ザポリージャ原発の最新情勢、英国の Daily Mail の記事を紹介

ザポリージャ原発の状況が、心配ですよね。
英国のタブロイド、Daily Mailの8月6日更新の記事がこの問題を
詳しく扱っているので、例によって私が日本語化して紹介を始めます。

このところ、長いテキストの紹介を少しづつ進めようとしていますが、
・ 「核抑止理論の10の欠陥」も途中ですし、
・ 「チョルノービ原発が戦闘なしに陥落した事情、ロイターの調査」も
途中になっています。
もう1つ、「途中まで紹介」を加えることになってしまいますが、
いずれも重要な問題なので、ご了承を。

****************
Daily Mail の Mail Onlineより

Shelling HITS power line at ‘out-of-control’ nuclear power plant: Ukraine and Russia risk disaster | Daily Mail Online
(「制御不能な」 原発への砲撃が電力線を破壊、ウクライナと
ロシアに災害のリスク)

英国の “中間層読者” 向けタブロイドとして有名なDaily MailのOnlineより、
2022年8月5日初投稿の記事を紹介します。タブロイドなので、
表現が大げさであったりする点は、ご了解ください。
いつもどおり、私の抜粋・日本語化、< > 内は私からの補足説明です。

「制御不能な」<ザポリージャ> 原発で、砲撃が電力線を破壊。
プーティンの部隊が新たなチェルノブイリ級の災害を引き起こしかね
なかった事態の後で、ウクライナとロシアが非難合戦

せっかく都市が機能していても、砲弾がそれをすべて破壊してしまう場合が ・・・ 私の、かなり昔の作品

せっかく都市が機能していても、砲弾がそれをすべて破壊してしまう場合が ・・・
私の、かなり昔の作品

・ 今回の侵略の初期段階で、ロシア軍がザポリージャ原発を制圧
・ ウクライナはある砲弾が金曜日 <8月5日> に同原発を直撃したと
主張。ただし、放射線は検出されていない。
・ 3月の侵攻時にも、同原発に向けた砲撃があった。
・ <英国の> 国防省の主張では、同原発は反撃を遮る盾として
利用されている。
・ 同省によれば、ロシアは同原発を占拠することで、その現場での安全と
セキュリティをリスクに曝している。
・ 国際的専門家たちは同原発での核事故を憂慮し、同原発現地の調査を
求めている。

Matthew Lodge, Walter Finch, Chris Jewers記者からMailOnlineへの報告
最終更新: 2022年8月6日

核なき世界になりますように ・・・

核なき世界になりますように ・・・ 私のTシャツ作品

ロシア軍からの砲撃がザポリージャ原発の高圧線を直撃したと、
ウクライナの国営核発電企業が主張している。

<その国営企業である> エネルゴアトムによれば、この金曜日にヨーロッパ
最大の原発 <であるザポリージャ> をロシア軍の砲撃が直撃したが、
まだ稼働を継続でき、放射性物質の漏出は検出されていない。
同原発周辺地区は、現時点でロシア軍が制圧している。

この発表が出される少し前に、ロシアに占拠されているウクライナの
エネルホダル市のロシア軍が設けた自治体当局は、同原発の電力線が
ウクライナ軍の攻撃で損傷していると述べていた。

国連の核管理チーフ <IAEAの事務局長のこと> は、同原発が 「飛び交う
銃弾のため、まったく管理不能に陥っているが、まだウクライナ側の
スタッフが稼働を続けている」 と警告を発している。

今回の砲撃が行われた時、<英国の> 国防省 (MoD) は、
占領軍 <ロシア軍> が 「原発のセキュリティや安全を踏みにじっている」
と発表、プーティンの軍隊は同原発を盾として利用していると主張していた。
*****************

続きは次回に!

