NPT加盟国なら、自国でU濃縮する権利が保障されているって ~~???

The Foundation for Defense of Democraciesのウェブサイトより
9 Myths About Iran’s Uranium Enrichment Program

9 Myths about Iran’s Uranium Enrichment Program
(イランの核プログラムに関する、9つの神話)

私(ひで)は、なにもアメリカやイスラエルのサイドに立ちたい
わけじゃ、ありません。
ただ、誰様の主張であれ、根拠があるのか否かは問題にせざるを
得ないのですね。
その意味で ・・・

以前からイランは「NPT条約の下で、U濃縮はイランの当然の
権利だ」と主張してきたのですが、はたしてNPTにはそんな
規定があるのでしょうか??
The Foundation for Defense of Democraciesの研究フェロー、
Andrea Strickerさんによる論考を紹介しますね。

要約・抜粋・日本語化で紹介しますね
<  > 内は、私からの補足説明です
************************************************
Andrea Strickerさん(核不拡散プログラムのディレクター
代理、研究フェロー>
2025年5月21日 <6月の軍事攻撃以前のものである点には、
ご注意くださいな>

トランプ大統領とその政権は、イランがその核兵器プログ
ラムを完全かつ恒久的に廃止し、それを検証できるようにせよ
と要求してきている。それには、イランが濃縮ウラニウムを
製造する能力の廃棄も含む。その廃絶が、どのような核合意を
今後締結するにせよ、その前提となるのだ。だが、イランの
ウラニウム濃縮プログラムに関してはいくつもの誤った神話が
あり、その脅威が歪曲され、今後の存続もいびつに正当化され、
その過去や性質も誤って伝えられている。核プログラムの
廃止を実現させたいのであれば、そうした神話の誤りを
証明することが不可欠だ。

鏡に映る像は、実物そのものではない ・・・
私のクロッキー(速写画)、Croquis Cafeをベースに


神話その1:
 イランには、ウラニウム濃縮する
法的な権利がある

事実は: 無条件でウラニウム濃縮を行う権利など、
イランにはない

核兵器製造の第一歩となるのが、核兵器に必要な爆薬の
製造だ。イランは既に60%の濃縮を達成しており、
・・・(中略)・・・ この濃縮度にまで達してしまうと、
核兵器グレードのウラニウムを製造する作業の99%は達成済み
なのだ。イラン政府はたびたび、核不拡散条約(NPT)の
締結国であるイランにはウラニウム濃縮を行う法的な権利が
あると主張してきたが、実はNPTの規定には、ウラニウム
濃縮やプルトニウム再処理を 締結国が行う権利を有すると
明言している条文など、ないのだ。・・・(中略)・・・

NPT の第4条には、「核エネルギーの研究・製造・利用を
展開する、犯すべからざる権利」を締結国が有すると明記
してある。<下記の*参照> ただし、それは「平和目的」
のものに限定される。しかもそうした研究も、同条約の
第1条と第2条とに準じて行わねばならない。この2つの
条文は、核兵器の譲渡や受領を禁じている。イランはもう
何年もこの第2条に違反しており、これは非核兵器保有
締結国が「核兵器やその他の核爆発装置を製造、あるいは
その他の手段で入手してはならない。また、核兵器や
その他の核爆発装置の製造のためのいかなる支援も求め、
ないしは受けてはならない」と定めているのだ。このため
IAEAは2002年以来現在までイランの核関連活動の監視を
続けている。2006年以降、国連の安全保障理事会はこと
あるごとにイランに対し、「ウラニウム濃縮とプルトニウム
再処理に関する一切の活動を停止するよう」要求して
きている。これには「研究開発活動も含む」

<* NPTの条文は、いずれ紹介しますね>

いい加減なマシーン ・・・


神話その2:
 イランは核兵器保有を目指しては、
いない  

事実は: 将来の核兵器製造に役立つような取り組みを、
イランは積極的に進めている

2025年2月のNew York Timesの報道によれば、アメリカと
イスラエルはイランの秘密チームの存在を発見した。この
チームは「粗末な」核兵器の製造に取り組んでいる。組み
立てるために必要となる核実験や機能保証が少なくて済む
核兵器だ。現時点でイランには、最低でも核爆弾7個を製造
できるだけの高濃縮ウラニウムがある。

さらに2024年始めにアメリカとイスラエルは、イランが
「兵器化」にかかわる二重用途の活動 <つまり、核発電と
核兵器という二重用途> に取り組んでいたことを検知した
と報じられていた。つまり、核の装置の製造であった。
<当時の> バイデン政権は、そうした取り組みをやめさせ
ようと、警告を発した。同年7月にはアメリカの国家情報
長官室 (Director of National Intelligence、ODNI)も、
それまで長年抱いていたイランは核兵器保有を目指しては
いないという見方を変更した。そして10月、イスラエルが
<イランの> タレガン2という施設を破壊した。これは、
パルチンという複合軍事施設の中にある核施設だ。<なお、
2025年10月の時点で、再建工事が行われていた模様です:
詳細は、ここをクリック> この核施設でイランは、核兵器
開発に関わる実験を進めていたようだ。

・・・(中略)・・・

神話その3: イランの核施設を攻撃すると、
放射線漏出の関わる災害を招く

事実は: イランに軍事攻撃を実施しても、死の灰を招く
ことにはならない

・・・(中略)・・・.

さらにイランの3か所にあるウラニウム濃縮施設や転換
施設に大規模なバンカーバスターの攻撃を行ったとすれば、
施設内にある濃縮ウラニウムのストックを地下に埋め、
拡散を制限する結果になる可能性もある。仮に最小限の
大気中への漏出が発生したとしても、環境や健康への被害は
局所的なものに留まろう。エスファハンのウラニウム転換
施設から酸化ウラニウムの放出があれば、もっと被害はひどい
ものとなるだろう。そうであっても、その被害範囲は限られた
もので同施設のすぐ周辺に限定されるはずだ。周辺住民の
被爆は、回避できよう。

ファイルを見ると ~~


神話その4:
 イランの核プログラムは平和利用の
ものだ

事実は: 2025年2月という遠からぬ時点でのIAEAの
報告によればイランの核プログラムが「平和目的のみ
のもの」だという「保証はできない」

・・・(中略)・・・ イランは2015年に一度は核合意を
締結、そこではNPTの規定に則り決して核兵器を
入手しないと繰り返し約束していたのだが、一方で2004年
以前の核兵器製造の計画を詳細に記した核開発関連ファイル
のアーカイブを秘匿していた。このアーカイブのファイル
から、イランは当時国際社会からの非難とアメリカによる
軍事攻撃の公算の大きさとから、2003年半ばには核兵器の
製造を中止するものの、製造できる能力は保持するという
選択をしたことが判明した。 ・・・(中略)・・・

