核ゴミなどの輸送に伴う放射性物質汚染の危険性

Beyond Nuclearウェブサイトより

アメリカでDOEが放射性廃棄物など
の輸送に伴う危険を軽視している、
というBeyond Nuclearからの報告です。
・・・というと、「なんだあ、日本には
関係ないや」といった反応が容易に期待
されるのですが、日本と英国やフランス
の間では使用済み核燃料の処理物が海上
輸送されてきましたよね。もしそうした
船舶の沈没などあれば、その汚染の
深刻度は福島第一からのトリティウム水
放出どころでは済みません。そんな
深刻なリスクを抱えたまま、核発電は
営まれてきているわけですね。

海底でギョギョ!

英語の元記事を読みたい方は、下記へ:
DOE keen to downplay Mobile Chornobyl risks, yet again – Beyond Nuclear

2024年8月22日

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
文字色変更による強調は、私による
ものです。

DOE keen to downplay
Mobile Chornobyl risks,
yet again

(輸送によるチョルノービ [チェルノ
ブイリ] 発生のリスクを、DOEは
またもや無視必死に軽視)

元記事では冒頭にアメリカ本土に
張り巡らされている核物質輸送ルート
の地図があり、その説明から始まって
います。

あの列車を爆破すりゃ、巨大なダーティボムだ

******************************
[元の英語ページにある地図: 上の
地図は西部諸州エネルギー局(The
Western Interstate Energy Board、
WIEB) が2020年11月に、
Interim Storage Partners, LLC (ISP)
Draft EIS <「核物質中間貯蔵
パートナー」という合弁事業> に
関する正式な公的コメントとして
提出したもの。テキサス州アンド
リューズ郡にあるWaste Control
Specialists, LLC<という企業> を
対象とする高レベル核廃棄物の統合
中間貯蔵施設 (consolidated interim
storage facility、CISF)の計画がある
のだが、原発で中性子線を浴びた
核燃料をその施設まで輸送するための
鉄道路線を示している。WIEB では
DOE <連邦エネルギー省> 自身の
コンピューター モデルを利用、
もっともありえそうな輸送ルートを
判定した。ISP社とアメリカ原子力
規制委員会(NRC) とは、この経路を
隠ぺいしようと死力を尽くしていた。
これは鉄道路線近辺に住まう住民たちの
警戒を防止するためであり、しかも
そうした住民の間では低所得層や
アフリカ系住民、アメリカ先住民、
有色コミュニティの比率が異常に高い。
ISP社のわずか40数マイル<約70㎞>
西にあるHoltec社のCISFに至る経路
も極めて類似しており、やはり厳密な
秘密として扱われてきている。

DOEから奇妙なEメールが・・・

{アメリカ東部時間で2024年8月22日
午前11時に入った速報: DOEは
「ウェビナー: DOEのパッケージ
パフォーマンス デモンストレーション
(PPD) <下のピンクの個所を参照>、
情報要請 (RFI) ー 主な視点と次の
ステップ」の発表をした。2024年8月
27日火曜日の午前11時から正午
(アメリカ東部時間)に開かれる。予め
登録が必要。この情報ウェビナーに
ついての詳細は、hereをクリック}

下記にEメールを紹介するが、これは
アメリカ エネルギー省(DOE) の
核エネルギー オフィスの使用済み核燃料
と高レベル核廃棄物の処分担当 (Office
of Nuclear Energy/Spent Fuel & High-
Level Waste Disposition) が今年7月
31日に、同オフィスのEメール リストの
登録者たちに送信したものだ。もっとも、
このEメール リストは Consent-Based
Siting<合意に基づく貯蔵施設の立地
選定> という歌い文句を掲げてはいる
ものの、現実にはジョージ オーウェル
<の1984という小説に登場する
ような> 偽りの文句に過ぎない。

もう何十年もDOEは、高レベル放射性
廃棄物の輸送に伴う深刻なリスクを
小さく見せようと努めてきた。そうした
廃棄物としては、章用原子炉で中性子線
を浴びた核燃料も含まれる。DOEだけ
ではなく、NRCや核発電業界、その
賛同勢力などもそうだ。

環境保護や環境での公正を求める諸団体
はその間、抗議活動を展開してきている
のだが、ネヴァダ州の核プロジェクト庁
the State of Nevada Agency for Nuclear Projects )
もそうだ。ネヴァダ州の西部ショション
という地域のユッカ山に、全米の
核廃棄物を貯蔵しようという目論見が
あるためだ。つまり、<この目論見が
実現してしまえば> アメリカの
高レベル核廃棄物はすべて、ユッカ
経由でネヴァダ州を通過すること
になる。

ここで核実験を再開するのだ~~

良いニュースとして、倦むことなき
強烈な抵抗運動のおかげで、このユッカ
廃棄施設は今のところ廃案とされて
いる。だが共和党は今も、この目論みを
復活させようとしている。その実例と
してドナルド トランプがおり、
ヘリテッジ財団による「プロジェクト
2025」もそうだ。このプロジェクトは
ユッカ マウンテン プロジェクトを再開
しようとしているだけでなく、すぐ隣の
ネヴァダ核実験場での大規模核兵器実験
の再開すら目論んでいるのだ。この
実験場での最後の大規模核実験が行われ
たのは、1992年の9月のことであった。
ただし臨界前実験(強度の爆薬の中に
プルトニウムを混ぜたものを使う)は
今も続いているのだが。そうした実験
から収集したデータはスーパー
コンピューターに取り入れ、核兵器の
設計の「発展」のために利用され
ている。.

