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1980年代後半から現在(2024年2月)までの
日本での反原発運動を振りかえり、
「核の犠牲者が出ないと、反核発電運動は
ポシャるのか??」という問題提起をしています。

上の黒いメニューでは、基本的に項目を
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テキサスでの核ゴミ処分

Beyond Nuclear Bulletin
2024年2月22日号より

Radioactive Waste Wars
Permian Basin Dumps under Fire
(放射性ゴミをめぐる争い
二畳紀堆積盆地での地層処分に、
非難轟々)

* ここでの「二畳紀堆積盆地」とは
アメリカ南西部のテキサスからニュー
メキシコにかけて存在する堆積盆地の
ことで、豊かな油田が広がっている
ことで有名です。

こっちに来るな!
あっちもダメ!
行き場がない ・・・
Don’t come here!
Nor out there!
Nowhere to go —

日本でも核ゴミの最終処分場候補地の
選定問題が喧しいですよね。
アメリカでも実は、この地層処分場
問題が以前からかなりの難物でして。
国境を越えて、「手に負えないゴミ」
であることが明らか。
世界的に、これ以上こんなゴミを作ら
ないことを願います。

では、いつもどおり
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。

****************
2月18日のWall Street Journal に、
The War Over Burying Nuclear Waste in
America’s Busiest Oil Field: Plans to store
used nuclear fuel in the Permian Basin
could boost the nuclear sector but are
opposed by oil-and-gas producers
<アメリカでも最も潤沢な油田地帯に
核ゴミを埋めてよいのかという争い:
二畳紀堆積盆地に使用済み核燃料を保管
しようという計画を実施すれば、核産業
は浮上できる可能性があるも、石油や
天然ガス企業から反対が> という長文
の記事が掲載されている。 この記事には
Danny Berryの写真も掲載されており、
彼はニュー メキシコ州にあるHoltec社が
世界最大の高レベル放射性廃棄物の処分場
を建設しようと目論んでいる敷地のそばで
牧場を営んでいる。Berryとその一家は
Beyond Nuclearのメンバーであり、
サポーターでもある。彼のおかげで
Beyond Nuclearは、アメリカ控訴裁
ワシントン特別区裁判所でこの核ゴミ処分
を問題にした訴訟を起こす法的資格を
得ることができた。その口頭弁論が、
この3月5日に予定されている。

低レベルなんですが~~
どこが「低い」ねん!?
This is “low level” waste —
Your “low” isn’t low at all!

2月20日にPermian Basin Coalition
<二畳紀堆積盆地地帯のエネルギー業界
の連盟> はプレス リリースを公表
下に抜粋紹介>、テキサス州の
Andrews 郡 <ダラスから西に400~
500㎞程度の位置にあります> の議会
が、「低レベル」とされている放射性の
廃棄物 Greater-Than-Class-C
<Class Cを超えるレベルの核ゴミ、
下記の * 参照。GTCCという略称で
よく呼ばれます> を禁止する決議を
成立させた。同郡は上記の連盟に参加、
Waste Control Specialists社 <テキサス
に本部を置く、廃棄物の処理や処分を
営む企業> とアメリカ原子力規制委員会
<Nuclear Regulatory Commission, NRC>
とによる <この堆積盆地に核ゴミ処分場
を設けるという> 計画に反対している。
**********************************

Class A, B, C, and GTCC??

* Class C: アメリカのNRCのウェブ
ページ § 61.55 Waste Classification. | NRC.gov
によると、NRCでは核ゴミを次の3種類
に分類しています:

(i) Class A 廃棄物は多くの場合、他の
クラスの廃棄物からは処分場で分離
される。Class A 廃棄物の物理的形態
と特性とは、§ 61.56(a) に定める最低限
の要件を満たしていること。.Class Aの
廃棄物であっても、§ 61.56(b) に定める
安定性に関する要件を満たしている場合
には、その廃棄物を処分時に分離する
必要はない。

(ii) Class B の廃棄物にはClass Aよりも
厳密な形態要件が必要とされ、これは
処分後の安定性を確保するためである。
Class B 廃棄物は、§ 61.56に定める
最小限の要件と安定性に関する要件とを
満たすこと。

(iii) Class C 廃棄物と分類されるには、
安定性を確保するためさらに厳格な形態
に関する要件を満たすことが必要となる。
さらに、その処分施設には不注意による
侵入行為を防止するための追加的対策も
必要とされる。このように、Class C
廃棄物は、§ 61.56に定める最小限の要件
と安定性に関する要件とを満たすこと。

では上の「プレス リリース」も、
抜粋して日本語化紹介しておきますね:

もとのリリース全文をお読みに
なりたい方は、
Press Relese_Andrews passes a resolution against GTCC (Feb. 20 2024)pdf.pdf (beyondnuclear.org)
へどうぞ。
*******************************
2024年2月20日

No!!!

・・・中略 ・・・

テキサス州のAndrews 郡が、Class C
ならびにそれ以上の等級の放射性
廃棄物を禁ずる決議を成立させた。
その狙いは、Waste Control Specialists
社ならびにアメリカ原子力規制委員会
による <核ゴミ処分の> 目論みを
阻止することにある。

テキサス州ミッドランド市(MIDLAND)
—  2014年にWaste Control Specialists
社がテキサス環境品質委員会 (Texas
Commission on Environmental Quality、
TCEQ)にある申請を提出した。それを
受けTCEQは2015年1月30日付の
書簡を原子力規制委員会に提出、
これはGTCC放射性廃棄物の処分を
認可するよう、テキサス州当局に求める
ものであった。TCEQ からのこの書簡を
受け、原子力規制委員会はそのスタッフ
たちに、深層地層処分以外の方法による
GTCC処分のための法規制の基盤を
作成するよう指示した。これには、
地表近くでの地層処分も含まれる。

つまり、Class Cよりも放射能の強い
ものと分類される放射性廃棄物に関する
連邦の法規制の改定を提唱したわけだが
それに対し近隣住民が立ち上がった。
Waste Control Specialists社(WCS) の
目論見が知られるようになって以来、
庭に抗議看板を出す、ソーシャル
メディア (SNS) に反対意見を投稿、
該当地区の選挙民としての郡裁判所への
請願などが行われた。

住民たちの <核ゴミ処分場に反対と
いう> 合意は圧倒的なもので、
Andrews郡裁判所は満場一致で、同郡に
Class C以上の廃棄物を処分することを
禁ずる決議を成立させた。また、
Class Cを超える放射能を有する一切の
物質のダウン ブレンド <濃度の高い
ウラニウム等に薄い濃度のウラニウム等
を混ぜて、濃度を下げること> を
Andrews郡で行うことも禁止した。

まあ、ダウン ブレンドって例えて
いえば~~
In a way, “down blending” means something like this —
(4% beer into 70% vodka)

この郡の住人であるJose Bustamante
が郡裁判所によるパブリック コメント
募集期間中に述べたことだが、「WCS
が私のコミュニティにやってきて、
廃棄物処分業務のため7,500万ドルの
建設債を求めてきた。その際WCSは
そこで処分するのはClass A、
B、Cの廃棄物に限ると約束した。
Andrews郡では、その約束を前提に
この建設債を承認した。ここAndrews
郡には信念も価値観も物事の筋も
あって、約束を果たすよう全力を尽くせ
と教えている。だがWCSはAndrews郡
でGTCC <Class Cを超える> 廃棄物
の処分が認められるように連邦政府に
対し関連法規の変更を求めており、
これは我々のコミュニティに対する約束
を破ったことに他ならない。この約束は
必ず守ると、同社は書式で誓ったの
だが。そのため私はこの郡裁判所に、
WCSの約束を文書に記録し守らせる
よう、要求しているのだ」
**********************

そのサイン、何の意味があるねん?
What’s that sign for!?

まったくもう ・・・ 事業の都合のため
なら、法律の改悪も求めてしまうとは。

日本でも、原子力緊急事態宣言は出た
ままになっており、2024年2月現在、
決して撤回はされていないのですが~~
日本政府は、既存原発を再稼働させよう
と躍起ですよね。再稼働したければ、
まず緊急事態宣言を何とかすべきなのは
自明の理なのですが。
何のための、宣言だったのでしょう??