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ロイターのスペシャル レポート、チョルノービ原発が戦闘なしで「陥落」したのは ・・・

2月終わりにロシア軍がウクライナ侵略を始めた際、
チョルノービ原発にはウクライナ側の防衛隊がいたのに、
すぐにロシア軍の手に落ちましたよね。
なぜそうなったのか、不思議でした。

そこで、Reutersも特別な調査を実施したのですが、
ウクライナのセキュリティや防衛関連の省庁の中に、
ロシアがエージェント網を張り巡らせていたようです。

How Russia spread a secret web of agents across Ukraine (reuters.com)
(ウクライナ全土に、ロシアが秘密のエージェントのウェブを張り巡らせていた様子)
というページで公開されていますが、
長い
日本語版が見当たらない
という2つの理由から、日本語読者の多くには
せっかくのスペシャル レポートの内容詳細が伝わらないと
思います。


聞こえてこない ・・・
私の20分クロッキー

(なお、こうした「言語障壁」のために
日本国内の反原発団体などに充分な情報が伝わっていない
問題を、従来から経験しております。
反原発団体などの皆様は、こうした言語障壁の
克服にも努めるべきでしょう。)

そこで、このスペシャル レポートの内容を、私が少しづつ
抜粋・日本語化して 「やかんをのせたら~~」 で紹介していく
ことにしました。
いつもどおり、< > 内は私からの補足説明です。

今回は、冒頭部だけです。

*****************
記者: MARI SAITO(キーフ)、MARIA TSVETKOVA(パリ)
2022年7月28日
2022年2月24日
ロシアからの侵略部隊の先頭装甲車両がチョルノービ中心部に到達したとき、
この悪名高き原発の防衛に当たるウクライナの部隊と直面した。

それから2時間
戦闘はなかった
ウクライナ国家親衛隊の169名からなる部隊は、武器を置いたのだ。
ロシア軍は、チョルノービを掌中に収めた。そこには何トンもの
核物質があり、またキーフに進軍するうえでの重要な集結地点でもある。
・・・・(中略)・・・・

ロイター スペシャル レポート
ウクライナ全土に、ロシアが秘密のエージェントのウェブを
張り巡らせていた様子

この、世界史上最悪の核発電災害の現場であるチョルノービの
陥落は、今回の5か月になる戦争での異常な事態として目立っている。
その他の地域での戦闘では、ロシア軍部隊が残忍非道に進軍、
その電撃作戦をウクライナ軍がしぶとく食い止めているのだが。

今回のロイターによる調査の結果、チョルノービでのロシア軍の
楽勝は決して偶然の産物ではないことが判明した。ウクライナ
国内に秘密のエージェントを深く潜入させておくという、
ロシア政府の長期的作戦が成功したのだった。

ロシア政府の今回の戦争への準備のことを良く知る5名の人物に
よれば、ヴラディミール プーティン大統領の側近にいる戦争計画
立案者たちは、こうした秘密のエージェントたちの協力により、
大した戦力を必要とせずにロシアは数日でウクライナのヴォロディミル
ゼレンスキー政権を解体、国外逃亡ないしは捕虜にできると考えて
いたようだ。

Another 20-min croquis -- tried to treat the model and surrounding space as a unity / 20分クロッキー。モデルさんと周囲の空間とを、一体として扱おうという試行
やってみると、予想より遥かにややこしかった ・・・
私の20分クロッキー

<今回の調査では> ロシアならびにウクライナの高官数十名を
インタビューするとともに、チョルノービで勤務していた人々の
行動に関する調査に関連したウクライナの法廷文書や調査官に
対する供述内容を調べた。その結果ロイターは、このロシアによる
秘密エージェントの潜入が、それまで一般に認められていたよりも
はるかに深いものであったことを突き止めた。インタビューした
高官たちとしては、ロシア軍による侵略計画についての
ブリーフィングを受けていた在ロシアの役人、またスパイの追跡を
任務とするウクライナの調査官の両方を含んでいる。
******************

次回以降、レポートの内容を少しづつ紹介してまいります!

