原子炉や、ビル ゲイツ氏
出資のTerraPower社のNatriumという新型原子炉など)
のだが、それでもすでにOklo社などは高速原子炉を世界市場と
国内市場とに売り込むマーケティングを秘かに始めている。
<Natriumについては、上の黒いメニューにあるページ シリーズ
tw-1)  tw-2)  tw-3) を参照>

ホワイトハウスからのこの大統領令は今年5月に、トランプ
大統領による全米への「核エネルギーを解き放て」という
呼びかけの一環として発されたもので、エネルギー省に
対してはアメリカの余剰Puを活用せよと指示していた。
現時点でのホワイトハウスの計画ではさらに、核弾頭の
部品である「プルトニウム ピット」というコンポーネントの
余剰も、軍部が民間用途に譲渡せよとしている。
<「プルトニウム ピット」: 日本語Wikipediaに解説があります。
ピット(核兵器)

ある程度高くなると、頂点までの勾配が小さくなる~
U濃縮でも、ある程度の濃度になると、兵器グレード(90%)に達しやすくなる

Politico の該当記事ではOklo社のCEOであるJacob DeWitteの発言を
紹介しているが、「Okloは、このPu核燃料のプログラムを活用したく
考えている。競合各社とは異なり、Okloの高速中性子原子炉はPuを
「つなぎ材料」として活用し、ウラニウムのグレードを高めるための
プロセスというボトルネックを迂回できる」 そうした「望まれる
グレードのウラニウム」の燃料は今のところ、ロシアから輸入する
しか入手手段がないのだ。つまり、ここで望まれているグレード
<濃縮度> のUとはU-235を20%近くまで濃縮したウラニウム
燃料で、High Assay Low Enriched Uranium (HALEU) と呼ばれる。

Okloの以前の取締役として高名であったChris Wrightは、トランプ
大統領の新たに任命したエネルギー長官であることが確認され、
Oklo社を退いている。Okloの Aurora 原子炉の設計を現在、原子力
規制委員会が検討中なのだが、これは液体ナトリウム冷却・金属核
燃料の高速原子炉であり、賛否の分かれる代物だ。この高速
原子炉が議論を呼ぶのは主に、この原子炉を改造すれば「二重用途」
(つまり、商用と軍事用)の原子炉となり、Puをさらに増殖して
発電にも核兵器にも使用できるためだ。
<高速増殖炉でのPu増殖の危険性については、ページ if-3) を参照>

Okloの開発計画のコンセプトに対しては、2025年7月25日付のある
米議会宛の書簡で反対が表明されている。これには核兵器の世界
拡散に反対する17 名の専門科学者たちが署名していた。最重要の
問題として、アメリカはこの50年間、商用原発でのPu燃料の使用に
反対してきたのだが、それから根本的には何ら変化は発生して
いないのだ。これは、安全保障と経済性の両面での理由による。
その書簡がさらに告発しているところによれば、核兵器グレードの
Puを原発の燃料として使用するというこの提案の予算を承認して
しまうと、核兵器の世界的拡散を加速させてしまうだけだ。
その過程は明らかで、次の2通りがある:
1) アメリカ企業が、Pu核燃料とPu抽出技術とを国際的に輸出する
計画である。
2)  アメリカが他国による兵器グレードPuを発電用と称して密売など
することを非難できなくなってしまう。アメリカ自身も、同じことを
やってしまうからだ。

さらに、パイロ プロセシングという一種の「リサイクル」技術で
<使用済み核燃料から> PuとUを抽出して再使用するのは、
すでに経済面での理由から持続的に実行できないことが判明して
いる。核発電は既に経済的に厳しいものであり、それがさらに
悪化してしまうだけである。この再処理プロセスが「安全と
安全保障の両面で大変コストのかかる」ものであることは既に
認識されており、使用済み核燃料からPuなどを抽出する作業も、
それを各燃料に加工するのも、コストがかかり過ぎる」

再処理の方式としては、大別して湿式(PUREX) と乾式(pyroprocessing)とがあります。
ごくごく簡略化して説明しておきます。

**********************************

日本特有の核燃料再処理の場合で説明
分離したUとPuをワザワザ一部ミックスして、MOX → だから、核兵器製造用じゃない、という「体裁づくり」 でしょうが、いったんPuを分離精製している以上、いつでも核兵器に使えますよね (潜在的核兵器保有)
日本のものですが、再処理によりUとPuが取り出せることは共通です

アメリカ政府の方針なので、私も含めて他国の市民には抗議も
しにくいのですが、アメリカの反核団体を日本から応援することは
可能です。
上の黒いメニューでページ v-1) をクリックすれば、
Beyond Nuclearさんの連絡先があります。
Bulletin送信のための登録や、寄付などをお願いいたしますね。

それと、今回の記事では技術的な記載も多く、説明が必要でした
よね。
やはり、核発電と核兵器の不可分性を社会に訴えていくなら、
核技術のある程度の理解も欠かせません。ページ a-4) 参照。

なんだか、イカレてる~~
私の20分クロッキーに後で着色したもの。
soft pastel over oil pastel の実験

 

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新ページ s-10) (SMR) もっとproliferation risks (s-3) への続き) をアップロード

データ センター用電源 ⇒ SMRがピッタリ
というような言説がまかり通る今日この頃ですが、
proliferation risksは検討されているのでしょうかねえ??

新しいページ s-10) では、この問題を取り上げた専門家
による論文を見つけたので、
ごく一部を抜粋・日本語化で紹介しております。

私がページ s-3) で指摘したリスクも、まんざら
「単なるイマジネーション」ではないことを、ご理解いただけると思います。

上の黒いメニューで、s-10) をクリック!

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