新しい固定ページ
yards-2) (カネ) 原発に蠢く税金、パリサデス 事情説明
をアップロードしました。
上の黒いメニュー(項目は、基本的にアルファベット順)
で、下の方にある yards-2) をクリック!
yards-1) と重複する内容ですが、-1) が各補助金別に
詳細に論じているのに対し、-2) は基本的に時系列で
述べてくれているので、どちらかで全容をお分かり
いただけると思います。
新しい固定ページ
yards-2) (カネ) 原発に蠢く税金、パリサデス 事情説明
をアップロードしました。
上の黒いメニュー(項目は、基本的にアルファベット順)
で、下の方にある yards-2) をクリック!
yards-1) と重複する内容ですが、-1) が各補助金別に
詳細に論じているのに対し、-2) は基本的に時系列で
述べてくれているので、どちらかで全容をお分かり
いただけると思います。
新たな固定ページ
yards-1) (カネ) 原発に蠢く税金、パリサデスの実例
をアップロードしました。
上の黒いメニューの下部にある
yards-1) をクリック!
かなり長いページですから、お時間の
ない方は何回かに分けてお読み
くだされば。
「やかんをのせたら~~」の本来の
フォーカスである proliferation risks
とは違う話題で、原発に伴う巨額の
税金投入とそれにまつわる不正とを
取り上げたページです。
Beyond Nuclear Bulletinの
2024年3月14日号にある、アメリカは
ミシガン州のPalisades原発再稼働に
伴う巨額の公金投入に関する記事を
私が日本語化したものです。
英語の元記事を読みたい方は、
Breakdown of Bailouts at Holtec’s Palisades NPP – Beyond Nuclear
へ!
Palisades原発の再稼働騒ぎに至った経緯
はやや複雑なもので、断片的な報道だけを
読むと訳が分からなくなります。本記事で
Beyond Nuclearさんが、全体像をまとめて
くれています。
日本でも原発再稼働が問題になっています
ので、アメリカでの再稼働目論見の実例と
して、長い記事ですが読む価値があります。
で、お読みになる際の視点としては、
「ゾンビ―原発再稼働」には公的な資金が、
つまり血税が、どれだけ注ぎ込まれるの
やら??
「再稼働 + 原発新設 ⇒ 将来の増税」
という危険性を、忘れないようにしま
しょうよ!
目先の電気代だけを見ていたのでは ~~
Beyond Nuclear Bulletin
2024年3月14日号より
普段なら、このBulletinから
特に日本の核問題を考えるうえで
興味がもたれそうな記事を1つ選び、
日本語化紹介しているのですが ~~
3月14日号のBulletinにはそんな感じの
記事が複数あるので、Bulletinの概要を
まず紹介しいますね。
次の4つの記事があります。
それぞれ、短く紹介してみます:
★ Tune in tonight!
映画Oppenheimerが切り捨てた問題
日本でも映画Oppenheimerが近日上映
開始となりますが、この映画では
・ 広島や長崎で「Oppenheimerの作り出した
魔物の被害にあった方々」のことも、
・ ニューメキシコ州やネヴァダ州などでの
核実験等による被害を受けた方々のことも、
登場しません。
これを問題にするWebinarを、Massachu-
setts Peace Actionという団体が3月14日
夜(アメリカ現地時間)に開催されました。
それへの登録を求める記事です。
本「やかんをのせたら~~」でこの記事を
公開する時点では既にWebinarは終了して
いることでしょうが、記録ヴィデオのようなもの
が今後、公開されるかもしれませんね。
それを考え、該当ウェブページを紹介して
おきますね:
Webinar – Oppenheimer: Sins of Omission – Massachusetts Peace Action (masspeaceaction.org)
★ Fukushima costs soar
福島第一事故に伴う賠償などの費用、既に
巨大で膨張を続け、終わりが見えない
福島第一の事故から13年を経た今も、
関連する賠償や解体清掃などの費用は
膨張を続けており、日本政府は23兆4,000
億円まで膨らむ予想すらしている、といった
記事です。The Japan Timesの記事の紹介
で、元記事は
Tepco’s Fukushima No. 1 victim compensation costs set to rise – The Japan Times
に。
★ Alliance for Nuclear Accountability の
DC Daysというイベント
奨学金受給者の募集
アメリカに本拠を置く、核なき未来を目指す
諸団体の連合体Alliance for Nuclear
AccountabilityによるDC Daysという
イベントのお知らせです。
このAlliance自体のウェブサイトは、
Alliance for Nuclear Accountability | A national network of organizations working to address issues of nuclear weapons production and waste cleanup (ananuclear.org)
に。
★ $15 billion?!