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付録 w-2) に加筆 ~~ 「原発の夏バテ」報道

日本経済新聞の会員限定記事のリードより ・・・ 2022年7月31日

「火力発電や原発の ”夏バテ”」 について、日本経済新聞が
記事を掲載したようです。
リードを読む限り、熱力学第2法則から考えて、「あったりまえじゃ
ねーか!」 と呆れました。
関連する 付録 w-2) の終わりに、追記として記しておきました。
上の黒いメニューの下の方で、付録 w-2) をクリック!

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だったら、初めから原発の占拠とかするなよ!

下の7月21日に紹介したWashington Examiner の記事との関連で、
ありました、ありました、ウクライナ軍によるザポリージャ
原発への攻撃に関して、ロシアのお偉いさまから 「トンデモ非難」
がありました!

News.am (News Armenia) というアルメニアの通信社の英語版ウェブサイト
Russia MFA: Ukraine is deliberately leading to man-made disaster by its attacks on Zaporizhzhia NPP (news.am)
にある報道です。
2022年7月27日付

いつもどおり、私の日本語化で。< > 内は、私からの補足説明。

******************
ロシアの外務省で広報担当副部長を務めるIvan Nechayev は、
ウクライナが <ロシア軍が占拠している> ザポリージャ原発に
攻撃を仕掛けたのは、人為的な大規模災害をウクライナが
意図的に引き起こそうとしているからだ、と述べた。<ロシア国営の>
RIA Novosti 通信社の報道による。

Nechayevによれば、「ウクライナ軍は病的な執拗さをもって
ザポリージャにあるヨーロッパ最大の原発への砲撃を続けており、
その安全性も考えておらず、IAEA総会の決議や決定も無視している。
核施設目掛けての砲撃実施ということに関して、キーフのウクライナ
政府は、誰も気にしていないようだ。ウクライナ側が意図的に
技術災害を引き起こそうとしていることは、明らかだ」
******************

\” (;; ^ O^) ‘’’/ ははははは!! だったら、初めからロシア軍は
原発を占領して自軍の兵器庫にしたりするなよ!!

皆様も、ロシア側が上記のようなデタラメ主張をしてくるんだろうなあ、
って予想をしてらしたと思います。
予想通りの妄言ですよね。

では、ザポリージャ原発関連の報道を追いかけるのと並行して、例の
「核抑止理論の10の欠陥」も1つずつ紹介していきますね。

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10の欠陥、その2 何百万人死ねばいいの??

10の欠陥、その2
欠陥2  何百万人死ねばいいの??

Ten Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theory (wagingpeace.org)
(核抑止理論に見られる10の欠陥)
David Krieger | 2011年2月7日)
に戻って、2つ目の 「欠陥」 を。
いつもどおり、私による日本語化、< > 内は私からの補足説明です。

******************
欠陥2  <核抑止が成立するには> 大量殺りくを実行しようという
殺意が前提とされる。核抑止を実現しようとすると、敵国からの
核攻撃を抑止するには、何万人の声明を脅かせば抑止に充分なのか、
という政策議論が発生する。ある敵国を抑止するには、100万人の
生命を脅かせば良いのか?敵国
Bなら、その人数は異なるのか?
そもそも、何万人を殺す能力があれば、抑止に充分なのか?
100万人なのか?1,000万人か? 1億人か?それとも、それ以上か?
そしてこの虐殺人数を多めに見誤ってしまう傾向が絶えず存在
するので、そのためさらに強大な殺戮システムを構築しようという
動きが出てしまう。さらにそのため軍拡競争が続き、決して使用
されることがあってはいけない兵器システムのために巨大な
リソースが割り当てられる結果となる。指導者たちは自国民に、
大量殺戮という脅威があること、抑止のための大量殺戮という
脅威を実現するためのリソース支出によって国民の安全が守られる
こと、さらに科学的リソースや財政的リソースを他の用途に
割り当てるよりも賢明であることを、説得せねばならなくなる。
その結果、リソースがおかしな用途に割り当てられるだけではなく、
国際問題に協力して取り組む努力が削がれてしまう。
*******************