神話その5: イランは自国の原発の燃料とする
ために、ウラニウムを濃縮する必要がある

事実は: イランには稼働中の原発は1か所だけだが、
その燃料はロシアが供給している

確かにイランはウラニウム濃縮に何千億ドルもの資金を投じ、
国内の3か所の核施設で何千キログラムものウラニウムを
濃縮、それを「産業用」の濃縮プログラムだと主張している。
つまり、発電用原子炉の燃料だというのだ。ところが、
ブシェールにある同国唯一の稼働中原発の核燃料を自給
できずにいる。そのうえ、イラン政府はさらに原発を増設
する計画でいるのだが、それもロシアが建設を担当する。
ロシアは通常、<他国で> 原発を建設した場合、その
核燃料も供給している。2015年の核合意では、イランは
テヘラン研究原子炉という小型原子炉のための20%濃縮
ウラニウムもロシアから輸入する計画でいた。この小型
原子炉は、医療用の同位体を製造するためのものだ。
イランはいずれ、また同様の輸入を考える可能性もある。
つまりイランの濃縮プログラムは昔から常に、核兵器用の
濃縮ウラニウムを製造することに向けられたもので
あったのだ。

あそこで売ってるけど、自分で ・・・


神話その6:
 イランは国外からは濃縮ウラニウム
燃料を入手できず、国内で濃縮を行う能力を
保持する必要がある

事実は: 国際市場で多くの諸国が濃縮ウラニウム燃料を
商業的に販売している

現時点でウラニウム燃料を供給販売している諸国としては、
フランス、中国、ロシアがあり、さらにURENCOという
コンソーシアムもある。これは、英国・ドイツ・オランダの
多国籍コンソーシアムだ。アメリカも近い将来、商業規模での
濃縮ウラニウム燃料の製造を開始する。またカザフスタンに
あるIAEAの核燃料バンクは、原子炉用低濃縮ウラニウムの
供給が厳しくなった場合に備え、最後の供給源となっている。
そのうえ、世界では23の諸国が平和目的の核エネルギーの
プログラムを展開しており、そのために必要な核燃料を輸入
している。これら諸国は、ウラニウム濃縮とプルトニウム
再処理という経費が巨額で核兵器の拡散にもつながりかねない
プロセスを破棄したのである。

神話その7: 低濃縮ウラニウムであれば、核兵器
拡散リスクなしに、イランは製造できる

事実は: イランが国内で濃縮能力を有していれば、たとえ
低濃縮であっても、核兵器グレードのウラニウムを製造する
能力とインフラストラクチャーとをイランが有している
ことになる

例として、イラン政府が何かの核合意を締結し、製造する濃縮
ウラニウムは3.67%まで、つまり原子炉用核燃料のレベル
までにしたとしても、3.7%までの濃縮が出来れば、核兵器
グレードにまで濃縮するための作業のうちおよそ70%は完了
したことになるのだ。<下記の * 参照>  科学国際安全保障
研究所 <Institute for Science and International Security、ISIS、
アメリカの非営利・非政府研究機関> によれば、イランの
掌中に低濃縮ウラニウムのストックと最新式の高速遠心
分離機 <ウラニウム濃縮に使います> 13,000台以上とを
残す以上、イランのいわゆる「breakout time」つまり核兵器
グレードのウラニウムを製造するための所要期間は、1か月
未満となる。兵器グレードの核燃料をイランが製造できない
ようにできる確実な方法とは、ウラニウム濃縮ならびに
プルトニウム再処理能力のすべてを、完全かつ恒久的に
破棄し検証することだけなのだ。

<* U濃縮は「線形的に」つまり正比例的に濃度が高まる
わけではなく、最初の0.7% から1%、2%、3%と高めていく
「最初のプロセス」が大変なのです。いったん4%まで
高めると、そこからさらに濃縮していくのはかなり楽に
なります。特に20%前後まで達すると、核兵器グレード
までの道のりは遠くありません>

俺たちはやってない、あいつはやってる


神話その8:
 ウラニウム濃縮とプルトニウム
再処理なんて、世界で広く行われている

事実は: ウラニウム濃縮とプルトニウム再処理とは、
少数の国しか行っていない

アメリカとその同盟諸国は方針として、ウラニウム濃縮と
プルトニウム再処理の能力とを厳密に管理し、その普及
防止に努めてきている。NPTへの参加・不参加を問わず
核兵器を保有している9か国を除けば、ウラニウム濃縮を
行っているのはアルゼンチン、ブラジル、ドイツ、日本、
オランダだけである。ただし日本だけは、ウラニウム濃縮
とプルトニウム再処理の両方を行っている。<なぜ日本
だけが?これ、結構な謎なんですよ> イランとは異なり、
こうしたNPT加盟の核兵器非保有諸国はいずれも、IAEAの
セイフガードに違反していないか、核兵器製造の活動を
秘密裏に行っていないか、というIAEAの査察を今の
ところ受けていない。

核は闇の中で美しいのだ


神話その9:
 イランのウラニウム濃縮プログ
ラムは、自国で独自に始めたものだ

事実は: イランの <核開発用> 機材は非合法に入手し、
施設も秘密裏に建設したもので、そのウラニウム濃縮は
合法的な <IAEAの> セイフガード規定 <核の拡散を
防止するための規定> に違反するものだ

秘密裏の核兵器開発プログラムを進めていた他の諸国、
たとえばリビアや北朝鮮もそうであったが、イランも最初に
入手したウラニウム濃縮用のガス遠心分離機技術は、
パキスタンに本拠を置くA.Q. Khanのネットワークの闇市場
<下の*参照> ならびにドイツの企業の汚職エグゼクティブ
たちから手に入れたものであった。そのようにして、NPTに
直接的に違反してイランは秘密のうちに <核物質製造の>
能力を身に着けたのであった。

<* Khanの闇の核ネットワークについては、上の黒い
メニューにある次の各ページで既に言及しております:
b-11) の中ほどの「カーンの参入」という段落、
f-3) の「・・・「カーンの闇のネットワーク」です」という段落
f-8) の「闇に潜む核」という段落

***********************************

繰り返しますが、私は何もアメリカのサイドに立ってイランを
非難したいわけじゃ、ありません。
そうじゃなくて、このイランの実例は、今後の他国による
「秘密の核兵器開発」を防ぐための知識・洞察として役立つと
考えるのですね。