パリサデス原発の再稼働に伴う公的資金の
投入
日本でも、政府は老朽原発の稼働期限
延長と再稼働とを進めていますが、原発には
税金の投入が何らかの形で伴うものです。
単に「来月の電気代が少し安くなるんなら、
早く再稼働してよ」で済ませてよい問題じゃ、
ありません。増税というリスクも考えに
入れないと。
アメリカでも、パリサデス原発というミシガン州に
ある老朽原発(一旦は廃炉が決まったはずの
代物)を、Holtec社という企業が再稼働させ
ようとしています。
一旦は廃炉が決まっても、再稼働させようと
する動きが出てくる場合もある ・・・ そんな
警戒心が必要だという警鐘ですね。その
意味で、私たち日本の反核勢力も、この
パリサデス原発の件、知っておきましょうよ。
今は、Bulletin自体にある短い紹介テキストを。
後日、
Breakdown of Bailouts at Holtec’s Palisades NPP – Beyond Nuclear
にある本文を紹介しますね。何せ、長いので。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です
********************
<アメリカのミシガン湖の岸にある>
パリサデス(Palisades)原発はすでに
閉鎖済みの原発だが、<エネルギー産業
向けの機器類のサプライヤーである>
Holtec社がそれを再稼働し、さらには
その敷地ならびに兄弟原子炉とでも
呼ぶべき <やはりミシガン湖岸に
あったが、1997年8月に廃炉が決まっ
ている> やはり閉鎖済みのBig Rock
Pointにも小型モジュール原子炉
(Small Modular Reactor、SMR) を建設
したいと計画、政府からの補助金を申請
している。その補助金合計は150億ドル
を超える金額で、その資金源は連邦税
ならびに州税、ならびに電気利用者たち
が支払う電気料金である。Beyond
Nuclearでは、この補助金について追跡
調査を行った。
その申請補助金の内訳をみると、次の
とおりだ。DOEつまりアメリカ連邦
エネルギー省からの、SMR建設に対する
74億ドルのローン貸与の約束。
「パリサデス廃炉信託ファンド」
(Palisades Decommissioning Trust
Fund)から無駄に拠出された数十億
ドル。ミシガン州政府からの3億ドル。
「民生用核エネルギー クレジット」
(Civil Nuclear Credits)<という
エネルギー省の原発向け資金プログラム
で、既存の原発が財政的理由で閉鎖
されることを防止するためのもの> から
の20億ドル、さらに再稼働が始まるまで
のエネルギー省からの「つなぎ」ローン
15億ドル。そして電力購入契約(Power
Purchase Agreement)も締結したのだが、
この契約のため電気利用者たちにとって
は、総計で電気料金の支払いが35億ドル
増額されてしまう。さらに、アメリカ
連邦政府の農業省からも、9億7,000万
ドル。また、エネルギー省の水素ハブ
(Hydrogen Hub)という補助金制度
から、10億ドルも得られる見込みだ。
*********************
以上、4つの記事を短く紹介しましたが、その
うち最後の「Palisades原発再稼働に伴う、
巨額の公金投入」に関する記事を、後日
詳しく紹介します。長い記事なので、日本語
化に少し時間がかかりますので、しばしお待ち
くださいませ。
英語の元記事を読みたい方は、
Breakdown of Bailouts at Holtec’s Palisades NPP – Beyond Nuclear
へどうぞ!
長くてもこの記事を後日詳しく紹介したいのは、
日本でも政府が老朽化原発の再稼働と稼働
延長とを進めているからですね。
それを支持してらっしゃる方々の支持理由は
たいてい、「原発を動かせば、電気料金を下げ
られる」というものですよね。
でも、原発を再稼働するには、巨額の税金が
投入されます。つまり長期的に考えると、実際
には我々は、「高い電気料金を払うか、増税
に耐えるか」 という困った選択を迫られている
わけです。
「来月の電気代を1,000円でも下げてくれれ
ば・・・」といった「短期的・発作的な」判断を
してよい問題じゃ、ありません。
そこで、他国での「ゾンビ―原発再稼働」の
実情を、実例で見てみましょうよ。アメリカの
ミシガン州でもPalisades原発という廃炉
決定したはずの原発を再稼働し、しかもその
敷地に新たにSMRも建設すると、Holtecと
いう大企業が計画しているんです。なんやら、
岸田政権の提唱している原発政策に、
よく似てますよね。
じゃ、しばしお待ちくださいね。
ロシアの核使用確率は50%と、
CIAが推定
CIA estimated 50% chance that Russia
nuking Ukraine if it risked losing war:
report
(もし敗戦の恐れに直面すれば、
ロシアが核兵器を使用する危険性は
50%と、CIAは推定)
New York Post (ニューヨークの
タブロイド紙)
CIA estimated 50% chance that Russia would nuke Ukraine if it risked losing war: report (msn.com)
これは、日本語メディアでも紹介済み
ですが、さらに詳しく見てみたいもの
です。何せ、極めて深刻な「推定」
ですのでね。
タブロイド紙の記事ではありますが、
推定の出所がCIAだというわけで、
笑って済ませるわけに参りません。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
***********************
Ronny Reyes記者
2024年3月11日
ロシアがウクライナで戦術核兵器を使用
する危険性が迫っているという推定が
あり、それに応じ水面下でバイデン政権
が対応に追われているとのショッキング
な問題を、新たに発表された報告が
明らかにしている。
2022年にCIAはバイデン大統領に対し
ロシア軍が大きな損害を受けており、
しかも不法にロシアが併合している
クリミア半島の領土をロシアが失う危険
があるとなった場合には、同国は核兵器
に手を伸ばす可能性が50%以上あると、
警告を発したとNew York Timesは
報じている。
そうした報告を受けバイデンは2022年
10月6日の資金集めの集会で有名に
なった「アルマゲドン」演説を発表
した。その演説で彼は、「ケネディー
<大統領在位は1961年から63年> と
キューバ ミサイル危機 <1962年10月
キューバへの旧ソヴィエトによる
核ミサイル配備をめぐりアメリカと
ソヴィエトが核戦争の一歩手前まで
近づいてしまった危機> 以来、我々は
