では、そのCNNによる報道を ・・ タイシャン原発の件

タイシャン原発事故、続報(7月23日付、CNN)

ではタイシャン原発事故の件、中国当局が否定したCNNによる報道を紹介しますね。

断っておきますが、私は、いわゆる「嫌中国」でもなんでもありません。
その証拠に、ユーメン近郊の「ICBM用サイロ??」発見の報道に関して、
中国側の「あれは、風力発電所だ」という主張も、本ウェブサイトでは
取り上げました。
しかし!主張を支える証拠を中国政府がもっと世界に提示しないと、
という不満は抱いています。この惑星に暮らす一市民として。

それでは、2021年7月23日付のCNNによる報道を、私の日本語化で。

記事そのものは、次のリンク先に。

https://edition.cnn.com/2021/07/22/china/edf-taishan-nuclear-plant-china-intl-hnk/index.html

中国のタイシャン原発の状況、シャットダウンの必要があり得るほど深刻だと、共同所有者のフランス企業が警告

記者: Barbara Wojazer, Zachary Cohen, Michael Callahan and Jessie Yeung, CNN

(私による日本語化)

(写真下)
中国南部のグアンドン省(広東省)にあるタイシャン原発のそばに置かれている建設用機器、2021年6月17日

coffee dripper  左側、すぐに止めないと~~ 私のクイックスケッチより

coffee dripper 左側、すぐに止めないと~~ 私のクイックスケッチより

(記事本文)
(CNN) 中国にある原発を共同所有しているフランス企業は、可能なら同原発をシャットダウンしたいとしていると、スポークスパーソンが述べた。燃料棒の損傷に対応するためだ。だがその決定はあくまで、同原発の中国側運営企業が下す。

(その共同所有企業である)Electricite de France (EDF) 社の同スポークスパーソンがこの木曜日に述べたところによれば、中国南部のグアンドン省にあるタイシャン原発は「まだ緊急事態と呼ぶほどではないものの、深刻な事態が進展している」とのことだ。

この原子炉がフランスにあれば、同社はすでに原子炉をシャットダウンしているはずだ。それは、「フランスで稼働している原発の慣行や手順に従うなら、シャットダウンしている」ためだと、同スポークスパーソンは語っている。

このスポークスパーソンは、中国当局に対して直接には、同原発の稼働停止を求めはしなかった。それはあくまで、同原発の稼働を担当しているパートナー企業ならびに過半数株主である中国広核集団(China General Nuclear Power Group (CGN))が決定することであるからだ。

CNNは当初、この6月に、タイシャン原発の稼働をサポートしているフランスEDF子会社のFramatomeが、同原発での「放射線に関わる差し迫った脅威」を警告し、放射線漏洩の可能性について検査するようアメリカ政府に求めたことを報道した。

中国の原発安全を担当する当局は、これに応じてタイシャン原発外部での検出放射線の許容上限を引き上げ、同原発のシャットダウンを回避したと、Framatome社は当局を非難した。これは、Fr4amatome社がアメリカ政府のエネルギー省にあてた書簡に基づくことで、CNNはその書簡を入手している。

CNNによる上述のスクープ報道があって直ちに、中国当局は同原発にはどのような危険も存在していないと主張した。「環境の放射線にはいかなる異常も見られず」、同原発の安全性は「保証される」としていた。だがFramatome社がアメリカ政府に発した警告に関する質問については、中国当局は回答していない。

6月に中国の核安全保証当局は、同原発の2基ある原子炉のうち1つで燃料棒に損傷が発生し、その一次冷却系で放射線レベルの上昇がみられたことを認めた。だがそれは「放射線漏れ事故とはまったく別の出来事」で、「物理的障壁は安全な状態にある」と主張していた。

同当局はさらに、原発外部での放射線許容上限を引き上げたことを否定、放射線レベルは「安定した稼働に伴う許容範囲内にある」としていた。

同安全保証当局はさらに以前、問題の原子炉の6万本を超える燃料棒のうち、損傷があったのは5本だけであると発表、さらに「環境への放射線漏れ」のリスクは皆無であると述べていた。

この木曜日、Electricite de France (EDF) 社の同スポークスパーソンは、原子炉内部での希ガスの増加を検出していること、同社はこの中国原発の所有者にして運営事業者である台山原子力合弁事業(Taishan Nuclear Power Joint Venture Co., Ltd (TNPJVC))に対して自らの立場を公表してきたことを、繰り返し述べた。

TNPJVCの株式のうちEDFの持ち分は30%である。TNPJVCは、 EDFと中国国営の中国広核集団(China General Nuclear Power Group)による合弁事業である。

「当社EDFでは合弁相手に対し、当社の分析のすべての要素を開示しており、フランスでならこれは原子炉稼働停止になるはずだという理由も示している。だから、責任ある運用会社として、広核集団は必要な判断を下せるはずだ」と、同スポークスパーソンは語っている。