Mirror, Mirror, on the wall —(物事には表と裏が)
私のクロッキー(速写画)、Croquis Cafeをベースに

 

Posted in Uncategorized | NPT加盟国なら、自国でU濃縮する権利が保障されているって ~~??? はコメントを受け付けていません

アメリカとイラン、核交渉再開のための条件を巡り国連で衝突

Israel National Newsのウェブサイトより
英語の元記事は、ここをクリック

US and Iran clash at UN over conditions for reviving
nuclear talks

(アメリカとイラン、核交渉再開のための条件を巡り国連で衝突)

ああ、やっぱり~~という感じの記事内容です。核交渉を本気で
するのなら、
相手の核施設に軍事攻撃をするなんて ・・・


これじゃ交渉なんて、できない
私の作品”Suspicion-Mutual”

抜粋・要約しての日本語化です。
<  > 内は、私からの補足説明
*****************************************

国連という場でアメリカとイランが、核交渉をめぐり熾烈な言葉を
応酬した。アメリカ政府が <イランの> ウラニウム濃縮の
全面廃止を求めたのに対し、イラン政府はそれが「不公正な」条件
だと拒否。

2025年12月24日
Elad Benari記者

火曜日 <12月23日>、国連安全保障理事会でアメリカとイランが
衝突した。核交渉を再開するための条件に関する衝突であると、
Reutersは報じている。

アメリカ政府は直接交渉を再開する用意ができていることを再度
確約したのだが、そのためにアメリカが要求している条件を
イラン側は「不公正」だとして拒絶した。

両国は6月のイラン対イスラエルという12日間戦争以前に、5回の
交渉を実施していた。12日間戦争では、アメリカ軍はイスラエル軍に
合流してイランの核施設を攻撃した。

そうした交渉だが、ウラニウム濃縮という問題で難航した。イランが
核兵器を開発することを防ぐため、西側諸国はイランによる
ウラニウム濃縮をなしにしたいのだが、それが交渉での大きな難点に
なっている。イラン政府は、同国には領土内で濃縮を行う権利が
あると主張して譲らないのだ。

・・・(以下略)・・・
*******************************

イランが主張している「NPTの下でU濃縮を行う権利」については、
異論があります。
The Foundation for Defense of Democraciesのウェブサイトより、
下記をご覧くださいな:
ここをクリック

・・・ とはいっても英語での論考なので、次回以降、このAndrea
Strickerさんによる論考を、抜粋・要約で日本語化して
紹介しますね。

Posted in Uncategorized | アメリカとイラン、核交渉再開のための条件を巡り国連で衝突 はコメントを受け付けていません

イランの濃縮U、大半は国内に ― グロッシ

ギリシャの週刊紙Prwto Qemaのウェブサイトより
Most of Iran’s enriched uranium remains in the country, Grossi says – ProtoThema English

イランの濃縮U、大半は国内に ― グロッシ

大変気になるけれど謎のままという この問題、IAEAも
指摘しています。
さっそく、抜粋・日本語化で紹介しいますね。
<  > 内は、私からの補足説明です。

どこにいったの??
私の15分クロッキー、Croquis Cafeをベースに

**************************************************
Most of Iran’s enriched uranium remains in the country, Grossi says

イランの核施設に関する信頼できる情報の欠如を、IAEAが指摘

12月22日

<2025年6月に> かっく施設への軍事作戦が実施されたが、
それにも関わらずイランの高濃縮ウラニウムのほとんどは
今も同国内にある。ロシアのRIA Novosti <というロシア国営の
通信社> とのインタビューで、IAEAのラファエル グロッシ
事務局長が述べた。

グロッシが強調した点として、IAEAは信頼できる情報の不足
という深刻な問題に直面しており、核の拡散防止という観点からは
こうした問題は特に憂慮すべきだと語っていた。グロッシによれば、
たとえイランの核施設が深刻な損害を受けていたとしても、
イランの保有する高濃縮ウラニウムの大半は今もイラン国内に
あるという認識がはっきりとしている。この事実は、核関連の活動の
モニターと管理にとっては極めて重大なものとみるべきだ。
・・・(中略)・・・

上述のグロッシの発言は、<アメリカの> ペンタゴンが以前に
行った発表とは食い違う。ペンタゴンは、アメリカの軍事攻撃で
イランの核施設は完全に破壊され、核関連分野でのイランの
能力は大きく下落したと主張していた。

・・・(以下略)・・・

*************************************************

以前に紹介したEdwin Lyman博士も仰っていたように、
やはり軍事攻撃という一方的な手段では、施設を破壊しても
そこにあった核物質がどこにあるのか、といった肝心の問題が
解決しません。
外交や諜報がいかに不可欠か、ということですね。

Posted in Uncategorized | イランの濃縮U、大半は国内に ― グロッシ はコメントを受け付けていません

ZNPPを三分割?? ー アメリカの提案

Ukrinformのウェブサイトより
U.S. proposes to divide Zaporizhzhia NPP into three parts: Zelensky calls it unfair

正直、私がウクライナの大統領であっても、「公正じゃ
ない!」と叫びますよ!
どっから、3分割なんて発想が出てくるんでしょうか
ねえ?

一部を抜粋して日本語化・紹介しますね。
<  > 内は、私からの補足説明です。
************************************************

U.S. proposes to divide Zaporizhzhia NPP into three parts:
Zelensky calls it unfair
(アメリカ、ザポリージャ原発の3分割を提案:
ゼレンスキーは不当と拒絶)

2025年12月18日

ヴォロディミール ゼレンスキー大統領によれば、
アメリカがある妥協案を提出した。それによると、
ザポリージャ原発を3社の間で分割する。ウクライナ、
アメリカ、ロシアだ。大統領は、この提案は不当だと
強調した。

同大統領は記者会見で上記の発言をし、それを
Ukrinformの記者が報じている。

・・・(中略)・・・

平和利用にしておいても、軍事化されてしまった実例

(↓ 要約)
資金と外部電力供給以外にも、そもそもZNPPが軍事地帯に
入っている以上、人の出入りに支障がある、インフラも
劣化している、本格的に再稼働するなら関連人員も増や
さねばならないが、彼らはどこに住めばよいのだ?と
いった問題を、同大統領が指摘。
(↑ 要約)