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ロシアとの結びつきのため、北朝鮮に よる核使用のリスクが増大

Washington Examiner(アメリカの
ワシントンDCに本拠を置く報道機関)
のウェブサイトより
US: Russia ties raise risk North Korea will use nuclear weapons – Washington Examiner

おそらく大抵の皆様も、このリスク
増大を心配してこられたこと
でしょう。
やはり、「実際、そうだよなあ」
って感じですよね。

操り人形

もともと、北朝鮮民主主義人民共和国
という国家そのものが、1948年9月に
当時のソヴィエト連邦によって設立
されたものです。いうなれば、当時の
ソヴィエト最高指導者であった
スターリンの傀儡国家として生まれた
わけですね。
第二次大戦の終わった時点で、韓半島
(朝鮮半島)の南部はアメリカが、
北部はソヴィエトが支配していました。
その構造が今も南北分断に残っており、
現在の緊張に至っている ・・・ なんて
ことは、よく知られた事実ですよね。
プーティンと金正恩との関係により
北朝鮮が核兵器を使用してしまう
リスクが増大したのでは?と心配して
いる方は、私も含め、多数いらっしゃ
いますよね。

その憂慮を、Washington Examinerも
表明しているというわけです。

では、いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。
****************************

操り出身だけに、おかしなのと組むと・・・

Russia ties raise risk North Korea will
use nuclear weapons
(ロシアとの結びつきのため、北朝鮮に
よる核使用のリスクが増大)

2024年2月18日
Joel Gehrke記者

北朝鮮の指導者 金正恩を強気にさせ、
同国の核兵器を増強、ことによっては
使用すらする気にさせてしまう ・・
そんなリスクをロシアのヴラディミール
プーティン大統領が増幅させてしまって
いると、アメリカ国務省の高官が指摘
している。

「戦術核兵器を大量生産し使用すると
いった発言を、金はしている。ロシア
は、それを見て見ぬふりだ」 と語るの
は、アメリカ国務省の東アジア・
太平洋局で北朝鮮担当のリード役員を
務めるJung Pak博士だ。博士によれば
「この発言は、以前なら非難轟々と
なっていたハズだ。そんな発言があった
のにロシアが見ぬふりをしていたら、
金はどのようなリスク計算をする
だろうか?」

知らんぷり

Pak博士は自分が北朝鮮から「何らか
の暴力を受けるのではないかと、絶えず
警戒している」と述べながらも、彼女の
チームとしては「現時点では、どの
ような直接行動に出ようとしている兆候
も見受けられない」としている。だが、
金の外交政策や安全保障関連の姿勢を
幅広く分析してみるとアメリカとしては
憂慮すべき問題がある。しかも、その
憂慮は外部のオブザーバー達や西側の
アナリスト達による見方とよく整合する
のだ。さらに北朝鮮からの脱出者として
著名な人物の見解ともよく合致して
いる。その脱北者の憂慮事項として、
北は南側の民主的な隣人 <である
韓国> に攻撃を仕掛ける機会を探して
いる恐れがあるという。

「この70年間、北はありとあらゆる
挑発を仕掛けてきているのだが、
そうした挑発行為のどれでも北はやって
くる可能性がある」 そう語るのは、
前北朝鮮政府高官であったRi Jong Ho
だ。Riは2014年に韓国に亡命した。
今週、彼はThe National Interest
<というアメリカの外交問題専門の
雑誌> に寄稿している。「金が、
韓国を挑発してもアメリカは同盟国と
しての対応をしてこないと想定する
なら、さらに無謀な挑発に出てくる
ことはあり得る。・・・ 2013年に
北の軍指導層がRiに提示した最悪の
ケース シナリオによれば、ソウルと
プサンに対する核攻撃も含まれていた。
<そうなれば> 韓国は無条件降伏する
<と、彼らは見ていた>」

国連軍によるNorthern Limit Line
あくまで説明用の略図です

今週も金はこうした不安をさらに増大
させた。北方限界線という、南北の海上
での境界を現実上定めている境界が
あって何十年か守られてきた <1953年
に国連軍が設定>境界線があるのだが、
北朝鮮政府は「北の海上での主権を
いかなるレトリックでもなく、行動と
武力で守る」と金が宣言したのだ。

「 [北朝鮮の] 西側の海域に何本境界線
があろうと、問題ではない。自明なこと
として、我々が北朝鮮の領海の境界と
見なす線を敵が侵すなら、我々はそれを
北朝鮮の主権への侵害と見なし、軍事的
挑発だと捉える」と金が語ったと、
北朝鮮国営メディアは報じている。

このレトリックからは、海上での攻撃と
いう不安が浮かび上がってくる。そう
述べたのは、脱北者であるRiとともに
上述の記事を共著したアメリカの
アナリストだ。

Big mouths —

「そうした <事情を> 利用して [金が]
何らかの軍需衝突を正当化しようとして
いるというのは、充分に考えられること
だ」 Washington Examinerに対しそう
語るのは、 Foundation for Defense of
Democracies <直訳すれば ”民主主義
防衛財団”、研究機関です> で上級
研究員を務めるDavid Maxwellだ。
「そうは言っているものの、北朝鮮の
[高官たちというのは]  詐術の達人で、
我々の目を北朝鮮西岸の海域に向けさせ
ておいて、その間に実際には [非武装
地帯] や東の海域で何かをやらかす
可能性もあるのだ」

北朝鮮はロシア軍に兵器を供給して
いるが、一部のアナリストたちによれ
ば、これは北朝鮮が大量の兵器を必要と
するような全面戦争を実は考えていない
ことの表れだという。

Yeonpyeong Island Bombardmentとの関連で:
国連軍と北朝鮮では、異なるNLLを考えていた模様です

「それよりも可能性が高い衝突として、
非武装地帯あるいは海上の北方限界線
近くで戦術レベルの衝突を北が起こす
恐れはある」  そう述べているのは、
Heritage Foundation <”ヘリテッジ
財団”、アメリカの保守派シンク
タンク> で上級研究員を務める Bruce
Klingnerだ。彼は以前、CIAで韓半島
担当の部長代理として働いていた。その
Klingerが先日のある記事に、「韓国の
高官たちが秘かに述べているところに
よれば、2010年にあった韓国海軍の
軍用艦Cheonanの沈没や韓国人50名
を死亡させたYeonpyeong <延坪島>
への砲撃のような、死者も伴う北朝鮮
による攻撃がまた行われる可能性は
否定できない」と記している。

アメリカ国務省の高官である上述のPak
博士によれば、ジョー バイデン大統領
のチームは今後も金政権への「長期的な
抑止活動をこれからも強化していく」
そうだ。

「今後もアメリカは同盟諸国や
パートナー諸国と協力、金の思惑を
コントロールしていく。ただ、現時点
では差し迫った直接的な攻撃はなさ
そうだ」と、Pak博士は語っている。
*****************************

Megalomaniac (誇大妄想)

「2013年に北の軍指導層がRiに提示
した最悪のケース シナリオによれば、
ソウルとプサンに対する核攻撃も
含まれていた。<そうなれば> 韓国は
無条件降伏する ・・・」とあるように
核兵器というものを持ってしまうと、
指導層が一種の誇大妄想に陥る場合が
ありますよね。
極めて危険です。妄想のまま核兵器を
使用するまでには至らなくても、
「こちらは核を持ってるんだから、
あいつらにイタズラをしても、何も
やり返しちゃこれまい」という発想で、
戦術規模の紛争を仕掛けてくる危険性は
増大してしまいます。

核兵器は、こうした「波及症状」も
招いてしまう代物です。

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10年前、アメリカの核ゴミ処分施設で爆発

Beyond Nuclear Bulletin
2024年2月13日号より

元記事をお読みになりたい方は、
10 years since “impossible” WIPP leak – Beyond Nuclear

10 years since “impossible” WIPP leak
(WIPPでの「考えられない」放射性
物質漏れから、10年)

日本ではあまり報じられないのです
が、10年前のアメリカで起こった
放射性物質漏れ事故に関して、その
事故施設の拡張や存続の断念を求める
記事です。
アメリカ本土の中央から西南西に、
New Mexico州というメキシコと国境を
接している州がありますよね。その州の
南東部にCarlsbadという町があって、
その近郊にWIPPという核兵器からの
超ウラン元素廃棄物の処分施設が
あります。
そこで、10年前に何があったのか?
早速、記事を見てみましょう ・・・
と言いたいのですが、
そもそもWIPPって、どんな施設?
日本語ではあまり紹介されていない
施設ですので、まずはWIPPについて
ごく短く紹介しますね。

WIPPなんて、聞いたこともおまへんでえ
WIPP?? Never heard of it —

WIPP (Waste Isolation Pilot Plant) って?