アルマゲドンの到来という危険を
まじめに考えてこなかった」と述べて
いた。
バイデンのこの発言から1週間後には
冷戦時代のキューバ ミサイル危機の
60周年の記念日が訪れた。バイデン
大統領は諜報担当の高官たちの認識を
反映、ロシアのヴラディミール
プーティン大統領が核使用をほのめ
かした場合、それは本気であり得る
との警告を発したのだ。
「プーティンが核兵器や生物兵器を
使用する可能性を口にした場合、
それは冗談ではない。なぜなら、
ロシア軍が <ウクライナで> 予想を
はるかに下回る戦績しか挙げていない
からだ」 ニューヨークの資金集めの
集会で、バイデンは参加者たちに
そう述べた。
2022年2月にロシアがウクライナへの
全面的侵略を開始した後、アメリカの
諜報担当の高官たちは当初は、ロシア
が大量破壊兵器の使用をもくろんで
いるという証拠はない、としていた。
だが、ウクライナの反撃が始まり
ロシア軍の進撃を押し返すようになる
と、小型の「戦術」核兵器を使用する
可能性についての発言をロシア軍から
膨張するケースが増えてきたと、
CIAは警告を発するようになった。
アメリカ軍の統合参謀本部の前議長で
あったマーク ミリー(Mark Milley)
大将はこうした状況をアメリカにとって
の「核のパラドックス」と呼んでいた。
アメリカは、ウクライナ軍がロシア軍を
打破できるよう、ウクライナに740億
ドルの援助を提供してきた。
「ウクライナがロシア軍の侵略を退け
れば退けるほど、プーティンが核兵器
を使用する、または使用を真剣に
考える危険性は増大してしまうのだ」
と、ミリー大将はTimes紙に述べて
いる。
*****************************
「アルマゲドン」というと、日本では
1990年代に殺人カルトが広めた言葉
なので、単なる「アニメの出来事か
なにか」みたいな反応を受けやすいの
ですが ・・・ 広島や長崎での原爆投下
でどれだけひどいことがあったのか、
忘れては困りますね。
Eisenhower 大統領(在位1953 – 1961)
が1953年12月にAtoms for Peace演説
を国連で行ったのですが、その土台に
あった「恐怖・不安」は、旧ソヴィエト
VSアメリカの「核によるアルマゲドン」
でした。この演説に先立ち、旧ソヴィ
エトによる最初の核実験が、1949年
8月に現在のカザフスタンで行われた
ことにご注意ください。核兵器競争が
進む中、アメリカ大統領が核による
世界の終末を憂慮したのは、当然と
いえば当然です。
で、その40年近く後、旧ソヴィエト
が消滅して冷戦がいったんは終わった
のですが、その時以来、世界は核の
脅威を甘く見るようになってしまって
いました。実際には、核の脅威は軽く
などなってはおらず、その真実が今、
ウクライナで具現化しているの
でしょう。
やはり、こうした深刻な問題は、
歴史的な視点もしっかりと踏まえて
長期的な認識を持って取り組まないと。
そして核発電に関しても、原子炉とは
そもそも核兵器製造用の装置として
開発された代物だ、という歴史的
事実を忘れていては、あるいは軽視
していては、本質を見誤ります。
「原発事故があった ⇒ 放射能、
こわいよう!」といった「発作的な」
反原発の動きが主体になった時期が
ありましたが、それで原発を廃炉に
できたでしょうか??
長期的な視点を踏まえた反核運動を、
世界情勢なども踏まえながら、
常時展開し続けていくことが必要だと、
「やかんをのせたら~~」では考えて
おります。
なお、Atoms for Peaceの背景について、
またキューバ ミサイル危機について、
さらに調べて新たな固定ページにする
計画です。
しばし、時間をください。
IAEAのグロッシ、プーティンと会談
Reutersのウェブサイトより
Nuclear chief Grossi meets Putin to discuss Zaporizhzhia plant | Reuters
Nuclear chief Grossi meets Putin to
discuss Zaporizhzhia plant
(IAEAのチーフ グロッシ、
ザポリージャ原発の件でプーティン
と会談)
では、グロッシとプーティンの会談に
関する続報です。ただ、会談内容の
詳細が不明です。
それにしても、日本語メディアでは
この会談に関する報道を、あまり
見かけないですよね。なんで???
そりゃ、福島第一からのトリティウム
水放出の件も、志賀原発の問題も重要
ですよ。
でも、ザポリージャが結局は巨大な
ダーティ ボムになってしまった場合、
放射性物質は日本列島にまで飛んで
くると考えといたほうが、現実的
ですよね。
では、いつもどおり
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。
*************************
Reuters
2024年3月7日掲載
モスクワ発、3月6日(Reuters)
― International Atomic Energy Agency
(IAEA、国際原子力機関) のチーフ、
ラファエル グロッシがロシアの
ヴラディミール プーティン大統領と
水曜日 <6日> に会談した。それに
先立ちグロッシは、ロシアの
エネルギー関係高官たちと会見して
いる。高官たちとは、ウクライナに
あるがロシア軍が占拠中の
ザポリージャ原発の安全について
会談した。
プーティンとグロッシはロシア南部に
あるソチで会談、クレムリンはその話し
合いの初めに交わされた発言を公表して
はいるが、それ以降の会談は非公開で
行われ、その内容は全く公表されて
いない。.
プーティンはグロッシに対し、
「ザポリージャ原発の重要な問題点や
特に複雑な点について、話し合う用意
がある。さらに、核エネルギーに関与
しているいかなる問題についても安全
を確保するため、あらゆる手を尽くす」
と述べたと、クレムリンは発表して
いる。
またグロッシはプーティンの他にも、
ロシアの国営核エネルギー公社
RosatomのヘッドであるAlexei
Likhachevとも会談した。
ロシア軍がヨーロッパ最大の原発で
あるザポリージャを占拠したのは2022
年に同軍がウクライナへの侵略を始めた
時のことで、それ以来占拠を続けた
ままだ。グロッシとプーティンの会談は
水曜日 <6日> にロシア南部のソチと
いう町で行われる。
ザポリージャ原発の立地は、ウクライナ
南部の戦闘の前線に近い位置にある。
ロシア政府は、このザポリージャ州を
すでに併合したと主張している。同原発
の6基ある原子炉はすべてシャット
ダウンされているが、シャットダウン中
であっても、冷却のため絶えず外部から
の電力供給と冷却水の供給とが必要だ。
この冷却ができないと、破局的な
メルトダウンが発生してしまう危険性
がある。.