<ゼレンスキー> 大統領の見解では、それら以外にも
多数の問題があり、IAEAとの調整が必要だ。さらに、
現状ではだれがZNPPの修復を行うのかが不明確だ。
ゼレンスキーは、こう締めくくった:「ダムも必要だ。
だが、ロシアがそれも破壊してしまった。その責任を、
だれが負うのだ?このように、答えよりも問題の方が
多い」

すでに報道されているように、ZNPPはこの12月5日
から6日にかけて外部からの電力供給をすべて一時的に
喪失した。こうした事態 <ステーション ブラックアウト
と呼びます> が起きたのは、今回の戦争では11回目の
事だった。
*****************************************

それにしても、「3分割」の狙いとは??
正直、訳が分からないですね。

Posted in Uncategorized | ZNPPを三分割?? ー アメリカの提案 はコメントを受け付けていません

チョルノービ原発のNSCを攻撃ドローンが破壊した件

チョルノービ原発のNSCを攻撃ドローンが破壊した件
IAEAのUpdate 330より

Update 330 – IAEA Director General Statement on Situation in Ukraine | IAEA

今年2月にチョルノービ(チェルノブイリ)原発のNSC
(新安全防御構造物)にドローン攻撃があったことは
報じられていましたが、それからしばらく報道がなく、
「やかんをのせたら~~」では取り上げませんでした。
少し遅くなってしまいましたが、IAEAのUpdate 330が
2025年11月下旬に発表されてました。遅くなって、
申し訳ないです。

一部を抜粋して、私の日本語化で紹介しますね。
<  > 内は、私からの補足説明です。

再掲 核からつぶしていけ~~
核がむしろ攻撃を招きかねない実例

********************************************
(アップデート330 ー IAEA事務局長の、ウクライナ情勢に
関する声明)

2025年11月27日
オーストリア、ウィーン発

IAEAでは今週、ウクライナのチョルノービ(チェルノブイリ)
原発に配備するスタッフを増員した。2025年2月に同原発の
NSC(New Safe Confinement、新安全防御構造物)に対し
ドローン攻撃があったのだが、その損傷の様子を包括的に
行うためだ。IAEAのラファエル マリアーノ グロッシ
事務局長が、本日発表した。

・・・(中略)・・・

このNSCは2016年に完成したもので、それまでにあった
シェルター オブジェクトを覆い包む保護用構造物だ。
このシェルター オブジェクトそのものも、同原発の4号機の
残骸を覆い隠すためのものである。4号機は、1986年の
大事故で壊れた。<そのNSCにこの2月、ドローン攻撃が
あったのだが>、放射性物質の放出には至らなかったものの、
NSCの構造にかなりの損害が生じた。そのためNSCの
封じ込めるという設計上の機能にも影響が発生、予想される
寿命にも問題が生じた。IAEAの担当チームは今回の
ミッションで現行のリスク軽減措置を再検討、NSCの機能を
回復するための計画を討議するとともに、核の安全性に
関連する懸念事項すべてに対応する。

・・・(以下略)・・・

********************************************

「封じ込める」って~~?

原発事故の「収束」後もなお、放射性物質は「封じ込め」が
できなくなるケースがありえる、という実例ですね。
あるいは事故がなくて地層処分できたとしても、何千年も
封じ込めなんて ・・・
1986年4月から本日(2025年12月)まで、まだ「わずか」
40年弱です。
たとえば「400年の封じ込め」を語るなんて、人間がやって
良いことなのか??
マトモにはできないことが明白な活動(つまり、核発電)
なら、諦めるのが正しい勇気ですよね。

さらにこれはウクライナだけの問題などではなくて、原発や
核施設あるところ、どこでも起こりえます。ついこの6月にも、
イスラエルとアメリカがイランの核施設を爆撃しましたが、
その後、濃縮Uはどうなって いるのでしょうか??
加えて、テロ組織による攻撃なんて危険性も否定できません。

 

Posted in Uncategorized | チョルノービ原発のNSCを攻撃ドローンが破壊した件 はコメントを受け付けていません

アゼルバイジャンのNews.AZのウェブサイトより

アゼルバイジャンのNews.AZのウェブサイトより
Why Iran’s nuclear program remains a global security issue | News.az
イランの核開発の概要を短く要約してくれている記事を、
アゼルバイジャンのNews.AZが公表してくれています。
うまくまとめて くれているので、その一部を日本語化して
紹介しますね。

なお、現時点でアゼルバイジャンには核兵器も原子炉もない
ようです。ただし、原子炉の取得に関心を示してはいる
そうです。

一部抜粋・日本語化して紹介
<  > 内は、私からの補足説明
*****************************************

ゆっくりと、しかし確実に


Why Iran’s nuclear program remains a global
security issue
(イランの核開発プログラムが今も、世界の安全保障に
かかわる問題である理由)

2025年12月11日

もう20年以上、イランの核プログラムが世界の外交や
主要国間の地政学的な緊張、戦略的な競り合いにおける
中心的問題となっている。News.AZの報告

・・・(中略)・・・

歴史的な期限: イランの核を求める欲求は、どう発達して
きたのか

イランの核プログラムが始まったのは1950年代のことで、
アメリカの唱えたAtoms for Peaceという動きが背景にあった。
<当時のイラン君主であった> シャーが、同国の近代化に
努めていた。アメリカはイランに対し1967年、イランとしては
最初の研究用原子炉を供与した。さらにイランは翌年、
核不拡散条約(NPT)に署名、核兵器の開発を行わないことを
約束した。

1979 年のイスラム革命の後では同国の核プログラムはペースを
落としたのだが、80年代から90年代にかけて徐々に再開された。
それを支えたのは、ロシアやパキスタン、中国との科学技術
提携であった。イランが断固として主張していたところでは、
同国の目指す核エネルギー開発はあくまで発電や医療使用と
いった平和目的のためであった。

・・・(中略)・・・

疑惑が深まる:  2002年の発覚

<イランの核開発が> 国際的な問題となったのは2002年の
ことで、イランの反政府勢力が、それまで秘密にされていた
ナタンズとアラクの核施設を世界に公表したのだ。
この両施設から、イランが <ウラニウムの> 濃縮と
<プルトニウム製造用の原子炉によく用いる> 重水の製造とを
行っていたことが暴露された。しかも、<両施設での活動
内容は> イランがIAEAに申告していた内容を超えるもので
あった。   ・・・(中略)・・・

どっちに行くんだ??