New Mexico州Carlsbad近郊にある
放射性廃棄物を地下深く埋めて保管
する処分場で、超ウラニウム元素の
核ゴミを10,000年間保管できると
いうライセンスを受けています。
地下約660mにある塩の層に核ゴミを
保管します。建設が議会で承認された
のは1979年、それから20年の時間と
20億ドル近い経費をかけて、1999年に
最初の核ゴミがこの処分場に運び込まれ
ました。なお、New Mexico州には
その他にも各ゴミ処分場があります。
2014年2月5日に事故が発生、この
ときは塩の運搬トラックからの出火
でした。皆さん避難し、このとき
には放射性物質の外部への漏出は
なかった模様です。ところが10日後
の15日にモニターが放射線レベルの
異常な上昇を検知、22名前後が被ばく
しました。この時には放射性物質が
空気中に漏れたようで、アメリシウム
<という人口の放射性元素> とPu
<プルトニウム> の粒子が微量ながら
検出されました。この事故の原因は、
その前日に猫砂入りのバレルが爆発した
ことにあったと言われています。
「核ゴミ処理場と猫砂??」と、私も
不思議だったのですが、猫砂は猫を
飼っている場所以外でも多くの産業で
吸収材として利用されています。
WIPP処理場でも、硝酸塩や液体を
吸収するために猫砂を使っていました
・・・ といいうことは、その猫砂は
硝酸塩と反応しないものを選ばないと、
大変なことになりますよね。ところが。
あるバレルに、誤って硝酸塩と反応
する猫砂を詰めてしまっており、それが
案の定 硝酸塩と反応、爆発したよう
です。
短くいってしまえば、
猫砂の種類を間違えた ⇒ 爆発
⇒ Puなどが漏出
というパターンが現実になった
わけです。

硝酸塩の一種である硝酸カリウム
KNO3 は、黒色火薬の原料です
(硝石)
Potassium nitrate (saltpeter), one of the nitrates, is a material used in preparing black powder.

では、上記を踏まえたうえで、記事
そのものの紹介を。
いつもどおり、
私による抜粋・日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

*****************************

WIPP (Waste Isolation Pilot Plant
[核ゴミ分離パイロット施設]、核兵器
からの複雑な超ウラニウム元素の
保管庫)で発生した2014年2月に
発生した事故の話だ。地下にあって
メインテナンスされていなかった車両
が発火したことがきっかけとなった
産業火災で、WIPPで地下に勤務して
いた従業員たちが大勢で脱出する羽目
になった。火災の煙を吸引したために
20数名の従業員が入院、そのうち1名
には恒久的な障がいが残った。だが、
もしこの火災が発生していなかったら
同じ2月の14日に発生した超ウラニ
ウム元素ゴミを入れたバレルの発火と
爆発による被害はさらに破壊的なものと
なっており、従業員の健康にもっと
深刻な影響をおよぼしていた恐れが
あった。

Puが肺に入ると、極めて危険です!
(体内被曝)
Once Pu has entered into your lung, it’s quite hazardous!
(internal exposure)

つまりその場合には、地下で
作業していたWIPP従業員たちの
多数は呼吸用の保護装置を身に付けて
いなかったため、Puの各種同位体など
アルファ線放出源を呼吸によって
集中的に吸引していた恐れがあった
のだ。実際には14日の爆発よりも
数日前の火災によりWIPPの地下部分
からは人員が脱出していたのだが、
それでも地上にいた20数名の従業員は
アルファ線源を吸引してしまっていた。
たとえ顕微鏡でないと検知できない
程度の微量のPuであっても、ヒトの
肺の中に入るならば時間の経過とともに
肺がんを発症するリスクが増大する。

New Mexico州Carlsbad近郊にある
WIPPを監視する活動が何十年も前から
行われてきており、それに携わる
Robin Seydelが、以下の内容を発表
している:

爆発はするけど、あと50年やりまっせ~
Yeah, we have explosions, still we’ll keep our business for another 50 years!

みなさま、

WIPPで爆発が発生、放射性物質が
環境に漏れ出るという事故があって
から10周年になりました。これを機に
この事故を思い返す活動を皆様に支援
していただきたくお願い申し上げます。

この事故は、全く想定されていな
かったものでした。

WIPPの創業は、今後50年間続くもの
と計画されています。そうなると、
New Mexicoは今後、いったいいう句度
の事故を経験せねばならないので
しょうか?

私どもでは、New Mexico州の州都で
あるRoundhouseで楽しく心に残る
アクションを、ヴァレンタインデーに
行う計画です。詳細は、下記に。

・・・(中略)・・・

ウェブサイト
New Page — Stop Forever WIPP

******************************

猫がおしっこしたら、爆発してPuが飛び出るんか??
いや、そうやなくて、Pu-239みたいなもん置いてあるとこで、
どんな爆発でも起きたらあかんやろ!
So, a cat’s piss makes it blow up and causes a Pu leakage??
Naaaaw, any explosion in a Pu-239 storage can be a deadly disaster!

やれやれ、
吸収材を間違えた ⇒ 爆発 ⇒ Pu漏れ
なんて、何のジョーダンかと思える
かもしれませんが、
そんなことがホントにあったわけ
ですね。

それと、そんな惨事が日本語では
あまり報道されていなかった ・・・
やはり、既存の大手メディアに依存し
すぎないで、私たち反核勢力で独自の
情報発信を展開・継続していくことが
急務なのでは

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イランの核開発に不透明性: IAEA

イランの核開発に不透明性: IAEA

The Daily Star Lebanonのウェブサイト
より
(2021年10月に廃業したと聞いて
いる新聞社なのですが、2024年2月
14日 JST現在、最新のニュースを
ウェブサイトに掲載しています。どう
なっているのか、私には分かりません)

元の英語記事を読みたい方は、次へ:
UN Nuclear Watchdog Warns: Iran Not Fully Transparent on Atomic Program – THE DAILY STAR

イランの核開発、どうも当事者が核兵器
製造能力を隠さなくなってきたのでは?
そんな、とんでもない問題のニュース
です。

全部そろってるよ~~

ニュース自体には日付が入っていない
のですが、JSTで2024年2月13日
公表のようです。

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
*************************

UN nuclear watchdog warns:
Iran not fully transparent on atomic program
<国連の核監視機関 [IAEAのこと]、
イランの核開発プログラムに不透明性
があると警告>

国連の核監視機関のヘッドである
ラファエル マリアーノ グロッシが、
イランの核開発プログラムに関連して
警告を発した。不透明な個所がある、
というのだ。子の憂慮を増幅するかの
ように、イランの核開発における
指導的人物であるAli Akbar Salehの
発言によれば、イランには核兵器を
組み立てるために必要なコンポーネント
もある、というのだ。グロッシ
(Grossi)からの警告はドバイでの
世界政府サミット <ダボスともCOP
とも別のサミットで、2024年は2月
12日に開催> において発せられたもの
で、中東での緊張の高まり、特に
イスラエル対ハマスの紛争に伴う懸念
の拡大が焦点となった。

このボタンさえ押せば ・・・

2015年にイランは西側主要国と核合意
<JCPOAのこと> をいったん締結した
のだが、それが <2018年に> 瓦解
してしまい、それ以来イランによる
核兵器追及には拍車がかかってきて
いる。今や、核兵器に必要な濃度に
達するまであと一歩というところまで
到達してしまっているのだ。複数の
核兵器を作れるだけの濃縮ウラニウム
を蓄積しているイランだが、アメリカ
その他の機関による推定によれば
イランは今のところまだその濃縮
ウラニウムを兵器化する作業を開始
してはいない。これに対しイスラエル
は、核兵器を保持し続けているものと
見られている。

イランの核開発に関する姿勢には
不透明なところがあるとグロッシは
強調しており、核能力に関し最近イラン
が発表した複数の宣言を問題にして
いる。イランは <表向きは> 核兵器
不拡散条約を守っていることになって
おり、そうである以上核開発プログラム
が平和目的であることを確認するための
IAEAによる査察を受けることも含まれ
ている。上述のような挑発とも取れる
言動とは、対照的だ。

裏で操るもの ・・

イランは既に核兵器を製造できる能力
を有しているとの含意を有する上述の
Salehiの発言は、イランのテレビで
なされたもので、発言内容という点で
の重要な変化を示している。しかも
目下イランは、レバノンのヒズボラや
イェメンのフーティといった代理組織
を介して中東の緊張を悪化させている
のだ。その一環として、商船への脅威
も挙げられる。