2022年3月にロシア軍に占拠された際
に火災が発生、原発はその火災で損傷を
被った。原発の近くではウクライナ軍と
ロシア軍が戦闘を繰り広げており、両国
は原発周辺で砲撃を行っているとお互い
への非難を押収している。IAEAでは
以前から事故を防ぐため、 安全確保の
ための仕組みを設けようとしている。
グロッシがロシアの国営核エネルギー
企業Rosatomの代表と会談、話題の
中心はザポリージャ原発の安全性で
あったと、RIAニュース <ロシアの
国営報道機関> はRosatomからの
発表を引用して報じている。また
グロッシは、ロシアの国防省や外務省
でも会談を持った。
RIAの報道によれば、上述の会談は
誇張なしに「緊張した」ものだった
と、グロッシは述べている。だが
IAEA のスポークスパーソンは、
会談が緊張したものであったと
グロッシが述べたことはない、
としている。
ザポリージャ原発が外部からのすべての
電源供給から切断された事態が、この
18か月間で8回も発生している。その
都度、同原発では <緊急用の>
ディーゼル発電機を稼働させて原子炉内
の核燃料の冷却など不可欠な作業を
行っていた。
現時点では、メインの外部電力供給線の
1つが機能しているのだが、IAEAに
よればこの原発の状況は警戒を要する。
ザポリージャ原発には原子炉が6基
あるが、そのうち1基はホット
シャットダウン <コールド シャット
ダウンと異なり、ホットでは停止中の
炉内の温度が高く、水蒸気を発生
させる> 状態に保つ必要があると、
IAEAは発表している。これは、保管
タンク内にある液体の放射性廃棄物を
処理するなど、核安全性に欠かせない
作業には水蒸気を発生させる必要が
あるためだ。
昨年のウクライナからの発表によれば
<ザポリージャ原発そばを流れる
ドニエプル川下流の大型カホブカ
ダムが昨年6月に爆破されて> 冷却水
貯水池の水位が下がり同原発が冷却水
の不足に陥る危険性を心配している。
先月、グロッシは井戸の検査を行い、
冷却水が充分にあるか否かを調べた。
同時に、ザポリージャ原発周辺での
砲撃が減ったことを歓迎した。ロシア
の報道機関TASS 通信の報道に
よれば、冷却水の供給は充分だと
グロッシは判断した、とのことだ。
***************************
どうも、この会談の内容や結果がまだ
報じられていないようで(3月11日
早朝JSTの時点)、困っております!
報道を見つけ次第、ここで紹介
しますね。
映画 Oppenheimer がオスカー賞を
受賞するかも、って??
Beyond Nuclear Bulletin
2024年3月7日号より
映画Oppenheimerのオスカー賞受賞?
に関する記事です。
Bulletinの本記事そのものには
”Read More” というボタンがあって、
それをクリックすると USA Todayの
関連記事が登場します。
それは、「他者による記事」なので、
読みたい方は元記事をお読みください
ませ:
‘Oppenheimer’ Oscar wins won’t erase nuclear weapons testing victims (usatoday.com)
ここでは、Bulletinにあるテキストを
日本語化して紹介しますね。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。
****************************
”OPPIE” OSCAR BUZZ
But what about Downwinders?!
(Oppenheimerがオスカー賞?という
騒ぎ
でも、風下の住民の皆様は?)
受賞映画作品であるDownwind
<Oppenheimerの原爆開発の結果と
して発生した見も縮むような悲劇を
紹介する映画です https://backlotdocs.com/ >
の制作者であるMark Shapiroが、USA
Today <という新聞> に署名入り記事を
発表した。
<https://www.usatoday.com/story/opinion/voices/2024/03/06/oppenheimer-oscar-nuclear-weapons-indigenous-native-american-cancer/72801220007/ >
映画 Oppenheimer がアカデミー賞の
うち13部門でノミネートされているが、
そうした中でShapiroは、1945年7月
16日に行われたマンハッタン プロ
ジェクトの Trinity 核実験での核爆発の
風下にいて放射性物質による被害に
苦しんだ、あるいは死亡した人々はどう
なるのだ? と問うている。
<HOME | trinitydownwinders>
さらに、
1945年8月6日と9日の原爆投下で焼き
殺され、あるいは負傷した日本の住民は?
また、ネヴァダ州のWestern Shoshoneと
いう土地にあるネヴァダ核実験場の風下に
暮らす人たちは?
<Main (nativecommunityactioncouncil.org)>
この実験場では、1951年から1992年に
かけて、合計で928回もの本格的な規模の
核兵器の爆発がなされたのだ。そして同地
では、核兵器の「先端型」未臨界実験が
今も行われているのだ。<1992年より後、
包括的核実験禁止条約のため地下での
核爆発実験を行えなくなったのですが、
核兵器保有国としては、既存の核兵器の
経年劣化が気になりますよね。そこで、
実際の核爆発を伴わずに大出力レーザーや
コンピューター シミュレーションなどを
利用した「未臨界核実験」が行われる
ようになりました。
<US moves closer to underground testing of nuclear weapons stockpile without any actual explosions | AP News>
そして、放射線被ばく賠償法 (Radiation
Exposure Compensation Act,
Radiation Exposure Compensation Act – Wikipedia )
は本来なら期限を延長するか、適用範囲
などをさらに拡大すべきなのに、期限切れ
となりそうなのは、なぜなのか?