人類はその科学力を、協力しての問題解決よりも 「大量虐殺の
脅し合い」 に費やしてしまってきている ・・・・ 言い古された悲劇
ですが、なんともイヤになりますよね。
巨大な軍事費の一部でも貧困対策に投じれば、この世界には餓死者は
いなくなる、との試算もありますし。

では、次回は第3の欠陥を。
ただし、ザポリージャやJCPOAなどの関連で何か起きたら、
それも取り上げますね。

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ザポリージャ原発、続報

Ukraine connects nuclear power unit to electric grid (yahoo.com)

ウクライナ、原発の発電ユニットを送電グリッドに接続

2022年7月25日

ザポリージャ原発の状況に関する最新報道の紹介を続けますね。
Yahoo! newsより。
いつも通り、私の日本語化です。
*************
—- (前略) —–

現時点で、ウクライナで稼働している原発としては、ロシア軍
部隊が占拠しているザポリージャ原発の3基、リヴネ原発の3基、
ピヴデノウクラニンスカ原発 (以前の南ウクライナ原発、
4月に改名)の2基、そしてフメリニツキー原発の2基がある。

IAEAのラファエル マリアーノ グロッシ事務総長によれば、
「ザポリージャ原発とその周辺での出来事について」 の最新の
報告からは、事態は警戒度をさらに高めつつあることが分かる
ようだ。

ウクライナやその周辺の住民の健康にとって脅威となるような事態を
防止するため、最大限の注意を同事務総長は求めている。

—- (中略) —–

IAEAが注目している問題として、占拠されている原発のウクライナ
スタッフが直面している状況はさらに悪化しているとの報告が最近
あった。それも、マス メディアとIAEAが受け取った公式報告の両方だ。

さらに以前の報告によれば、ウクライナはその3番目の原発の燃料を、
ロシア製からアメリカ製に切り替えている。りヴネ原発の3号機炉心には、
アメリカのWestinghouse社の燃料集合体が入っている。

**************

日本では 「天然ガス価格が高騰 ⇒ 原発再稼働を急げ」 といった
飛躍した主張がまかり通っていますが、ウラニウム燃料も
輸入資源です。日本国内にウラニウム鉱山はございません。

ウクライナの原発で核燃料をWestinghouse製に変えたのは、
政治や戦争状況がエネルギー資源の入手にも影響する典型的な
実例ですね。

ウクライナの既存原発の原子炉はすべて、ソヴィエト時代に
開発されたVVERですが、一種の加圧水型原子炉ですので、
Westinghouseの核燃料で大丈夫なのでしょう。

では、またザポリージャ原発関係の報道が入ったら、紹介しますね。

 

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ザポリージャ原発の最新状況 ・・ 英国のタブロイド紙の記事ですが

Daily Express (ロンドンに本拠を置く英語タブロイド、
保守党の一部との関係が疑われたりする新聞で、保守系)の記事より

Ukraine: Putin army risks ‘Chernobyl-scale disaster’ placing EXPLOSIVES in nuclear plant | World | News | Express.co.uk

ザポリージャ原発の最新状況が気になりますよね。
日本語では詳細な報道が聞こえてこないので、タブロイド紙では
ありますが、英語圏のメディア報道も紹介しておきましょう。
ロンドンのDaily Expressから。まあ、タブロイド紙の報道だという
ことはお忘れなく。
いつも通り、私の日本語化で。< > 内は、私からの補足説明です。

*******************
プーティンの軍隊、原発に爆薬を保管し 「チョルノービ規模の大災害」 の
リスクを現実化

ヴラディミール プーティンの軍隊はザポリージャ原発を制圧、
そのエンジン室に実弾薬を格納しており、チョルノービ原発災害に
匹敵するほどの規模の災害が発生するリスクを現実化させてしまって
いると、ウクライナ高官たちが述べた。