さらにイランは改造コンテナ―船から
弾道ミサイルを発射、軍事的能力を増強
していることを実証した。民間用の船舶
に兵器を隠ぺいする能力があることが、
明らかになったわけだ。こうした展開の
ため、中東の安全保障の状況がさらに
複雑なものとなり、これ以上の悪化を
防ぐためには透明性と対話が不可欠で
あることが明らかになった。
******************************

All I want is peace —

「やかんをのせたら~~」は特定国家
のサイドについたり、逆に特定国家を
悪者扱いすることを基本的に好み
ません。
上記の記事紹介からは、一見すると
「反イラン」の姿勢を「やかんを
のせたら~~」が採用しているかの
ように見えるかもしれません。確かに、
イスラエルからの関連報道ばかりを
紹介しているのなら、そう誤解され
ても仕方ないでしょう。
でも、冒頭でお分かりのように、
この記事はレバノンからのものです。

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NuScale社の電力供給プロジェクトが 瓦解、SMRの 終焉か

The collapse of NuScale’s project
should spell the end of small modular
nuclear reactors
(NuScale社の電力供給プロジェクトが
瓦解、SMR(小型モジュール炉)の
終焉か)

下で紹介したUtilityDiveの関連記事、
抜粋・要約紹介

下の2月12日の記事の本文冒頭で登場
するUtilityDive掲載のRamana博士に
よる記事、抜粋・要約で紹介しますね。

元記事を読みたい方は、次へどうぞ:
The collapse of NuScale’s project should spell the end for small modular nuclear reactors | Utility Dive

PWR型のSMRのメカニズム
かなり簡略化したもの、再掲

いつもどおり、
私による抜粋・要約・日本語化
< > 内は私からの補足説明 で、
原文ではところどころ関連文書への
リンクがあるのですが、以下は
あくまで抜粋・要約なので、
リンクは無視しております。
**************************

ユタ州公営共同電力事業体 <Utah
Associated Municipal Power Systems、
UAMPS> というプロジェクトに固有の
諸問題もあったものの、同プロジェクト
で発生した財務面の課題とコスト面での
傾向とは、今後すべてのSMRプロ
ジェクトにも付き纏うはずだ。

2024年1月31日発表

M.V. Ramana博士

だれがこんなもんに、投資すんねん??

昨年11月、ユタ州公営共同電力事業体
<Utah Associated Municipal Power
Systems、UAMPS> が「アメリカ初の
NuScale Power社のSMR稼働開始」と
なったはずのプロジェクトを終了
させた。これは、予想されていた惨劇
だった。もう数年も前から、警告音は
鳴りっぱなしだった。UAMPSに固有の
諸問題もあったものの、同プロジェクト
で発生した財務面の課題とコスト面での
傾向とは、今後すべてのSMRプロ
ジェクトにも付き纏うはずだ。SMRは
今も理論上の原子炉に過ぎず、正気を
保っているのであれば、SMRに10円
でも投資しようとする電力企業も
政府も考えにくい。

2015年に発表があった通り、UAMPS
プロジェクトは当初、12基のSMRを
建設し合計で600 MWの発電を行う
計画であった。そのころには、
「2023年前後に」稼働を始めるつもり
だった。本来、「とりあえずのコスト」
は30億ドルであった。2018年に
なってNuScalは設計変更を発表、
個々のSMRの発電量を60 MWにする
と述べた。合計では720 MWとなった。
同社の主張では、この変更により
「発電量1キロワットあたりのコスト
を当初の5,000ドルから4,200ドル
前後にまで削減できる」ことになって
いた。

2018年にはこのプロジェクトの推定
コストが42億ドルにまで膨れ上がり
2020年にはさらに61億ドルにまで
上昇した。2023年になると、ついに
93億ドルに達した。2021年に発電量
を462 MWに下げる変更があった
のだ。最終的に、コストが膨れ上がり
過ぎてUAMPSの加盟自治体が対応
できないものと化していた。

——— (中略) ———–

ありゃまあ、どの原子炉もカネクイムシだったのね~~
私の10分クロッキー

このUAMPSプロジェクトは決して
例外的なものではなく、原発プロ
ジェクトには無数にあるコストと工期
の超過という長い歴史に新たな一例を
加えたに過ぎない。2014年にある
学術的研究が行われ、全世界の原発
プロジェクト180件を調査した。
その悔過、なんと175件で当初のコスト
を大きく超過しており、プロジェクト
完成の時点では平均で117%もの超過で
あった。工期も平均で、当初の予定より
64%も長くかかった。

近年のプロジェクトになると、予算や
工期の超過はさらに悪化している。一例
として、フランスで現時点で建設中の
原子炉はFlamanville 3のみであり、
これが原子力産業の申し子のような
存在になっている。その推定コストは
132億ユーロ(150億ドル程度)に
昇っており、建設開始時点での推定額
の4倍ほどに達している。工期も、
建設開始時には4年半であったものが
なんと16年を超えるまでに延長
されている。

これほどコストが膨張しているため
当然、電気料金の値上げにつながって
いる。2023年4月にLazardという
金融企業が推定したところによると
アメリカの場合で新設原発による電力
政府からの補助金が出ない場合には
均一化すると1 MW・1時間当たりの
コストが141から221ドルになって
しまう。これに対し、電力会社に
ふさわしい規模の太陽発電施設を
新たに建設し、日没後も送電できる
よう何らかの蓄電装置を設けた場合、
やはり補助金なしの均一化した
コストは1 MW・1時間当たりで
46ドルから102ドルで済むとLazard
は推定している。.
文字色強調は、私> ———–

———(中略)———-

グリッドで電力需要と供給をマッチさせるには、
大変高度な施術と経験が必要です

Lazardによる推定が示しているように
こうした大型発電所そのものに、
再生可能エネルギーと競争する力は
ない。.

——–(中略)———

核エネルギー推進勢力は再生可能
エネルギーは変動しやすいという点を
指摘、電力システムを安定化させる
には何らかの形態の核発電が必要だと
主張している。だが、安定していると
思われている発電所があっても、
昔から送電グリッドというものは電力
供給の変動に対処してきたのだ。
たとえば原発は、安全性のために突如
としてシャットダウンせねばならなく
なる場合がある。(一例として、
福島第一原発の大事故の後、日本各地
の原発が停止したように) 
<やはり安定していると思われて
いる> 石炭火力も、燃料の輸送列車
の脱線など燃料供給が中断すれば、
稼働できなくなる恐れがある。
フランスの全原発の平均値を求める
と、各原発は2019年には96.2日、
2020年には115.4日、2021年には
103.8日、2022年には152日、停止
していたのだ。<停止原因の一例と
して、上の黒いメニューの終わりの
方にある固定ページ 付録 w-10) も
参照>

揚水発電所の概要、再掲

現在では再生可能エネルギーの 
<発電量の> 変動は、各種技術の
多様化を進め組合わせて用いること、
地理的な所在地を分散化させること、
再生可能エネルギーが潤沢である
時間帯に電気を使うよう消費者向けの
インセンティブを実施すること、
そして最終的には各種の蓄電技術への
投資を進めることで、解消できる。
蓄電技術としては、リチウム電池や
揚水発電などがある。だがそうした
すべての措置以前に、エネルギー利用の
効率化という手がある。効率化を進め
れば、電力供給の変動にも対応しやすく
なる。その例として、建築物の放熱や
吸熱をゆっくりと行われるように
すれば、発電量が低下している場合で
あっても、内部の人たちが快適に
過ごせる時間が長くなる。太陽が照って
いない時間帯や風が凪いでいる間で
あってすら、それを埋め合わせるのに
原発は不要なのだ。

上記のすべてから分かるように、気候
危機を解消するためには、核発電は
必要ではない。核発電はあまりにも
高価であるだけでなく、建設に長期間を
要する。気候変動への対応は緊急の責務
であり、我々には原発を建設している
時間の余裕などないのだ。

———-(以下略)————

思い込みを打ち破ろう

*************************

終わりの方の文字色強調した箇所から
も、現時点の日本社会の一部で叫ばれ
ている
「電気料金を下げるために、原発再
稼働を急げ!」 とか
「再生可能エネルギーでは、不安定
すぎる」
といった主張が、いかにオカシナ
ものか分かりますよね。

こうした社会状況のただ中にあって
正しい情報を発信していくことは、
私たち反核勢力の責任です。

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SMRドミノ、崩壊開始?