<これは1990年に制定された連邦法で、
アメリカが冷戦時代に実施した核実験
その他からの被ばくなどで がんなどを
り患した人々への賠償を定めているの
ですが、2024年7月に失効することに
なっています>
****************************
ハリウッド映画にはその時点での
アメリカ社会主流派の精神性が良く
現れると、言われることがよくあり
ます。しかし、「アメリカの主流派は
・・・」とこぼすよりも、我々日本の
反核勢力も含めた世界の反核勢力が、
必要な情報の発信を充分に行っているの
か、反省すべきだと私は考えます。
その意味で、上記のDownwindという
映画作品はよくやったと思いますし、
私も視てみたいものです。
IAEAのチーフ、ザポリージャ原発の
問題でプーティンと会談の予定
The Moscow Times (ロシアの独立系
オンライン新聞。ロシア語と英語で
報道)
IAEA Chief To Hold Talks With Putin About Ukraine Nuclear Plant (msn.com)
ロシアではかなりの報道検閲などが
行われていますから、独立系で
あってもロシアからの報道には圧力が
かかっていることは認識しておきま
しょう。
そのうえで、プーティンとグロッシ事務
局長とが会談して何を話し合うのか?
はたまた、まともな話し合いになるの
か?記事を見てまいりましょう。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。
**************************
2024年3月5日
国連の核監視機関 <であるIAEA> の
チーフ、ラファエル グロッシが火曜日
<3月5日> にロシアに向かう。
ウクライナのものであるが現時点で
ロシア軍が占拠しているザポリージャ
原発の「今後の稼働状態」について
ヴラディミール プーティン大統領と
新たに会談するためだ。
ヨーロッパ最大の原発である同原発は、
2022年3にロシア軍に占拠され、
それ以来今も戦闘の中心地にある。
ロシアもウクライナも同原発の安全性
がおびやかされていると、非難の応酬
を繰り広げている。
グロッシが前回プーティンと会談した
のは、2022年10月、セント
ペトロスブルグでのことだ。その際
には、ザポリージャの核施設も含め
安全性に関する問題を論じ合った。
「敵対しあう両国とハイ レベルでの
対話を続けることは、極めて大切だと
考える」と、グロッシは、この月曜日に
記者団に向かって述べている。彼は
国際原子力機関 (International Atomic
Energy Agency、IAEA)のヘッドで
ある。
そのグロッシによれば、プーティンと
「技術的な問題」を話し合い、今後の
同原発を「どうするのか、その計画の
感触を」掴みたい、とのことだ。
「この原発の今後の稼働状況に関し、
問題がある」と、会談で話し合いたい
話題に関して質問を受けたグロッシは
答えている。
ロシア外務省のスポークスパーソン、
Maria Zakharovaも、そうした内容を
確認している。
グロッシは既に数回ウクライナを訪問、
ヴォロディミール ゼレンスキー大統領
や政府高官たちと会談している。
IAEAチーフ <のグロッシ> の発言に
よればさらに、ザポリージャ原発への
外部電力供給の電線が「極めて脆弱で
危うい」もので、それに対応することを
グロッシは願っている。この2年間の
戦闘で、外部からの電力供給の完全喪失
が複数回発生している。
同原発の安全性に関する不安は、ロシア
による侵略が始まって以来今までずっと
続いている。IAEAは、同原発の近くで
大きな爆発や地雷の爆発が起きており、
そこから原発の近くで「戦闘が行われ
ていた」可能性が疑われ、それは
「実に憂慮すべきだ」と警告を発して
きた。
グロッシは、「核事故の発生する危険性
を軽減するため」、同原発周辺での
「軍事活動を極力控えること」を求めて
いる。
さらにIAEAは、ザポリージャ原発での
スタッフが不足している可能性について
も、憂慮を表明している。.
この2月以降、ウクライナの原発運営
企業であるEnergoatom社の職員のうち
ロシアの原発運営企業 <Rosatom>
との雇用契約の締結を拒否した人員は、
ザポリージャ原発で就労することを禁
止されている。
IAEA役員たちは、2022年9月以降現在
まで、ザポリージャ原発現地での監視を
行っている。
同原発には原子炉が6基あり、ロシアに
よる全面的侵略が始まる以前には
ウクライナの電力需要の約1/5を発電
していたのだが、今ではすべてシャット
ダウンされている。
***********************************
この会談について、「やかんをのせたら
~~」では今後もwatchしてまいります。
ウラニウム価格、高騰中
The Economist (英国に本部がある、
世界的な経済誌)のウェブサイトより
Uranium prices are soaring. Investors should be careful (economist.com)
Uranium prices are soaring.
Investors should be careful
The metal has a history of meltdowns
(ウラニウム価格が急騰中。
投資家には、注意が求められる
ウラニウムには、メルトダウン
(価格急降下)の歴史が)
一般論として、反核ウェブサイトの類
には放射線被害や環境汚染などの話題は
頻繁に登場しますが、経済誌の記事が
登場することは珍しいですよね。
この点、私たち反核勢力は視野を広げ
ないと。
貨幣経済の世界である限り、カネや投資
の動きは、世界の情勢やそれにかかわる
人たちの思惑を如実に表しますからね。
経済誌のウラニウム価格に関する記事
から、反核勢力が発見できることも
あるわけです。
では、The Economistのウェブサイトに
ある Uranium prices are soaring.