Imbalance ---- 私の昔の作品

Imbalance —-
私の昔の作品

ALEKS PHILLIPS 記者

2022年7月22日

<ザポリージャ原発が爆発するような事態になれば> ロシア支配下に
あるウクライナ領土で原発が爆発するのは2回目となってしまう。
しかもそうなった場合、今度はヨーロッパ最大の原発だ。今回の
ヴラディミール プーティンによる恐るべき侵略が始まってすぐに、
この原発は制圧された。そしてロシア軍が同原発に対し直接に砲火を
放ったと、広く批判が向けられている。

今では占拠部隊は6基ある原子炉のうち1基に 「軍用重機器や弾薬、
武器、火薬類」 のユニットを 「少なくても」 14ユニット格納しており、
壊滅的なメルトダウンが発生するリスクを高めてしまったと、
ウクライナの国営核エネルギー企業エネルゴアトムは発表している。

同社によれば、こうした武器類は発電タービンの稼働を継続させる
ための設備の 「すぐそばに」 格納されている。発電タービンとは、
原子炉からの熱を利用して発電を行う蒸気タービンのことである。

エネルゴアトムの警告によれば、これらの兵器類はメイン オイル
タンクの 「すぐそばに」配置されており、このタンクには蒸気
タービンを冷却するための可燃性オイルが入っている。

「それ以外にも、発電機の冷却に使う爆発性の水素もある」

ロシア部隊がこうした爆発物を配置した地帯には、特殊用途化した
消防車が 「近寄れない」。そのため、火災が発生すれば沈下不能に
陥るリスクが高い。こうした配置が無知によるものなのか、生命
そのものを軽んじているためなのかは、わからない。

エネルゴアトム社は深刻に憂慮しており、こうした兵器類の配置の
ため、「火災が発生した場合には、消火活動には大いに問題が伴う」
としている。

手に負えなくなる ・・・ 私の20分クロッキーより

手に負えなくなる ・・・
私の20分クロッキーより

本日木曜日 <7月21日> 発表の声明では、同社はさらに 「たとえば
弾薬が偶発的に爆発してしまい、火災が発生した場合には、その規模は
チョルノービ原発事故での火災と同程度のものになりかねない」 と
述べている。

つい昨日 (水曜日) ロシア軍はザポリージャ原発のウクライナ国籍の
作業員たちに対し、エンジンルームを開放して武装ユニット3個が兵器を
格納できるようにせよと 「要求した」。このため、爆発発生のリスクが
さらに高まり、複数の原子炉が被害を受ける危険性もある、という不安が
高まった。

ウクライナでの前回の原発事故、つまりチョルノービ事故の傷跡を、
今でもウクライナは負っている。同事故では大気中に放射性物質が漏出し、
数えきれないほどの早期死亡が発生した。今ではチョルノービ原発は、
1,000平方マイル <約2,590平方㎢> にものぼる立入禁止地域の中に
座している。

2016年には従来の放射性物質封じ込め建築物の上に新たな封じ込め用
構築物を建設、その費用は15億ユーロ (12億8千万ポンド) ほどにのぼった。

ロシア軍部隊は、この2月に今回の孫略を始めて最初の日にザポリージャ
原発を制圧、ウクライナ北部での攻撃の失敗を受けて <いったんは>
撤退した。

ザポリージャを占拠して以来、ロシア軍部隊は連日のように原発安全
規則に違反してきたと、非難を浴びている。
*************************

原発問題を論じるとき、軍事的側面を無視してエネルギーと環境問題だけに
矮小化してしまうことが、いかに危険か。それが今、ウクライナで現実化して
いるわけですね。
従来、日本の反原発団体の多くは軍事的側面をあまり取り上げて
こなかったですよね。
軍事的側面をむしろ中心に据え、反核運動の一環として原発にも反対していく
・・・ そんな運動が、日本にはないのでしょうか?