First SMR domino falls, potentially to start cascade
(SMRの最初のドミノが倒れた。あるいは、ここから総崩れか)

Beyond Nuclear Bulletin
2024年2月8日号より

元記事は、次へ:
First SMR domino falls, potentially to start cascade – Beyond Nuclear

Beyond Nuclear BulletinではSMR
プロジェクトのビジネス面での失敗に
ついて以前から最新の動向を紹介して
くれていますが、日本ではSMRという
言葉さえあまり耳にしないですよね。
でも上の黒いメニュー(項目は基本的
にアルファベット順)にある固定
ページ s-0) で述べた通り、日本でも
政府などは既にSMR導入を検討して
います。それに対し、反核勢力がSMR
という言葉も知らないままだと、
あまりにも無警戒ですよね。
そこで、「やかんをのせたら~~」
では、SMRとその挫折を紹介する
Beyond Nuclear Bulletinの記事を今後
も日本語化して紹介してまいります。

「連続殺人鬼が、この町に潜入したかもしれへんそうやで~~
そいつの特徴は ・・・」
「わあ~~、こわい、はよ逃げよ!」
「ちと待ちなはれ、特徴を知っとかんと」

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
**************************

SMRに限らず、どのようなタイプの
原子炉でも同様の財務的危機が
起こりえる

Utility Diveというエネルギー業界向け
のジャーナルがあるが、その2024年
1月31日号に掲載された Opinion
<お読みになりたい方は、 The collapse of NuScale’s project should spell the end for small modular nuclear reactors | Utility Dive へ。
近日、これも要約して日本語化しよう
か、考え中です>
という記事が、業界を揺るがせている。
この記事は
The collapse of NuScale’s project
should spell the end for small modular
nuclear reactors <NuScaleの給電
プロジェクトが崩壊、SMRの終焉の
兆し>
という適切なタイトルのもので、
核の愚行に関する幅広い典拠を
備えた調査だ。このOpinionの著者で
あるM.V. Ramana博士は、カナダの
ヴァンクーバーにあるブリティッシュ
コロンビア大学で公共政策と世界情勢
学部の教授ならびに軍縮・世界と人類
の安全保障に関するSimons Chairと
いう会長職を務めている。同博士は、
アメリカで建設・稼働される予定だった
大量生産の小型商用発電原子炉としては
最初のものとなるはずであったユニット
に関し、その財務面での失敗について
鋭い観察眼を向けている。

SMRは基本的に、工場で量産して
現場に運び、設置します

オレゴン州ポートランドに本社を置く
NuScale Power Corp社は2007年設立
のスタートアップだが、アメリカ発の
小型モジュール炉 (Small Modular
Reactors、SMR)を大量生産するよう
アメリカのエネルギー省(Department
of Energy、DOE)からSMRの代表
企業という扱いを受けていた。
NuScale社を所有・支配しているのは
アメリカの核エネルギー業界の巨大
企業であり水爆のメーカーでもある
Fluor Corporation社だ。だが代表企業
となるどころか、2023年11月9日、
NuScaleは核発電プロジェクトで
増え続けている財務的破綻の新たな
1例となったことが発表された。
核発電プロジェクトではコストの
抑えがきかず工期延長の繰り返しと
いうパターンがみられており、
プロジェクトは難航している。だが
NuScaleのケースでは、同社が選定
した原子炉設計をアメリカの原子力
規制委員会(Nuclear Regulatory
Commission)からの実施可能な設計
としてのライセンスを受けて工事
開始セレモニーを行えるようになる
以前から、犠牲にされていたのだ。

小型だから安全です
と主張していますが、実際には
1つの原発に多数のSMRを設置
するので、コントロールは複雑になります

NuScaleによる今回のパイロット
プロジェクトは当初、ライセンスを
受けてSMR 12基を隣接させて建設し
稼働させることを目的としていた 。
(各SMRの発電容量は50から
60MWeで、12基合計での発電容量
が最大で720 MWe)  12基を
1つの建屋に収納、コントロール
ルームも1か所だ。このやり方が
建設でも稼働でも安全性が高くコスト
も低く、工期も短くできると考えて
いたNuScaleだが、同社のSMRは
実は、実現困難なほど高価で大型
(1基あたり800 から 1150 MWe)の
商用PWRという何十年も昔の原子炉
を設計しなおしたものに過ぎない。
そうした旧式PWRは、稼働
ライセンスを延長してもらって現在も
稼働を続けているのだ。かくして1960
年代にまで遡る広範な経験をもとに
再設計したとはいえ、この再設計に
よっては完成コストの推定や完成
までの工期、あるいは稼働を予算内
で実施できるのかについては、信頼性
の向上は得られていない。実のところ
「スケール メリット」に則った新型
原子炉の設計と建設を核発電業界は
放棄しており、しかも小型原子炉で
コストの小さい電力を生み出すという
夢も「蜃気楼」として消え去り、
もはやかなわぬ夢と化したのは明らか
なのだ。

この研究所では、1961年にSL-1という小型原子炉の爆発事故があり、3名が他界なさいました。

NuScaleによるパイロット原子炉の
建設現場は、DOE が 連邦政府所有の
アイダホ国立研究所(INL)の敷地内の
土地が与えられている。アイダホ
フォールズ <アメリカ本土北西部の
アイダホ州の南東部にあります> の
そばにある。 NuScaleはUtah
Associated Municipal Power System
(UAMPS) と契約を締結、予想して
いた電気利用顧客ベースの獲得に
努めた。このUAMPS <ユタ州公営
共同電力事業体> は西部7州に
またがる50の地方自治体による電力
使用の協同組合で、参加希望の利用者
には最大で合計14億ドルの補助金が
DOEから10年間かけて支払われる。

だが、そうして連邦政府が核発電電力の
利用顧客が被りえる財務面でのリスクの
軽減に努めたにも関わらず、NuScaleと
UAMPSとが電力購入契約の顧客獲得に
初めから苦闘した様子を、Ramana博士
は示している。この購入契約にはある
「逃げ道」が用意される予定で、一旦
加入した顧客もそこからすぐに逃げ出す
ことになったのだ。そうした自治体が
財政上の懸念からこの核発電プロ
ジェクトより脱退、UAMPSとNuScale
とはこのプロジェクトの原子炉数を再度
交渉し、定格77 MWeの原子炉6基に
縮小した。合計発電量は462 MWeと
なる。それでもなおこの原子炉の設計
の安全性には問題があり、原子力規制
委員会からの承認をまだ得ていない。
かくして、この原子炉も巨額を費やす
脆い建築物であることが実証されて
しまった。以前、2005年にアメリカ
議会と核発電業界とは「原子力
ルネッサンス」を提唱したが、その際
に同業界は「革新型」第3世代原子炉
<例として、EPRやAP1000など。
上の黒いメニューにある固定ページ
al-1) や al-4) を参照> 34種類を
提唱したのだが、現時点で商業稼働が
可能なのは1基のみ (Vogtle原発の
3号機) であり、もう1基 (Vogtle
の4号機) は今も建設中である。
このジョージア州のVogtle原発で
進められている新原子炉建設プロ
ジェクトの当初の予算は140億ドル
であったが、現時点では400億ドル
に膨れ上がっており、いかに
カネクイムシかが分かる。

カネクイムシだよ~~

 

DownToEarth, <というインドに
本拠を置く環境問題などを扱う
ウェブサイト。元記事は https://www.downtoearth.org.in/blog/climate-change/tripling-nuclear-energy-by-2050-will-take-a-miracle-and-miracles-don-t-happen-94249
に> では上記の件をフォローする
記事を2024年2月3日付で公表、
M.V. Ramana 博士とFarrukh A.
Chishtie との共著による “Tripling
nuclear energy by 2050 will take a
miracle, and miracles don’t happen”
<2050年までに核発電を3倍にする
のは奇跡だが、奇跡など起こりえない>
という記事である。地球規模での気候
変動対策として核発電を拡大しようと
するのは危険な暴走であり、失敗する
ことが明らかだと説明している記事だ。

Chishtie と Ramanaという2名の
専門家は、この <2050年までに
各発電を3倍にという> 提案に反論
している。この提案は、UAEのドバイ
で開催された第28回気候変動対策会議
(COP28)でアメリカの前特使John
Kerry が唱えたものだ。専門家両名は、
2050年までに核発電をあり得ないほど
馬鹿げたと言ってよいレベルにまで拡大
することは無理だとする主な理由と
して、「核発電の経済的現実」を歴史
から現在に至るまで紹介している。
核発電をいまさら3倍増しても、
加速的に悪化しつつある気候変動を
緩和するには、手遅れだ。