・・・(中略)・・・

考えられる、今後のシナリオ

シナリオ 1: 交渉の上で、核合意を再建
外交努力により、イランの核プログラムに制限を設ける
見返りにイランへの経済制裁を解除する。これは確かに
困難であるが、不可能というわけではない。

シナリオ 2: 「あと一歩で核保有国」という状態にイランが
留まる

イランはウラニウム濃縮を続けるが、核兵器保有はしない。
つまり、曖昧な状態のままでいる。

シナリオ 3: 核兵器保有
イラン、核兵器保有に踏み切る。これを皮切りに、軍事紛争や
中東での軍拡競争が始まってしまうう危険性がある。

シナリオ 4: 中東地域での核兵器拡散
イランが核兵器保有の能力を手にすれば、他の諸国も追随する
恐れがある。

シナリオ 5: 末永く現状のまま
経済性も秘密裏の核開発活動も、その時折の
エスカレーションも、解消されないまま継続

・・・(以下略)・・・

****************************************

平和って言ったよねえ~~

気付いていただきたいのですが、そもそもAtoms for Peaceで
始まった原子炉導入が、それ以降の「核兵器らしき開発」
への皮切りになってしまった実例ですね。

Atoms for Peaceのハズだった「核発電ないしは研究用の原子炉」が、実は核兵器につながってしまった実例としては、ほかにも
北朝鮮の実例がありますよね。
2009年4月にIAEA査察官たちに出国を命じた北朝鮮は、2003年
にはNPTからの脱退を通告していたのでした。
上の黒いメニューにあるページ c-5) も参照。

それと、「核兵器開発の隠れ蓑としての核発電」については、
たびたび言及してきましたが、アメリカのAl Gore元副大統領の
発言をお忘れなく。
付録 w-4) にございます。

”For eight years in the White House, every weapons-proliferation problem we dealt with was connected to a civilian reactor program.”

ついでに、
特定国家に関する偏見を持たないよう注意が必要なのですが、
核問題で「パキスタン」が登場すると、どうしても
「カーン博士の闇のネットワーク」を想起しちゃいますよね。
上の黒いメニューにあるページ
b-11) の中ほどの「カーンの参入」という段落
f-3) の「・・・「カーンの闇のネットワーク」です」という段落
f-8) の「闇に潜む核」という段落
を参照。

Posted in Uncategorized | アゼルバイジャンのNews.AZのウェブサイトより はコメントを受け付けていません

ZNPPで緊急用ディーゼルが火災 ― IAEA事務局長声明のUpdate 332

外部からの電力供給が止まると、原発の冷却ができなく
なって ・・・
などというとすぐに、
「緊急用のディーゼルがあるだろ」という反応が返って
きますよね。

しかし。
原発の緊急用ディーゼルとは、あまり長期間にわたり
連続使用できる代物じゃ、ないのです。
その実例が、この12月にザポリージャで発生しました。
IAEAのUpdate 332に紹介されていますので、抜粋・
要約・日本語化して紹介しますね。
いつもどおり、<  > 内は私からの補足説明です。
****************************************

あとちょっとで・・・

Update 332 — IAEA Director General Statement on
Situation in Ukraine
(Update 332 — ウクライナ情勢に関する、IAEA
事務局長の声明)
Update 332 – IAEA Director General Statement on Situation in Ukraine | IAEA

2025年12月11日
オーストリア ウィーン発

・・・・・(前略)・・・・・

12月6日の早朝3:21am、ザポリージャ原発 (ZNPP) は
またもや外部からの電力供給すべてを失った。今回の戦争
では、これで11度目だ。このステーション ブラックアウトは
約30分続いた。残っていた送電線が2つあったのだが、
その一方の接続が失われてから20分後には最後に残っていた
1本の接続も喪失した。

・・・(中略)・・・

<このブラックアウトが始まってから> わずか29分後には
330 キロボルト (kV) のFerosplavna-1 送電線とZNPP との
接続を回復したのだが、メインの送電線である750 kV の
Dniprovska 送電線との接続を回復したのは、9時間後の事で
あった。今年秋はじめ、ZNPPでは外部からの電力供給が
途絶えた状態が約1か月間続いた。今回の戦争でのステーション
ブラックアウトとしては、最長だ。

・・・(中略)・・・

12月5日にはZNPPにて、IAEAのチームが非常用ディーゼル
発電機のテストを実施した。このテストでの出力最大の段階で、
ディーゼルのあった建物の排気煙突から煙雲と炎が巻きあがり、
数メートルもの高さに達するのを目撃した。炎は、1~2分後
には消えた。IAEAチームの得た情報によれば、排気システムに
煤がたまっていたため、それに着火したことが火災の原因との
ことである。10月から11月にかけての外部電力喪失の間に
ディーゼルを長期間稼働させたため、大量の煤が蓄積して
いた  ・・・(中略)・・・

・・・(以下略)・・・
**************************************

再掲 非常用ディーゼル発電装置の例
あくまで、概略図ですよ

要するに、
非常用ディーゼル発電機はあくまで「非常用」であって、
長期間の使用には不向きだ
それを例証する現実が、ザポリージャで起きた
ってことですね。

すると:
テロリスト組織が原発への送電線を破壊した場合、
早急な修復がmustだってことになりますよね。

しかし:
このザポリージャ原発の実例では、今回の戦争中に、
既に11回もステーション ブラックアウトがあったそうです。
テロ組織が「しつこい」場合、破壊 ⇒ 修復 ⇒ また破壊 ⇒
また修復
という悪循環を繰り返すことになりかねません。

「いや、たとえば柏崎刈羽原発なら、おそらく5系統の
送電網を使っているはずで、しかもその地理的位置は
非公開となっているハズ」
確かに。
でも、ザポリージャは8系統あったそうですよ。その
すべてが破壊されたわけですよね。
地理的な位置にしても、テロ組織がTEPCOにスパイを
送り込んでいたら??

さらに最も怖い危険性として、
テロ組織が、ディーゼルの制御コンピューター システムに
トロイの木馬など忍び込ませていたら ・・・ 送電線への
攻撃とともにトロイの木馬が作動 ⇒ 炉心冷却が、全面的に
不能 ⇒ メルトダウンへ
てなことになりかねません。(上の黒いメニューで、
g-6) g-10) も参照)

ああ、ひどいリスク~
私の5分クロッキー

 

Posted in Uncategorized | ZNPPで緊急用ディーゼルが火災 ― IAEA事務局長声明のUpdate 332 はコメントを受け付けていません

聖公会さんの「原発問題プロジェクト」用ドラフトを作成中

日本聖公会というキリスト教団体では10年以上前から
「原発問題プロジェクト」なる活動を展開しておられます。
そのウェブサイトは、
原発問題プロジェクト | 日本聖公会 正義と平和委員会 |
にございます。

そのウェブサイトに今後、新型原子炉各種を取り上げて
特徴や問題点を論じる新たな連載記事を掲載することに
なりまして、私がその記事作成を担当しております。
結構多忙です。

そんなわけで、「やかんをのせたら~~」はしばらく、
「呑気な」進み方になります。つまり、新しい記事の
アップロードがless frequentになります。
ご了承くださいな。

「原発問題プロジェクト」さんのウェブサイトに
私の記事が掲載されたら、ここでもお知らせしますね。

下の漫画:
データセンターの電源にSMRが持て囃されてるけど、
データセンターは東京の新宿なんかにもあって ・・・
新宿にSMR設置した場合、核燃料交換も新宿で
やるつもり???