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ウクライナ軍が「ザポリージャ原発 ⇒ ロシア軍基地」 を攻撃??

アメリカの保守系ニュース ウェブサイト (週刊政治誌も発行) の
Washington Examiner の記事より。

ザポリージャ原発で新たな動きがあったとの報道です。
原発を自軍の基地化してそこから周囲を砲撃すれば、ウクライナ軍は
手が出せまい
というロシア軍の狙いだったようですが、こういう手に出たうえ、
さらにロシア軍兵士がその原発の安全規則を無視したとの報道も
ありましたよね。
すると、ウクライナ軍がこの「原発基地」に攻撃を加える可能性も、
考えられます。どうせ、攻撃しなくても原発の安全規則が無視されて
いるわけですから。

この問題に関連する報道です。

いつもどおり、私の日本語化で。< > 内は、私からの補足説明。

Nuclear power plant attacked by Ukrainian kamikaze drones, Russian officials say | Washington Examiner

ウクライナのカミカゼ ドローンが原発を攻撃とロシア高官が主張

速報ニュース担当 Brady Knox

2022年7月20日

**********************
ロシア軍の支配下にあるザポリージャ原発に対して水曜日 <7月20日> に
ウクライナのカミカゼ ドローン数基による攻撃があったと、
ロシア側の高官が述べた。

同原発がある自治体エネルゴダルの役所の広報担当部署によれば、
4機のドローンが使用されたとRIA Newsは報じている。だがこの
地域の行政官によれば、3機だったという。同原発のスタッフ11名が
負傷、うち4名は重傷だと、ザポリージャ地域のロシア派の非戦闘員と
軍部合同行政部の評議員Vladimir RogovはTASS通信に対して述べている。
Rogovによれば、当該のドローンは原発の中の原子炉がある部分は
攻撃しなかったという。

食い違った報道だらけね~~

食い違った報道だらけね~~

ロシア軍制圧下の原発での死を招く 「出来事」 に関して、ウクライナ
国内の市長が謎めいた投稿

“未確認の情報ではあるが、今回の攻撃に使用された無人攻撃機は弾頭を
搭載しており、その爆薬重量はTNT火薬相当量で算定されていた。
このUSILというテロ組織を壊滅させねばならない」 とRogovはロシアの
SNSであるTelegramの自分のページに記している。彼はさらに説明を
加えており、USIL とはUkrainian State of Ivano-Frankivsk and [Lviv]
(イヴァノ・フランキヴスクならびにルヴィヴのウクライナ国家) という
ウクライナ西部にある2つの都市政府のことで、RogovはUSILをISIS
つまりイラクから地中海東岸にかけて存在している過激派イスラム組織に
なぞらえている。

Rogovは他にもTelegramに投稿しており、今回の攻撃は「“ゼレンスキー
大統領のテロリストたち” がザポリージャ地域の住民を脅すために
やらかしたことだ」 と主張している。

「この地域の住民たちはロシアと再度統合化されたいと願っており、
それに対する報復が今回の攻撃だ」とRogovは述べている。彼はさらに、
今回の攻撃で使用されたドローンのパーツであると主張する物体の
画像も数枚投稿している。

この嫌疑について、ウクライナ政府はまだコメントをしていない。
在アメリカ ウクライナ大使館にもコメントを求めたが、まだ回答は
ない。国連事務総長の副報道官Farhan Haqも、水曜日に開かれた
ブリーフィングにて今回の攻撃に関する直接の情報をまったく
有していないと述べたと、TASS通信は報じている。