このスポークスパーソンによれば、EDFが単独で判断を下してよいのであれば、「燃料棒へのさらなる損傷を回避するためにこの原子炉の運転を停止し、調査を実施し、発電施設にさらに損傷が発生しないように努めていた」はずだという。

だが実際には最終的な決定権があるのはTNPJVCで、この集団は独自の分析を行うつもりだと、同スポークスパーソンは述べた。EDFによれば、この原発の運営業者が決定を下すまでのスケジュールも、EDFは知らされていないそうだ。

そのEDFの発表に関してFramatomeはさらにコメントを求められたが、コメントを拒否した。
CNNの Nectar Ganが、香港から報告。

 

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タイシャン原発、結局シャットダウンした模様

BBC Newsによると、問題の香港西にあるタイシャン原発は、
結局シャットダウンされた模様です。

BBC News
(記事本文は、下のリンクをクリック)
https://www.bbc.com/news/world-asia-china-58026038

(私による日本語化)
中国のタイシャン原発、燃料棒損傷の原子炉をシャットダウン
2021年7月30日(JST)

中国の原発で、原子炉1基で燃料棒の損傷があり、メンテナンスのため停止となった。

グアンドン(広東)省のタイシャン原発の運営者は、技術者たちと「長時間の」話し合いをしたうえで、同原発のユニット1をシャットダウンしたと発表した。

タイシャン原発は、世界でも初のEPR型原子炉を稼働させている原発である。

このEPRという原子炉は今後、フィンランドやフランス、英国のヒンクレー ポイントCなど、中国以外の諸国でも建設される見込みだ。

タイシャンの同原子炉で燃料棒に損傷が発生していることを中国当局が認めたのはおよそ1か月前のことだが、今になってシャットダウンに踏み切った。ただし当局は、これは「よくある」問題で心配するには及ばないとしている。

中国広核集団(China General Nuclear Power Group (CGN))が金曜日に発表したところでは、同原子炉は「完全にアンダー コントロールである」そうだ。

技術者たちがこの燃料棒損傷の原因を突き止めて交換すると、その発表は述べている。

「アンダー コントロールだってさ~~」

「アンダー コントロールだってさ~~」

この6月のCNNによる報道では、アメリカ政府は同原子炉で放射線漏れがあったという報告を検討していた。

CNN によれば、同原発の運営を支援しているフランスのエネルギー企業EDFがアメリカ政府に対し、中国の核規制当局が同原発周辺での許容放射線レベルを引き上げ、シャットダウンを回避したと警告していた。

EDFが後に述べたところでは、燃料棒の損傷のため気体が蓄積しており、 それを大気中に放出する必要がある。

燃料棒とは、密閉した金属製のチューブで、その中には原子炉の燃料となる核物質が収納される。

先週、EDFのスポークスパーソンがCNNに述べたところでは、フランス企業であるEDFはできることならば同原子炉を停止させたいと願っていた。

だがその決定を下す権限は、中国の運営企業にあった。

同スポークスパーソンによれば、タイシャン原発の状況は「緊急を要するほどのものではないが」、「深刻なものではある」。

中国当局は、このCNN報道を否定している。

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結局シャットダウンにするのなら、1か月前にしておけばよかったものを~~
それにしても、「アンダー コントロール」というのは、現在の世界では、嘘つきが好む常套句になってしまったようですね。。。

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WSJより ・・ 他にも、サイロ建設中??

そんなこんなを取り上げているうちに、中国ではまた新たなICBM用サイト現場が建設されていると、アメリカの研究者たちは主張しています。
The Wall Street Journal の記事を、途中まで、私の日本語訳で紹介します。

The Wall Street Journal
July 27, 2021
Chun Han Wong
「ウォール ストリート ジャーナル」、2021年7月27日
チュン ハン ウォン記者

https://www.wsj.com/articles/china-appears-to-be-building-new-silos-for-nuclear-missiles-researchers-say-11627401364
中国、核ミサイル用サイロをさらに新設中と見られる、と研究者たち

アメリカのシンクタンクの分析では、商業用衛星画像から見て、中国がさらに新たなミサイル用サイロ建設プロジェクトを進行中とみられる

(写真下)
研究者たちによれば、この画像から、中国のシンチャン地区にある施設での核ミサイル用サイロ建設が進んでいることが窺える。
写真提供: PLANET LABS

 同じモデルさんがこうも違ってくる・・・  私の20分クロッキーより

同じモデルさんがこうも違ってくる・・・  私の20分クロッキーより

やはり、私の20分クロッキー、同じモデルさんの同じポーズ

やはり、私の20分クロッキー、同じモデルさんの同じポーズ

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(記事本文、途中まで。私による日本語化)
香港発 — 核ミサイル発射用サイロの新たなネットワークを中国が建設中であることが衛星画像から窺えると、アメリカのシンクタンクが発表した。アメリカのアナリストたちが中国政府をこの種のプロジェクト進行で非難するのは、ここ数週間で2度目になる。