Investors should be careful という
記事のうち、無料で公開されている箇所
だけを、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
で紹介しますね。
************************
2024年2月29日
今となっては、これは聞きなれた展開
だ。商品市場の片隅で話題にもならず
人知れず売買されていた金属が、
エネルギーの以降のため不可欠な存在
となる、というわけだ。供給の制約と
地政学的な事情から、その金属への
需要は、今後高まる一方だという予想
が広がる。 価格が急騰し、投資家たち
は価格崩壊を恐れだす。今回の金属
では、ただ一つ異なる点がある。
つまり、この金属は電気自動車や
ソーラーパネルに使用されているわけ
では、ないのだ。既に何十年も昔から
ある原子炉に使う金属なのである。
そのウラニウムの価格が急上昇中だ。
ウラニウムの酸化物を秘かに蓄積すると
いうのは、投資家のすべきことという
よりも、世界の敵である悪役の行為と
思えるかもしれない。なにしろ、
こうした酸化物を処理し濃縮すれば、
原子炉はもとより核兵器の燃料となるの
だから。だが今では投資家にも、
脚光を浴びるようになる方法がいくつか
ある。現在、株式市場で好調な企業の
1つとしてYellow Cake社があり、
これはウラニウムを買取り保存する
企業だ。同社の株価は、この5年間で
160%上昇している。またSprott
Physical Uranium Trustというファンド
も同じ業務を営んでいるが、2021年に
開業して以来、今までに119%の利益
を甘受している。・・・・・・
(以下略)
*********************
EUなどの動きにみられるように、CO2
排出を減らすための解決策として核発電
が吹聴されているのが、U価格高騰の
大きな要因の1つでしょうね。
でも、上の黒いメニューの終わりの方に
あるページ、付録 w-1)、w-3)、w-8) で
説明したように、気候変動対策として
核発電に期待するのは、大間違いです。
その事実が知れわたったとき、U価格
はどうなるのでしょうか??
それと、核発電推進派は「核発電なら、
コストに占める燃料費の割合が小さい
ので、ウラニウム価格の変動が電気
料金にあまり響かない」と主張します
よね。
ですが、
・ Uの市場での価格が高騰してしま
えば、いくら核発電といえど、電気
料金へのいくらかの影響は避けられ
ますまい。
・ そもそも、燃料費の比率が小さい
のは、逆に言えば燃料費以外のコスト
が膨大ということに他なりません。
建設費、安全対策費、核ゴミの保管・
処分費用、などなど。
「新型」原発の建設などのコスト超過
の実例は、本「やかんをのせたら~~」
でも度々紹介してきました。本の数例
として、
・NuScale社のSMRによる電力供給
が、アメリカ西部で破綻した実例
―― 右の「アーカイブ」で「2023年
11月」をクリック ⇒ 11月4日の
「NuScale社、財務的危機に?」など
・ 上の黒いメニュー(項目は、
基本的にアルファベット順)で、
ページ s-4)
・ 同じく上の黒いメニューで、
ページ al-4)
などなど。
「やかんをのせたら~~」では、技術的
説明やかなり細かい実例紹介なども
行っておりますが、その上に今回のよ
うなウラニウム市場の動向に関する記事
まで時には紹介しております。
人によっては、「こんなことまで、
読むのはイヤ!」という反応もある
ことは、当初から覚悟しております。
そういう方々は、他のウェブサイトや
コミュニティーなどをお試しくださいな。
しかし「核を廃絶せよと叫ぶのだから、
核のどこがいけないのかを学んで叫ぶ
べき」という正論で活動してらっしゃる
皆様には、少しでも助力となることを
願っております!
”Silent Fallout” (直訳だと、「沈黙
の死の灰」)という映画
Beyond Nuclear Bulletin
2024年2月29日号より
Silent Fallout という映画が、アメリカ
各地の映画祭などで公開されるそう
です。
アメリカは過去に大気圏内ならびに
太平洋諸島で核実験を多数行いました。
(有名な「第五福竜丸」の被ばく事件
も、そうした被害実例の1つです)
核実験の被害は、「秘かに」アメリカ
本土でも広がっており、その実態を
調べる調査がなされました。問題を深刻
に捉える科学者や母親の皆さんが被害に
あったコミュニティを訪問、乳歯の中に
残るストロンティウム90 (という
放射性元素、Sr-90 と表記、原子番号は
38。同位体90はβ- 崩壊で半減期は
およそ 28.8 yr)の測定を行いました。
また、その他にも退役軍人や関連住民の
方々が核実験による健康被害の証言など
なさったのです。
そうした、核実験の被害を暴く新作
映画です。
Silent Falloutのウェブサイトは、
FALLOUT Project – Silent Fallout (fallout22.com)
にございます。英語・日本語併記なの
で、ぜひお読みくださいな。
映画監督は、伊東英朗さんです。
伊東監督ご自身による説明が、
クラウドファンディング:映画『サイレントフォールアウト』アメリカ上映へ (labornetjp.org)
にございます。
Beyond Nuclearでも、この映画の
アメリカ上映に協力してらっしゃる
模様です:
Director Hideaki Ito is seeking California
screenings with his participation starting
May 20. Contact Beyond Nuclear
if interested.
本件に限らず、Beyond Nuclearへの
協力を考えてらっしゃる方々は、
Home – Beyond Nuclear: energy advocacy non-profit
の下の方にある Join Us という
アイコンをクリック ⇒ 英語で連絡を
おとりになってくださいませ。
「英語なんか書けない~~」とお困りの
方は、私(ひで)に日本語原稿を
Eメールでお送りくだされば、日本語の
文字数 1,000文字(1週につき)までなら
無料で、私が英語にして返送しますね。
1,000文字を超える日本語については、
料金を交渉で。
yadokari_ermite@yahoo.co.jp まで!