ヨーロッパ最大の原発 <であるザポリージャ> は、2月にロシアに
よるウクライナ侵略がフルに開始されて以来、すでに幾度もロシア軍と
ウクライナ軍の両方から攻撃を受けている。今週月曜日には
ウクライナから避難中の市長Dmytro OrlovがTelegramに投稿、
ロシア軍兵士数名が死亡あるいは負傷した「出来事」に暗号的に言及
していた。RIA News によれば今回の攻撃はウクライナのドローン1機に
よるもので、兵士ではなく原発のスタッフ11名が負傷したそうだ。
Orlov は今のところ、ザポリージャ原発の施設に対して攻撃があった
との主張に関しては、コメントしていない。

ウクライナ南部にある同原発はロシア軍の基地に改造されており、
ロシア軍は兵器や兵員をそこにかくまってウクライナ軍による攻撃
から守っていると、Wall Street Journalは報じている。

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ザポリージャ原発でロシア部隊が安全規則に違反と、エネルゴアトム

Last Updated: 20th July, 2022 09:07 IST

Russian Troops Breach Safety Rules At Zaporizhzhia Nuclear Power Plant, Says Energoatom
(ザポリージャ原発でロシア部隊が安全規則に違反と、エネルゴアトム)

インドのメディア ネットワーク企業Republic World による、ザポリージャ原発関連の報道です。2022年7月20日付。

ウクライナへの侵略でロシア軍がザポリージャ原発を占拠しているが、ウクライナの国営核発電企業エネルゴアトムによれば、そのロシア軍部隊が同原発の安全規則に違反した。

Riya Baibhawi 記者

Russian troops breach safety rules at Zaporizhzhia Nuclear Power Plant, says Energoatom (republicworld.com)
より。

いつも通り、私の日本語化で。< > 内は私からの補足説明。

*****************
ウクライナへの侵略でロシア軍がザポリージャ原発を占拠しているが、
そのロシア軍部隊が同原発の安全規則に違反した。ウクライナの国営
核発電企業エネルゴアトムによれば、この月曜日 <7月18日> に
プーティンの軍はロシア軍制圧下のエネルホダルにある同原発の従業員
たちから通行書を奪い取った。同部隊の兵士たちは誰も放射線防護服を
着用しておらず、しかも同原発構内を進むうちに幾度も安全規則に違反した。

先週、ザポリージャ地域の親ロシア派軍・市民勢力の代表者である
Yevgeny Balitskyが述べたところでは、同地域のロシアへの併合に関する
住民投票が今年秋初めにも実施されるそうだ。Balitskyは併合のために
あらゆる 「組織的メカニズム」 を整備していると語っていると、
TASS通信は報じている。労働運動や労働組合、活動家たちから、
ザポリージャ地域の命運を早く決めるよう請願を受けていると、
Balitsky は述べている。さらに彼は、同地域の住民たちはロシアへの
併合を望んでいると強調していた。

一方、ロシア軍はウクライナの南部ならびに東部工業地域にある
町や村への攻撃を続けている。火曜日にはクラマトルスクに対して
ミサイルを発射、住民1名が死亡し、住民10名が負傷した。
Pavlo Kyrylenko知事は後に10階建てアパートが攻撃を受けたことを
確認、超音速ミサイルR-37が使用されたと発言した。ウクライナの
国家緊急事態サービスによると、それとは別の攻撃で、プーティンの
軍団はスロヴィアンスクの居住用ビルを部分的に破壊、2名を死亡させた。

早く平和を ・・・ 私の10分クロッキー

早く平和を ・・・
私の10分クロッキー

オデッサ、巡航ミサイルの標的に

さらにオデッサではロシア軍が夜間にKalibr巡航ミサイルを7発発射、
6人が負傷した。ロシアの国防省は後程、このビレンケという村への
攻撃は正当な軍事目的を達成したもので、「アメリカや西欧諸国が
提供した兵器用の弾薬の保管庫を破壊した」 と主張した。だが
オデッサの地方政府の広報官Serhiy Bratchukはこの主張は無根拠だと
否定、ロシアがこの攻撃を加えたのは威嚇戦術の一環であるとした。

 