この月曜日に発表した報告で、アメリカ科学者連盟の研究者2名が、中国北西部のシンチャン地区で中国がミサイル用サイロ施設建設の取り組みとみられる活動を続けていると述べている。商業用衛星画像を検討したうえでの主張だ。

その画像を見ると、サイロ建設現場とみられるものが14か所あり、グリッド型のパターンで配置され、サイロとサイロの間の間隔は1.9マイル(約3㎞)だ。いずれのサイロにも、雨風などから保護するための社ルターがあると、同報告は述べている。さらにそれ以外にも、建設工事に備えて地面を整備したとみられる現場が19か所あると、この報告は主張している。

研究者たちによると、今回の現場にはその全体におけるグリッドの輪郭から考えて、およそ110のサイロが最終的には設けられる模様だ。この現場は、シンチャン地区東部のハミという町の近郊にある。このサイロ フィールドの建設が始まったのはこの3月のことのようだと、同報告は述べている。

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ご注意願いますが、私はこの惑星に暮らす一市民であり、親米でも反中でもありません。
しかし、核兵器というのは問題の性質が実に深刻なものですから、中国政府は「風力発電だ」と主張するなら、その証拠を世界に公表してほしいものです。
上の紹介記事にあるように、「構造物」と「構造物」の間の間隔が約3㎞というのは、
「風力発電所」にしては奇妙です。
それに、シンチャンという地域も問題です。

加えて、香港の西、タイシャン原発の事故についても中国政府からの続報を待っていたら、先にCNNが新たな報道を ・・・
それを、次回紹介しますね。

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ページ Add-3) を追加しました

追加の固定ページ、Add-3) を公開しました。
上の黒いメニューの底の方で、クリックしてみてください。

ジョージア(グルジア)を巻き込んで、放射性物質の密輸未遂が
何件も発生していた、という内容です。旧ソビエトで使わなくなった
ウラニウム235やプルトニウム239などを、ジョージア経由で
トルコへと密輸しようとしたのでは、という疑いが持たれていました。

「いました」など、過去形でいっているのは、紹介している記事が
5年ほど前の2016年のものだからです。
でも。
2021年になっても、密輸組織が特定され解体されたわけじゃ、ありません。
さらに、他の地域でも核密輸ネットワークは暗躍しています。
(このサイトのページ f-3) で言及した、カーン博士のネットワークなど。
上の黒いメニューの中ほど)

つまり。
我々の暮らす世界は、闇の核ネットワークがすでに蠢いている場に
なってしまっているのですね。
ですから、本サイト「やかんをのせたら~~」では、今後も
こうした「闇の核ネットワーク」に関する報道も紹介してまいりますね。

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実は風力発電所?? ・・ 中国の主張

ユーメン近郊の砂漠に発見された新設施設ですが、
中国側は風力発電所だと主張しているようです。
中立的な第三者機関による検証が欲しいところです ・・・

(記事本文は、次のリンクに)
China Arms,. 2021 July 6
Expert: ‘DF-41 missile silos’ are just wind power bases (china-arms.com)
(軍事専門家、「DF-41ミサイル用サイロなどではなく、単なる風力発電基地」)

中国の軍事を専門に扱うChina Armsというウェブサイトがあって、それは今回発見されたユーメン近郊の「サイロ状施設」は、実はサイロではないと主張しています。
私もサイロでないことを願うのですが、それ以前に情報の錯綜が問題ですね。事実は、どこにあるのか??
とにかく、当のChina Armsの該当記事を見てみましょう。記事本文は、上のリンクから。
下にあるのは、私による日本語翻訳です。

これも、サイロ?いえ、東京近郊にあるキリスト教会です。 私の10分スケッチより。

これも、サイロ?いえ、東京近郊にあるキリスト教会です。
私の10分スケッチより。

(私の日本語化)
The Washington Postが最近紹介した、カリフォルニアのジェームズ マーティン核不拡散研究センター(James Martin Center for Nonproliferation Studies 、JMCNS)による商用衛星画像をもとにした研究報告によれば、ガンスー省(甘粛省)ユーメン近郊の砂漠に、119か所もの大陸間弾道弾(ICBM)用サイロを中国が建設したことになっている。

この事態に対応して、中国の軍事専門家であるDu Wenlong は最近CCTV(中国中央電視台)と行ったあるインタビューで、これは1985年の「Fujian Tulou」(福建土楼)事件の現代版にすぎないと語った。

Du Wenlong によればその1985年、アメリカは「ベリーズ」と呼ばれる調査団を福建省南部にあるこの地独特の土楼の調査のため、秘密裏に派遣したそうだ。結果、土楼が弾道ミサイル用サイロではないことを確認し、当時のアメリカ大統領レーガン氏にその旨を報告した、とのこと。