「核エネルギーを短期間で拡大する
のは無理だという証拠は、圧倒的に
多数ある。核発電をさらに拡大すれば
気候変動を緩和できるという考えを
放棄すべき時代になっている。むしろ
再生可能エネルギーの拡大とそれに
関連した技術の向上とに傾注し、
厳格なエネルギー効率の向上措置を
実施し、エネルギーの移行を急速に
進めるべきなのだ」

努力の方向を変えよう

*************************
上述の通り、DownToEarthの関連記事も
近日中に要約・抜粋で紹介する予定で
おります。

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原子炉だけ浮かべても~~

「浮体」SMR免震は結構ですが ~~

先日、多数の日本語メディアが
「E – ディフェンス」でのSMR対象の
浮体式免震装置の実験を取り上げ
ました。
たとえば、
小型原子炉用免震装置を公開=能登地震の「揺れ」で実証試験―防災科研など (msn.com)
などなどですね。

そりゃまあ、浮かぶものには揺れが少ない ・・・

原子炉そのものは浮体にすれば、確か
に免震化できますよね。
SMRについては上の黒いメニュー
(項目は基本、アルファベット順)に
ある固定ページ s-0) から s-8) で
述べております。
SMRなら小型なので発電用蒸気
タービンなどまで含めた冷却系まで
浮体化すれば、地震の際の損傷は
軽減化できるのでしょう ・・・
これで、地震に伴うメルトダウンは
防止できる ~~ のでしょうか??

現実には、原子炉とその配管だけ見て
いては、原発の安全性を正しくは評価
できません。送電塔の倒壊が福島第一
事故の主な原因の1つであったこと
を、思い出してくださいな。
原子炉そのものに大きな損傷を起こさず
とも、外部からの電力(冷却系のポンプ
などを動かす)を取り入れる送電線を
ドローン爆弾などで破壊すれば、原発が
大騒ぎになることは、固定ページ
g-5) や g-6) で紹介済みです。

まあ、私の分野じゃないんだけど ・・・
イタリア風たこ焼き

まあ、この浮体化免震というのは
「やかんをのせたら~~」の本来扱う
話題ではありません。また私自身、
免震構造といった問題系にはシロート
です
そこで本ページでは、シロートとして
の私の疑問を短く挙げておきます。

防災科研(NIED、National Research
Institute for Earth Science and Disaster
Resilience)のウェブページ
E-ディフェンス公開実験のお知らせ -小型原子炉用の浮体式免震装置の実証試験(取材案内)-|2023年度|報道発表|最新ニュース|防災科研(NIED) (bosai.go.jp)

JAEAの関連ウェブページ
多方向の地震力低減可能なユニット型3次元免震装置を開発|日本原子力研究開発機構:プレス発表 (jaea.go.jp)

ロシアの船上原発などオフショア原発に
関するwikipediaのページ
Russian floating nuclear power station – Wikipedia
などなどを参照しております。

で、その私からの疑問とは:

I – SMRの下にあるプールそのものに
亀裂など生じたら??
これは、誰でもすぐに思いつく問題で
しょう。地震の際には、プールが乗っ
かっている大地そのものが揺れるわけ
ですからね。

II – 外部電源喪失
現時点でSMRの多くは、要はPWRを
小型化したものです。(PBR型HTGR
のSMRが中国の威海で2021年に稼働
を始めたようですが、西側では
アメリカのNRCから現時点で承認され
ているSMR設計は、NuScaleのPWR
だけだったと私は記憶しております。
「PBR型のHTGRって、なに??」と
いう方は、固定ページ p-o) から p-3)
をお読みくださいな)

で、大型PWRであれ小型PWRで
あれ、はたまたPBRであれ、冷却の
ために外部からの電力供給が必要で
あることに変わりはありません。
(必要な方は、固定ページ 付録 w-15)
を参照)

原子炉:何の損傷もないんだけど、
外部から電気が来ないので動けない~

つまり、原子炉やその冷却系が完全に
無傷であっても、その外部からの電源
供給が途絶えて station blackoutに
陥れば、最悪メルトダウンになって
しまうわけですね。

実際に、
福島第一の大事故の主な原因の1つは、
送電用鉄塔が倒れたことでしたし、
最近の志賀原発でも、外部からの電力を
電圧変換するトランスフォーマーが
壊れましたよね。稼働中ではなかった
ので、大事には至りませんでしたが。
もし稼働中だったら、
非常用ディーゼル発電の類をすぐに
動かさないといけなくなる事態で
したね。

浮かぶ原子炉 ~~ そこから出てくる
使用済み核燃料を冷やすSFPは、どないすんねん?


III – SFPはどうやって免震するの??

いくらSMRは小型だといっても、稼働
を続ければ使用済み核燃料は増加を続け
ます。
当然、使用済み核燃料の冷却・保管
プール(SFP)が必要で (固定ページ
付録 w-15) を参照)、その数も増えて
いきます。
そうした増え行くSFPは、どうやって
免震するのでしょうか??
上述のリリース類からは、さっぱり
分かりません。
はたして ・・・

・ sloshingで放射性汚染水がSFPから
こぼれ出た場合に備え、SFPも免震
プールの上に設置するのか?
⇒ 結局、かなり巨大な、あるいは多数
の免震プールが必要に ⇒ コストも
かさむ
・ それとも、SFPには何かほかの免震
技術を適用するのか??
⇒ なら、それがどんな技術なのか、
説明が欲しい ⇒ 上のリリース類からは
不明

あっちも見ないと ・・・
私の点描練習

結局、原発の安全性を問うときには、
原子炉とその周辺だけを見ていては視野
狭窄でして、SFPや外部からの電源供給
などなどの問題も考えませんと

あと、「原発ならCO2を排出しない」
という主張に出くわした場合にも、
温排水はいいの?
外部電源の発電元がたとえば石炭
だったら?
使用済み核燃料を地層処分した後の、
CO2放出は?
などなど、「原子炉の外の諸問題」を
考えませんとね。

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A folly without a turkey / 七面鳥もいない愚行

What a turkey
(ひどい愚行 ・・・ * )

* 英語のturkeyはもちろん「七面鳥」と
いう意味ですが、スラングでは「愚行を
やらかす人」という意味もあります。
ただ、国名のTurkeyとスペルも発音も
一緒なので、トルコの方がいらっしゃる
場合には、ウッカリ使わないで
くださいね

Beyond Nuclear Bulletin
2024年2月1日号より
What a turkey | Beyond Nuclear International

英国で建設中のHinkley Point C原発の
建設コストがとんでもなく膨張、
ついに世界第2位の高価な建築物に
なってしまった ・・・ という報告
です。

英語の元記事を読みたい方は、
上のリンク先へどうぞ。

ヒネクレ ・・・いや、Hinkleyって、どこや??
Where is hinky — I mean Hinkley??

日本語読者の多数派の皆様のため、
このHinkley Point Cのごく短い略歴を
最初に紹介しておきますね。
英語版Wikipediaの”Hinkley Point C nuclear
power station” というページを基本に
しています。
詳しい情報は、
Hinkley Point C nuclear power station – Wikipedia
をお読みくださいな。

Hinkley Point C 原発、ごく大雑把な概要

所在地: 英国・イングランド、
Somerset州
所有者:
・ EDF Energy社(英国のエネルギー
企業ですが、親企業はフランス国営の
EDF社)
・ 中国广核集团(中国の国営企業)

建設開始: 2017年3月、2024年2月
現在も建設中

* 既に2023年2月のEDFによる発表
で稼働開始見込みが予定より15か月
遅れの2028年9月とされ、建設費も
大幅に予算超過。2024年1月には
さらに、稼働開始は3年ほど予定より
遅くなり460億ポンドに膨らみました。
当初予算の倍以上の金額だそうです。
(”まともな”ビジネスの論理で
あれば、こんなプロジェクトはやめる
べきですよね)

原子炉: EPRです。EPRに工期延長と
予算超過がつきまとってきたのは良く
知られており「やかんをのせたら~~」
でも上の黒いメニューにある
ページ al-4) で紹介済みです。

A、B、C ・・・
α、β、γ ・・・
А、Б、В ・・・

なお、”C” という名称からお分かりの
通り、Hinkley Point A とBもあった
のですが、
Aは1965年に稼働開始、2000年に
廃炉が発表されました。Magnox原子炉
でした。(減速材がグラファイト、
一次冷却材がCO2、上の黒い
メニューで e) を参照)
Bは1976年稼働開始、2022年に廃炉
発表。ガス冷却炉(GCR)でした。