BratchukがウクライナのTVに述べたところによれば、「こうした
非戦闘員に対する攻撃の目的とは、1つしかない。住民や地方政府当局を
威嚇し、絶えず緊張の中に閉じ込めることだ」 ロシア対ウクライナの
戦争は5か月目に突入しようとしており、両国合わせると何十万人もの
死亡者が出ている。
*****************

どうもロシア軍は自分の兵士たちに放射線防御の必要事項なども教えずに、
原発制圧に放り込んじゃっているようですね。まともな訓練を行う余裕も
ないのでしょう。
問題は、こんなまったく無知な兵員が原発を制圧している以上、その
原発ではどんな異常事態が発生しても不思議ではない ・・・ という
ことですね。
「やかんをのせたら~~」 でたびたび説明してきたように、原子炉とは
もともと核兵器製造用のマシーンです。それにいくら 「やかん」 を
のせて発電をしたところで、「安全な機械」 に変身するわけじゃ、
ありません。
異常事態が起きる前に、プーティンが正気を取り戻してウクライナに
平和が戻ることを!

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“Ten Serious Flaws”, 1つ目の欠陥

では、”Ten Serious Flaws —” に戻って、1つ目の「欠陥」を。

Ten Serious Flaws in Nuclear Deterrence Theory (wagingpeace.org)
(核抑止理論に見られる10の欠陥)
David Krieger | 2011年2月7日)

では、この 「10の欠陥」 から、まず第1の欠陥を。
いつもどおり、私による日本語化、< > 内は私からの補足説明です。

*****************
欠陥1 <核抑止理論は> 単なる理論に過ぎない。  核抑止理論は
実証されたものではなく、そもそも実証不可能だ。理論というものでは、
たとえば誰かが何かをすると、ある種の結果が生じるという因果関係が
提示されている場合もある。核抑止理論では、一方が <相手からの
攻撃に対抗して> 核兵器で報復するという脅威を示せば、その相手は
攻撃しては来ないとする。だが、攻撃がなかったからと言って、それが
核抑止のためだという結論には、必ずしもならない。つまり論理学では、
誤った因果関係の想定というものがあり得る。何か前提条件を満たせば
何か他のことが発生しえないという否定命題は、証明できないのだ。
核攻撃が行われていないという事実の原因としては、他にいくつでも
考えられる。あるいは、単なる例外的な幸運という場合もあり得る。
核戦争が <今までのところ> 発生していない事実を核抑止による
ものだと主張するのは、誤った肯定命題なのだ。そうした誤りのため、
核抑止理論には無根拠な有効性があるものとされてしまう。
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「否定命題」云々という箇所が少しわかりにくいかも。
実例として、たとえば
「アメリカは旧ソヴィエト連邦から核攻撃を受けなかった ⇒ だから、
核抑止は有効だ」
というかなり飛躍した主張を、アメリカではいまだに耳にします。
でも、隣国のカナダは1984年以降、少なくても公式には核兵器を
維持・保有しておりません。そしてカナダにも、ソヴィエトからの
核攻撃はありませんでした。
「いやそれは、“アメリカの核の傘” のおかげだ!」 という理屈が
すぐに聞こえてくるのですが、じゃあフィンランドは??旧ソヴィエトと
長い国境を接し、実際に交戦もしていました (1939-40の冬戦争、
1941-44の継続戦争) が、少なくても明示的には核兵器を保有した
ことはありません。最近のニュース報道でNATO加盟が話題に
なりましたが、逆に言えば旧冷戦時代にはNATOの核の傘の下には
いなかったことになります。でも、ソヴィエトから核攻撃を受けた
ことは、ないのです。
核抑止理論の提唱者の間では、どうも 「何でもかんでも核抑止の
おかげ」 にしてしまう傾向があります。

では、欠陥2 は、次回に。ただ、それまでにザポリージャ原発や
JCPOA関連などで何か発生した場合には、それを取り上げます。

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