Du Wenlong の考えでは、今回のサイロ騒ぎはアメリカが意図的に広めたでっち上げで、「こうしたでっち上げは、常識に欠ける。今回の構造物と構造物の間には、あまり間隔がなく、明らかに風力発電所だ。風力エネルギーを充分に利用するには、発電機を密集させないといけない。さらにDF-41 ミサイルには車輪があり、移動中に発射できる。したがって、地下の穴の中に配備して固定位置から発射することは不可能だ。アメリカは結局、赤っ恥をかくことになろう」と述べた。

さらに新華社通信の “Reference News” (参考消息)新聞も、7月6日に同じ見解を公表している。

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私は何も、この問題で中国のサイドについているわけじゃ、まったくありません。
そうではなくて、両方の主張を聞きたいのですね。
いったい、ユーメン近郊に建設されているのは何なのか?
核兵器関連の構造物ではないと主張するなら、その証拠を中国政府は
世界に提示すべきですが ~~ 世界が心配しているのですから。
兵器と思われそうな施設を秘密裏に建設していると、世界から
睨まれるものです。誤解されたくなければ、兵器関連でない
証拠を世界に示さないと。

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ICBM用サイロなんて、ほんとに必要なのか?後半

下の7月21日に前半を紹介したユーメン近郊でのサイロ新設?報道に関する
Fred Kaplanさんの論考、後半を私の日本語化で紹介します。

記事本文は、
https://slate.com/news-and-politics/2021/07/nuclear-weapons-china-missiles-yumen.html
にございます。

第2に、アメリカは以前から弾道ミサイルに対する防衛システムの開発を進めてきている。そうした防衛システムの効果は、テスト結果からはあまり芳しくはないが、 軍の指導層というものは敵国の兵器などについては控えめな見方をするものだ。つまり、中国やロシアの軍指導層は、アメリカのミサイル防衛システムがかなりの効果を有しているものと想定することであろう。アメリカからの先制攻撃を抑止するためには、先制攻撃を受けても生き残るよう1,000基の核兵器が必要であるとロシアや中国が判断していると想定しよう。加えて、アメリカのミサイル防衛システムがミサイルを500基破壊すると彼らが考えているとすれば、実は合計で1,500基の核兵器が必要だ、との計算になる。(こうした数値はあくまで説明のためだけの例であり、要は敵国がこちらが発射したミサイルの一部を撃墜できると判断したなら、その分を埋め合わせようとさらにミサイルを製造することを決定しやすい、ということだ)

第3に、今回の120基のICBMを追加したところで、中国の核兵器備蓄はなお、アメリカやロシアに比べれば子供のようなものに過ぎない。ICBMも爆撃機搭載用も潜水艦発射も併せて、現時点で中国が保有する核弾頭でアメリカを攻撃できるものは300個ほどである。それに対しアメリカが保有している核弾頭で中国を攻撃できるものは、2,000個を超えている。今回中国で発見された120か所のサイロすべてに核ミサイルを装備しても、各軍事面でのバランスが変わることはない。

トゲが多ければ、バラは折られない? 何十年か前に、私がバラを描いた練習です

トゲが多ければ、バラは折られない?
何十年か前に、私がバラを描いた練習です

ではそもそも、中国は何のためにサイロなど新設しているのだろうか?やはり可能性が最も高い答えとして、アメリカが中国に先制攻撃を仕掛けてきた場合、300ほどの核兵器でアメリカに反撃を行う能力を維持しておきたいのだ。軍事専門家の大半は、タカ派の人たちも含め、長年中国は「最初限度の抑止」戦略を採用しているものと見なしてきている。つまり、敵国が中国を攻撃しないよう、抑止するのに充分なだけの核兵器を保持しておく、という戦略だ。今回のサイロ新設も、世界情勢が変化する中でアメリカからの先制攻撃抑止を維持するにはどれだけの核兵器が必要なのか、その計算を中国がやり直したに過ぎない可能性もあるのだ。

佐賀、新しいミサイルをサイロに配置するのは、なぜか?DF-41は本来、移動発射式ミサイルなのだ。移動発車式ミサイルの利点として、存在位置を敵に知られることがなく、そのため敵からの攻撃を受けにくい。逆にサイロ発射型ミサイルの弱点とは、位置が固定しているため、どこにあるかを敵国が正確に把握できることだ。したがって、敵からの攻撃を受けやすく、特にTrident IIでの攻撃は容易だ。

だが、移動式ミサイルにも欠点はある。維持に費用がかかり、固定発車式と比べると精度が劣る。つまり、標的に命中する確率が下がるのだ。

ことによると、中国はアメリカからヒントを得たのかもしれない。もう何年も昔のことだが、今のアメリカでいえばMinuteman III のようなサイロ発射式ミサイルしか、敵のミサイル用サイロを破壊できるだけの爆破力と速度と精度とがある核兵器を、アメリカが保有していなかった時代があった。だが、1990年代にTrident IIの配備が実現したころには、アメリカの潜水艦発射ミサイルはまさしく敵のサイロ破壊が可能であった。今では実際のところ、アメリカの戦争プランにおいては、陸上発射型のICBMで何らかの標的を叩く必要はなくなっている。陸上発射型ミサイルを配備する唯一の理由は、敵からの先制攻撃を「複雑なものにする」ということだ。アメリカの抑止力を強化するうえで、軍部高官たちは「スポンジ理論」(すぐ次の段落で説明)を公に口に出している。