Sr-90 は原発からも出る放射性同位体
で、福島第一の大事故の際にも検出
されましたよね。Srは、元素周期表の
左端近くをご覧になればすぐに分かる
ことですが、カルシウム Ca のすぐ下
にありますよね。つまり、Ca と化学的
性質がよく似ている、ってことです。
人体は、Sr と Ca の区別がつかず、
骨などの中にSr を取り入れてしまうの
ですね。骨の中の Sr-90 は上述の通り
半減期が約28.8年という長い期間、
体内でβ- 線を出し続ける、って
ことです。
ま、体内被曝によるβ- 線の人体への
影響については、放射線医学の専門家に
お尋ねいただくとして、「やかんを
のせたら~~」の ”担当領域” として
は ・・・
・・・ アメリカも旧ソヴィエトも、
核の開発段階では、環境汚染は言うまで
もなく人体実験とでも呼ぶべき蛮行を
少なからずやらかしています。こうした
問題もいずれ本ウェブサイトで取り上げ
たいのですが、志賀原発の件や
ウクライナ危機、イランのU濃縮など
現在展開中の諸問題が多数あります
よね、そちらに時間を取られていて、
1940-50年代の問題の調査などが
なかなか進みません。いずれ将来、
調べて取り上げたく願っております。
では、まずはBulletinにある紹介文
そのものの日本語化紹介を。
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。
*************************
Silent Fallout
全米の被ばくを暴く、新作映画
アメリカは過去に、自国内また太平洋
<の諸島> で大気圏内核実験を200回
以上実施した。そうした核実験で発生
した大量の放射性物質は結局、アメリカ
本土の地面にも定着した。Silent Fallout
という新作映画では、その被害を受けた
コミュニティーを訪問している。その
ひとつミズーリ州セント ルイスでは、
問題を深刻にとらえた科学者や母親たち
があるプロジェクトを始動した。乳幼児の
乳歯の中に潜むストロンティウム90を
測定する、というプロジェクトだ。測定の
結果、子供たちが被ばくしていたことが
明らかになった。アメリカ本土全域に
わたる住民や退役軍人たちも、原爆実験
による健康への影響とは実はどのような
ものなのか、真実に目覚め始めた。
「私にとって最も信じがたいのは、私の
国の政府が私の家族を死に至らしめた、
ということだ」 そう語るのは、この
映画の主な登場人物の一人である。監督
の伊東英朗さんは5月20日から、
カリフォルニアでの上映会を開始する
計画だ。彼氏審も、その上映会に出席
する。<アメリカでの上映に協力など>
なさりたい方は、Beyond Nuclearまで
ご連絡いただきたい。
*************************
英語版の予告編が
Silent Fallout (youtube.com)
にあります。
日本語字幕の入ったものは、
Bing 動画
に。
ご自分の目でご覧いただき、アメリカ
での上映を支援したい方々は、
上記のBeyond Nuclearにご連絡を!
イランのU濃縮、2024年2月27日付の
記事
「やかんをのせたら~~」では、以前
からイランによるU濃縮をフォロー
してきましたが、またIAEAからの報告
があった模様です。
どうしても西側の報道はイランへの非難
に近いものが多くなるのですが、そも
そもイスラエルの核 (上の黒い
メニューでは基本的に項目をアルファ
ベット順に配列していますが、
c-3)、c-4) 参照) に対抗してイランが
核を持とうとしている、という側面を
「やかんをのせたら~~」では忘れない
ようにしたいのですね。
どちらも、核は放棄してほしいもの
です!
イランの核関連の歴史については、
やはり上の黒いメニューにある
f-2)、f-3)、f-4) にまとめてござい
ます。
さらに、「イランがやったら、我が国も」
という動きをサウディが2018年に示して
いたことも、f-4) で紹介しました。
では、英国のオンライン新聞 The
Independent のウェブサイトより、2月
27日付の記事を。
元の記事をお読みになりたい方は、
次へ:
Iran has further increased its total stockpile of uranium, UN nuclear watchdog report says (msn.com)
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。
**********************
Iran has further increased its total stock-
pile of uranium, UN nuclear watchdog
report says
<イランの濃縮ウラニウム備蓄、さらに
増大とIAEAのレポート>
Stephanie Liechtenstein 記者
国連の核監視機関 <IAEA> がある報告
を作成したが、それをThe Associated
Pressが月曜日 <2月26日> に読んだ
ところ、イランがそのウラニウム備蓄量
を増大させているようだ。しかも、
いまだに <IAEAの> 査察官の中でも
特に敏腕な数名が核プログラムの監視を
することを禁じている。
さらにIAEAがやはり近日作成した秘密
報告によれば、イランの核施設では
2か所で人工ウラニウム粒子の存在が
検出されているのだが、イラン政府は
その説明も全く進めていない。この秘密
報告は、IAEA加盟諸国には配布済みだ。
IAEAの四半期報告での推定では、2月
10日現在でイランの蓄積したウラニウム
の総量は 5,525.5キログラムで、前回の
四半期報告に記載された2023年11月
時点から 1,038.7キロ増えている。
さらに今回の報告での推定によると、
イランが保有しているウラニウムの中
には純度が60%に達しているものが
121.5キロある。 これは、前回報告の
