付録 w-27) そもそも石油価格が高騰したのは~~
2026年6月
本ページは、付録 w-22) の続きのようなものです。
あたり前なことしか書いていないので、「こんなの、当たり前
だろ~」とお考えの方は、本ページを無視なさってください。
ホルムズ海峡封鎖 ⇒ 石油価格高騰、ナフサ不足 ⇒ もっと原発を!
そんな主張が巷に聞こえている昨今ですよね。
はっきり申し上げて、物事の因果関係を考えずに眼前だけを
捉えた「発作的」反応です。
(「発作的反応」は反原発派にもみられるのですが、それに
ついては下で)
イラン国内の核施設で、「民生用途のない」濃縮度のHEUを
IAEAが検出
(たとえば、Iran nuclear: IAEA inspectors find uranium particles enriched to 83.7% 参照。世間では60%が騒ぎになっていますし、
確かに60%でも大問題なのですが、この記事ではなんと83.7% !
また既に2010年には、STUXNET騒ぎが発生していました。
上の黒いメニューにある d-4) 参照)
⇒ 当然、世界から嫌疑の眼差し
+ 加えて、イランがIAEAの査察にあまり協力しない
+ イスラエルは、昔からBegin Doctrineで行動(c-10) 参照)
⇒ イスラエル + アメリカによる、2025年からの爆撃
⇒ 当然のようにホルムズ海峡封鎖
といった経緯があっての現状なのですね。
つまり、
「平和利用」を”隠れ蓑”にした核開発 ⇒ それをやめさせようと
する爆撃 ⇒ ホルムズ封鎖
という順序ですよね。
それなのに「原発をもっと!」と主張するのは ・・・
例えて言えば:
「私、食べ過ぎて肥大化しちゃった」 ⇒ 階段がつらい~~ ⇒
「もっと筋肉をつけなきゃ」 ⇒ 「だから、たんぱく質を
もっと食べよう」
これって、馬鹿げてますよね?もともとの問題が食べ過ぎに
起因するのだから、食事を減らさないと!
それと、原発からナフサは出来てこない!
ナフサの不足も問題になっていますが、いうまでもなく原発を
いくら増やしてもナフサができるわけじゃ、ありません。
なんで、巷では発電ばかりが(つまり原発が)喧伝されている
のでしょう? 私には、分かりません。どなたかご存じなら、
ご教示くださいませ。
ついでに、その1
ホルムズ問題への対応 ・・・ 諸国政府や産業界は、今まで
何をやってた!?
ホルムズ封鎖が「不意打ち、予想外」の事態であったのなら、
これだけの世界的騒ぎになるのも理解できます。
ですが:
実際には、ホルムズ封鎖 ⇒ 世界経済に大打撃、という警告は
何十年も昔から打ち鳴らされていました。
そもそもイランでイスラム革命があったのは1979年のことで、
それまでは親米路線の王政でした。その頃から、「ホルムズが
封鎖されたら…」という警告は、私の耳にすら届いていました!
それから約47年。半世紀近くもの時間があったのですから、
「ホルムズ通過石油からの乳離れ」を実現すべく諸国政府や
産業界は奮闘すべきだったはずですが ~~
電力だけの問題じゃなく、ナフサなど原材料の必要も
ありますし。
こんな状況で「もっと原発を!」というのは、非難する相手も、
求めるべきソリューションも、的外れだと言わざるを得ません。
ついでに、その2
相変わらず、笑える原発広報
原発広報を見ていると、相変わらず「日本はエネルギー輸入
依存率が高い ⇒ だから、原子力を!」という主旨の
プロパガンダが目立ちます。
2026年6月現在、日本には営業中のウラニウム鉱山は皆無で、
U鉱石はすべて輸入依存なのですがねえ~~ たとえば
カザフスタンで内戦が勃発したら?あるいはカザフスタンからの
U鉱石の大半を隣国が買い占めたら??
日本国内にあるもの、たとえば太陽や風力、温泉などをもっと
活用する研究開発を進めませんと ・・・
イランを一方的に悪者にしたいんじゃ、ありません!
イランのU濃縮の問題から話を始めることにならざるを
得ないので、どうしても私が西側寄りでイスラエルやアメリカの
サイドについているような印象が生じちゃいますね。
でも、実際はそうじゃありません。「どっちも、どっち」と
いうのが、私の正直な立場です。
そもそも、イランは現時点では濃縮Uは持っていても、まだ
核兵器保有にまでは達していないようです、
それに対し、アメリカは大量の核兵器を保有、イスラエルも
(おそらく)核兵器を保有(ページ c-3) c-4) )しています。
[持てる2か国」が「持ちそうな国」に、「持つな!」と爆撃を
行った、ということになります。
さらに、昔からイスラエルは近隣諸国が核兵器開発をして
いそうだとみると爆撃で核施設をぶっ壊すというBegin Doctrine
(c-10) )を保持、イラクやシリアの核開発については
そのやり方でぶっ潰したようです。
しかし、今回の戦争の結果から明らかになったように、
そうした「武力でぶっ潰せ!」というやり方は通用しなく
なったようですね。やはり、核をなくすには平和的手段で。
ついでに、その3
上で言及した、反原発派(の一部)の「発作的反応」
「核」というと「発作的反応」をしやすいのは、反原発派も
推進派も同様のようです。
私自身は1980年代後半、東京のクリエイティブ
エージェンシーのディレクターとしてエネ庁周辺で原発広報の
仕事にも携わっていたので、核発電問題の本質に核兵器がある
ことは仕事のやり取りの中で察知できました。Non-Disclosure Agreementの制約に違反しない範囲で、その事実を人に伝えよう
としたのですが、笑いものに。
2011年3月になると、福島第一メルトダウンの騒ぎで各地に
反原発運動が発生、私も招かれて協力を求められたのですが
・・・ 肝心のproliferation risksや潜在的核兵器保有といった話を
すると、「それは、軍事問題でしょ?私たちがやってるのは
原発問題で~~」
<”(>へ< ;;)
正直に言っちゃいます。
核軍事という本質問題を軽視して原発事故ばかりに目を
奪われているのは、一種の「発作的な」反応で動いていると、
「発作」が収まるにつれて(社会で事故の”ほとぼり”が冷めるに
つれて)、社会は原発復帰へと向かってしまうだろう ・・・
私はそう見ておりました。2012年ごろのことです。
2026年6月となった今、私の予想が不幸にして的中して
しまっていることには、疑いの挟みようもございません。
推進するにせよ、反対するにせよ、物事は発作的に対応するん
じゃなくて、本質を考えませんとね。