そのスポンジ理論とは、次のような主張だ。陸上発射型のICBMがなければ、敵国が破壊すべきアメリカ本土内の標的は6か所ほどだけで済んでしまう。それだけで、アメリカの核兵器インフラストラクチャーを壊滅させることができるのだ。つまり、潜水艦港2か所、爆撃機基地2-3か所、そして「国家指揮最高部」(ワシントンのことを指す婉曲表現)である。その損害は些細なものなので、アメリカ大統領は報復を命じない。報復してしまえば、ロシアはさらに大掛かりな核兵器で攻撃してくると分かっているためだ。それに対し、ICBMを400基維持しておけば、敵国はそれも攻撃せねばならなくなる。しかも、各標的に2つの核弾頭が必要となる公算が高い。(1発目の核弾頭があまり効果を発揮しない場合に備えてのことだ) 合計で800発の核弾頭をアメリカめがけて発射すれば、明らかに本格的な攻撃であり、アメリカ大統領も報復を命じることになる。それが分かっていれば、敵国の首脳も先制攻撃をそもそも思いとどまることになろう。

これは実に奇妙な主張だ。まず、上述の6か所ほどに核攻撃を加えれば、アメリカ市民が何十万人と命を落とすことになろう。標的の中にワシントンも含まれていれば、その犠牲者数は数百万に達する。それでもアメリカ大統領が報復してこないと想定するのは、イカれたギャンブルだ。次に、そうした6か所の標的を攻撃しても、致命的な損害にはならない。潜水艦港2か所を喪失しても、アメリカはなおなん十隻もの潜水艦を海洋に有している。それだけの数の潜水艦が、何千発もの核弾頭を発射できるのだ。

それでもなお、敵にとっての標的を増設しておくことに何らかの意味があるものと想定してみよう。それにより、敵国はわずかなミサイルで核の「王手」へとアメリカを追い詰めることができなくなる、と仮定してみよう。それこそ、中国の今回の動きの意図なのかもしれない。つまり、アメリカの将軍たちの思考をまねて、中国流のスポンジ理論を実行している、ということだ。アメリカの考えが、ミサイル用サイロを増やせば、つまりアメリカ本土にある標的を増設すれば、ロシアや中国の核先制攻撃を抑止できるというものであるのなら、中国としても120か所のサイロを中国国内に新設しておけば、同じようにアメリカからの先制核攻撃を抑止できると踏んだのかもしれない。

以上の論考は、中国が攻撃的な行為に出ていることを否定するものでは、まったくない。特に、台湾海峡そして南シナ海での行動は懸念の対象だ。だが、中国がアメリカに対して先制核攻撃を計画している、あるいはその可能性がある、という根拠となるものはまったく見受けられない。あるいは、中国が核兵器を増大しているからと言って、アメリカも核兵器備蓄を増やさねばならないという根拠も見当たらない。そうした野心的攻撃を抑止して余りあるだけの核兵器を、アメリカはすでに有している。さらに、どこかの国の首脳が乱心したとしても、どの将軍であれ必要だと考えるだけの標的をすべて攻撃できる以上の核兵器を、アメリカはすでに持っているのだ。

アメリカの高官たちは、諜報データの中でも特に機密性の高いデータを利用できるのだから、アメリカの行動(中国の目に、それがどう映るのか)への対応として中国が今回のサイロ増設に踏み切ったのではないか、という可能性を検討・研究してみるべきだ。両国が新たな核武装競争に血道をあげるようになってしまう前に、そうした検討を行うべきだ。
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確かに、中国が核兵器増やす! → こちらも増やさないと、核抑止バランスが崩れる!  といった発作的な論調がまかり通っては、困りますよね。
いずれにせよ、核抑止という概念は現在の「核兵器・核発電体制」の根底にあるものなので、今後も各種論考を取り上げ、紹介してまいりますね。

次回は、このユーメン近郊の「新建造物」は実は何なのか?中国側の主張も紹介します。

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ICBM用サイロなんて、ほんとに必要なのか??