それと、日本の三菱重工(MHI) もCに
絡んでおり、2022年11月発表の
リリースによれば、緊急冷却用ポンプを
納品したそうです。重大事故発生の場合
に、格納容器や燃料プールの冷却に使用
するポンプです。
三菱重工 | 英国ヒンクリーポイントC原子力発電所向けポンプの初号機を納入 残りの機器も順次製作、納入予定 (mhi.com)

下で日本語化紹介するBeyond Nuclear
Bulletinの記事では、このHinkley Point
C の工期遅延と予算オーバーを問題に
しています。
原発は実際には、いかにコストが
膨らみすぎる代物かお分かりいただ
けると思います。

では、そのBeyond Nuclear Bulletin
の記事を
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
****************************

飽くことなきカネクイムシ  These money eaters never stop devouring —

2024年1月31日
Linda Pentz Gunter記者
(Beyond Nuclearの国際問題専門家)

Hinkley Point C costs hit a new high but
the nuclear plant still isn’t roasting
Christmas turkeys
(Hinkley Point C原発の建設コストは
さらに膨張したが、いまだに
クリスマス用七面鳥 * を焼いてくれ
もしない)
<* 冒頭で説明したように、英語の
turkeyの二重の意味を生かした
言葉遊びです>

<サウディ アラビアの> メッカに
ある大モスクは、1,152億ドルで世界で
最も高価な建築物だと見られている。
それに続く第2位は ・・・ 英国で
建設中の原発だ。2基の原子炉を擁する
<発電能力が> 3,260MW のHinkley
Point Cという原発だが、英国で今も
建設中である。今のところそのコスト
は最低でも460億ポンド (590億
ドル)<8兆6,435億円程度、これ
だけ巨額を費やし、税金も投入して、
得られるものは電気だけです> で、
これは開発担当企業であるフランス
のEDFというエネルギーの巨大企業
が公表した最新の数値だ。

こうした現実から、Hinkley Point C
原発は今や世界で2番目に高価な
建築物という不名誉な栄冠に輝いて
いる。しかもこの原発は、まだ完成
してさえいない。建設コストは、
今後さらに膨らみ続ける恐れもある。

当分、焼かれずに済む ・・・  For the time being, I don’t have to get roasted

もともとEDFは、2017年までには
ブリテン(英国)の人たちは
Hinkley Point C原発からの電気で
クリスマス用七面鳥を焼くことに
なっているはずだと、大口を
たたいていた。この建設完成予定は
今や、「2029年以降」となっている。.

核発電業界というのは、コストや工期
などを3倍に膨らませることが得意だ。
昨年12月のCOP28気候変動対策
サミットでは、2050年までに世界の
原発を3倍に増やすと発表したのだが
これは例外となりそうだ。<つまり、
実現しないだろう>  だが新設原子炉
のお値段は? 建設期間は? そうした
面では、核発電業界は確実に3倍増を
達成しているのだ。

3倍必要なんだよ~~
I need triple this —

Hinkley Point C原発でも、その3倍増
がほぼ実現できつつある。 現在の建設
コストは、最初の推定であった180億
ポンド(230億ドル) <3兆3,350
億円くらい> の倍以上に膨らみ
あがっている。伸びに延びた延長工期
を考えると、コストの3倍増は充分に
あり得そうだ。

核発電業界の今迄の実績を考えるなら
Hinkley Point Cのこのコスト倍増は、
特に驚くこともないニュースだ。
それに先立ち、英国のリーシ スナク
首相の保守党政権は先日、英国は
「今後70年間、核発電の過去
最大級の拡大を開始、雇用創出と電気
料金の軽減、英国のエネルギー安全保障
の強化に努める」という無理な発表を
していた。その計画がその目標のいずれ
も達成できそうにないことは、言う
までもない。

Hinkley原発プロジェクトで英国の
消費者が払う電気料金は値下げする
どころか、実際には「電力市場での相場
料金よりもはるかに高いものとなる
だろう」と、Norbert Allnoch博士は予想
している。同博士はドイツの
ミュンスターに本拠を置くInternational
Economic Forum for Renewable
Energies (IWR) <Internationales
Wirtschaftsforum Regenerative Energien
再生可能エネルギーに関する研究や
コンサルテーション、国際ネット
ワーキング、啓蒙活動などを営む機関>
のCEOである。

「膨れた分は、利用者の皆さんに負担してもろて~~」
「ええ~~!!」
”The difference is on the rate payers —”
”No kidding!!”

そのIWRの推定によれば、Hinkley Point
Cが発電する電気のコストは「15
セント/kWhという基準よりも大幅に
高くなり」、しかも上昇を続けそうだ。
これは、英国政府が「核発電のために
EDFに支払う金額を国家が保証する
こと、それがインフレ率に応じて修正
されること」に合意しているためだ
と、IWRは発表している。

こうした問題に先立ち、先日の発表に
よると英国の政府当局は、イングランド
南東部のサフォークの海岸部にある
サイズウェル原発 <2006年12月に
廃炉発表されたGCR原子炉の原発
SIzewell Aがあり、イチオー今も稼働
可能なPWR原子炉の原発Sizewell B
もあります。そこに新たに全く同じ
EPR原子炉2基のSizewell Cを建設
しようという計画があります> の
EPR 2基について、 EDFに対し
Development Consent Order (DCO)
<直訳すると「開発同意命令」、
国家規模で重要なある種のインフラ
プロジェクトを正式に認可するもの>
を承認したとのことだ。このプロ
ジェクトには、英国政府は13億ポンド
(16億ドル)<2,320億円程度> を
投じる。このフランス企業EDFは既に
現地の原生林を伐採、近隣のMinsmere
自然保護地区に暮らす野生動物たちの
生息域を脅かし混乱を発生させている。

「おい、アイツの分のカネ、どないすんねん!?」
”Hey, what R U gonna do with his portion of the budget??!

一方でフランスは英国に対し、Hinkley
でのコスト超過とSizewellでも工事が
始まるとコストが膨らむと予想されて
いるのでその超過分とを支払うよう強く
要請している。報道によればフランスは
英国がSizewell C原発から中国を締め
出したうえ、Hinkley原発からも中国
企業の中国广核集团が保有していた
33.5%の持ち分を引っ込めるよう
促したとして、英国を非難している
そうだ。

英国の核発電プロジェクトに対する
中国の投資は、今までしばらく政治的
には厄介な難問だった。結局、中国
からの投資は「国家安全保障上の、
容認できないリスク」と 見なされるよう
になった。<同じ英国の> Essex州
Bradwell<廃炉作業中のMagnox原子炉
の原発があります> でも新たな原子炉
建設が提案されているのだが、これが
中国とフランスの合弁プロジェクトで
あるため、進捗しそうにない。その理由
の少なくても一部は、中国が関与する
ことに伴う安全保障上の懸念なのだ。

そうした問題のため英国政府は別の
出資者を探すことになり、結局は
Regulated Asset Base (RAB) <直訳
すれば「規制資産ベース」> という
手段で電気料金を支払う人たちから
徴収するしかなくなった。このRAB
という方法では、原発の設計や建設、
発電開始、稼働のために予測される
コストを予め電気料金に乗せることで
電気料金を支払う人たちの出費を集めて
将来の原発プロジェクトの資金を効果的
に集められる。

銀行の金庫爆破 ・・・ どれだけの
損害なのかも、分かりません~~
The bank’s been blown up — no idea how much the loss is

Together Against Sizewell C <という
反原発団体> のスポークスパーソンが
X (以前のTwitter) に投稿したものに
よれば、「Hinkley Point C には
やりたい放題な集金手段があって、建設
工事は遅延に遅延を重ねコストは呆れる
ほどの膨張を続けている。この原発が
いつになれば発電を始めるのか、その
ためどれだけの資金が浪費されるのか、
誰にも確かなことは分からなくなって
しまっている」

Hinkley Cの事例は、核発電産業が
「経済的に歯止めが利かなくなって
しまっている」ことの実例だ。そう
語るのは、Beyond Nuclearで原子炉
監視プロジェクトのディレクターを
務めるPaul Gunterだ。EDFのEPR
原子炉をフランスのFlamanvilleで建
設中だが、今も未完成だ。そのEPR
のコストは現時点までで当初予算の
4倍以上に膨れ上がっており、$150
億ドルに達している。フィンランドの
Olkiluoto原発 <フィンランドの南西岸
にある原発で、3基ある原子炉のうち
3号機がEPRです。そのEPRの建設は
2005年に始まりました> でもEPRを
建設したのだが、コストは当初の32億
ドルから120億ドル超にまで膨張、
稼働開始は当初予定から12年も後の
こと <2023年4月> だった。

アメリカに目を転じると、ジョージア
州のVogtle原発でAP1000 原子炉
2基 <上の黒いメニューのはじめの
方にあるページ al-1) を参照。Vogtle
原発に関する記載もあります> を
建設中だが、その総コストは最低でも
350億ドルにのぼっており、当初の推定
より少なくても200億ドル高い。
しかも2基あるうちの2番目の原子炉
は、まだ発電稼働に至っていない。
***********************

発電コストだけ見てね~~ 原発が一番安いよ~~
Take a “close” look at the “power generation only cost” —
see? Nuclear is the most reasonable!