新宿で核燃料交換!?
* まだ鉛筆段階の漫画です

 

Posted in Uncategorized | 聖公会さんの「原発問題プロジェクト」用ドラフトを作成中 はコメントを受け付けていません

PalisadesのSMRに巨額の血税

PalisadesのSMRに巨額の血税

Beyond Nuclearのウェブサイトより
Press Statement re: $400 Million DOE Bailout for “SMRs” at Palisades – Beyond Nuclear

いったん死んだ(廃炉が決まった)原発を再稼働させるために、
公的な巨額補助金が出る ・・・ 実にばかげた話ですが、
アメリカの五大湖の畔で実際に起きている問題です。
日本でも似たような愚行が起こりそうな~~
ま、とにかくBeyond Nuclearの記事を見てみましょう。

では、Beyond Nuclear Bulletinに関しては私が日本語化する
承諾を得ておりますので、全体を日本語化しますね。
<  > 内は、私からの補足説明です。

大喰らい・・・

**************************************
Press statement   re: $400 million DOE Bailout for “SMRs” at Palisades
(プレス リリース  パリサデス原発敷地でのSMRのため、
DOEが4億ドルの補助金)

BEYOND NUCLEARからのニュース

緊急リリース

お問い合わせ担当者: Kevin Kamps(Beyond Nuclearの
放射性廃棄物スペシャリスト)

Beyond NuclearKevin Kampsによるプレス リリース
話題: アメリカのエネルギー省、Holtec Internationa社、
ミシガン州のGretchen Whitmer知事からの発表によると、
ミシガン州南西部のVan Buren郡はCovert タウンシップに
あるパリサデス原発敷地での小型モジュール式原子炉
(Small Modular Reactor、SMR)の配備に対し、
連邦政府からの補助金4億ドルが支給される、とのこと
ミシガン州Covert タウンシップならびにワシントンDC発、
2025年12月3日

Holtec社の言うところの「Small Modular Reactor」つまり
SMR-300の設計は認証も試験もされておらず、実は小型でも
ない。この「小型」原子炉は1基当たりの電力出力が300 メガ
ワット(MW-e)であるが、パリサデスの場合には 800 MW-e
の既存原子炉を再稼働する計画なので、”SMR”の出力にさらに
600 MW-e が加わるため、総計では倍近くになる。この再稼働
計画の原子炉は既に60年を経たもので、これほど老朽化した
原子炉の再稼働は前例がない。この「ゾンビー原子炉」は
1960年代半ばの設計で、建設工事の開始は1967年の事であった。
しかもこの設計は「建設や稼働を進めながら問題点などを
学んでいこう」という危険極まりないもので、建設にも欠陥が
あった。つまり、核関連の「地雷」を抱えた原発であり、
今も我々を危険にさらしているのだ。

ここではHoltec社の件を扱ってますが、似たような問題はどこででも~~
Similar issues can arise with other NPPs as well, even if Holtec is not involved

実例として、ミシガン州にあった <パリサデスの”SMR”よりも>
小型の67 MW-eの原子炉が、実際にどれだけの被害をもたらした
のかを考えてみよう。 Fermi Unit 1 という悪名高い原子炉で、
同州のMonroe郡のエリー湖 <五大湖の1つ、少しだけミシガン州
と接していて、そこにデトロイトがあります> の岸にあった。
このプルトニウム増殖炉“が1966年の10月5日に、炉心の部分的
メルトダウンを起こした。そのため、we almost lost Detroit
(もう少しでデトロイトが無人になっていた)という惨禍を
招いた。John G. Fullerが1975年にWe almost lost Detroit という
著作を著し、記念碑的な出版物となった。さらに1977年にはGil Scott-Heron がこの事故に関する歌を書き、その2年後には
スリーマイル アイランド原発2号機のメルトダウンが発生、
それに応じて結成されたMusicians United for Safe Energy
(MUSE、安全なエネルギーを求めるミュージシャンの連合) に
Gilも参加した。今までのところ、このTMI 2号機のメルト
ダウンはアメリカ市場では最悪の原発事故である。

パリサデス原発には「兄弟原発」があったのだが、Big Rock
Point原発という。ローワー半島(ミシガン湖とヒューロン湖に
突き出た半島で、ミシガン州のかなりの部分を構成します)の
北西部ミシガン湖畔にあるCharlevoixという町に存在していた。
このBig Rock Point原発は67 MW-eの実験用原子炉だったが、
なんとイオン化作用のある有害な放射性物質を300万キューリー
以上も環境へと放出したのだ。それも、1962年から1997年
までの「通常運転」の間の事であった。1970年代に現地で家庭
向け医師を営んでいたGerald Drake医師そしてミシガン大学で
訓練を受けた統計学者のMartha Drakeは、<この原発の> 風下に
ある直近の地域でのspina bifida <二分脊椎、脊髄が脊椎から
飛び出る病気> の発生率が統計的に優位に多かったことを文書に
記した。さらに、これは逸話的な根拠によるものに過ぎないが、
甲状腺疾患が広く多発していたともされている。パリサデスでも
同様で、パリサデス公園カントリー クラブという120年の歴史が
あるリゾート コミュニティに一時暮らしたことのある人々の間
では、甲状腺がんの疑いありとの診断を受けた患者が50人見つ
かっている。これは極めて稀な疾患で、チョルノービや福島第一
の事故で世に知られることとなった。そのため、甲状腺がんは
本来、パリサデスでは1件も見つかってはならないはずなのだ。

この67 MW-e原子炉が過去にミシガンに及ぼした被害の大きさを
考えるなら、300MW-eのSMR 2基ならばどれだけの惨状を招き
得るか、想像に難くない。これからパリサデスには、SMRとは
言っても67 MW-eの約4.5倍の出力がある原子炉が2基出来ると
いうのだ。