SLATE、”War Stories”より
Fred Kaplan, 2021年7月13日

アメリカの核兵器の「近代化」ですが、それについてFred Kaplanというジャーナリストが、SLATEという雑誌に下の記事を執筆なさっています。
この雑誌自体は軍事問題や国際関係を専門にしたものではないので、紹介するのはどうかとも思ったのですが、筆者のKaplanさん自身はそうした分野がご専門のジャーナリストで、関連した著作も数冊おありです。
またSLATE自体は、リベラル/プログレッシブ系のメディアです。
しかし、「朝日新聞の言うことだから~~」とか、「産経の記事だから~~」といった、「この会社の言うことだから、~~~だ」というような決めつけが多い社会状況になっております。そうした先入見に縛られず、読むべきものは読んでいきたいと願っております。

先日、この「やかんをのせたら~~」でも紹介した、中国の西北部ユーメン近郊のICBMサイロ新設との関連で、SLATEのWar Storiesという連載ページに掲載されたものです。

Let’s Not Get Into a Nuclear Arms Race With China

China’s new missile silos are concerning—but we already have more than enough weapons to counter them.
(中国と核武装競争を始めるのは、やめよう
中国の新ミサイル サイロは憂慮すべき存在だが、それに対抗するには充分すぎるほどの核兵器が、アメリカにはすでにある)

記事本文は
https://slate.com/news-and-politics/2021/07/nuclear-weapons-china-missiles-yumen.html
でお読みになれます。

「あっちは、ずいぶん傾いてるわね」・・・って、自分は?? 私の20分クロッキーより

「あっちは、ずいぶん傾いてるわね」・・・って、自分は??
私の20分クロッキーより

以下では、私の日本語翻訳で、2回に分けてこの記事の内容を紹介しますね。
長い記事なので、2回に分けます。

(私による日本語化)
アメリカ軍部の将軍や司令官たちはこの何か月か、2つの大きな課題に取り組んでいる。中国の軍備増強に対抗する必要性と、それとは別にアメリカの既存の核兵器備蓄の「近代化」だ。つまり、既存の核兵器モデルが旧式化しつつあるので、それをアップグレードしあるいは交換するための、新たなミサイルや爆撃機、潜水艦などを製造せよ、というわけだ。

そうした動きを加速しそうな、新たな展開があった。ある衛星画像から、中国が北西部ユーメンという都市の近郊にある砂漠地帯に120か所ものミサイル用サイロを建設した模様だ、という展開のことだ。サイロ10か所を1グループにまとめ、それを制御する発射制御センターが設けられているように見える。中国のDF-41 大陸間弾道弾には、うってつけの組み合わせだ。

アメリカ戦略軍のトップ、Charles Richard司令官はこの展開について、中国各核武装の「息を呑むような急拡大」だと述べている。他にも、このサイロの新設をもって、アメリカ政府が核兵器近代化プランの実施を急ぐべきもう1つの理由とする人たちはいる。下院では、一部の議員たちが戦略的ならびに経済的な理由から、核兵器近代化に反対してきた。(この近代化のコストは、今後30年間で1兆ドルを超える)

今回発見されたサイロにミサイルが配備されると、中国のICBM数はほぼ倍増する。まさに息を呑むような建設プロジェクトであり、急速に完成に近づいている。だが、これらサイロが新たな脅威となるか否かは、まったく明らかではない。それこそ、中国の核戦略の変化によるものなのかどうかも、定かではない。むしろ今回のサイロの増設は、アメリカからの核脅威が増大していると中国高官たちは見ており、それに対する中国の対応である可能性が高い。

そう言うと、一見、おかしな発言に聞こえるかもしれない。確かに近年、アメリカは核兵器を削減してきているし、アメリカ大統領が中国に対し先制核攻撃を始めるというのは大半のアメリカ人にとっては馬鹿げた話だ。だがほとんどの中国人にとっては、そうではない。

第1に、アメリカには「オハイオ」級の潜水艦14隻があり、そのいずれもTrident IIという潜水艦発射型弾道ミサイルを24基搭載している。しかもこのミサイル1基は、8個前後の核弾頭を擁している。つまり、これだけで合計2,600個近い核弾頭を有しているのだ。今年5月、米海軍はLockheed Martin社にTrident IIミサイル増産を5億ドルで発注した。「コロンビア」級の新型潜水艦に搭載するためだ。この新型潜水艦は、近く実戦配備となる。ここで肝心な問題として、この新たな核弾頭1つで、対爆発耐久性に優れたICBM用サイロを破壊してしまうだけの爆破力と精度とがあるのだ。言い換えれば、先制攻撃用のミサイルだと思われても、当然なのだ。
****************

この記事の後半は、次回に紹介しますね。

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JCPOAに戻ると ・・・

JCPOA再建交渉、しばらく中断されていて報道記事も新しいのが見つから
なかったのですが、下のTasnimの記事が今月(2021年7月)になってから、
出ています。

Tasnim News Agency, July 6, 2021(タスニム ニューズ エージェンシー、2021年㋆6日)

Iran’s Stance on JCPOA Unchanged by Shift in Administration – Politics news – Tasnim News Agency
(政権交代でも、JCPOAに対するイランの立場は変わらず)

(私による日本語化)
テヘラン発(Tasnim)– 2015年の核合意ならびに制裁の解除に関する、イラン イスラム共和国の政策原則に変更はなく、新大統領の政権もJCPOA再建についての最終的な決定に従うと、イラン外相のスポークスマンは述べた。

7月6日の火曜日、そのスポークスマンSaeed Khatibzadeh は、包括的共同作業計画(JCPOA)ならびに制裁の解除に関するイランの立場が同国体制の政策原理の一環であり、政権が変わっても変更はないことを強調した。