ここでご注意いただきたいのですが、
原発建設はこれほどコストが膨大に
なるのに対し、日本での核発電推進
勢力は「発電稼働中のコスト」つまり
燃料費などだけを並べて「原発は発電
コストが安い」などと喧伝しています
よね。
しかし、巨大な建設費用や廃炉コスト、
核ゴミの長期保管コストなどの一部は、
我々が収めている税金で賄われている
ことをお忘れなく。

35年ほど昔のことですが、私が都内
に当時あったクリエイティブ
エージェンシーでChief Creative Officer
を務めていた時、エネルギー庁関連で
原発広報の仕事にも関わっておりまし
た。(今から思うと、後悔!)
その広報職務の一環で、原発建設中
だったある立地町に取材や撮影に
行ったことがありました。通産省
(当時、今の経産省)関係の担当者の方
と一緒に、まず町役場に挨拶に行ったの
ですが、そこでの歓迎ぶりと言ったら
・・・ なにせ、原発のおかげでその町
には巨額の交付金などが国から舞い
降りてくるわけですもんね。
町にあった宿屋さんで夕食になろうと
したとき、町役場からのご来客が
・・・ ビールやウィスキーのボトルを
抱えて、我々「御一行様」の部屋に
お持ちになったのでした。
まあ、私自身はアルコールが苦手なの
で、他の人たちが飲んだのですが。
問題は、「原発のゼニ」は形を変えて
こんな「もてなし」にまで回って
きちゃうって事実ですよね。無論、
このアルコールは「直接的には」その
町の住民税が財源だったのでしょう
けど。

たとえばこんな感じで、かわいい
オネーさんが酒を持ってきてくれました ・・・
って、この町はいつ公営バーになったんだ??

税金の使われ方として ~~ 現時点で
あれば「原発おもてなしのアルコール」
なんかに税金を使うんじゃなくて、
たとえば能登半島地震で避難して
らっしゃる方々のため、優先して
使ってほしいものです!

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北朝鮮、巡航 ミサイルの試験を実施

North Korea says it tested long-range
cruise missiles to sharpen attack
capabilities
(北朝鮮、攻撃能力強化のため巡航
ミサイルの試験を実施したと発表)

APのウェブサイトより
North Korea says it tested long-range cruise missiles to sharpen attack capabilities (msn.com)

北朝鮮のミサイル実験については
日本語メディアもカバーしているので
「やかんをのせたら~~」がワザワザ
取り上げなくても ・・・ 最近までそう
考えていたのですが、日本語の報道
記事とAPやReutersの英語記事とを
比較すると、どうも日本語記事の多く
はテキストが短く、そのため内容が
浅いように見受けます。
そのため、「やかんをのせたら~~」
でも北朝鮮の核武装関連の記事を紹介
することにしたわけですね。
なにせ、IAEA査察官などを追放、
NPTから脱退して核兵器を保有した
国が今度は長距離ミサイルだというの
ですから ・・・
こうしたニュースがなくなり、
「やかんをのせたら~~」も必要が
なくなる日が、早く来てほしいもの
です!

こんな平和な世界を ・・・
私がずっと以前に描いたスケッチより

では、いつもどおり
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

************************
Kim Tong-Hyung記者、AP
2024年1月31日

韓国、ソウル発(AP)
この水曜 <1月31日>、北朝鮮は
長射程の巡航ミサイルの発射試験を
実施したと発表した。その狙いは北の
反撃能力ならびに戦略的攻撃能力を
強化し、韓国ならびに日本にとって
脅威となる最新の兵器を見せびらかす
ことにある。

これは北朝鮮の国営メディアによる
ものだが、北朝鮮が複数の巡航ミサイル
を韓国西岸沖めがけて発射したことを
韓国軍が検知した、その翌日の発表と
なった。北が巡航ミサイルを発射したの
は、この1月としてはこれで3回目と
なる。外交交渉が停滞したままである
中、北朝鮮はアメリカとその同盟
アジア諸国とに対する軍事的圧力を
高め続けており、挑発的な兵器実験を
続けている。今回の発射実験も、
その挑発行為の続きである。

北朝鮮の国営報道機関である朝鮮通信
によると、この火曜日 <1月30日>
の発射実験の兵器はHwasal-2で、
この発射によって近隣諸国の安全が
脅かされることはなかったという。
この報道では、発射したミサイルの
正確な本数や飛行性能などは述べて
いない。

なんぼ持ったら、気が済むねん!?

北が以前に発表したところでは、
Hwasal-2 は核弾頭を搭載可能で、
射程は最大で2,000 kmであり、これは
日本にあるアメリカ軍基地を攻撃できる
距離だ。

近年、北朝鮮は巡航ミサイルのライン
アップを拡充しており、しかも陸上と
海上の両方から発射が可能だ。北は
既に弾道ミサイルをかなりの量保有して
おり、それを補完するものである。
同国の弾道ミサイルの中には短距離の
固形燃料型ミサイルも含まれ、韓国の
ミサイル防衛網を圧倒することを狙い
としている。さらに大陸間弾道ミサイル
も保有しており、これらはアメリカ本土
を標的としている。

2021年以来、北朝鮮は少なくても11回
の発射実験を実施しており、それらに
ついて陸上発射と海上発射両種の長距離
巡航ミサイルであるとしている。

ああ、魑魅魍魎 ・・・

今回に先立つ2回の巡航ミサイル実験が
この1月24日と28日とに実施されたが
そこで発射したミサイルはPulhwasal-
3-31という新型兵器とされている。
これは潜水艦発射用の設計となって
いる。この日曜日 <1月28日> には
その2回目の発射があったのだが、
その後に北朝鮮の指導者である金正恩は
核武装した海軍を構築して高まる外部
からの脅威だと彼が呼んでいるものに
対抗することが目的だと述べた。

さらに1月14日、北は新型の固形燃料
型中距離ミサイルの発射実験も行い、
太平洋にあるアメリカの軍事資産を攻撃
できる兵器を強化しようという姿勢を
強調した。その標的としては、ガム島に
あるアメリカ軍のハブ基地も含まれる
そうだ。

韓半島(朝鮮半島)の緊張はここ数年
で最強に達しており、金は兵器開発を
前例のないペースに加速しており、
しかもアメリカ、韓国、日本に対する
挑発的な核の脅威を仕掛けている。
アメリカとその同盟アジア諸国はそれに
対抗、合同軍事演習を強化するとともに
抑止戦略の刷新にも努めている。

北は核武装を着実に進めるとともに
ロシアとのつながりも深めており、
それで気を大きくした金が、今年選挙を
迎えるアメリカと韓国に対する対抗心を
さらに高めるのではないかとの懸念も
ある。

専門家たちによれば、金の長期的な
目的は北朝鮮の核兵器保有をアメリカ
に認めさせ、交渉で安全保障上の譲渡と
制裁の解除とを <核という圧力で>
引き出すことにあるそうだ。
******************************

ああ、困った~
私の20分クロッキー、男性のモデルさんです

核兵器なんてものが存在していると、
外交も交渉も無視され「核という力
だけ」で目的を達成しようとする勢力
が登場してしまいます。その実例を、
私たちはたった今、経験しているわけ
ですね。
さらに、日本も北の核兵器の標的の
1つにされている ・・・ ここで
すぐに、「日本も核兵器を!」と騒ぐ
勢力が登場していますが、長期的に
賢明なのはあくまで、世界の市民と
連帯して地球からの核の廃絶を
求めることでしょう。

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