築60年になるゾンビ―原子炉を廃炉にする事に伴うリスクと、
SMR-300 2基を新たに建築する事によるリスクを考えるなら、
パリサデスの惨劇が始まる準備はできてしまっている。

ゾンビ―をまた動かすには、1兆円以上の費用がかかりまして~~
To bring this zombie back to life, we need more than JPY 1 trillion —

パリサデス原発の廃炉作業に伴うリスクを列挙するなら、
長いリストができてしまう。原子炉の圧力容器は中性子線に
よる劣化がアメリカでも、いやことによると全世界でも最悪に
進んでおり、蒸気発生装置のチューブ類はひどく劣化、原子炉の
蓋は20年も前に交換する必要があった。格納容器を絶縁する
ケイ酸カルシウムは、Elmer’s Glueという <商品名の> 粘性の
高い接着剤と混じってスラッジ <泥> に溶け出し、これが
緊急時の炉心冷却用水の流れをブロックしている。さらに
1972年から2022年まで制御棒の密封材からの漏れが発生して
いた。これは、この業界での稼働条件としては最悪のものだ。
問題のリストは、まだまだ続く。このパリサデス ゾンビ―
原子炉が炉心メルトダウンに至る経路としては多様なものが考
えられ、そうなれば環境にはイオン化を引き起こす放射性物質が
破局的なほど大量にまき散らされる。その環境の一部として
ミシガン湖の岸も含まれ、この湖は湖岸に暮らす1,600万人もの
住民の飲料水源である。さらに下流と風下には4,000万人
以上もの人たちが住んでいる。そして食物連鎖の上部
<にも放射性物質が取り込まれる。> 五大湖地域には何世代
にもわたり放射性物質の汚染が残るのだ。

ウクライナのチョルノービ原発の1986年の事故、そして1979年
にはペンシルヴァニアのスリーマイル アイランド原発2号機の
事故。これらは新設の原子炉が破局的な事故を起こした実例だ。Holtec社のSMR-300には設計と建設の両面で欠陥があり、
しかもHoltecの操作員には <原発の稼働の> 経験が欠けている。
そのため、パリサデス原発の建設・導入には大きなリスクが伴う。
それが、五大湖の沿岸で発生してしまう。五大湖は地球の地表に
存在している淡水の21%、北米の淡水の84%、そしてアメリカ
合衆国の淡水の95%を占めているのだ。

パリサデスの敷地は小型で432エーカー <約175万平方メートル、
正方形であれば1辺がおよそ1.33km程度> であり、<そこに
ゾンビ―原子炉に加えてSMR 2基という> 複数の原子炉を
配置するので、どれか1つがメルトダウンを起こせば、ドミノ
倒し式に複数の原子炉がメルトダウンする危険もある。
そうしたドミノ メルトダウンの実例として、2011年3月の日本の
福島第一原発での大事故がある。

1982 年、アメリカの原子力規制委員会 (NRC) はある調査を
実施したのだが、NRCはある報告を隠蔽しようとしていた。
だが、発覚してしまった。その報告によれば、パリサデス
原発でメルトダウンが発生すれば、急性の放射線被害による
死者が約1,000人、放射線障害の患者が7,000人、潜伏性の
がんによる死者が10,000人にのぼり、資産への損害は520億
ドルに達する、という。インフレ率だけを調整すると、この
資産損害の金額は1,680億ドル <1ドル=150円として、25兆
2,000億円> を上回る。さらに人口が増加している分、
死者数もさらに悪化するはずだ。放射性物質による害を受ける
地域に暮らす人口が増えているのだから。

この仕事の事、なんも知りまへんでえ~~

新旧の原発によるリスクの相乗効果をさらに悪化させるのが、Holtecには原発の稼働などの実績がないという事実だ。
今でも同社はSMR-300の設計承認をNRCから受けていない。
しかも1つとして原子炉を建設した実績も、稼働した実績もない。
修理や再稼働の経験もないのだ。ましてや、築60年になる
パリサデス原発のようなゾンビーをまともに操れるはずもない。Holtec社の無能と汚職とは、この数週間で全面的に露呈して
いる。その例として、ミシガン湖に猛毒のヒドラジン
<N2H4> を大量に排出してしまい、また作業員が原子炉の
穴の放射線の中に落下するという未曽有の事故も発生した。
また放射線保護地帯内部での飲用・使用も含むアルコール
飲料の飲用や薬物の悪用があったとの証拠もある。それも、
監督者による飲用・使用なのだ。これだけの問題があるにも
関わらず、NSCは就労時間制限の緩和を承認する承認ゴム印を
申請書に押したのだ。つまり、そうでなくても過剰労働気味の
従業員たちがさらに疲弊してしまおう。Holtecはゾンビー
原子炉を再稼働しようと躍起になっており、それは同社が新規
株式公開(IPO)を実施するとすでに公表しており、それに
よりSMR-300導入のために全米並びに全世界での民間投資から
100億ドルを集める予定なのだ。パリサデスは危険で眉唾物の
先例となり、それ以降も追随例が登場しかねない。

<補助金などの> 資金の話をすれば、Holtec は現在までに
パリサデス原発のためだけで35億2,000万ドルを公的な補助金で
給付されている。そのうえで、さらに120億ドルを要望している
のだ。こうした補助金は、汗水流して働くアメリカ市民たちの
懐を直撃してしまう。つまり、収税と連邦税の納税者であり、
また電気料金を払う電力使用者たちだ。パリサデス原発には、
富の再分配の在り方が表れている。アメリカの市民たちから、Holtec社やへという再配分であり、それをWhitmer知事や
ミシガン州議会、連邦議会、<当時の> バイデン大統領、
そして現在のトランプ大統領も承認してしまっているのだ。
アブラハム リンカーンは当地の理想を、「人民の、人民による、
人民のための」と表現した。パリサデスでは、実績もなく無能で
不注意、堕落しており貪欲な企業のために統治が行われている。
しかもそんな企業が、放射性物質のロシアン ルーレットを
やらかしているのだ。大規模な核実験であり、五大湖周辺の
住民たちがそのモルモットにされているのである。

*************************************

小さいけど、手がかかる ~~

300 MW以下の「小型」原子炉がメルトダウンを起こした
実例は、上の肥大化して使いにくい(スイマセン!)黒い
メニューで、付録 w-20)  をクリック!
「小さいから、大事故を起こさない」とは、限らないの
ですね。

日本でも老朽化した原発の再稼働を求める政治の動きが
進んでおりますが、その動機としては、「既にある原発で
発電すれば、電気料金を下げられそうだ」という期待が
あるようです。
しかし。報道を見る限り、「とらぬ狸」的な期待だった
ようですね。
たとえば、柏崎刈羽の再稼働による電気料金への効果については、ここをクリック