JCPOA再建交渉において何らかの合意が形成できれば、イランの新大統領Ebrahim Raeisiの政権もその合意を尊重するはずだと、同スポークスマンは念を押した。

さらに同氏が述べたところでは、JCPOAの合意に違反した一部加盟国とは異なり、イランは絶えず規定を順守してきた。

さらにKhatibzadeh によれば、2015年の合意を再生させようとするこのウィーン交渉は進展しているものの、イラン以外の参加国、特にアメリカの決断を待つ主要問題がまだ残っている。

「実際、JCPOA再建という合意を最終的に形成できるか否かは、イラン以外の参加諸国が困難な決定を下す政治的な意志力にかかっている」と、同氏は語っている。

同会談でのイランの交渉チームは会談を実りあるものとし、過酷な制裁の解除を求めて努めており、イラン政府はイランの国益につながるような成果を得ることについて何ら期限を設けてはいないと、同スポークスマンは述べた。さらに、望ましい合意が得られるまでこの会談は続くとも語っている。

イランは合意を求めて焦ることはないが、長期にわたるこの会談が消耗戦になってしまうことは許容しないとも、Khatibzadehは述べている。

包括的共同作業計画の再生を求める会談の最新のラウンドは今年4月にウィーンで始まり、イランと同合意のその他参加諸国とが話し合いを重ねている。イラン以外の参加国とは、英国、フランス、ロシア、中国、ドイツである。

アメリカは2018年にJCPOAを離脱、この合意に基づく経済制裁を再開した。イランは報復として、JCPOAの第36条の定める核に関する活動を実施した。

現在行われている交渉では、JCPOA核合意の再生可能性と、アメリカが復帰する可能性とを 探っている。

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JCPOA交渉については、また新しい報道記事を見つけ次第、紹介していきますね。

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アメリカが「ピット」製造を急ぐ事情

US National Nuclear Security Administration (Department of Energyの一部)
による
“Plutonium Pit Production”
という文書から。
(2021年7月15日のものと、Bingの検索結果リストにはあります。
ただ。文書そのものに日付が見当たりません)

アメリカ政府によるプルトニウム ピット製造加速に関連する訴訟について、
下の7月7日と9日にリリースを紹介しました。
では、そもそも、アメリカがプルトニウム ピットの製造を急いでいるには、
どんな事情があるのか?
核兵器にはもちろん反対している私ですが、核兵器を誰かが作っている/作ろうと
している場合、その事情は把握しておかないと。
ただ「反対!反対!」と叫び続けていても、無視されて終わりになって
しまいやすいものですよね。

そこで、アメリカ政府の事情説明を見てみましょう。

https://www.energy.gov/nnsa/plutonium-pit-production

あっちはどうなっているのか、見てみないと ・・ 私がずっと以前に描いたスケッチより

あっちはどうなっているのか、見てみないと ・・
私がずっと以前に描いたスケッチより

(私による日本語化)
NNSA(アメリカ国家核安全保障局)の任務の一環として、アメリカの核兵器備蓄の
安全やセキュリティ、信頼性、有効性を維持する責任を負います。それにおいて、
地下核爆発実験は行いません。そうした核弾頭の主要部の1つとして、
「プルトニウム ピット」という装置があります。これはプルトニウムを内部に
入れた球状の構造物で、ボウリングのボールくらいのサイズです。プルトニウムの
経年劣化や安全性やセキュリティの進展、地球規模でのリスク、兵器の近代化などの
要因のため、核弾頭のピットを適宜交換する必要があります。ところがこの30年
近く、アメリカ合衆国は核弾頭の備蓄を適切に維持するために必要なだけの数量で
ピットを製造する能力がなかったのです。

この必要に応えるため、NNSAの国防プログラムでは、アメリカが核抑止力を
保つため、プルトニウム ピットの製造を再開できるよう計画を立てています。
ピット製造やその他の製造能力に必要な主要スキルやインフラストラクチャーは、Nuclear Security Enterprise(核安全保障エンタープライズ)には不可欠です。
プルトニウムの経年劣化や地政学的な世界情勢には不確実性が伴うため、
アメリカ合衆国によるこのピット製造という不可欠な能力の再生には、
待ったは許されません。この能力再生を遅らせてしまうと、コストの大幅増大や
国家安全保障のリスクを招くことになります。NNSA と防衛省では今後も、
我が国の核兵器の安全性強化に努めてまいります。
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分かり切ったことを断っておきますが、上記は私の見解じゃなくて、アメリカNNSAのものですからね!アメリカがどんな事情でプルトニウム ピット製造能力を再生しようと努めているのか、紹介したかったわけです。

なお、
リンク先のウェブページをご覧いただくと、
WHAT IS PLUTONIUM?  とか、
HOW WILL NNSA ADDRESS PLUTONIUM PIT PRODUCTION?
などへのリンクがあります。
そのなかから、
CURRENT AND FUTURE NEEDS FOR PLUTONIUM PITS
(現在、そして将来のプルトニウム ピットの必要性)
というページを次回見てみましょう。

いったい、プルトニウム型原爆にどんな必要性が今後あるというの
でしょうね??