2023年11月の時点からは6.8キロの
減少だ。
この減少は、この数週間にイランが
低濃度ウラニウムなどで60%の
ウラニウムの一部を希釈したことに
よる。
IAEAの目安では、60%のウラニウムが
42キロあれば、理論上は核兵器1個を
製造可能だ。兵器グレードは90%では
あるが、60%まで濃縮してしまえば、
90%に到達するのは技術的に容易
である。
昨年の6月から11月にかけて、イラン
はいったん濃縮のペースを緩め月間に
3キロに落とした。だが昨年終わりには
このペースを再度上昇、月に9キロに
したとこのIAEA報告は述べている。
2015年にイランがいったん西側諸国と
締結した核合意では、イランが許容され
ていたウラニウム濃縮の度合いはわずか
3.67%であり、保有できるウラニウムの
総量も 300 キロまでとされていた。
また、濃縮作業で気体化したウラニウム
を遠心分離するために許可されていた
遠心分離機も、IR-1 という極めて
基本的なものに限定されていた。
こうした制約の代償として、イランへの
経済制裁は解除されたのだった。この
プログラムの監視をするため、国連の
査察官が任務にあたった。
2018年、当時の <アメリカの>
ドナルド トランプ前大統領がこの
核合意から一方的に脱退、もっと強力な
合意を目指すと述べていたのだが、
そんな合意はできはしなかった。それ
から1年後、イランは核合意への違反
行為を始めた。
アメリカのジョー バイデン現大統領は、
イランとの核合意を再締結したいと
述べていた。だが、その再締結を
目指した公式会談は、2022年8月に
崩れた。そうこうしている間に世界の
政治的状況も様変わりし、中東の緊張も
大幅に高まり、イランとの核に関する
外交はさらに複雑なものとなっている。
イランは長年、一度たりとも核兵器を
求めたことなどなく、今もイランの
核開発プログラムはエネルギーや医療
など平和利用のみを目的としていると
主張している。だがIAEAの事務局長が
昨年に警告を発した問題として、
イランは核兵器を製造しようとすれば
数個を製造できるだけの濃縮
ウラニウムを既に保有している。ただ、
イランがその気になったとしても、
おそらく製造には数か月を要するだろう
と、核不拡散の専門家たちは述べて
いる。
今回の報告でIAEAは、<上述の>
2か所で人工ウラニウム粒子が検出
された件について、その発生事情と現在
の所在場所とを知らせよとIAEAは
イラン政府に求めてきたのだが、
イランからの回答はまだない。この
2か所とは Varamin と Turquzabadで
あり、この2つが核施設となる可能性の
あることを、イラン政府は申告して
いなかった。
このように査察を拒否してきたとのかど
で、IAEAはこの5年間イランを非難
してきている。ただし、2023年に
Marivanという別の地点で検出された
未申告のウラニウム粒子については、
イラン政府は「考えられる説明」を
行っており、多少の進歩は見られた。
西側諸国の高官たちの提案としては、
いわゆる防止策 <核兵器拡散を防止
する施策、safeguard> に則り未申告
の現場を調査すれば、2003年まで
イランが秘密裏に核兵器開発プロ
グラムを進めていたのでは、という
長年の疑念の審議も解明できそうだ。
2022年6月の報告によればさらに、
カメラなど監査用機器類をさらに設置
するという点では、現時点までに
まったく進歩は見られていない。IAEA
によると、査察官たちが「エスファハン
の核作業場に カメラを設置することは
許可されているのだが、そうしたカメラ
が記録したデータを入手することは許可
されていないのだ」
2022年6月以来、記録されたデータと
いえば、2023年5月にイスファハンの
遠心分離施設でカメラに記録された
データだけである。しかも、カメラに
あるデータをIAEA が査察することを、
イランは許可してはいないのだ。
こうした問題に関するアメリカ、英国、
フランス、ドイツからの批判に対抗
して、イランはIAEAの査察官の中でも
特に経験豊富な人たちが核開発プロ
グラムを査察することを、イランは
2023年9月に禁止した。
今回の報告でIAEAは、イラン政府は
こうした姿勢を考え直してはいないと
述べており、IAEAのヘッドである
ラファエル グロッシはそうしたイラン
の姿勢を「強く憂いている」
「グロッシ事務局長は今も、イランが
経験豊富なIAEA査察官数名を突如と
して指名から外したことを、今も強く
非難している」とこの報告にはある。
さらに同報告によると、イランの核プロ
グラムのチーフMohammad Eslamiは
2023年10月下旬に、「IAEAの査察官
の使命を解除することは、イランの
当然の権利だ」という主張を繰り返し
ている。
IAEAの理事会は35名の理事たちで
構成されるが、以前にイランがIAEAと
全面的には協力していないと非難して
いた。理事会の会議は来週に1週間
通して開催されるのだが、そこでも
同様の非難決議がされるのか否かは、
明らかになっていない。
上述の秘密報告は、アメリカとイラン
の間の緊迫が高まるただ中で発行
された。
イランがウクライナに侵略中のロシアに
兵器を売却したことに対し、近日中に
イランに対する新たな制裁を発表すると
ホワイトハウスは約束している。
さらに、イランが弾道弾をロシアに
販売するならば、「強烈で」「迅速な」
対処をすると、ホワイト ハウスは
警告を発している。
アメリカと英国はまた、イランの支援
を受けているフーティ反乱組織が紅海
とアデン湾で商船を相手に攻撃を
仕掛けているが、そうした攻撃が増大
していることを受けてフーティへの
攻撃も行っている。
*****************************
今後も「やかんをのせたら~~」では、
イランの核開発問題についての報道を
紹介してまいります。
それにしても、この問題に関する
日本語メディアが少ないのは、
なぜでしょうか??