Posted in Uncategorized | PalisadesのSMRに巨額の血税 はコメントを受け付けていません

ZNPPの750kV外部電力線喪失、軍事攻撃ではなくサボタージュによるものーグリーンピース

ZNPPの750kV外部電力線喪失、軍事攻撃ではなくサボタージュによるものだったと、グリーンピースが主張

グリーンピースのウェブサイトより
The 750 kV power line at Zaporizhzhya Nuclear Power Plant shows no signs of major damage: new satellite investigation by Greenpeace – Грінпіс Україна

2025年10月1日付の記事でして、少し紹介が遅くなってしまい
ましたが、重要な問題なので抜粋・要約・日本語化で紹介して
おきます。

ウクライナのザポリージャ原発に外部電力を供給していた
750kVの送電線が、10月1日の時点で使えなくなっていた
問題について、グリーンピース ウクライナさんからの報告です。

長いので、私が抜粋・要約、日本語化して紹介しますね。
<  > 内は、私からの補足説明です。

だれや、電線ちょん切ったのは!?

*************************************
The 750 kV power line at Zaporizhzhya  Nuclear Power Plant
shows no signs of major damage: new satellite investigation
by Greenpeace
(ザポリージャ原発の750kV電力線に大きな損傷の兆候なし:
グリーンピースによる衛星画像の新たな精査の結果)

Greenpeace Ukraine
2025年10月1日

ザポリージャ原発の該当地域周辺にある鉄塔や送電線ネット
ワークには、いかなる軍事攻撃の痕跡も見当たらない。
グリーンピースが新たに調査を実施したのだが、ZNPPへの
外部電力送電が途絶えたのは、ロシアによる意図的な
サボタージュ<破壊活動> によるものであると断定できる
新たな証拠が得られた。そのサボタージュの狙いとは、
同原発をウクライナの送電グリッドから切り離し、ロシア占拠
地域のグリッドと接続しなおすことであった。
<こうした「原発ドロボー リスク」については、関連した
記載をすでに2022年9月、ページ d-6) の ”5) 「原発ドロボーが
事故起こしやがった」 リスク” という段落で言及済みです。
上の黒いメニューが肥大化しすぎていて使いにくいのですが、
探してクリックしてみてくださいな>

2025年10月1日、キーフ発: McKenzie Intelligence Services社
(MIS) で軍事遠隔検知を担当していた専門家たちに、今年
9月26日に撮影した高解像度の衛星画像をグリーンピースが支給、
分析を依頼した。そのMISの専門家たちの報告書によれば、
件の750 kV送電鉄塔の地点には、砲撃や軍事攻撃は全く行われて
いない。ZNPPへの
外部電源供給が途切れたのはウクライナの
軍事攻撃によるものだとロシアは虚偽主張していたが、それが
偽りであることが明らかになった
。McKenzieの結論として、
この送電線に何らかの損傷があったとしても、それは最小限の
もので容易に修復できるはずだ。

Eyes in the sky —

「衛星画像からは、ロシアが意図的にこの外部電力送電線を
サボタージュしたことが判る。これは、ウクライナ領土のうち、
現時点でロシアが一時的に占領している地域のグリッドに
ZNPPを接続しようという狙いだった。ロシアは <ウクライナ
からの攻撃で送電システムに損傷が生じたという> 偽りを発信、
偽プロパガンダを展開したが、事実とは異なることが露呈した。
現時点でZNPPへの外部電力供給が滞っているのは、全体としては
ロシアが意図的にやらかしたことだ。2~3か月前にロシア側の
占領軍がIAEAに知らせたところによれば、外部電力供給が
失われた場合、ZNPPをロシアが占領している地域のグリッドに
接続する計画を、占領軍は有しているとのことであった。
ロシア軍は必須送電網をサボタージュし、そうした状態を人為的に
作り出したのだ
。こうしたロシアによる核の安全や安全保障に
対する無視について、IAEAのグロッシ人ぬ局長は警告を発する
べきだし、ZNPPは直ちにウクライナ配下のグリッドに再度
接続しなおすべきだ。警告を発さずロシアの暴挙をとめられ
ない場合には、この原発での核の脅威が悪化していくだけだ」
と、 グリーンピース ウクライナの核問題スペシャリスト
Shaun Burnie は述べている。

・・・(中略)・・・

2025年6月の時点で、750kV Dniprovska送電網が機能しなく
なった場合には、それをチャンスにロシアが占領中の地域の
グリッドにZNPPを繋ぎ変えるつもりでいたことは、ロシア政府
そのものも明らかにしていた。それから3か月後、ZNPPと750kV Dniprovska送電線との接続は切られた。グリーンピースが最近
実施した分析で文書化したことだが、ZNPPの冷却水池でロシアは
新たな送電線の建設などを進めており、ZNPPの原子炉のうち1基を
低出力で再稼働できるための充分な冷却水を供給できるような
工事である。

・・・(以下略)・・・

こんな状態になっては、安全も何も ・・・

***********************************
やれやれ、戦争には偽情報やプロパガンダが憑き物ですが、
よくもまあ、こんなすぐにバレた嘘を抜け抜けと ・・・
核発電関連でも偽情報は結構見かけます。まあ、東通原発での
不正報告がつい先日も報道されてましたよね。
まだお読みでない方は、ここをクリック

その程度に留まらず、新型の原子炉トンの関連では次のような
デマを私は見聞きしてきました:
・ 小型原子炉(SMR)ならメルトダウンは起こさない ⇔ 上の
黒いメニューでページ  s-0) ~ s-10) を参照
・ トリウム原子炉なら、ウラニウムを使わないんだよ~~ ⇔
ページ Th-0) ~ Th-2) を参照
・ 原発はCO2を出さないんだよ~~ ⇔ ページ 付録
w-1) w-3) w-8) w-18) を参照

騙されないためには、学び続けることも大切です。
そしてそもそも、Pu-239製造装置に「やかんをのせ」て
発電したら「平和利用」ですよ~っていうのが、大嘘ですよね。

表と裏
私の30分クロッキー、Croquis Cafeをベースに

 

Posted in Uncategorized | ZNPPの750kV外部電力線喪失、軍事攻撃ではなくサボタージュによるものーグリーンピース はコメントを受け付けていません