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だれが決めるのか? 東京のオリンピックと核発電存続

もう3か月前のことですが、以下の発言がよく報道されていましたよね。

菅総理大臣は 4月23日の記者会見で、「開催はIOCが権限を持っております」と強調した。

しかし。もとをただせば、2013年に東京でのオリンピック開催を求めたのは、同じ日本国の総理大臣、当時は安倍晋三さんだったはずです。同年9月7日 ブエノスアイレス で行われた 国際オリンピック委員会 総会の最終プレゼンテーションで、 この前首相は 福島第一原発 の状況を「アンダー・コン トロールだと主張したのでしたよね。
しかし。2011 年3月11日午後7時3分にさらに以前の総理大臣、菅直人さんが発した原子力緊急事態宣言は、2013年9月7日の時点で、解除されてはいませんでした。
それどころか、この宣言は2021年7月15日現在も、解除されておりません。

(2021年7月23日追記)
よりによって、その「嘘でオリンピックを誘致した張本人」である元総理大臣は、
今夜のオリンピック開会式を欠席するそうです!

なんだか、はっきりしない ・・・ 私の点描練習より

なんだか、はっきりしない ・・・
私の点描練習より

ここで、日本国における核発電廃止と2020オリンピックの中止とを、
パターン比較してみましょう。

…………………………. 2020 (2021) オリンピック  核発電(原発)

一般市民多数派   中止 …………………………….   廃止
の要望

推進・開催の    偽りあり ………………………   ごまかしだらけ
正当化  …………………………………………………………..  (本ウェブサイトの各ページで説明)

中止・廃止の    よく分からない  ……………..    よく分からない
決定権限      (あるいは、総理大臣が
…………………………………言葉を濁した)

結局は …      部分修正(無観客)で ……..    部分修正(安全基準の改定など)
…………………………………開催 ……………………………      で推進継続

このソフトウェア、Tabも多数スペースの連続も受け入れてくれないので、
どうも作表ができないのですが・・・

まあ要するに、

まやかしが最初から付きまとっており、
責任の所在はよく分からず、
部分修正だけで従来からの方針を続ける
一般市民の意見は、そうやって無視される

というパターンが両者に共通で見られますよね。

では、核発電をやめるには、どこで・どういう決定を下せばよいのか?
国会で決議すればよいのか?
そのあたりは、日本国の政界・官界に詳しい方々に、ぜひご教示いただきたいです!
詳しい方は、
yadokari_ermite(at)yahoo.co.jp
までお知らせくださいな!

そうした最終決定が実際に下される時が、もし来たら ・・・
その場合には、核発電推進側から「潜在的核抑止力」が必要だという
主張が登場するのは、まあ明らかです。
ある意味、その場合に備えて、つまり「潜在的核抑止力」の
ナンセンスさを訴えるために、この「やかんをのせたら~~」を
書き続けております。

(2021年7月23日追記)
もう1つの共通項として私が強く感じるのは、
戦後日本の”若かりし頃”への、高齢政治家のノスタルジア
です!

日本初の核発電所が臨界に達したのは1965年、稼働を始めたのは1966年のこと
でした。(本ウェブサイトの、ページ e) でも申しました)
東京でオリンピックが「まともに行われた」のは、1964年でした。
高齢政治家の皆さんにとっては、高度経済成長中の1960年代の「メモリー」ですよね。

実際、例の「党首会談」において菅総理大臣は、枝野代表に対し、
話の本筋を全く離れて「メモリー」を長々と語ったと報じられていました。

もう1960年代半ばから55年ほど経過し、日本の経済や社会は明らかに劣化しました。
2021年現在の日本には、もう「まともに」オリンピックを主催する能力などない
ことは、数々の不祥事からも明らかです。
ところが、成功体験を伴うノスタルジアというのは、現実に目を閉ざし
昔通りに物事を進めればうまくいくという幻想を生みやすいものですよね。

「原子力(平和利用)」という「まやかし」は、まさにそうした
「高度成長期ノスタルジア カルト」を象徴している存在の1つでしょう!

過去の成長へのこだわりや幻想を捨てて、
今後どうやって平和に貢献し、
エネルギー源を確保しながら環境も保全していけるのか
に発想を切り替えましょうよ。

* A Song for Europe

ROXY MUSIC – A Song For Europe – YouTube

↑ リンク先に、Roxy MusicというバンドのA Song for Europe という
曲の演奏があります。
歌詞は西欧の凋落をうたったもので、最初に英語、そしてラテン語と
フランス語でそれを繰り返しています。1970年代中頃の曲です。

ここ25年くらい、私にはこの曲が、A Song for Japanに聞こえてならないのです。

 

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