アメリカ原子力規制委員会は何十年も
昔、本格的な規模のパッケージ
パフォーマンス デモンストレーション
<高レベル放射性廃棄物などを格納
した輸送用キャスクなどが交通事故に
あった場合の被害結果などを実証する
実験> を提唱していた。各種環境
保護団体が連合して、この企画
プロセスに参加しようとしたのだが、
応じてもらえなかった。何か月・
何年もの一般市民の参加を経たうえ
で、NRCはその要請を断ったのだ。
その理由も不明である。.

「乾式」貯蔵用のキャスク、一例
再掲

言うまでもなく我々環境団体や反核
団体の連合が再度関与すべきである。
DOE(と核業界とNRC) は、使用
済み核燃料や高レベル核廃棄物の
輸送に伴う深刻なリスクを小さく
見せようとするプロパガンダに努めて
いるため、それを監視し対抗すると
いうだけでも、充分な必要性がある。

DOEによる2024年7月31日付
Eメールの本文 ↓

DOEでは、使用済み
核燃料の輸送の安全性
デモンストレーションに
関するご意見を募ります

情報公募は、2024年
9月30日まで

アメリカ エネルギー省 (DOE) では
情報公募(request for information、
RFI)を開始、以前から提唱している
パッケージ パフォーマンス デモン
ストレーション(package performance
demonstration、PPD)に関するご意見
や情報を公募しております。この PPD
は、いくつか事故状況を想定し、
そうした場合での使用済み核燃料輸送用
キャスクの堅牢性を実証することが
目的です。.

深刻な事故のシナリオをシミュレー
ションすることで、使用済み核燃料を
運ぶ鉄道や大型トラック、貨物船など
の安全性と信頼性とを、社会と関係者
とに実証することが狙いです。

DOEでは 広く関係者の皆様からの
ご意見や情報を募集しており、そう
した関係者としては政府の協力機関、
一般市民、核産業の専門家の皆様、
サプライヤーとなる候補各社の皆様
などが挙げられます。

Behind the Masked Smile
(マスク下の微笑みの裏に)
私の作品、紙にオイルパステル

主な目的

  • 社会の信頼を得る:今回の
    PPD では、鉄道や大型トラック、
    貨物船で使用炭核燃料を輸送
    する安全性に対する一般社会の
    懸念を払しょくすることを
    意図しています。
  • 包括的な意見や情報の収集:
    今回、どのような本格的デモン
    ストレーションを実施すべきか、
    どのような使用済み核燃料
    輸送用キャスクを選ぶべきか、
    試験用施設の候補、PPDで
    得られた情報をどう利用
    すべきか、といった問題に
    ついて、関係各位からの
    フィードバックを求めて
    おります。
  • サプライヤーの関与:この
    PPDに必要となる機器類や
    サービスのサプライヤーとなる
    候補各社に対し、DOEでは
    詳細な情報提供を求めており
    ます。そうした例としては、
    キャスクのベンダー、試験用
    施設、計測装置のプロ
    バイダー、ヴィデオ解析
    サービスなどがあります。

ご関心がおありの皆様は、その旨を
電子的手段でご提出ください。
2024年9月30日午後6時(アメリカ
東部標準時)までにお願いします。

RFIへ寄せられたご意見や情報はPPD
の設計に活用、PPDが社会の懸念事項
に的確に対応し、使用済み核燃料輸送
キャスクの安全性を実証できるように
します。.

DOEでは合意に基づく場所選定
プロセスを採用、アメリカの使用済み
核燃料の中間貯蔵施設の立地を決定
しております。そのため、70か所以上
ある原発からの使用済み核燃料の
大規模輸送も必要になります。その
主な輸送手段は鉄道になります。

DOEでは社会への働きかけと関与活動
を拡大する計画で、その一環として
ウェビナーや聞き取り、作業グループ
などを実施、使用済み核燃料の輸送に
関する社会の認識を強めてまいります。

RFIに関する詳細やご意見や情報の
送り方に関するお問い合わせは、
FedConnect listing. をご覧ください。
******************************

20-min croquis + background added later / 20分クロッキー + 後で背景
Standing firm
私の20分クロッキー

核輸送列車の警備をどのように固めた
ところで、バズーカとか使った
武装テロ集団の襲撃などあったら??
あるいは日本の場合のように長距離で
海上を輸送する場合、海賊の襲撃が
あったら??「核廃棄物輸送船を、
海賊がシージャック」なんて、笑って
られませんよね。
使用済み核燃料が大量に日本沖に沈んだ
場合、その汚染の度合いは、福島第一
からのトリティウム水放出(もちろん、
これも深刻な問題ですが)の比では
なくなる恐れも。。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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